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2014,10,28, Tuesday
*2-4より マンションのサンルーム (1)省エネ都市が世界展開の時代に 東芝が、*1のように、米複合企業ユナイテッド・テクノロジーズとスマートシティー事業で提携し、複数のビルや街区の省エネ化などを世界規模で展開して、空調・照明等の機器販売、故障予知等の保守サービスを一体提供するそうだ。日本企業は、蓄電池、ビルエネルギー管理システムなどの新しいエネルギー技術に早くから手をつけたため、その特許を活かして外国の優良企業と提携することができる。 そして、スマートシティーのようなエネルギーの効率化を核とした都市インフラができれば、建物の耐震化、容積率の緩和・緑地の増加を実現しながら、これまでの建物を21世紀仕様に建て替えるインセンティブが増し、スマートで人間を主体とした街づくりを迅速に進めることができるため、国内でも早く進めて欲しいものである。 (2)マンションの建て替えや団地の再生は、どうすべきか *2-1のように、大和ハウスは、老朽化したマンションの建て替え事業を始め、容積率の緩和により既存の住人以外にも売り出す戸数を確保して、建て替え費用の負担を軽くしつつ、新しい耐震基準に従った耐震化や環境に配慮したスマートマンション、商業施設などと一体化した開発などを行うそうである。なるべく、従来の住人には建て替え費用が0か、むしろ収入があるようにすれば、マンションの建て替えが進むだろう。 また、*2-2のように、都市再生機構(UR)は、高齢化しても住民が住み慣れた街で安心して暮らせるように、運営する団地の入居者の高齢化に対応して、団地内で地域の医療や福祉を担う拠点づくりを進め、自治体やNPOなどと連携して、医療や介護サービスを一体的に提供できる体制を整えるそうだ。そして、それを、今年度内に始めて2020年度までに100カ所程度へ広げる方針だそうで、これと*2-1のような建て替えを組み合わせると、言うことなしの街ができるだろう。 なお、*2-2によると、団地の一部をサービス付き高齢者向け住宅に改装した上で、訪問看護ステーションや介護事業所などを誘致し、各施設を結ぶ情報システムの構築で医療や介護を一体的に提供できる仕組みを整えて「地域包括ケアシステム」にするそうだが、これらの施設は同じ団地内にあればよく、高齢者のみを高齢者向け住宅に集めない方がよいと思う。そして、包括サービスが手近にある住宅に住んで便利な人は、実は高齢者だけではなく、子育て中の共働き家庭や独身者、障害者などと多く、料金を払えば病気の子や病気の大人も訪問介護が受けられる方が便利である。 (3)サービス付き高齢者住宅のニーズの普遍性 *2-3のように、京王電鉄も沿線に高齢者向け集合住宅を整備し、周辺在住の高齢者の入居を想定して、入居者が住んでいた自宅には子育て世代や若者などの入居を促す仕組みを設け、高齢化の進展に対応した住環境を整えるとともに、若い世代も呼び込むことで沿線の活性化を進めるそうだ。 その第1弾として、自立して生活できるか、介護度合いの軽い高齢者を対象にしたサービス付き高齢者向け住宅と、介護度合いの重い高齢者が入る介護付き有料老人ホームを1棟ずつ建設するそうだが、サービス付きの便利な住宅は、実は高齢者のみが好むわけではないため、混住にした方が元気で明るい街になってよいと思う。 また、*2-4のように、東急不動産は東京都内で一般住宅を併設したサービス付高齢者向け住宅を建設し、その敷地内に、分譲マンション、保育所、学生向け住宅を併設して、入居者以外の高齢者が介護サービスを受けられる施設やカルチャールームも設けるそうだ。私は、学生向け住宅には留学生や家族持ちの学生も入居しやすくし、その近くに保育所や高齢者施設があれば、博士課程まで進学する人が多くなった21世紀の学生のよいケア方法になると考える。 なお、これらのモデルは、大都市だけでなく、地方都市でも応用できるものだ。そして、私は、今後は、上の写真のように、ベランダだけでなくサンルームのあるマンションの方が便利だと考える。 *1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141017&ng=DGKDASDZ1603Q_W4A011C1EA2000(日経新聞2014.10.17)東芝、省エネ都市世界展開 米社と提携 機器・保守一体で 東芝は米複合企業、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)と環境配慮型都市(スマートシティー)事業で提携する。