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2015,01,19, Monday
佐賀県の養鶏場(無料の画像集より) *2の宮崎県の対応 (1)二つの農場の7万2900羽を全て殺処分し、周囲3〜10キロは区域外への搬出を禁じる搬出制限区域とすることが本当に必要とは思えないため、疫学・公衆衛生学の専門家は再検討して欲しい *1のように、「①佐賀県有田町の養鶏場の鶏7羽から鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たため、この養鶏場の二つの農場で飼育していた7万2900羽は全て殺処分する」「②陽性であれば、発生農場から半径3キロ(13戸、約41万羽)は鶏や卵、堆肥などの移動を禁止する移動制限区域になり、3〜10キロ(佐賀県で19戸、約24万羽)は区域外への搬出を禁じる搬出制限区域になる」「③佐賀県は、県内の養鶏農家全163戸に移動の自粛や消毒の徹底を要請した」「④そのため、ブランド産地に衝撃だ」「⑤伊万里市はツルの休息地であるため、いつ佐賀で出てもおかしくないと警戒していた」「⑥朝にも石灰をまいて拡大防止に努める」「⑦風評被害も心配」などと記載している。 しかし、鳥インフルエンザ予防の視点から見ると、④⑤については、ウイルスを持つ野鳥や野生動物と接触させない造りの鶏舎にして、鳥インフルエンザを出さず、ブランドを護ることが重要だ。 しかし、①②については、隔絶された場所にいる鶏はインフルエンザに感染しないため、鶏舎の構造や距離にもよるが、離れた場所にある二つの農場で飼育している7万2900羽の全てを殺したり、発生農場から半径3キロの鶏や卵、堆肥などを移動制限したり、3〜10キロの区域外へ搬出制限したりするのは過剰反応だ。これは、列車の一つの車両にスペイン風邪の人が乗っていても、別の車両や後続列車に乗っている人には伝染しないのと同じ理屈だ。 つまり、感染しておらず、感染する疑いもない鶏やその生産物に制限をかける必要はなく、何が何でも何十万羽も殺処分するのには異なる目的があるように、私には思われた。また、*3のように、「鳥インフルエンザが恐れられるのはなぜか、作られた恐怖がパニックを招く」という神経内科医で医療社会学者が書いたHPもあるため、佐賀大学などの専門家は、ここまで大規模な殺処分と移動制限が本当に必要なのか否かを検討してもらいたい。 また、これだけ大規模に養鶏を行っているのなら、鳥インフルエンザへの感染や伝染のリスクを最小にするため、①鶏を野生動物と接触させず ②鶏舎をいくつかの小部屋に分け ③太陽光発電による電力など無料のエネルギーを使って外に換気する などが必要で、そのための鶏舎の設計が重要である。 (2)インフルエンザウイルスの消毒のために消石灰を撒くのは疑問 (1)の③⑥のように、インフルエンザウイルスを死滅させる(消毒する)ために消石灰を撒くというのも、それでインフルエンザウイルスが死滅するわけがないため、私は、無意味だと考える。ウイルスは、物質と生物(細菌)の間に位置する物体で、熱や薬に強いため、消石灰で死滅するとは思われず、免疫や予防が大切なのである。 (3)では、鳥インフルエンザへの過剰な対応はどうして起こるのか (1)(2)のように、私が鳥インフルエンザへの対応は変だと思っていたところ、*3のように、医師が書いたブログがあり、もっともだと思った。人間への強力な感染力を持つ鳥インフルエンザは、今のところ実在しておらず、その脅威は、既に起こっている原発由来の人工核種に依る放射線の脅威とは全く異なるため、必要以上に恐怖をあおって大げさな対応をするのは意図的のように思われる。 (4)宮崎県では農水副大臣と知事が鳥インフル対策の連携で一致とのこと *2に、「①宮崎県延岡市の養鶏場でH5型の高病原性鳥インフルエンザの遺伝子が確認されたことを受け、小泉農林水産副大臣は、16日、同県庁を訪れ、河野俊嗣知事と会談し、国と県が一体となり、ウイルスを封じ込めることなどで一致した」「②県と連携して封じ込めや風評被害の対策に当たる」「③国が対応しないといけない場合、要望してくれと申し上げた」と語り、河野知事は「④迅速な封じ込めに全力を挙げる」「⑤終息のめどが付くまで立候補している知事選(21日投票)の自身の活動は控える」と話したそうだ。 