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2015,01,14, Wednesday
伊万里市大川内山 古伊万里 鍋島 (1)玄海原発30キロ圏内の伊万里市の要望 *1のように、玄海原発から30キロ圏内にある伊万里市の塚部市長は、原発再稼働問題について、新しく選出される佐賀県知事に対し、「伊万里市と九電との原子力安全協定が締結されない中では、再稼働の同意をしないよう求めたい」と述べている。原発事故が起きれば、玄海町と同じ被害にあう伊万里市としては当然のことだろう。 さらに、伊万里市は、*3の大川内山という鍋島藩窯があったところで、日本が鎖国をしていた江戸時代から古伊万里と呼ぶ磁器をヨーロッパに輸出していた歴史的にも価値のある場所だ。そのため、ここは世界遺産に立候補することこそあれ、放射能汚染で入れない場所にするなど、決してあってはならない。 (2)伊万里市への定住促進 *2-1のように、伊万里市は若手職員によるワーキンググループを作って、西九州自動車道の延伸に伴う交流人口の拡大や定住促進をテーマにアイデアを出し合うそうだが、それには、*2-2のような “逆指名”で移住者を募集するのが効果的だと考える。何故なら、都市には、自然に近く、食べ物が美味しくて、かつ便利な場所に住みたい自然派の人が多いが、移住後の生活の目途が立たなければ、それは実現できないからである。 そのため、移住者にとって欠かせない①雇用条件 ②入居可能な住宅 ③教育・保育、医療・介護、生活圏に関する情報 ④問い合わせすべき市町村の担当部署 などの情報を記載した上で、地域が求める移住者を具体的に明記して、UターンやIターンを募集するのがよいと思う。もちろん、①②③の条件は、総合的には前に住んでいた場所よりも魅力的なものになるようにしなければならない。 (3)日本の農産物輸出額が過去最高になった 日本では農産物は輸入するものであって輸出するものではないかのような錯覚が最近まであったが、*4のように、フクシマ原発事故があったにもかかわらず、努力し始めてから10年足らずで農林水産物・食品の輸出額は過去最高を更新し、2014年1~11月の輸出額は5482億円になるそうだ。伊万里市は、牛肉をはじめとする農林水産物も良質なものができるため、それを担う人材は増えた方がよい。それには、都会でいろいろな経験を持つ人を募集してはどうだろうか。 *1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/142722 (佐賀新聞 2015年1月7日) 再稼働同意、新知事に注文 「伊万里市の協定後に」 伊万里市の塚部芳和市長は6日の定例会見で、玄海原発再稼働問題について、新しく選出される県知事に対し「伊万里市と九電との原子力安全協定が締結されない中では、再稼働の同意をしないよう求めたい」と述べた。市と九電の協定締結を、知事の再稼働同意の条件とするよう要請する。伊万里市は九電に立地自治体の玄海町と同等の事前了解を含む安全協定の締結を求めている。塚部市長は「現時点でスタンスは変えない」と従来の主張を強調した。県はこれまで伊万里市と九電の交渉に関与しない立場をとってきたが、「前知事の考えと違ってくるかもしれないので、ぜひ伊万里市の考えを伝えたい」と新知事に期待を寄せた。また、塚部市長は2月1日に西九州自動車道が市内(南波多谷口インター)まで延伸することに関し、「交流人口や観光客の増加につなげたい」と期待する一方で、「逆に福岡都市圏に買い物客や人口が流出する恐れがある」と不安も語った。近く若手職員10人による「伊万里に来てくんしゃい対策チーム」を立ち上げ、観光や定住対策などで柔軟にアイデアを出し合うという。 *2-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/145164 (佐賀新聞 2015年1月14日) 伊万里に来てくんしゃい 若手職員で対策チーム ■西九州道延伸観光客増と定住促進 伊万里市は13日、20~30代の若手職員によるワーキンググループ「伊万里に来てくんしゃい対策チーム」を発足させた。西九州自動車道の延伸に伴う交流人口の拡大や定住促進をテーマにアイデアを出し合う。2月中旬ごろまで会合を重ね、塚部芳和市長に具体策を提案する予定。西九州道が2月1日に市南波多町の南波多谷口インターチェンジまで延伸することを受け、塚部市長が若手職員中心での論議を指示した。各部署の部長が推薦した10人がメンバー。勤務後の時間帯などに会議を開き、観光客の増加と定住促進を主なテーマに、若手ならではのアイデアを出す。初会合では、江頭興宣副市長が「西九州道をどういかすかが、伊万里市の大きな課題。これまでの事業にとらわれず新鮮なアイデアを出してほしい」と要望した。メンバーは自己紹介の後、意見交換を行い、「伊万里の親元から大学に通えれば若者の流出防止につながる。高速バス運行を充実できないか」「伊万里の魅力を集約したような場所がほしい」などの意見を出し合った。 *2-2:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=31611 (日本農業新聞 2015/1/14) 牧場作業員、薬剤師・・・ “逆指名”で移住募集 島根県が事業 島根県は、市町村やふるさと島根定住財団と協力し、地域が求める移住者像を提案する事業に乗り出した。移住希望者に就いてほしい仕事、住宅・生活圏の情報などをパッケージで提供する。全19市町村が計100のパッケージ情報を発信している。