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2014.1.17 高齢化社会に必要なインフラづくりは、街づくりと同時に行うと早い。 (2014.1.18追加あり)
   

(1)高齢者ケアの実態
 地方や離島の高齢化は既に進んでいるが、*1のように、東京で孤立死する老人も多く、今後、ますます増えると思われる。*1のケースは、妻が認知証で食事の世話も夫がしていたのであれば、本来なら、栄養指導や細かいアドバイスが必要だった筈にもかかわらず、「ケアマネジャーは、車いすの点検に月一回、自宅を訪れていただけだった」「ケアマネジャーは、プライバシーの問題ですぐにドアを開けることをためらった」というように、①ケアマネージャーは車椅子しかケアしていなかった ②そのような老夫婦の家庭に行きながら、『いざという時には中に入る』という申し合わせをしていなかった ③いざという時に際してもプライバシーの方を優先するなど物事の重要性の認識に欠けていた 等々、看護や介護の素人だったと思われる。そして、定期的な保健師の訪問や介護師によるケアは行われておらず、医療との連携もなかったのが問題の発端であろう。

 また、「北区では七十五歳以上の高齢世帯を対象に民生委員らの見守りを実施しているが、亡くなった夫婦は申し込んでいなかった」ということだが、「民生委員らの見守り」というのは、プロではない近所の人に家庭の事情をさらけ出さねばならないため選択しないのも理解でき、全体として、この記事は、介護制度の不備による老夫婦の深い悲しみや苦しみと絆を感じさせるものだった。

(2)街づくりとハイテクで解決できる高齢者支援もある
 今後、東京でも高齢者の割合が増え、訪問看護・介護も生産性を上げなければならないが、高齢化と高齢者の自宅での生活を前提として街づくりすることによって、人手を省きながらQOL(Quality of Life:生活の質)を上げることは可能である。

 例えば、*2のように、高齢化した古い団地やマンションの容積率を緩和し、増床して建て替え、建替費用を増床分の売却益で賄い、1階に診療所、訪問看護・介護ステーション、レストラン、コンビニなどを置き、高齢者が自立して暮らしやすくするなどがある。また、電力の使用が普段と異なる「異常」を示したら警報がなるシステムにしておけば、異変が起こったら即座に救急に向かうことも出来る。そして、そのやり方のバラエティーは、いくらでも考えられる。

(3)バリアフリー時代の踏切の高架化
 *3、*4のように、踏切事故は高齢者の被害が多く、2012年度はほぼ半数が60歳以上で、車いすで立ち往生した人がはねられた事故も目立ったそうだが、これは、鉄道・自動車優先の時代に作られた踏切や道路が、高齢化時代のバリアフリー社会にあっていないということである。

 そのため、特に都会の開かずの踏切は、2階建て、3階建てに高架化して電車が上を走るようにし、1階は、身体の不自由な人や自転車もゆったり通れる空間にしてもらいたい。高架化する費用は、1階をテナントや駐車場にして貸し出せば捻出できるし、1階をテナントや駐車場にすれば、旧駅付近の街づくりを大きく前進させることも可能だ。