しかし、①③④⑤は、「知事は与党でなければ国と県が一体となってウイルスを封じ込めることはできない」というメッセージを発しており、これは地方選挙を与党有利に運ぶものである。また、②からは、「風評被害対策を行う」として、原発事故による農産物の汚染と混同させようとする意図が透けて見える。 これにより、実在していないインフルエンザに対する恐怖をあおり、ヒステリックに鶏を殺処分する過剰な反応を行う別の目的がわかった気がした。 *1:http://qbiz.jp/article/53968/1/ (西日本新聞 2015年1月18日) 佐賀で鳥インフルか 有田町の養鶏場、7万2900羽飼育 佐賀県は17日夜、有田町の養鶏場の鶏7羽から簡易検査で鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たと発表した。佐賀県内で発生の疑いが出たのは初めて。この養鶏場は二つの農場で計7万2900羽を飼育しており、18日未明に判明する遺伝子検査の結果で陽性が確認されれば全て殺処分する。県は、県内の養鶏農家全163戸に移動の自粛や消毒の徹底を要請した。県によると、有田町の養鶏農家の鶏舎1棟で15日に鶏4羽が死んでいた。16日に7羽、17日には8羽と死ぬ数が増え、農家が家畜保健衛生所に連絡。2度の簡易検査で10羽中7羽から陽性反応が出た。陽性が確認されると、発生農場から半径3キロ(13戸、約41万羽)は鶏や卵、堆肥などの移動を禁止する移動制限区域に、3〜10キロ(佐賀県で19戸、約24万羽)は区域外への搬出を禁じる搬出制限区域になる。同区域には長崎県の四つの養鶏場も含まれる。有田町はブロイラー生産が盛んで15の養鶏場があり約47万羽を飼育。隣接する伊万里市は21カ所54万羽、武雄市は13カ所36万羽。いずれも昨年12月に宮崎県で発生後、渡り鳥などが潜入しないよう防鳥ネットを点検していた。 ◇ ◇ ●ブランド産地に衝撃 佐賀県有田町の養鶏場で鳥インフルエンザの疑いが出た17日、県内に衝撃が広がった。「ありたどり」「みつせ鶏」「骨太有明鶏」といったブランドの一大産地があり、感染が広がれば影響は計り知れない。県や九州農政局などによると、県内には163の養鶏場があり養鶏産出額(2013年度)はブロイラー75億円、鶏卵18億円。県の農業産出額全体の8%に当たる。「大変なことだ。最小限に食い止めるよう全力を挙げる」。有田町の山口隆敏町長は語気を強めた。隣接する伊万里市は、シベリアから鹿児島県出水平野に向かうツルの休息地。宮崎県でも発生し「いつ佐賀で出てもおかしくない」と警戒していた。養鶏農家に不安が広がる。鶏5千羽を飼育する佐賀市の女性(70)は「県から電話を受けびっくりした。消毒のため自宅や鶏舎の周りに石灰をまいているが広がらないか」。唐津市の40代の男性は「円安で飼料は高騰し、ただでさえ大変。拡大すれば大打撃だ」。武雄市で飼育し、卵を販売する男性(55)は「朝にも石灰をまいて拡大防止に努める」と険しい表情。太良町で6万羽を飼育する佐賀市の会社の男性社員(33)は「風評被害も心配だ」と話した。 *2:http://qbiz.jp/article/52043/1/ (西日本新聞 2014年12月17日) 農水副大臣と知事、鳥インフル対策の連携で一致 県庁で会談 宮崎県延岡市の養鶏場でH5型の高病原性鳥インフルエンザの遺伝子が確認されたことを受け、小泉昭男農林水産副大臣は16日、同県庁を訪れ、河野俊嗣知事と会談。国と県が一体となり、ウイルスを封じ込めることなどで一致した。約20分間の協議は非公開で行われ、終了後に会見した小泉副大臣は県の初動を評価した上で「県と連携して封じ込めや風評被害の対策に当たる。国が対応しないといけない場合、要望してくれと申し上げた」と語った。河野知事も「迅速な封じ込めに全力を挙げる」と述べた。また、終息のめどが付くまで立候補している知事選(21日投票)の自身の活動は控えると話した。 *3:http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/v/01/index.html (SAFTY JAPAN 神経内科医、医療社会学者 美馬達哉 2006年1月17日) 鳥インフルエンザが恐れられるのはなぜか、作られた「恐怖」がパニックを招く I)「常識」を少し疑えば、違う事実が見えてくる 恐るべき流行病が現実に存在しているわけでもないのに、「恐怖」という感情だけが流行病のように広がっていく――自身も医師でコラムニストのマーク・シーゲルは近著『偽りの警告 恐怖という流行病についての真実』(Wiley社)の中で、病気にならないための安心を求めてパニックとなった現代をこのように診断している。生物兵器テロについての政府筋情報、映画『アウトブレイク』のモデルともなったエボラ出血熱、新型肺炎であるSARS、人食いバクテリアのニュースなど、1990年代以降のアメリカのマスメディアは恐ろしい病気の話題であふれかえっていた。そうした背景のもとで、さまざまな恐怖という商品を取り揃えたショーケースに現れた“新製品”こそが、鳥インフルエンザと新型インフルエンザだというのだ。インフルエンザに対するパニックが日本も含めて世界に広がったという現状をみる限りでは、どうやらアメリカは「恐怖という流行病」を輸出することに大成功しているようだ。現代日本でも、恐ろしい病気についての話題が満載のTV健康番組があふれかえっている。さて、現実に起きるかどうかは別にして、インフルエンザが話題になる場合の恐怖のシナリオは大まかには次のようなストーリーである。2003年の冬以来、アジアを中心に、数百万羽単位での死亡を引き起こす鳥インフルエンザが猛威を振るっている。今のところはほぼ鳥類に限られた流行病であるが、人間にも感染するケースが見付かり始め、そのための死者もかなりの数に達している。今後、鳥インフルエンザのウイルスが突然変異して人間から人間に感染する能力を持ったならば、新型のインフルエンザとして大流行を引き起こしかねない。その理由は、鳥由来のウイルスであるために、これまで人類で流行してきたインフルエンザのウイルスとは異なっていて、だれも免疫を持っていないからだ。例えば、第一次世界大戦中の1918年に流行った『スペインかぜ』と呼ばれるインフルエンザの時には、それまで流行していたインフルエンザとウイルスのタイプが異なっていたために、戦争での死者数の数倍にあたる4000万人が世界中で死亡したといわれている。交通が発達した現在では、アジアでの鳥インフルエンザが新型インフルエンザとなって感染爆発を起こせば、その被害は1億人規模の甚大なものとなることが予測される――。「恐怖という流行病」を売り込むこの説得術に言いくるめられてしまう前に、立ち止まって医療社会学の目で少し考えてみることにしよう。医療社会学とは、その名前の通り、社会学という眼鏡をかけて医療という文化現象を観察する学問である。難しくは聞こえるが、その基本は、社会のなかで行われる医療・医学は、良かれ悪しかれ、特定の時代や地域、文化での特定の人々や、グループの価値観や利害に左右されているということを理解した上で、うまく医療・医学と付き合っていきましょうという態度のことだといってもよい。鳥インフルエンザに関して、まず、みなさんは次のような事実をご存じだろうか。 II)医療社会学から見たリスク ●新型インフルエンザのリスクを再考する (1)鳥インフルエンザによる健康被害は今のところはごくわずかであること 2003年から断続的に続く鳥インフルエンザによる鳥類(と養鶏業者)の被害はもちろん甚大である。だが、人間での死者は2006年1月14日現在までの世界中の合計でも79人である。日本での公式統計上はインフルエンザによる死亡は年間で500人から1500人ぐらいであることを考えれば、その少なさが際立つだろう。メディアで鳥インフルエンザや新型インフルエンザとして話題になっているのは、人間を苦しめている現実の病気ではなく、不特定な未来に発生するかもしれないと予測されているに過ぎない、いわば架空の病気についての架空のシナリオであることを、しっかりと確認しておこう。