空調や昇降機に強いUTCと、ビルの設備制御が得意な東芝のノウハウを組み合わせ、複数のビルや街区の省エネ化などを世界規模で展開する。空調や照明など機器販売だけでなく、故障予知など保守サービスも一体提供し、顧客を囲い込む。17日に発表する。東芝は照明や蓄電池、ビルエネルギー管理システム(BEMS)に強い。UTCは、空調機器大手のキヤリアや昇降機のオーチスをはじめ、航空機エンジンやヘリコプターなど世界大手の子会社を多く傘下に抱える。両社は独自の技術を持ち寄り、省エネタイプの空調や昇降機、照明などビルの設備機器の開発などを進める。このほか、設備の稼働データをセンサーと通信を使って収集・分析して故障予防につなげるサービスも展開する。両社の製品とBEMSを世界160カ国以上にあるUTCの販売網を通じ一体提供する。東芝はビルの設備販売やエネルギーの効率化を核とした都市インフラ事業の売上高を3年後に現在の1割増の1兆6千億円にする計画を掲げるが、提携を機に上積みを目指す。UTCの同事業の2013年度売上高は推定3兆1千億円。グループ全体の売り上げの約半分を占める主力事業だ。20年には世界で65兆円にもなるとされるスマートシティー市場を共同で開拓する。東芝は横浜市でスマートシティーの実証実験を進めている。複数のビルの電力を一体管理したり、ビル内の人の動きに合わせて空調や照明を最適に管理したりするなどして、消費電力を2~3割減らす技術を確立しつつある。東芝はキヤリアと空調機器事業で合弁会社、東芝キヤリア(川崎市)を設立しているが、キヤリアの親会社であるUTCと組むことで空調機器以外のビル設備の販売を増やすほか、機器販売より収益性の高い保守サービスを強化し、収益基盤を広げる。また東芝とキヤリアは空調機器の新工場を北米に建設したり技術者拠点を欧米で整備したりする方向で検討に入ることでも合意。東芝キヤリアの13年度の売上高は1600億円だった。10年以内に倍増させたい考えだ。 *2-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141017&ng=DGKDZO78499890X11C14A0TI0000 (日経新聞2014.10.17) 大和ハウス、マンション建て替え参入、仮住居仲介も一括で 大和ハウス工業は老朽化したマンションの建て替え事業を始める。古くなったマンションに住む住人(管理組合)向けコンサルティングから工事、建て替え中の仮住まいの仲介などを総合的に提供。首都圏や関西を中心に案件を掘り起こす。人口減で新築住宅需要の伸びが期待できないなかで、5年後をメドに年100億円規模の事業に育てたい考えだ。大和ハウスは2011年にマンション建て替えの営業や設計の担当部署を東京と大阪に設けて市場調査を進めてきた。このほど神戸市で最初の案件を受注。今後は担当者を16人に倍増して、老朽対策を検討している管理組合への働き掛けを本格化する。旧耐震基準(1981年以前)で建てられ、耐震性が不足しているマンションの建て替えについては、年末から容積率規制が緩和される予定だ。この制度を使って既存住人の住居とは別に売り出す戸数を確保すれば、建設費負担が軽くなる。大和ハウスは同制度をきっかけに、建て替えに踏み切る管理組合が増えると見込んでいる。建物の施工についてはフジタや大和小田急建設、工事中に必要な居住者の仮住まいに関する仲介は日本住宅流通を活用し、グループ全体で事業に取り組む。環境に配慮した省エネルギー型マンションや商業施設と一体となった開発なども提案する。国土交通省によると、国内のマンションの総ストック数は約590万戸で、旧耐震基準でつくられた物件は106万戸ある。建て替え事業には野村不動産や長谷工コーポレーション、旭化成不動産レジデンス(東京・新宿)などが参入しているが、建て替えを終えたのは1万4千戸(2013年4月時点)にとどまっている。ただ、南海トラフ地震など大規模な地震が想定されるなかで、建て替え需要は今後高まるとみられる。国内では大都市圏を中心に、通勤に便利な新築物件候補地が減っていることもあり、大和ハウスは建て替え事業を5年後に100億円、10年後には250億円規模に拡大したい考えだ。 *2-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141023&ng=DGKDASDF22H1S_T21C14A0MM0000 (日経新聞 2014.10.23) UR、旧公団団地を医療拠点に、多摩など、まず23カ所で 地域高齢化に対応 独立行政法人の都市再生機構(UR)は運営する団地の入居者の高齢化に対応し、団地内で地域の医療や福祉を担う拠点づくりを進める。