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2014.6.11 集団的自衛権を容認しなくても、わが国の領土は守れるのか?
  *2より
             
(1)日本国憲法には、「個別的自衛権は認めるが、集団的自衛権は認めない」とは書かれていない
 *1のように、毎日新聞は2014年6月11日の社説に、「①歴代政権が過去40年以上、積み重ねてきた憲法解釈の一部をつまみ食いして都合良く解釈し直しており、理屈が通らない」「②『政府見解が展開した基本論理は正しいが、集団的自衛権の行使は許されないという結論が間違っていたから、行使は許されるという結論に変更する』という説明には納得できない」「③これほどの安全保障政策の大転換をするなら、憲法改正を国民に問うしかない」などが記載されている。

 しかし、①②については、私が、このブログの6月3日に記載しているとおり、憲法9条の解釈は変遷し、司法の中でも見解が分かれていた。また、*3のように、憲法9条は、「1項:日本国民は、戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては永久にこれを放棄する」「2項:前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は保持しない。国の交戦権は認めない」と定めているだけであって、「個別的自衛権は認めるが、集団的自衛権は認めない」とはしていない。そのため、③の「安全保障政策の大転換」というのは、どれほどの大転換になるのか、具体的に示すべきである。ちなみに、公明党は、「(その程度なら)個別的自衛権や警察権で対応できる」としているわけだ。

 なお、③には、「憲法改正を国民に問うしかない」とも書かれているが、「個別的自衛権は認めるが、集団的自衛権は認めない」とは書かれていない憲法を、どう改正せよと言うのだろうか。つまり、もともと、憲法改正の問題ではなく解釈の問題であり、私は、憲法改正を許す方が、同時にいろいろな条文が改正されるリスクが高いと考えている。

(2)新たな後方支援基準について
 *2のように、政府は、自衛隊の国連決議に基づく多国籍軍などの後方支援活動について、新たに上図のように、(1)他国部隊が戦闘行為を行っている場所では活動しない (2)活動現場で戦闘行為が行われた場合は活動を休止する (3)戦闘現場でも人道的な捜索・救助活動は例外とする などの参加基準を示したそうだ。

 そして、新たな3基準では、戦闘が行われていない地域での武器・弾薬の輸送と日本の領域での医療活動は可能で、自衛隊が後方支援中に戦闘が発生しても、救助・捜索活動は継続できるとした。しかし、人道的な捜索・救助活動なら、赤十字などの民間団体が敵味方の区別なく行うのが普通で、戦闘地域での捜索・救助活動であるため自衛隊が行うのであれば、明確なマークをつけ、敵味方の区別をしないなど、人道的な捜索・救助活動であることが敵にも明確にわかる形で行うべきである。なお、戦場で負傷者に応急処置をした後は、速やかに戦闘中ではない近隣諸国や日本の病院に搬送して治療すべきだ。

(3)集団的自衛権を認めなくてもできるという主張について
 新たな3つの後方支援であれば、集団的自衛権を行使しなくてもできるだろう。また、尖閣諸島などの領土防衛も、個別的自衛権で対応できるとする主張があるが、尖閣諸島の場合、アメリカが応援してくれたとしても、その際に攻撃されるアメリカの軍隊を、自衛隊が守ることはできるのだろうか。私は、これが微妙だと思っているが、公明党が言うように、それも個別的自衛権や警察権で対応できるのならば、アリの一穴になりそうな集団的自衛権を認める必要はないのかもしれない。