限られた医療資源や医療費を、今のところ誰もかかったことがない新型インフルエンザへの(必要になるかどうかも分からない)備えのために使ってしまってよいものかどうかは、パニックに踊らされることなく冷静に判断していく必要がある点だ。では本当に、「恐怖という流行病」の売り手たちが叫んでいるように、鳥インフルエンザの流行が起きたために、人間での新型インフルエンザのリスクが最近になって高まっているのだろうか。この点についてアセスメントするためには、次のような事実が参考になるだろう。 (2)鳥インフルエンザは、最近になって新しく出現した病気ではないということ いま話題となっている鳥での死亡率の高い(高病原性)インフルエンザは、おそらく19世紀から「ニワトリの疫病」として知られているものと同じ病気であり、少なくともこの40年間では鳥類での流行が獣医学者によって何度か確認されている。それどころか、最新の研究によれば、そもそも人間のインフルエンザのウイルスの祖先は鳥インフルエンザのウイルスであって、鳥から豚にまず拡がり、その後に人間に感染するようになったらしいという。つまり、鳥インフルエンザはおそらく一番古くから存在しているインフルエンザなのだが、最近になってメディアで取り上げられることが多くなったので新しいもののように感じられるに過ぎないということになる。要するに、人類はずっと気づかないままに鳥インフルエンザからの新型インフルエンザ発生というリスクと隣りあわせだったのだ。それでも、人間と鳥類との接触の度合いが昔よりも密接になったというなら、新型インフルエンザ発生のリスクは高まっているといえるだろう。その点についてははっきりとは分からない。ただ、第一次産業(農業・牧畜業・水産業・林業・狩猟業など)従事者が減少している以上は、ニワトリと日常的に接触するという人間の数はどちらかといえば減っているのではないか。また、ニワトリもケージで飼われて他の野鳥と接触する機会が少ない分だけ、鳥インフルエンザに感染することも少なくなっているのではないか(いったん感染すれば、狭いケージの中では爆発的に広がるだろうが)。現在の鳥類での鳥インフルエンザ流行は、これまでにない世界規模の激しいものであることは事実だ。その意味では、新型インフルエンザ発生のリスクは多少とも大きくなっているのかもしれない。だが、そうとも簡単には断言できないというのは、こんな事実があるからだ。 (3)あるタイプの鳥インフルエンザが感染力や毒性が強かったとしても、それに由来するウイルスが人間にとって感染力や毒性が強いとは限らないこと いま、アジアを席巻している鳥インフルエンザは鳥類に対して強い感染力や毒性を持っている。人間に感染した場合の死亡率も高く、人間に対しても毒性が強いようだ。ただし、鳥類から鳥類にはたやすく感染するが、鳥類から人間への感染はまれであり、人間から人間への感染はほとんどない。感染力の強さという性質は種の壁を越えることができないわけだ。将来、この鳥インフルエンザのウイルスが突然変異して人間から人間に感染するようになるかどうか。そして、たとえそう突然変異した場合でも同じような強い毒性を保ったままかどうかということは予測できないことである。このことを逆に言えば、鳥類での大流行がなかったとしても、突然変異によって人間に感染するインフルエンザとして大流行する場合があるということになる。先に紹介したスペイン風邪の場合はこれにあたっている。一般的な鳥インフルエンザのウイルスが、鳥類での大流行を引き起こすことなく、豚に感染して突然変異が起き、人間での大流行を引き起こしたと推測されているからだ。他の動物は無視して鳥類だけを、しかも鳥類での大流行だけを心配するというのは危機管理としてあまりにも杜撰(ずさん)である。実際のリスクの大きさとは無関係に、鳥インフルエンザの大流行が起きてばたばたとニワトリが死んでいるというイメージは、豚の体内での目に見えないウイルスの突然変異よりもはるかに、人間での新型インフルエンザの大流行という恐怖と結び付きやすい。このようなバイアスが、一見したときの分かりやすさを重視するマスメディアなどによって増幅されがちであることはよく知られている通りだ。