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2014.4.7 外国人労働者の受け入れについて (2014.4.14追加あり)
   
 日本の人口推移  *1-2より 主な国の食料自給率推移 日本のエネルギー自給率推移

(1)日本の適正人口は一億人だろうか?
 *1に、「①外国からの移民を毎年20万人受け入れ ②合計特殊出生率が2.07に上がれば ③2110年の日本の人口は1億1404万人になり、100年後も人口は1億人超を保つことができる」「④さもなくば、日本の人口は、2012年の1億2752万人から、100年後は3分の1程度に減る」と書かれている。

 しかし、上の一番左の図からわかるように、日本の人口は、1920年には5600万人、1945年には7200万人であり、ベビーブーム後の1967年に一億人を超えたが、それに従って食料自給率は低下し、現在ではカロリーベースで39%しかない。また、エネルギー自給率は、1960年には60%近かったが、現在では20%に満たない。

 さらに、 日本の都会に住む庶民の住居はOECD加盟国のどの国と比較しても、価格が高い上に手狭だ。つまり、③の「日本の人口は1億人以上でなければならない」というのは根拠が乏しく、長い日本の歴史から見れば、最近、瞬間的に1億人を超えたが、それは、医学の進歩で寿命が延びたにもかかわらず、その割に出生率が下がらなかった戦後数年間の影響なのである。

 なお、*1-2に書かれているように、世界の人口は増加中であるため、食料の6割を海外に依存する日本にとって、食料自給率の引き上げは最重要課題だ。

 結論として、私は、日本の適正人口は、1950年時点の8000万人前後であり、戦後ベビーブームと寿命の伸びでいびつになった人口ピラミッドがなめらかな線になる頃には、一人当たりの生活水準が上がって出生率も調整され、人口が安定するため、④はためにする議論だと考える。また、寿命が延びて一人で3世代分生きるようになった現代では、②のように合計特殊出生率が2.07では、人口は安定せずに増加するので、高すぎるだろう。

(2)日本の労働力について
 上のような事情でも、人口ピラミッドが逆三角形になると、介護はじめ、あらゆる部門で労働者が不足するため、(1)の①のように、世界では増加している人口を活用するために外国人労働者を受け入れたり、今まで雇用不足で労働市場から締め出していた女性や60代の人を労働市場に迎えたりするのはよい。

 現在、*1-2の農林業、*1-3の建設業、*1-4の介護事業、*1-5の家事支援などで、外国人労働者に対する期待は高く、介護職員は2025年までに100万人増やす必要があるそうだが、インドネシア人やフィリピン人の介護士国家試験合格率は日本語が壁となって低い。しかし、ケアされる側の日本人は、戦後教育を受けた人なら老人でも簡単な英語は使えるため、日本語を流暢に使える人には報酬で報いつつ、そうでない人でも組織的にカバーしながら介護労働者として働いてもらえる筈である。

(3)外国人労働者の待遇について
 *1-4のように、外国人技能実習制度を使って、劣悪な環境で長時間労働を強いる事業者も散見され、移民政策を巡っては、慎重な声が根強い。

 しかし、*1-5のように、働き手不足で、外国人の受け入れ拡大を経済界で要望している以上、*2のように、技能実習と偽って人権侵害に当たるような労働条件を課すのではなく、外国人労働者の労働条件も改善し、社会保険に加入させ、生活環境を整えて、数を調整しつつも、移民も認めるなどのことを行うべきだろう。

(4)外国人労働者の生活環境の整備について
 *3のように、国際人権法政策研究所は、「日本在住の外国人に教育が義務化されておらず、多数の子供が就学していないのは、国際人権規約に違反している」として実態調査や対策を文部科学省へ求めるそうだが、生活環境の整備には、学校教育だけでなく、病院や行政手続き等でのサポートも必要になる。そのため、同じ言語の人は、ばらばらではなく、まとまって住んでもらうと、低コストで済むそうだ。