参考資料:
*1:http://mainichi.jp/opinion/news/20140611k0000m070141000c.html 
(毎日新聞社説 2014年6月11日) 集団的自衛権 理屈通らぬ閣議決定案
 政府・自民党は、集団的自衛権の行使を可能にする憲法解釈変更の閣議決定の原案を、今月13日にも与党協議で示し、今国会中の閣議決定を目指す方針を明確にした。これまでに明らかになった原案の内容をみると、歴代政権が過去40年以上、積み重ねてきた憲法解釈の一部をつまみ食いして都合良く解釈し直しており、理屈が通っていない。原案は、1972年に田中内閣が参院決算委員会に示した政府見解を根拠にしている。政府見解は「自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置」を認めたうえで、「その措置は必要最小限度の範囲にとどまるべき」だとして、「集団的自衛権の行使は憲法上、許されない」と結論づけた。原案は、この見解が認める「自衛のための必要最小限度」の武力行使の範囲に、限定的な集団的自衛権の行使が含まれると憲法解釈を変更するのが柱だ。政府見解を根拠にしながら、結論だけを全く逆のものにひっくり返している。これほどの安全保障政策の大転換をするなら、憲法改正を国民に問うしかないと私たちは主張してきた。だが政府・自民党は、憲法の解釈変更で突破する道を選択し、その根拠を探してきた。最初は、米軍駐留の合憲性などが争われた59年の砂川事件最高裁判決を根拠に「最高裁は個別的、集団的の区別をせずに必要最小限度の自衛権を認めている」と主張した。だが、公明党などから「判決は個別的自衛権を認めたものだ」と批判を受けて、代わりに持ってきたのが72年の政府見解だ。政府高官はこう解説する。
 政府見解が展開した基本論理は正しい。ただ「集団的自衛権の行使は許されない」という結論が間違っていた。だから「行使は許される」という結論を「当てはめる」−。こんな説明に納得できる人が果たしてどれほどいるのだろうか。公明党は、閣議決定の原案の協議に入ることに難色を示している。政府・自民党は、公明党の理解を得るため、原案の表現を「集団的自衛権を行使するための法整備について今後検討する」などぼかすことも検討しているようだが、実質的には憲法解釈変更を閣議決定するのと変わらない。10日の与党協議では、政府が集団的自衛権の行使容認が必要とする8事例について、初めて本格的議論が行われた。個別的自衛権や警察権で対応できるという公明党と、集団的自衛権でなければ対応できないという自民党の主張は平行線だった。議論は始まったばかりだ。こんな生煮え状態で閣議決定すべきでない。

*2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140607&ng=DGKDASFS06038_W4A600C1PP8000 (日経新聞 2014.6.7) 後方支援「戦闘現場は原則除外」 、政府が要件見直し、公明に配慮 捜索・救助活動は例外
 政府は6日の安全保障法制整備に関する与党協議会で、国連決議に基づく自衛隊の多国籍軍などの後方支援活動について戦闘現場を原則対象外とする新基準を示した。3日の会合では「提供する物品・役務が戦闘行為に使われる」などの4要件を提示していたが、公明党に配慮し、範囲を限定した。政府・自民党は議論を加速し、集団的自衛権の行使容認問題の本格的な検討に移りたい考えだ。政府は3日の協議会で(1)支援する他国部隊が戦闘を行っている(2)提供する物品・役務が戦闘行為に直接使われる(3)支援場所が戦闘現場(4)支援内容が戦闘行為と密接に関係する――の4要件を提示。「すべてに該当した場合を除き後方支援できる」としたため、公明党が「制限がほとんどなくなる」と反発していた。このため政府は6日の会合で4要件を撤回。新たに(1)支援対象の他国部隊が戦闘行為を行っている現場では活動しない(2)活動現場で戦闘行為が行われた場合は活動を休止(3)戦闘現場でも人道的な捜索・救助活動は例外――とする3つの参加基準を示した。
 新たな3基準によれば、戦闘が行われていない地域での武器・弾薬の輸送や、日本の領域での医療活動は可能。自衛隊が後方支援中に戦闘が発生しても、救助・捜索活動は継続できる。ただし、戦闘が行われている場所への武器・弾薬の供給や、他国部隊に組み込まれる医療活動はできない。公明党の北側一雄副代表は「柔軟に考えてもいい」と評価しており、自公両党内で議論する方針だ。国連平和維持活動(PKO)での「駆けつけ警護」と領域国の同意に基づく邦人救出の分野でも議論が進んだ。これまで自衛隊の海外での武器使用は正当防衛などに限ってきた。自衛隊が攻撃を受けた相手が「国や国に準ずる組織」だった場合、反撃すれば憲法9条が禁ずる「海外での武力行使」にあたるためだ。政府は6日の協議で「相手国政府が領域を実効支配していることを国家安全保障会議(NSC)が判断した場合」は、その政府以外の武装集団に自衛隊が武器を使っても問題はないとの解釈を打ち出した。この内容で制度改正が進めば自衛隊の武器使用基準が拡大することになる。

*3:http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxselect.cgi?IDX_OPT=4&H 
(日本国憲法 昭和21年11月3日発布)
第二章 戦争の放棄
第九条  日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
○2  前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

| 外交・防衛::2013.1~2014.8 | 12:00 PM | comments (x) | trackback (x) |

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