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2014.1.6 日本の技術進歩とその受入体制の乖離について(技術のエコ化・スマート化の事例から)
   
*1より        *2より                 *5より

(1)日立の半導体がつまずいた理由と企業レベルの解決策
 *1に書かれているように、日立の半導体部門がうまくいかなかった理由は、確かに「日立の本流である重電部門の文化と新興の半導体部門の文化の衝突」であろう。そして、こういう会社は多く、その理由は、実直に同じことを繰り返すべき事業部門と、刻々と変化する市場を前に市場競争をし続けなければならない事業部門とでは、求められる人材、あるべき労務管理、経営意思決定が異なるからである。しかし、同じ会社で事業を行うと、労務管理規定や採用・労働条件を同じにしなければならず、経営意思決定にも手間取るため、刻々と変化する市場競争に直面している事業部門は敗退するのだ。

 それを解決するには、異なる性格の事業を行う会社は、別会社として持株会社の下につけるのがよい。何故なら、別会社にすることにより、それぞれの事業会社で事業の実情に合わないことを言う役員を説得する必要がなくなり、迅速な経営意思決定を行うことができるため、変化への対応が速くなるからだ。また、その事業に適した労務管理を行うこともでき、会社が小さくなることによって職階数が減るため、経営者が現場と近くなって情報のフィードバックが正確で速くなるという利点もある。別会社化の成功例は、固定電話のNTTとNTTドコモ、NTTデータである。

 なお、純粋持株会社は、私の提言により、1997年6月に「原則解禁」とする改正独占禁止法が成立し、わが国でも解禁された。しかし、同一会社の別部門で事業を行うよりも、別会社で事業を行う方が、連結納税制度(http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/corporation/094.htm参照)が適用できなければ、課税上、不利である。そのため、連結納税制度は、100%子会社・孫会社だけではなく、その他の子会社・関連会社にも持ち分に応じて適用されるべきだし、地方税でも適用されるようにすべきである(http://www.renketsu-nouzei.jp/knowledge/local/article000022.html参照)。

(2)エコ化技術、スマート化技術に対する制度上の受入が遅い理由と国レベルの解決策
 *1の日立の事例は、半導体に関するものだったが、*2、*4のように、半導体の需要先であるエコ化やスマート化などの技術が社会で受け入れられるには、20年以上の歳月を要した。また、*3の今後のスケジュールなどは、遅すぎて論外である。太陽光発電や電気自動車が最初に開発されたのは20年以上前の日本だが、その受入には抵抗が強く、制度上の支援がないため、実際に前に進み始めたのは他国が進めた後であり、技術の先進性は活かされなかったのだ。

 何故、そうなるのかと言えば、その理由には、①官僚主導の政治は変化を嫌い、外国がやったから仕方なく遅れないようにやるという形をとること ②役所は護送船団方式をとるため、国内の最後尾の速度に合わせられること ③役所を中心とする既存のグループが抵抗勢力となること などがある。しかし、その根源的な問題は、役所や企業のリーダーに多い法律系、経済系の大学教育にあると言われる。

 つまり、法学部では、「法律を作れば社会はそれに従う」と教えるが、自然現象や市場経済は、人間が法律で定めたからといってそれに従うわけではない。また、「バランスを大切にせよ」とも教えるが、バランスをとると先進的なものも抑制される。さらに、経済学部の経済学教育は、外国の書物を和訳して読んでいるだけで、(理科系では当然の)実証することの重要さを教えていない。経済学は、人間を中心として起こる現象を数値化して解析し、解説すべきものであるから、その時代の人間の動きを、実証主義で見つめるべきであり、経済学部は、それにふさわしい学生を入学させて、そういう教育をすべきなのだ。

(3)交通機関は排気ガスを出すべからず
 「交通機関は、迅速に排気ガスを出さない体系にすべきだ」と書くと、必ず「現実的でない」「机上の空論だ」「バランス感覚がない」などの批判が浴びせられるが、これが、科学オンチの文科系の欠点であり、日本の技術進歩を阻害している要因だ。

 また、*5には、大量の重油を使って動いていた船を、やっと風と重油のハイブリッドで動かす研究が始まったことが記載されているが、風向きが適さない時にはその風で発電して、電気で船を動かすのがよいと、私は思う。それで足りないエネルギーは水素を使って欲しい。何故なら、これは、大量の船が往来する21世紀に、空気や海を汚さないための必要条件だからである。