    
                  外国人労働者

*1-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S10997074.html?iref=comkiji_redirect
(朝日新聞 2014年2月25日) 「年20万人」移民受け入れで人口1億人維持 内閣府試算
 外国からの移民を毎年20万人受け入れ、出生率も回復すれば100年後も人口は1億人超を保つことができる――。こんな試算を内閣府が24日示した。何もしなければ、2110年には4286万人に減る。移民が、働き手の減少や社会保障の負担増に直面する日本を救うのか。政府は議論を本格化させる。政府の経済財政諮問会議の下で50年先を見すえた課題を話しあう専門調査会「選択する未来委員会」の第3回会合で示された。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計では、日本の人口は2012年の1億2752万人から、100年後は3分の1程度に減る。内閣府は、移民を15年以降に年20万人受け入れ、1人の女性が一生に産む子供の平均数にあたる「合計特殊出生率」も人口が維持できる水準とされる2・07に上がるケースを想定して人口を推計した。移民が定住したり、子どもが生まれたりして2268万人の「人口押しあげ効果」があると試算。出生率も回復すれば、2110年の日本の人口は1億1404万人になるとはじいた。今後は委員会の作業部会でも議論を進め、年内に報告書をまとめる。

*1-2:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=26921 
(日本農業新聞 2014/4/5)  人口減への対応課題 食料・農業・農村基本計画見直し本格化
 食料・農業・農村基本計画の見直し論議が本格化してきた。食料の安定供給の在り方などを議論する上で今回、論点の一つになるのが、日本全体の高齢化・人口減少と、それに伴う食料需給の動向だ。需要面では、国内の人口が減少局面に入り、供給面でも農家の高齢化が急速に進むなどして生産基盤の縮小が深刻化する。食料の6割を海外に依存する日本にとって、食料自給率の引き上げは依然、最重要課題だが、同時に生産基盤そのものに着目した「自給力」の強化も重要性を増している。
◇自給力の重要性高まる
・基幹従事者減少が加速
 「日本の人口減少が本格化して初めての計画となる。今後の社会変化を見越して、従来よりも長期的な視点での議論が必要だ」。基本計画の見直し案を検討する農水省の食料・農業・農村政策審議会企画部会の中嶋康博部会長(東京大学大学院教授)は議論スタートに当たり、提起した。基本計画は10年間を見据えて策定する。今回は2015年にまとめるが、10年後の25年以降、日本では人口減少が加速している見込みだ。国立社会保障・人口問題研究所によると、15年の日本の人口は1億2660万人となり、10年と比べて2%減ると予測。それまでの増加傾向が減少に転じ、30年には1億1000万人台に落ち込むと見通す。人口が減れば食料の必要量も減るが、国内の生産基盤も揺らぐ。今ですら基幹的農業従事者174万人のうち、6割は65歳以上。半数超の農家が高齢者である半面、将来の食料生産を担う40代以下は1割しかいない。こうした前提の下、食料の安定供給をどう描くかが今回の基本計画見直しの大きな課題となる。自給率目標や「自給力」を表す指標を掲げるだけでなく、維持・向上に向けた道筋を具体的に描き、実践していくことが、特に重要になる。
・「自給率」は実現性重視
 現行のカロリーベース自給率目標は20年に50%の達成を目指しているが、12年は39%。目標と実際の数値には大きな差があり、最近5年間は08年の41%以降、少しずつ下がり続けている。このため企画部会や自民党内では、新たな目標設定に向けて「実現可能な目標を定めるべきだ」との指摘が出ている。企画部会メンバーの生源寺眞一名古屋大学大学院教授は、現行目標の「持てる資源を全て投入した時に初めて可能になる高い目標」という位置付けを疑問視。新たな目標は「国民の食べ方の移り変わりや生産体制の状況を踏まえ、可能性を積み上げた目標を設定するべきだ」と強調する。農水省も自給率低下の背景に「食生活の大きな変化」を挙げる。長期的な動きとして、自給率の高い米の消費が減り、低い畜産物などの消費が増えたと整理する。自給率目標は生産現場からの視点も欠かせない。萬歳章JA全中会長は部会の中で、人口や食生活の変化に加え「農業経営の視点からの検証」を提起している。農水省は自給率低下の要因を「消費の変化に国内の生産体制が対応できなかった」と分析するが、萬歳会長は「なぜ対応できなかったのか、多面的な分析が必要」と指摘する。
・国際需給の逼迫に備え
 今回の見直しでは「自給力」をどう定めるかも焦点だ。農水省は自給力について、輸入依存度が高い日本の食料事情を踏まえ、不測の事態に備えた「潜在的な供給能力」と位置付ける。ただ、詳細な定義は定まっていない。今回の見直しの中で明確にし、維持・向上の手立てを探る考えだ。農水省が自給力を検討課題に挙げたのは「将来、国内の食料安定供給に支障が出る可能性がある」(食料安全保障課)との危機感からだ。世界の人口は日本と違い、増加傾向にある。国連の推計によると12年に70億人を突破し、25年には80億人に達する見込み。人口増加などによって世界の食料需給が逼迫(ひっぱく)する可能性がある一方、日本国内の食料生産を支える農家や農地面積は減り続けている。こうした状況から農水省は、自給力の維持・向上が必要だと判断。自給力の構成要素は(1)農地・農業用水などの農業資源(2)農業者(担い手)(3)農業技術――と整理しており、この3点に基づき議論することになる。部会では「自給力は高める必要がある」との認識で一致している。「引き上げの目標を定めるべき」「国民に分かりやすく説明する必要がある」との意見が出ており、今後の議論で詰めていく。部会は今後、7月ごろまで現行計画の検証を集中的に進める。検証結果を踏まえて秋以降、計画案の取りまとめに入り、来年3月には決定する。

