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2013.11.13 東電の分社化と発送電分離を同時に行うのが、Bestの解決策である。
(1)エネルギー改革して消費者の選択を可能にするには、完全な「発送電分離」が不可欠
 *1に書かれているように、選挙時の公約の通り、電力システム改革を進める改正電気事業法が13日午前の参院本会議で可決・成立したので、第一ステップは完了したことになる。しかし、政府は電事法を3回にわたって改正する予定で、改革によって電気事業者の経営が著しく悪化することが予想される場合は競争条件を緩めるなど必要な措置をとることも定めたため、*2に書かれているとおり、元に戻そうとする意図が法律内にすでに含まれており、国民は、またまた監視の目を緩めるわけにはいかない。晴れのち曇り

 そして、*1に書かれているように、電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)が13日、改正電気事業法が成立したことを受け、「発送電分離については、安定供給を損なわないよう、分離を補完する仕組みやルールを慎重に整備していく必要があると指摘した」というので、大手電力会社の昔がえりへの抵抗は、今後とも大きいと予想される。また、*2に書かれているように、競争がなく独占できる方が経営は楽に決まっているので大手電力会社の抵抗は予想されていたことではあるが、それならば経営者はいらないだろう。

(2)東電とその他の電力会社をどう会社分割すべきか
 *3に、「東電の持株会社化が、早ければ2016年度にも実施される見通しになり、持株会社の下に『火力発電・燃料調達』『小売り・顧客サービス』『送配電』の少なくとも3部門の事業会社を置く方向」と記載されている。また、*4では、大島本部長が「廃炉・汚染水対策を担うセクションの責任を明確にした方が良い。社内分社化が良いのではと思っている」と述べている。

 しかし、私(組織再編の専門家です)は、持株会社の下につける子会社は、①地熱発電会社 ②火力発電会社(当然、燃料調達も含む) ③太陽光電力調達会社 ④その他の電力調達会社 ⑤送配電会社 ⑥原発事故処理会社 などの事業毎にわけた方がよいと考える。何故なら、東電の場合、⑤の送配電会社の株式を公開すれば、「送配電設備の固定資産+送配電技術者」の有機的結合価値である数兆円の資金が入り、それを原発事故処理の資金にして国民負担を減らすことができるからだ。また、①②③④も、株式の一部売却、ジョイントベンチャー化、公開などを行えば資金調達できるとともに、分社化してそれぞれの収支を正確に把握すれば、そこに必要な補助金をつけたり、環境意識の高い消費者の選択を可能にしたりすることもできるのだ。

 なお、東電以外の電力会社は、事故を起こしていないため負荷がなく、もっとやりやすい筈である。

(3)福島第一原発の廃炉・汚染水対策にあたる会社の位置づけ
 *3に、「政府は電力システム改革の目玉として、発送電分離を早ければ18年に実施し、大手電力10社の組織を再編させる方針」、「電力会社が改革を先取りして社内の体制を整えるのは望ましい方向」などとしているが、「今の電気事業法では持株会社化は認められていない」など、電気事業法の時代遅れぶりが目立つ。ぷん

 なお、*4に書かれている東電の福島第一原発の廃炉・汚染水対策にあたる新会社は、どの子会社で発生した利益も、原発事故の損害賠償費用に充てられるよう、持株会社の下に直接つけるべきである。