 また、PFI方式を使えば、税金ばかりを使うことなく、多くの有効な施策を行うことができるだろう。PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)とは、国や地方公共団体が、公共施設の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法で、詳しくは、「http://www8.cao.go.jp/pfi/aboutpfi.html」を参照されたい。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014011202000116.html
(東京新聞 2014年1月12日) 認知症の妻は凍死か 北区・高齢夫婦死亡
 昨年暮れ、東京都北区赤羽のアパートで、年老いた夫婦の遺体が見つかった。妻(79)は夫(75)の死後に凍死したとみられ、認知症だった。妻の介護担当者は何度も連絡を取ろうと試みたが、遺体発見は死後1カ月以上たってから。プライバシーの壁が結果的に発見の遅れにつながった面も否めない。夫婦が寄り添うように暮らしていたアパートは、JR赤羽駅から続く商店街の外れにある。1Kで家賃は四万円台。住民に夫婦のことを尋ねても「住人同士はあまり話をしないので」と言葉少なに話す。代わりにアパートの管理人が「奥さんは車いすに乗っており、外出の際はご主人がおぶって三階から下りていた。少なくとも十数年前から住んでいました」と教えてくれた。北区や赤羽署によると、妻は糖尿病や慢性心不全を患って車いす生活となり、二〇〇五年に要介護認定された。区が委託する介護事業所のケアマネジャーが車いすの点検に月に一回、自宅を訪れていた。ところが、昨年十一月の電話に応答せず、その後も計八回したが出ないため、十二月上旬にアパートを訪ねた。「ケアマネジャーはプライバシーの問題で、すぐにドアを開けることをためらったようです」と区の担当者。この時、ドアにカギはかかっていなかった。隣人らが「入院したのでは」と話したので、ケアマネジャーは妻の複数のかかりつけの病院に連絡を取ったが、「個人情報で答えられない」などと言われ、入院の有無が確認できなかった。その後、用事で区を訪ねた際、「夫婦と連絡が取れない」と伝えた。十二月二十八日夕方。夫の親族とケアマネジャー、区職員らがアパートを訪ねた。二人は居間であおむけの状態で死んでいた。夫は昨年十月三十日、妻のかかりつけの病院で薬を受け取ったのを最後に連絡が途絶えていた。解剖の結果、夫はこの直後に脳疾患で死亡し、妻はしばらくして凍死したとみられた。遺体から離れた所にスイッチが入ったままの電気毛布があった。妻は認知症のため暖を取れなかったとみられる。食事の世話も夫がしていたといい、炊飯器にはご飯が残っていた。年の瀬に起きた夫婦の孤立死。区の担当者は「ケアマネジャーは積極的に夫婦の所在確認に努めていた」と語った。
◆相次ぐ「家族の孤立死」 自治体苦慮
 高齢者らの孤立死が問題化する中、最近は先に同居の家族や伴侶が亡くなり、その後に家族の世話が必要な人も亡くなる「家族の孤立死」が相次いでいる。北区では七十五歳以上の高齢世帯を対象に民生委員らの見守りを実施しているが、亡くなった夫婦は申し込んでいなかった。区の担当者は「奥さんの世話をご主人ができていると考えていた」ことを異変に気付くのが遅れた一因に挙げる。都内では二〇一二年、立川市で母親=当時(45)=の死亡後、知的障害の息子=同(4つ)=が孤立死したとみられる事案が起きた。厚生労働省は各自治体に民間事業者や地域と連携して見守り強化を要請した。それでも自治体の担当者は「介護や見守りは人と人との付き合いの問題で、ケースはそれぞれ異なる。どのくらい連絡が取れなかったら行政に報告すべきかなど、機械的な取り決めはしにくい」と明かす。孤立死問題に詳しい淑徳大総合福祉学部の結城康博教授は「プライバシーの壁もあるが、ケースによって無理してドアを開けるなど積極的な対応を取る自治体もある。室内を確認すれば命を救えるかもしれないし、仮に亡くなっていても死者への尊厳の観点から、早く発見してあげなければならない」と指摘している。

*2:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2606410.article.html
(佐賀新聞 2014年1月10日) 容積率緩和で増床、建て替え促進 / マンションの老朽化対策
 国土交通省は9日、耐震性が不足する老朽マンションを住民が建て替える場合、容積率を緩和し増床できるようにする方針を決めた。増床分を売却し費用の一部に充てることで住民の負担を減らし、建て替えを促進するのが目的。24日召集予定の通常国会にマンション建て替え円滑化法改正案を提出する。全国約590万戸のマンションのうち、約106万戸が1981年以前の旧耐震基準で建てられており、震度6強以上の大規模地震で倒壊する危険性が指摘されている。しかし住民の合意形成や費用負担の問題で対策が進んでいないのが現状だ。

*3:http://mainichi.jp/select/news/20140112k0000m040089000c.html
(毎日新聞 2014年1月12日) 認知症:鉄道事故死遺族ら「24時間見守りなんて無理」
 在宅介護に取り組み家族を失った各地の遺族が、予期せぬ賠償請求に直面している。認知症の人の鉄道事故。予防や安全対策が追いつかない中、遺族の監督責任だけが問われる事態に、「できるだけ住み慣れた地域で」という国の認知症施策は課題を突きつけられている。2012年3月6日夕、埼玉県川越市の伊藤貞二さん(78)宅に近くに住む長女(44)が立ち寄り、首をかしげた。「お母さんは?」。「寝ているだろ」。伊藤さんはそう答えて隣室の寝床をのぞいたが、妻敦子さん(当時75歳)の姿はない。悪い予感がした。まだ肌寒いのにコートは置かれ、必ず身に着けさせていたGPS(全地球測位システム)付きの携帯電話や名前と連絡先を書いた「迷子札」も布団に残っていた。予感は当たってしまった。敦子さんは自宅から約15分の東武東上線川越駅そばの踏切で、電車にはねられ死亡した。
 高度経済成長期に自動車部品工場で職場結婚して50年近く。敦子さんは孫ができたころから物忘れが目立ち、70歳を過ぎて近くの病院で胃がんを手術した際、「麻酔で症状が悪くなることがある」と告げられた。退院後、近くのスーパーから1人で帰れなくなり、事故の1年半ほど前に認知症と診断された。週に1度ほど徘徊があり、時折、道が分からなくなることはあったが、大声を上げたり排せつで困らせたりすることはない。要介護度は「部分的介護が必要」とされる「2」。施設に入れるほどではなく、デイサービスも利用しながら、敦子さんは住み慣れた家で穏やかに暮らしていた。事故当日は伊藤さんが自治会の用事で出掛けた直後、外に出たらしい。がんを手術した病院の近くで見たという人がおり、そこへ行こうとしたのかもしれない。伊藤さんは帰宅後、妻の不在に1時間ほど気付かなかった。「もう少し早く気付いていれば……」。悔いは残るが「できる限りのことはした」という思いはある。就寝時は部屋の出入り口で横になり、妻がトイレに立つ度に起きて見守った。近くの孫も一緒に外出する際、常に敦子さんと手をつないで注意を払ってくれた。万一に備え近所にも症状を隠さず伝えていた。