*1-3:http://qbiz.jp/article/35173/1/
(西日本新聞 2014年4月7日) 九州インフラの老朽化が深刻 維持補修費、財政を圧迫
 高度成長期に整備された公共インフラの老朽化が九州でも深刻化している。九州7県と3政令市では、公営住宅(耐火構造)の4割近くが、改築の目安となる築35年を過ぎており、20年後には9割弱に達する。道路橋とトンネルでは1割超が、劣化が顕著になる築50年を経過、20年後には5割に及ぶ見通しだ。維持補修費は自治体財政を圧迫。人口減が続く中、補修の優先順位決めは不可避で、将来的には利用の少ないインフラの廃止を含めた見直しも迫られそうだ。西日本新聞が10県・市に取材。将来分については、抜本的な対策を施さない場合の数字を集計した。公営住宅は築35年を過ぎると建て替えに際して国から補助を受けることができ、既に10県・市では37・9%が対象となっている。20年後には佐賀、熊本両県でこれが95%を超え、全体でも86・9%に跳ね上がる。橋とトンネルで築50年を過ぎたのは13・9%だが、20年後には49・4%と加速度的に増加。北九州市は79・1%となる。架設時期が不明な橋がある自治体も多く、実際の割合はさらに高くなる。下水道管は20年後、法定耐用年数の50年を超える割合が北九州市で50%、福岡市で40%を超える。10県・市の橋とトンネル、公営住宅の維持補修額の合計は、2012年度の約470億円から、14年度は約500億円に増加(いずれも当初予算)。国土交通省の推計によれば、全国のインフラの維持管理や更新費用は33年度に年間5兆5千億円に達し、13年度の1・5倍に膨らむという。政府は昨年11月、「インフラ長寿命化基本計画」を策定。地方自治体に対し、全体の維持更新費の将来見通しなどを示す行動計画の策定を求めている。

*1-4:http://www.nikkei.com/paper/related-article/?b=20140405&c=DM1&d=0&nbm=DGKDASFS0404H_U4A400C1EA2000&ng=DGKDASFS0404N_U4A400C1EA2000&ue=DEA2000 (日経新聞 2014.4.5) 介護業界、期待強く 25年までに100万人増必要
 現在、日本で働く外国人労働者は68万人。労働力人口全体に占める割合はわずか1%と、主要国で最も低い。政府は今回、外国人の受け入れ拡大に一歩踏み出すが、まずは建設、介護など国民の理解が得られやすい分野から始める。慢性的な人手不足に悩む介護分野。政府は団塊の世代が75歳以上となる2025年には介護職員数を現状から約100万人増やす必要があると推計する。だが「給与が上がりにくく仕事もきつい」(九州の有料老人ホーム経営者)ため、人材がなかなか定着しない。経済連携協定(EPA)に基づき、2008年に導入した外国人介護福祉士制度もうまく機能していない。インドネシア人とフィリピン人候補者の国家試験の合格率は4割程度。日本人も含めた全体の合格率(6割強)と開きがある。日本語による試験が壁だ。家事分野でも今後、働く女性がますます増え、共働き世帯による「代行のニーズが高まり人材不足感が強まる」と家事手伝いサービス、ベアーズの高橋ゆき専務は話す。建設業では人手不足で公共工事の担い手が現れない「入札不調」が頻発。2月の建設分野の有効求人倍率は2.94倍にのぼった。一方、外国人が日本で働く魅力を感じる環境づくりも課題だ。外国人技能実習制度では、劣悪な環境で長時間労働を強いる事業者も散見される。同日の会議で岸田文雄外相が「国際的批判に耐えうる制度の適正化が必要」と訴えた。民間議員からは、法律に基づいて事業者への厳しい立ち入り検査ができる仕組みが必要との指摘があった。移民政策を巡っては「社会的なあつれきも懸念される」(明治大学の飯田泰之准教授)と慎重な声が根強い。だが「人口減の中で、外国人を積極活用しなければならない現実がある」(法政大学の小峰隆夫教授)のも確かだ。