*1:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1204M_T11C13A1MM0000/?dg=1
(日経新聞 2013/11/13)  改正電気事業法が成立 「発送電分離」競争促進へ
 電力システム改革を3段階で進める改正電気事業法が13日午前の参院本会議で自民、公明、民主3党などの賛成多数で可決、成立した。2015年に全国規模で電力需給を調整する「広域系統運用機関」を設立。16年に電力小売りの参入を全面自由化し「地域独占」をなくす。18~20年に電力会社の発電と送電部門を別会社にする「発送電分離」を実現する。1951年にいまの電力制度ができて以来の抜本改革となる。大手電力会社による地域独占体制に風穴を開け、電力事業への新規参入や電力会社同士の競争を促す。サービスの選択肢を広げ、電気料金をできるだけ安くする狙いがある。
 2015年に新設する広域系統運用機関は電気が余る地域から足りない地域へと全国規模でのやり取りを促す。災害などで地域的な電力不足が生じた際に、他の地域に融通を指示する強い権限を持つ。企業が自家発電した電気を自社工場などで使いやすくするため、大手電力会社が送配電網を貸し出すよう義務付ける。現行では送電網の貸し出しの是非が電力会社の判断に委ねられている。
 政府は電事法を3回にわたって改正する予定で、今回はその第1弾。付則に工程を明記した小売り自由化と発送電分離は14年と15年の通常国会にそれぞれ改めて改正案を提出する。改革によって電気事業者の経営が著しく悪化することが予想される場合は競争条件を緩めるなど必要な措置をとることも定めた。電力システム改革は安倍政権の成長戦略の柱。先の通常国会に提出した法案は与野党対立のあおりを受けて廃案となったため、政府が改めて今国会に提出した。
 電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は13日、改正電気事業法が成立したことを受け「改革を進めるにあたって解決すべき課題は少なくない」とのコメントを出した。発送電分離については「安定供給を損なわないよう、分離を補完する仕組みやルールを慎重に整備していく必要がある」と指摘した。

*2:http://digital.asahi.com/articles/TKY201311120622.html?iref=comkiji_redirect 
(朝日新聞 2013年11月13日) 改正電事法が成立へ 自然エネ・電力会社選択に向け 
 電力業界の改革を進める電気事業法(電事法)改正案が13日の参議院で成立する見通しになった。法案通りに進めば、2020年ごろまでに各家庭では自由に電力会社や多様な料金メニューを選べるようになる。しかし、大手電力会社を中心に異論が根強く、今後骨抜きにされるおそれもある。電事法改正案は12日の参議院経済産業委員会で可決された。13日の参院本会議で成立する見通しだ。
 今後の電力業界の改革スケジュールは、3段階に分けて改革が進む予定だ。第1段階では、15年をめどに「広域系統運用機関」という組織を発足させる。11年の東日本大震災のときのように、電力が足りなくなったとき、電力が余った地域から足りない地域に電力を融通することを、電力各社に命じる権限を持たせる。計画停電を避けられるようにするねらいだ。第2段階は、16年をめどに、家庭や中小商店でも、電力を自由に選べるようになる小売りの全面自由化に踏み切る。そのための電事法改正案を来年の通常国会に提出する予定だ。小売りの自由化は2000年から大工場などの大口顧客などで順次進められてきたが、家庭では地域の電力会社からしか電気を買えなかった。それが完全自由化後は、消費者が、料金メニューを比べながら、自然エネルギー発電会社や、ほかの電力会社など好きな電力会社を選べるようになる。第3段階は、18~20年をめどに実施をめざす「発送電分離」だ。電力会社から送配電部門を切り離し、新たに参入する業者も送配電網を使いやすくする。
■大手電力は依然抵抗
 ただ、これまで「地域独占体制」を続けてきた大手電力会社の抵抗は依然根強い。改革の実現には制度の詳細を詰め、今後2度の法改正を経なければならず、改革が骨抜きになるおそれも十分残っている。「第2段階(全面自由化)や第3段階(発送電分離)は別途、審議したい」。12日の参院経産委では早速、東京電力労働組合出身の小林正夫議員(民主)がこう述べ、今後の改革論議で巻き返す姿勢を見せた。電力業界からも「収支が厳しい中で(電力会社の)組織をいじると資金調達に大きな影響が出る。発送電分離は改めて考えることが必要だ」(北陸電力の久和進社長)との声があがる。当初は「15年提出」とされていた発送電分離の関連法案の提出時期が、自民党内の部会で「15年の提出を目指す」と、努力目標に格下げされた。このため、肝心の法案提出が先送りされるおそれが残っている。