自治体やNPOなどと連携し、医療や介護サービスを一体的に提供できる体制を整える。年度内に始め、2020年度までに100カ所程度へ広げる方針だ。急速な高齢化をにらみ、住民が住み慣れた街で安心して暮らせるようにする。まずは高島平(東京・板橋)や多摩ニュータウン(東京都多摩市)、千里ニュータウンの一角を占める新千里西町(大阪府豊中市)など、首都圏や近畿圏を中心に23の団地を選んだ。ほとんどが1千戸以上の比較的大きないわゆる「旧公団団地」で、急速な高齢化が見込まれる場所だ。URは市町村と共同で地域の医師会や社会福祉協議会、NPOなどと「地域医療福祉拠点団地連絡会議」を順次立ち上げる。医療や介護、生活支援サービスなど地域ごとに必要な施設の整備計画をまとめ、URが拠点を整備する。これまでURはバリアフリー化などで高齢者が住みやすい環境を整えてきた。今後は外部の専門機関と連携を強め、地域住民のあらゆるニーズに対応できるようにする。誘致にあたっては団地内の空いた施設を活用したり、高齢化で利用者が減ってきた駐車場などを新しい施設に建て替えたりする。事業者の賃料を減額するなどの優遇策の導入も検討している。先行的な取り組みとして千葉県柏市の「豊四季台団地」では、行政や東京大学高齢社会総合研究機構と高齢化に対応した街づくりを始めた。団地の一部をサービス付き高齢者向け住宅に改装したうえで、訪問看護ステーションや介護事業所などを誘致し、各施設を結ぶ情報システムの構築で医療や介護を一体的に提供できるしくみを整えた。URは柏市の事例を参考とし、全国で同じような施策を展開する。こうした取り組みは、政府が進める「地域包括ケアシステム」の流れにも沿う。政府は施設への入居を中心としたモデルから、住み慣れた地域で医療や介護、生活支援サービスを一体的に受けられる在宅ケアへの転換をめざしている。URの取り組みはその一環で、地域の利害関係者を巻き込んだ街づくりは全国的な先行事例になりそうだ。URは全国で約1700の団地を運営し、総戸数は約75万戸にのぼる。そのうち半数超は1960~70年代に入居が始まった。2010年に行った調査によると、世帯主の平均年齢は56.8歳。65歳以上の高齢者を抱える世帯は全体の約4割で、25年前後には75歳以上の後期高齢者が急増するとみられている。 *2-3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141028&ng=DGKKZO78950210X21C14A0L83000 (日経新聞 2014.10.28) 京王電鉄、多摩市に高齢者住宅、便利な駅前「移住」促す 空き家、若者世代が入居 京王電鉄は沿線に高齢者向け集合住宅を整備する。まず、東京都多摩市に2棟を建設する。主に周辺在住の高齢者の入居を想定しており、入居者が住んでいた自宅には子育て世代や若者などの入居を促す仕組みを設ける。高齢化の進展に対応した住環境を整えるとともに、若い世代も呼び込むことで、沿線の活性化を進める。第1弾として、自立して生活できるか、もしくは介護度合いの軽い高齢者を対象にしたサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)と、主に介護度合いの重い高齢者が入る介護付き有料老人ホームを1棟ずつ建設する。ともに京王線聖蹟桜ケ丘駅の近くで、2016年の開業を目指す。サ高住は同駅から徒歩2分の場所に建てる。事業費は13億円を見込む。延べ床面積は約4000平方メートルで、予定入居者数は約60人。活動能力が比較的ある高齢者が入るため、買い物などに便利な駅前の立地にする。老人ホームは同駅から徒歩9分の場所で、事業費は11億円となる見通し。介護度合いが重く、サ高住では対応しにくい高齢者の入居を想定する。延べ床面積は約3300平方メートルで、約80人が入居可能だ。2棟については今後、沿線で建設を進める高齢者向け住宅のモデルケースにする考えだ。入居費用などの詳細は今後詰める計画で、中間所得層だった高齢者が利用できるように設定する方針だ。京王電鉄は1960年代から、沿線で戸建て住宅地を開発してきた。聖蹟桜ケ丘駅の南側にも同社が手掛けた大規模住宅地があるが、駅から離れているうえ、途中に坂道がある。高齢化の進展に伴い、こうした場所から、駅に近い物件に移り住む高齢者が増えている。同社は高齢者向け集合住宅の整備により、高齢者のニーズを取り込む。同時に、同住宅への入居者から依頼があれば、空き家になった自宅については、京王グループの不動産会社が売却や改修・賃貸の業務を請け負う。これにより、若い世代の呼び込みにつなげる考えだ。 *2-4:http://www.nikkei.com/paper/related-article/?b=20141028&c=DM1&d=0&nbm=DGKKZO78950210X21C14A0L83000&ng=DGKKZO78950260X21C14A0L83000&ue=DL83000 (日経新聞2014.10.28)サービス付き高齢者住宅、都内に一般併設型 東急不動産 東京都内で一般住宅を併設したサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が登場する。東急不動産は世田谷区内でサ高住の敷地内に分譲マンションや保育所を建設。高齢者施設を展開するコミュニティネット(東京・千代田)などは町田市で学生向け住宅を併設したサ高住を整備する。東急不動産は東急田園都市線桜新町駅から徒歩15分の敷地(約3万4000平方メートル)に、サ高住(全246戸)と一般向け分譲マンション(全252戸)を建設する。2015年に着工し、17年度中の完成を見込む。敷地内には保育所のほか、入居者以外の高齢者が介護サービスを受けられる施設、高齢者や入居者が交流できるカルチャールームも設ける。コミュニティネットなどは町田市で、学生向け賃貸住宅を併設したサ高住を新設する。京王相模原線多摩境駅から徒歩15分で、敷地面積は約7000平方メートル。サ高住60戸、一般住宅40戸を設ける。16年度に完成する計画だ。周辺の桜美林大学と協力し、学生と高齢者の交流を促す。今回の2事業は東京都の新たな補助制度を活用する第1弾。都は一般住宅と交流施設を設けることを条件に、設計費などを一部助成する。 PS(2014/10/29追加):東京都の福祉施設を利用する障害者及び施設職員が、長野県に“通勤”してリンゴやブドウを栽培しているそうだが、人は仕事をすることによって成長し、報酬によってその仕事が評価されるものであるため、障害者も補助金頼みのボランティアや遊びではなく、可能な限り製品を作って販売し、報酬を得るべきである。そのためには、このケースでは、東京から“通勤”するのではなく、長野県の福祉施設が主体になるのが合理的だろう。なお、東京近郊にも農地や花畑はある。 *3:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=30496 (日本農業新聞 2014/10/28) 通勤農業 東京の福祉施設→長野の園地 障害者 果樹栽培で活躍 東京都の福祉施設を利用する障害者と施設職員が、長野県高山村と須坂市に“通勤”し、農家の協力を得てリンゴやブドウを栽培している。果樹栽培を引退する高齢農家から園地を借り、春から秋に月1回、10人前後が園地を訪れて作業する。収穫物を障害者施設の直売所で販売する他、園地周辺の農家の作業を手伝ったり、地元の住民と郷土食を作ったりなどして交流を深めている。長野県への“通勤農業”に取り組むのは、練馬区の障害者就労支援施設「つくりっこの家」の障害者や職員、支援団体のメンバーら。自費や募金を資金に月1回、園地に通っている。管理する園地はブドウ15アールとリンゴ15アール。支援するメンバーの高木哲真さん(65)の知人が同村にいた縁から、園地を借り受けた。 ●農産物販売や郷土食作りも 施設職員の藤村明子さん(26)は「近くの人が摘果を教えてくれたり、通りがかりのお年寄りが剪定(せんてい)を見てくれたり」と、農家の親切に感激する。お茶やお菓子の時間に招いてくれることもあるという。参加する障害者も「空気はいいし、夜は星の数が違う」と顔をほころばせる。収穫した果実は施設の直売所で販売する他、りんごジュースも人気だ。活動上の悩みは、遠隔地のため地域での就労に出る補助金が付かないこと。このため支援者から募金を募って交通費などに充て、ボランティアは自費で訪れている。これを知った村民が村と交渉し、昨年からは村の施設を宿泊と自炊に無料で借りられることになった。また、村と施設、区民の交流が昨年からスタートした。村民が区内の催しに駆け付けて農産物を売り、障害者や区民が村を訪れて郷土食を一緒に作るなど、交流が深まっている。高木さんは「障害者にとって、自然の中の仕事や農家との交流は大きなプラスになっている」と活動に手応えをつかんでいる。藤村さんも「地域の支援に応えるために、果樹作業の応援の機会などを増やしたい」と意欲を語る。
| まちづくりと地域振興::2014.4~2015.4 | 02:25 PM | comments (x) | trackback (x) |
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