*1-5:http://qbiz.jp/article/35113/1/
(西日本新聞 2014年4月4日) 家事支援や介護に外国人活用 成長戦略で首相が検討指示
 安倍晋三首相は4日、経済財政諮問会議と産業競争力会議の合同会議で「女性の活躍推進や経済成長の観点から、外国人材の活用の仕組みを検討してもらいたい」と述べ、女性の就労を促すため、家事支援や介護などの分野で外国人労働者を受け入れる制度の検討を指示した。製造業などに限られている現行の外国人技能実習制度も対象業種の見直しを指示。6月にまとめる新たな成長戦略に盛り込む方針だ。日本は人口減少による働き手不足が経済成長の妨げになると懸念されており、外国人の受け入れ拡大は経済界で要望が強い。一方、外国人の生活環境整備が十分ではないとの指摘や、低賃金で働く外国人が増えると日本人の賃金低下を招くとの見方もある。治安面や地域社会への影響といった観点からの慎重論も根強く、今後の議論の焦点になりそうだ。首相は合同会議で、外国人活用策に関して「移民政策と誤解されないよう配慮する」と説明。地域限定で規制緩和する国家戦略特区で先行して実施する考えも示した。諮問会議の民間議員は、就業を希望しながら育児や介護のため働けない女性が220万人強いるとし「外国人のサポートを検討するべきだ」と主張した。競争力会議の民間議員も、子育て世帯向けの家事支援サービスに加え、農林水産業での短期就労など、外国人向けの新たな就労制度を提案した。厚生労働省によると、2013年10月末時点の外国人労働者は約72万人。近年、増加傾向にはあるが、外国人技能実習制度の利用者などに限られている。

*2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11070232.html
(朝日新聞社説 2014年4月6日) 技能実習拡充 これでは出稼ぎ労働だ
 人手不足は深刻なのに、若者らは就職してくれない。ならば外国人に頼るしかない。ただ、定住してもらっては困る。日本で働ける期間を最長2倍に延ばすが、必ず帰国させる。政府が建設分野で決めた緊急対策は、突き詰めればそういうことになる。こんな場当たり的な対応でうまくいくだろうか。対策の中心は、外国人技能実習制度である。人づくりを通じて新興国や途上国の発展を支援することが目的で、3年を上限に働いてもらう仕組みだ。そこに「特定活動」という在留資格をからませる。在日外交官の家事使用人やアマチュアスポーツ選手らに出してきたビザで、技能実習を終えた人にも2~3年の滞在を認める。東京五輪が開かれる2020年度までの限定措置という。技能実習制度で働く外国人は全分野で約15万人。「途上国支援」という目的はかすみ、国内の人手不足を埋める手段になってきたのが実態だ。法律を無視した長時間労働や賃金の不払い、暴力などの人権侵害もたびたび明らかになっている。国会での議論や総務省の勧告、国際労働機関(ILO)や米国務省の報告書など、内外から対策をとるよう繰り返し促されてきた。政府は今回、受け入れ窓口となる団体や実習先の企業を優良なところに限ったり、国土交通省や建設業界による監視を強めたりすることを決めた。だが、まずは問題の根絶に全力をあげるべきではないか。外国人の受け入れを拡充しようという動きは、建設分野にとどまらない。技能実習の期間を3年から5年に延ばす。企業の従業員数に応じて決まる実習人数の枠を広げる。対象業種を増やし、介護分野などを加える――。自民党はこんな提言をまとめ、政府も経済財政諮問会議や産業競争力会議で検討を始めた。一方で、労働者の本格的な受け入れと定住、いわゆる移民問題には及び腰だ。「移民は考えていない」「国民的な議論が必要」などというだけだ。海外の基準に照らすと、5年も6年も働く外国人は移民にほかならないという見方がある。働き方の実態をみれば、「実習が基本だから」という理屈は国際的に通用しないだろう。多くの問題を放置したまま技能実習の拡充を急ぐ政府に対し、ある関係者は「まるで出稼ぎ労働の拡大だ」と批判する。安倍政権は、この指摘にどう答えるのか。