*3:http://digital.asahi.com/articles/TKY201311080052.html?ref=com_top6
(朝日新聞 2013年11月8日) 東電、16年度にも持ち株会社化 発送電分離へ
 東京電力が検討している持ち株会社化が、早ければ2016年度にも実施される見通しになった。東電が年内にまとめる新たな総合特別事業計画(再建計画)に盛り込む方向で調整している。持ち株会社をつくり、その下に「火力発電・燃料調達」「小売り・顧客サービス」「送配電」の少なくとも3部門の事業会社を置く方向だ。東電はすでに今春、この3部門を社内分社化して会計などを分け、持ち株会社化に備えている。持ち株会社の下で3部門を事業会社として独立させれば、電力会社から送配電部門を切り離す「発送電分離」につながる。政府は電力システム改革の目玉として、発送電分離を早ければ18年に実施し、大手電力10社の組織を再編させる方針だ。東電が16年度に持ち株会社化すれば、発送電分離を自発的に2年前倒しすることになる。東電の経営体制の見直しを検討している政府・与党に対して、自ら経営改革を進める姿勢を示すねらいがあるとみられる。東電の方針について、茂木敏充経済産業相は8日の閣議後記者会見で「電力会社が改革を先取りして社内の体制を整えるのは望ましい方向だ」と評価した。ただ、東電に融資する金融機関には、経営体制の見直しに慎重論も根強く、調整が必要になりそうだ。また、いまの電気事業法では持ち株会社化は認められていない。東電は、電事法が来年以降に改正されれば、すぐに持ち株会社をつくる方針だ。福島第一原発の廃炉・汚染水対策にあたる新組織を「社内分社」としてもうける方針も決めているが、これを持ち株会社化の中でどう位置づけるかが今後の課題になる。

*4:http://mainichi.jp/select/news/20131112k0000m040115000c.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter (毎日新聞 2013年11月12日) 福島原発事故:大島本部長「国が前面でないと復興進まず」
 自民党の大島理森東日本大震災復興加速化本部長のインタビュー要旨は次の通り。
−−なぜ与党で提言をまとめたのですか。
◆福島の現状は復興の前段階の「復旧」のさらに前半だ。参院選後、国の総力を挙げて取り組まなければならないと考え、原発事故災害に絞った提言をまとめた。より総合的な対策を示し、国が前面に立つ姿勢を持たないと復興は進まない。我が党が原子力政策を進めてきた政治的責任を果たす意味もあ。
−−賠償や除染を事故原因者である東電が負担するという原則が変わりますが。
◆今ある除染計画分は当然、東電に求償する。地域再生の段階に入り新たな除染が必要になった時は、「生活再建のための公共事業」として国民の理解を得られると思う。被災者の帰還が始まり「学校周辺の除染をもっとできないか」などの声に柔軟に対応する必要がある。中間貯蔵は「30年間にわたって維持管理する」との前政権からの約束がある。国が責任を持つべきだ。
−−帰還困難区域で移住支援を打ち出し、全員帰還の原則から転換した理由は。
◆3年も4年も帰れるか分からない状態に住民を置くのがいい政治なのか。そう悩んできた。現実をきちんと示し、住民に判断してもらうことが大事だ。最後まで「戻りたい」という方の思いを否定するつもりはないが、この際「大変つらい道のりだ」と申し上げる方が、被災者に寄り添う本当の政治の姿ではないかと考えた。
−−居住制限区域内でも移住を希望する人もいますが。
◆一人一人を見て対応をしていかなければならない。思いは(帰還困難区域の住民と)同じだ。バックアップ体制は別途考えなければならない。
−−今後、東電に望む自己改革とは。
◆東電には事故の責任と安定供給の二つの責任がある。(廃炉・汚染水対策を担う)セクションの責任を明確にした方が良い。提言に書いた順序(社内分社化)が良いのではと思っている。

| 原発::2013.9~11 | 03:01 PM | comments (x) | trackback (x) |

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