*1:http://www.nikkei.com/article/DGXDZO64880830U4A100C1TY8001/?dg=1
(日経新聞 2014.1.5) ニッポン半導体、なぜつまずいた 巨艦日立の教訓
 かつて「電子立国」を目指した日本だが、昔日の輝きを失って久しい。10年前には5兆円あった電子産業の貿易黒字が昨年1~9月はついに赤字に転落し、国内唯一のDRAMメーカーだったエルピーダメモリは米国資本の傘下に入った。どこで道を間違い、何につまずいたのか。「産業のコメ」と呼ばれ、四半世紀前には日本勢が世界を席巻した半導体産業の歩みを検証しつつ、事態打開のための方向性も探る。1999年春、日立製作所の役員フロアで二人の男の議論がぶつかりあった。一人は生粋の半導体エンジニアで、日立製作所で専務まで務めた牧本次生、もう一人は当時の日立の会長だ。その前年、牧本は業績不振の責任を取る形でただの取締役に2段階降格された。厳しい処置だが、赤字を出したのは事実。即座に辞表を提出したが、1年間無任所で放置されたあげく、翌年になって「役員定年に達した」という名目で辞任を言い渡された。明確な説明もなく、なぜ1年も辞任を先送りしたのか。牧本は憤然と問いただしたが納得できる答えは返ってこなかった。本来なら数分で終わるはずの辞令通告が延々と続き、心配した秘書がコーヒーを差し入れる一幕もあった。
■本流との衝突
 半導体の歴史を振り返って目を引くのは、飛ぶ鳥を落とす勢いだった日本企業が1990年代半ば以降の10年ですっかり競争力を失い、主導権を米インテルや韓国・サムスン電子に譲り渡したことだ。よく言われるのは、円高や貿易摩擦、あるいはアジア企業への技術流出が重なり、それが失速を招いたという「外的要因主犯説」である。だが、企業や産業のつまずきは、往々にして組織の内部に問題の根っこが隠れていることが多い。そこに外からの逆風が加わり、日の丸半導体の没落が現実になった。半導体の歴史の証人の一人である牧本は「日立という会社の企業文化が、半導体ビジネスと相いれなかった」と指摘する。牧本と会長のぶつかり合いは、日立の本流である重電文化と新興の半導体文化の衝突とも言える。東京電力などに発電設備を納める重電事業は日立の祖業の一つであり、当時の会長を含め歴代トップは重電出身者がほとんどだった。一方、1950年代に始まった半導体は伸び盛りの事業として目立ってはいたが、社内の基盤は弱かった。会社の文化は歴史が育む。日立の社風の大きな特徴が予算主義だ。各事業部が次の年度の売上高や利益、投資額などの詳細な予算を立て、その達成度合いが事業部長クラスの人事評価を大きく左右する。予算主義そのものが重電の発想。電力会社は長期の投資計画をつくる。そこに設備を納める日立の重電部門も先の見通しが立ちやすい。得意先は財務の安定した大手電力に限られ、発注が急にキャンセルされる事態はまずなかった。一方、半導体が想定通りに進むのは、むしろ例外。受注の取り消しやライバルの安値攻勢が日常茶飯だ。「半導体はきっちり予算を組むより、その時々の情勢変化に応じて迅速に動くことが重要。でも、それが理解してもらえない。実績が予算に届かなかったら怒られるし、予算を超過して利益を上げすぎても、『見通しが甘い』と批判された」と牧本は振り返る。ちなみに消費者の好み次第でヒット商品が出たり出なかったりする家電事業も予算未達の常習犯。それを毎年繰り返すうちに、重電と半導体などの出身者の間で昇格速度に大差が生まれ、会社の意思決定における半導体部門の影響力はますます後退した。

*2: http://qbiz.jp/article/29927/1/
(西日本新聞 2014年1月3日) 太陽光で充電の環境対応車開発 米フォード・モーター
 米自動車大手フォード・モーターは2日、車体の屋根に取り付けた太陽光パネルを使った充電も可能なプラグインハイブリッド車(PHV)を開発したと発表した。従来のPHVと異なり家庭用電源がなくても充電ができる上、温室効果ガスの排出削減効果も高いのが特色。実用化は未定だが、環境対応車の新たな切り口となりそうだ。米ラスベガスで7日に始まる家電見本市「インターナショナルCES」で公開する。フォードは実用性を調べる走行試験を重ねるとともに、量産に適するかどうかを検証する。乗用車「C―MAX」をベースにした試作車は、ガソリンエンジンを併用し長距離走ることが可能。フル充電時には1回のガソリン給油で最大千キロ弱の走行が可能。晴天時に充電すれば、ガソリン1ガロン当たりの走行距離は100マイル(1リットル当たり約42・5キロ)に上ると試算されている。