*3:http://mainichi.jp/select/news/20140301k0000e040264000c.html
(毎日新聞 2014年3月1日) 在日外国人:子供の不就学1万人「国際人権規約に違反」
◇研究者ら国に対策要請へ
 弁護士や研究者らで作る国際人権法政策研究所(所長、本岡昭次・元参院副議長)は、日本在住の外国人に教育が義務化されておらず、多数の子供が就学していないのは「国際人権規約に違反している」として、3日、実態調査や対策を文部科学省へ求める。日本に住む、小中学齢期の外国人約10万1500人の4割弱、約3万8000人が日本の小中学校に通っていない。多くは文科省が正規の小中学校と認めない外国人学校に在籍するが、1万人以上は完全な不就学とみられる。文科省は、外国人不就学の詳細な全国調査をしていない。昨年4月、国連社会権規約委員会は、日本への勧告で「多数の外国人児童が学校に通っていない」と懸念を示した。国際人権法政策研究所のメンバーが会議を傍聴、この問題を調べている。文科省の学校基本調査によると、2013年5月1日現在、全国の小中学校に通う外国人は6万3497人。法務省の在留外国人統計(13年6月末現在)で、6〜14歳の外国人は10万1485人。約3万8000人(37%)が小中学校に通っていない計算になる。外国人学校などにも通わない完全な不就学者数は公式な統計がないが、従来の研究で、少なくとも1万人以上とされてきた。在日韓国・朝鮮人らは、ほぼ全員が学校に在籍するとみられる。逆に在日ブラジル人は、約2万1000人のうち完全な不就学者が推計8000人(38%)程度とされる。国際人権法政策研究所の戸塚悦朗事務局長は「外国籍の子供の義務教育は、在住国政府による保障が一般的だ。外国人学校も正規の小中学校と認めて助成などをし、さらに完全な不就学の子供も支援すべきだ」と話している。文科省大臣官房国際課の森祐介係長は「希望する外国人は日本の義務教育を受けられるうえ、日本語能力が不十分な児童生徒への対応もしている」とし、国連の勧告には「現在の施策の延長で就学率を上げたい」としている。


PS(2014.4.14追加):*4のように、日弁連では、2013年6月20日付けで、「外国人技能実習制度の早急な廃止を求める意見書」をまとめ、2013年6月26日付で厚生労働大臣、法務大臣に提出し、*4のHPにPDFファイルの完璧な意見書全文が掲載されているが、これが無視されたのは問題だ。

*4:http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2013/130620_4.html (2013年6月20日 日本弁護士連合会) 外国人技能実習制度の早急な廃止を求める意見書
 日弁連では、2013年6月20日付けで、「外国人技能実習制度の早急な廃止を求める意見書」を取りまとめ、6月26日付けで厚生労働大臣、法務大臣に提出いたしました。
<本意見書の趣旨>
1 外国人技能実習制度は、これを速やかに廃止するべきである。
2 外国人技能実習制度を廃止した上で、非熟練労働者の受入れを前提とした在留資格を創設し、外国人を受け入れることについて、その是非、その範囲及び制度が変更されるまでの間の現在の技能実習生の処遇などを、外国人の人権にも配慮した上で、早急に国会などの場で十分に検討するべきである。

| 経済・雇用::2013.7~2014.6 | 04:19 PM | comments (x) | trackback (x) |

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