鳥インフルエンザの大流行だけを問題視するという見当違いをしでかすことは、笑い話のなかに出てくる落し物を探す男によく似ている。その男は、暗い夜道で落とした財布を捜すために、落としたかもしれない場所ではなく、一カ所だけにあった明るい街灯の下だけを探したというのだ。そこが探すのに便利だったからという理由で。しっかりした歴史記録の残されている16世紀以来、インフルエンザ大流行は十年から数十年に一度の周期で発生している。20世紀での大きな流行は、1918年(スペインかぜ)、1957年(アジアかぜ)、1968年(香港かぜ)の3回であり、新型インフルエンザはそう遠くない時期に発生すると考えたほうがいいだろう。だが、そのことと、それがあたかも今年や来年であると確定しているかのように恐れて騒ぎ立てるということは別物である。最初に、「恐怖という流行病」という視点を紹介したが、これは何も病気にだけ限られていることではない。最近の日本社会では、「安全神話の崩壊」などともいわれるように、病気はもちろんだが事故や犯罪、天災などに対する恐怖が蔓延している。こうした問題に対応する際、恐怖心によって動かされてしまえば、パニックに陥って、インフルエンザをめぐる騒ぎと同じように、ちょっとした危険を過大視したり、見当違いの対策を練ったりすることにつながりかねない。『アメリカは恐怖に踊る』(草思社)で有名な社会学者のバリー・グラスナーは、「人間の弱い心を刺激して恐怖を売り歩く者には富と権力が約束される」から、恐怖やパニックがはびこるのだと指摘している。インフルエンザをめぐる「恐怖という流行病」への最良のワクチンとは、そのことで誰にどんな富と権力が約束されるのかを冷静に疑ってみることではないか。 PS(2015.1.19追加):*4に、「家畜伝染病予防法が発生源の農場を中心に、鶏や卵の移動を禁じる移動制限区域(半径3キロ)と、区域外への搬出を禁じる搬出制限区域(同3キロ〜10キロ)を設定している」と書かれているが、私が医療や畜産の専門家に依り検証を行うべきと考えるのは、この家畜伝染病予防法の内容である。どういう構造の鶏舎でも同じ扱いになるのもおかしい。 *4より 養鶏場(無料の画像集より) *4:http://qbiz.jp/article/53983/1/ (西日本新聞 2015年1月19日) 佐賀鳥インフル強毒性 有田の養鶏場 7万2900羽殺処分開始 佐賀県は18日、鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出た有田町の養鶏場の鶏7羽について、強毒性のH5型高病原性鳥インフルエンザウイルスの遺伝子を確認したと発表した。これを受け県などは未明から、この養鶏農家が管理する同町内の2農場の肉用鶏約7万2900羽の殺処分や埋却作業を開始した。同県内での発生確認は初めて。国内養鶏場での今季発生は、宮崎県延岡市、宮崎市、山口県長門市、岡山県笠岡市に次ぎ5例目となる。県や有田町職員らが同日午前2時50分から殺処分を開始。県から災害派遣要請を受けた陸上自衛隊が夕方から投入されるなど計約1100人が作業にあたった。午後9時現在の処分数は約9割にあたる6万4900羽で、19日未明までの作業完了を目指す。家畜伝染病予防法に基づき、発生源の農場を中心に、鶏や卵の移動を禁じる移動制限区域(半径3キロ)と、区域外への搬出を禁じる搬出制限区域(同3キロ〜10キロ)を設定。移動制限区域の養鶏場は7戸(24万7千羽)、搬出制限区域は隣接する長崎県にまたがり、佐賀県は19戸(24万羽)、長崎県は4戸(2万3千羽)に上る。両県は計18カ所に車両用の消毒ポイントを設置し、通行車両の消毒を24時間態勢で実施。両県とも県内養鶏農家に確認したところ、異常はみられないという。一方、農林水産省の疫学チームが18日、感染ルート解明のため現地入り。佐賀県庁を訪れた小泉昭男農水副大臣は山口祥義知事と会談し、被害農家への補償など国が全面支援することを約束した。
| 農林漁業::2014.8~2015.10 | 08:56 AM | comments (x) | trackback (x) |
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