*3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20131228&ng=DGKDASFS2703Z_X21C13A2PP8000 (日経新聞 2013.12.28) 
次世代車の販売、30年までに7割 温暖化対策、国連に報告書
 政府は27日、2020年までの温暖化ガスの削減目標と達成に向けた対策をまとめた報告書を国連に提出したと発表した。30年までに、新車販売に占めるハイブリッド車など次世代自動車の割合を現状の2割から5~7割に、普及し始めた家庭用燃料電池を530万台に引き上げることなどを盛り込んだ。このほか、洋上風力や太陽光などの再生可能エネルギーを今後3年で最大限の導入を進める。火力は発電効率を向上させ、安全性が確認された原子力発電所は再稼働させるとした。報告書は05年比で3.8%削減とした日本の目標達成に向け、具体的な対策を挙げた。今後、専門家による技術的な審査などを受ける。政府は「3.8%削減」は温暖化ガスの排出がほとんどない原発をゼロと仮定した暫定値としている。

*4:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFB2006E_U3A920C1MM0000/?
(日経新聞 2013/9/24)  スマートシティ、会津若松とアムステルダムが連携
 福島県会津若松市はオランダでスマートシティー(環境配慮型都市)の実証実験を進めるアムステルダム経済委員会と提携する。両市がそれぞれ取り組んでいる実験で得たデータを共有し、研究者の交流も通じて家庭や地域で効率よくエネルギーを使う手法を確立する。この分野で先行する日欧の都市が協力し技術の国際標準化につなげる。会津若松市は100戸、アムステルダム市では2000戸にスマートメーター(次世代電力計)を配備し、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)の運用実験を進めている。会津若松市は、オランダ政府とアムステルダム市が共同出資して実験を主導する同委員会と協力し、電力需給の状況を勘案して家電の運転を制御する通信規格の国際標準づくりを目指す。アムステルダム市では公用車に電気自動車を導入する取り組みも強化している。こうした実績を基に、交通インフラも含めた地域全体で電力利用を効率化するシステムを実現したい考えだ。両地域の実験に参加しているアクセンチュアが提携を支援する。同社はIT(情報技術)関連24社と社団法人オープンガバメント・コンソーシアムを組織し、スマートメーターなどの制御技術の標準化を目指している。会津若松市は経済産業省と総務省の助成を受け、先端的なIT研究で知られる会津大学とも連携してスマートシティーのモデルづくりに取り組んでいる。

*5:http://qbiz.jp/article/29960/1/
(西日本新聞 2014年1月5日)  エコ帆船、佐世保で実証実験へ 大島造船所、東大など
 東京大学や大島造船所(長崎県西海市)、商船三井(東京)などの企業連合が今月中旬から、長崎県佐世保市で主に風力で動く大型の「次世代帆船」の実証実験に乗り出すことが分かった。外洋での運航を念頭に、燃料消費や二酸化炭素(CO2)排出量を従来に比べて最大で半減させる狙い。国際的なCO2規制強化が進む中、企業連合は2016年の実用化を目指している。風を主動力源とする大型船は世界でもほとんど例がないという。計画代表者の大内一之・東京大学大学院特任研究員(船舶海洋工学)によると、風力船は8万トン級の貨物船などの商船を想定。船上に繊維強化プラスチック製の帆(高さ50メートル、幅20メートル、厚さ4メートル)を4基設置する。コンピューターで海上の風向きを事前に計算し、最も大きい推進力が得られるように帆の角度を自動調整する。帆は上下に伸縮可能で、荒天や寄港の際などは縮められる。主動力源は風だが、風が弱い場合は重油を燃料とするエンジンを使う。計算上では重油消費量とCO2排出量を平均30%、最大50%減らすことが可能で、風速12・5メートル以上あれば風力だけで船を動かせる。建造費50億〜60億円と帆のない同型船に比べて10億円程度高いが、5年程度で建造費の上昇分を吸収できる燃費レベルを目指す。企業連合は13年12月、長崎県佐世保市にある大島造船所子会社で、実物の約半分の高さ20メートル、幅8メートルの帆を完成させた。同市内の高台に設置して今月中旬から1年間、スピードを落とさないために風を効率よく取り込む帆の角度や耐久性などを検証。帆の自動制御システムの開発や風を生かせる航路も研究する。早ければ15年に建造を始め、16年の就航を目指している。大内氏は「風は費用ゼロのエネルギー。燃費削減効果は大きい」と強調。大島造船所の堀龍明社長代行は「課題を一つ一つ解決し、将来の事業化につなげたい」としている。
■船舶のCO2排出規制 国際海運のルールを作る国連の国際海事機関(IMO、本部ロンドン)は2015年から、新造船を対象に二酸化炭素(CO2)排出量を過去10年間の平均から1割削減するよう義務づける。25年からは3割に引き上げる。基準を満たさない船舶は建造できなくなる。日本政府は13年度から5年間、船舶の環境技術開発に対する補助金制度(予算総額19億5千万円)を創設し、国内の造船業を支援している。

| 教育・研究開発::2013.11~2014.7 | 11:39 AM | comments (x) | trackback (x) |

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