*4:http://digital.asahi.com/articles/DA3S10914035.html?ref=pcviewpage
(日経新聞社説 2014年1月8日) 踏切事故 いのちはもっと守れる
 踏切はおそろしく前近代的な存在。対策を急げ。66年12月、こんな社説を載せた。だがその後もほぼ半世紀、踏切は多くの人命を奪い続けている。この年末年始も、山形新幹線や、松山市のJR予讃線の踏切で死亡事故が起きた。踏切は60年代のほぼ半分の3万3千カ所余りになり、事故件数も大幅に減った。ところが90年代以降、死亡者数は毎年百数十人で横ばいだ。高齢者の被害が多く、12年度はほぼ半数が60歳以上だった。車いすで立ち往生した人がはねられる事故も目立つ。踏切は鉄道優先が原則だ。鉄道会社の対策は、列車に被害が及びかねない対自動車事故の防止に主眼が置かれてきた。救助に入った女性が死亡した昨年10月のJR横浜線事故で、限界が露呈した。最新の障害物検知装置があったが、身を低くした女性を救えなかった。鉄道各社は「まず非常ボタンを」と強調する。ただ横浜の事故ではボタンを押した人もいたのに、自動的にブレーキがかかるようにはなっていなかった。自動ブレーキが作動するシステムは実用化されているが、全国でもごく一部にしか普及していない。列車だけでなく、踏切にいる人の命も守る。鉄道会社はそういう発想を強く持ち、技術開発を急いでほしい。ほかにもできることはある。総務省は昨年、高齢者や障害者の視点から大阪府内の踏切を点検した。警報機が鳴り始めてから遮断機が閉まるまでの時間は、歩行者が時速5キロで通り抜ける想定で決まっている。ところが、電動車いすが全速力で走っても、閉じ込められる恐れがある長い踏切が、少なくとも9カ所あった。車いすが何台通っているか、大半の鉄道会社は把握していなかった。鉄道会社はおおむね5年ごとに踏切の通行量を調べる。どんな年齢層や障害のある人が渡っているかを詳しく把握し、遮断時間を見直すといったきめ細かい対策に役立ててはどうか。事故から学ぶ仕組みも必要だ。05年の東武竹ノ塚踏切事故で母を亡くした加山圭子さんらは、鉄道会社が国に提出した事故報告書の分析を続けてきた。05~12年度に2700件超起きた踏切事故で、再発防止策の記入があったのは8%。「これでは同じような事故はなくせない」と加山さんは訴える。運輸安全委員会は14年度から、踏切事故で調査する件数を増やす方針だ。できる限り多くの事故の背景を究明し、安全向上につなげてもらいたい。


PS(2014.1.18追加):救急で駆けつける場合、救急車でたらいまわしにされるなど、現代にあってはならないことだが、それは救急体制をしっかり整備して解決すべき問題である。私が提案して始まったドクターヘリは、離島や山間部、渋滞した道路などで力を発揮すると思うが、日本全国で整備できただろうか?

*5:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2610970.article.html
(佐賀新聞 2014年1月18日) 県ドクターヘリ待望の単独就航
 佐賀県が導入した救急医療専用のドクターヘリが17日、運航を開始した。これまで福岡、長崎両県のヘリを共同運航していたが、単独運航によって機動力が向上。患者の救命率アップと後遺症の軽減が期待される。導入した機体は米国製の最新型で、全長13メートル、最高時速260キロ。拠点となる佐賀市の佐賀大病院、県医療センター好生館から県内全域に15分以内で到着できるようになった。運用方法も新しい試みを取り入れ、119番の内容に「交通事故で車外に投げ出された」「急に意識を失った」など緊急を要する言葉があると、各地の消防機関は迷わず出動を要請するルールをつくった。ヘリの定員は6~7人。通常はパイロットと医師、看護師、整備士の4人が搭乗し、患者1人を搬送する。災害など多くの患者が出た場合は2人まで搬送できる。運航時間は日の出から日没30分前まで。福岡、長崎との連携は継続する。年間経費は2億1千万円。1年で250件の出動を見込んでいる。佐賀大病院の屋上ヘリポートで開かれた式典で、古川康知事は「財政的な理由で単独運航が遅れた分、他県より優れた仕組みを導入できた。日本で一番、ドクターヘリを安心して利用できる地域にしたい」と述べた。

| まちづくりと地域振興::2011.8~2014.4 | 05:07 PM | comments (x) | trackback (x) |

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