県は「移住後の生活がイメージしやすく、移住希望者から反響が大きい」(しまね暮らし推進課)と意義を強調する。 ●職種や住環境まとめて提供 同県が、若者の移住支援策として新たに打ち出したのが2014年度スタートした定住パッケージ事業だ。移住者が地域に溶け込めるよう、事前に受け入れ側の要望を分かりやすく示す必要があると判断した。パッケージ情報には、移住者にとって欠かせない(1)雇用条件(2)入居可能な住宅(3)学校や病院、スーパーなど生活圏情報(4)市町村の担当部署――などを盛り込む。その上で「行事への積極的な参加」「農業への強い意欲」など地域が求める移住者像を具体的に明記する。飯南町の来島地区は、移住者に勧める仕事として「乳牛飼育する牧場作業員」、住宅として新築社宅を提示。求める移住者像としては「乳牛の健康状態や気持ちを的確に感じ取る人。動物に対する優しさ、時には厳しさを持って接することができる人」を挙げている。こうした求める移住者像は、地域によって違う。薬剤師や育林作業員を探していたり、古民家で暮らしたい人を募集していたりと、地域ごとにさまざまな要望がある。県は「求める移住者像を明確にすることで、若者の希望と地域の要望のミスマッチを解消できる。それぞれの地域への定住化に結びつけたい」(同課)と期待する。他の自治体でも、移住者のターゲットを絞って支援する動きが広がりだした。徳島県神山町は高速通信網を整備し、IT起業家やウェブデザイナーなど移住してほしい人を“逆指名”する形をとる。町は「過疎高齢化が進む中で、若い人の移住が必要だった。逆指名型をとることで、IT企業の進出が増えて、雇用にもつながった」(産業観光課)と成果を説明する。長野県も子育て世代や若手起業家など特定層をターゲットに情報発信や移住相談会を始めた。県は「ぼんやりとした募集ではなく、移住したい人のニーズも踏まえることができる」(地域振興課)と話す。九州大学の小川全夫名誉教授は「こういう人に来てほしいと要望し、優遇策を提示する手法は、ある意味で契約型移住だ。明確な目的が共有でき、定住率が高まる」と指摘。政府が地方創生を進めることを踏まえ「全国の行政が移住支援に力を入れ始めたが、不特定多数でなく、ターゲットを絞るなど多様な戦略を練ることが求められる」と主張する。 *3:http://sagasubanta.com/sagayoyo/yokatoko/okawachiyama/ 江戸時代、肥前地区で焼かれた焼物(磁器)は、伊万里の港から積み出され、国内はもちろん、遠くヨーロッパまでも運ばれたので、伊万里が焼物の代名詞となり、これらの焼物の総称が「古伊万里」と呼ばれています。現在では、特に赤絵に金を施した物を「古伊万里様式」と呼んでいます。日本で最初に磁器を完成させた鍋島藩は、より高い品質と技法の維持に努め「藩窯」を組織し、1675年には有田から大川内山に藩窯を移して、その技法が他に漏れないようにしました。この藩窯では大名や将軍家、朝廷に献上するための高品位な焼物を、明治4年まで焼き続けました。この焼物が鍋島と呼ばれています。鍋島藩窯のあった大川内山では、明治4年の藩窯解散以後、藩窯で培われた高度な技法を守り、受け継いできました。現在でも、鍋島の技法はもちろん、新たな技術も取り入れた多くの窯元が大川内山にあり、伊万里焼の中心となっています。伊万里焼は鍋島等の様式美を受け継いだ物から、現代の生活感覚にマッチした焼物まで、多くの種類があります。 *4:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=31621 (日本農業新聞 2015/1/14) 農産物輸出額 過去最高へ 米3割、牛肉4割増 14年1~11月 2014年の農林水産物・食品の輸出額が過去最高を更新する見通しだ。13日に農水省が公表した同年1~11月の実績は過去最高を記録した前年同期と比べて11%増と好調に伸びている。農産物では米が3割、牛肉で4割伸びた。円安による割安感が後押ししたことに加え、検疫協議などで各国が輸入規制を緩和したことなどがプラス材料になった。ただ輸出の多くを占めるのは水産物や加工食品のため、輸出増を農家の所得向上につなげられるかが課題だ。14年1~11月の輸出額は5482億円。過去最高となった13年の5505億円(通年)と同水準で、14年1年間では過去最高を更新するのが確実だ。品目別では米(援助米を除く)が12億円で33%、牛肉が71億円で41%、リンゴが64億円で39%それぞれ増え、数量ベースでもそれぞれ4割増えた。農水省は輸出増の要因について、円安による追い風に加え、日本食ブーム、動植物検疫協議が進んだこと、東京電力福島第1原子力発電所事故を受けた日本産食品の輸入規制が各国で緩和されたことなどを挙げる。特に牛肉は、5億人の市場を抱える欧州連合(EU)向けの輸出が解禁され、1~11月に3億円輸出が増えて牛肉全体の輸出増を押し上げた。輸出増に向け、環境整備が課題になる。原発事故を受けた輸入規制は、14年にEUや米国など8カ国・地域が緩和したが、輸出先で上位を占める中国や韓国が厳しい規制を続けている。輸出構成を見ると、水産物(39%)、みそ・しょうゆ、ソースなどの加工食品(29%)に対し、畜産品(7%)、穀物(4%)などの割合は少ない。
| まちづくりと地域振興::2014.4~2015.4 | 09:21 PM | comments (x) | trackback (x) |
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