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2015.10.22 伝統工芸は、最新技術の導入で発展産業にできるし、そうしなければならない。 (2015年10月24日、11月19日に追加あり)
      
  2015.10.6    2014.7.3          従来の博多人形
  西日本新聞     佐賀新聞 
       
              古代をモチーフにした最近の博多人形               劉備の博多人形
                 (*一番よいものを掲載したとは限りません)

(1)伝統工芸の活路
 私が衆議院議員だった時、上のグラフのように、佐賀県の有田焼は、それまでの料亭への販売が減り、売上が最盛期の20%程度まで落ちたという相談を受けたため、日本全体の伝統工芸の団体を集めて実情を聞いたところ、自民党の谷垣幹事長の地元の丹後ちりめんや伊吹文明元衆議院議長の地元の京都西陣織・友禅染なども含めて、他の伝統工芸も似たような状況であることがわかった。そのため、麻生財務大臣の地元、福岡の博多人形や博多織も似たような状況だと思われる。

 伝統工芸品生産額は、*1-1に書かれているように、年々減少するという厳しい状況にあるが、それはライフスタイルの変化に対応して需要を取り込まなかったこと、あまりにも高価で日本の中流階級には買いにくいこと、和式や和装が急速に少なくなったこと等が理由だろう。そのため、それぞれの産地で新技術の開発・応用や輸出拡大・販路開拓などに活路を見いだそうとしているのは重要なことである。

 そして、伝統工芸品には優れたものが多いため、それが消失するのはもったいなさすぎる。そのため、①織物なら過去の逸品を先端技術のコンピューター付織機で再現して品質を上げながら安価なものを生産するよう技術革新したり、②染色も著作権のなくなった過去の逸品をプリンターで印刷したり、③人形は3Dプリンターで注文主が要望する顔を作ったり、*1-3のようなロボットを組み込んだりすると、新しい付加価値がついてヒットすると思う。ちなみに、西安の兵馬俑は、素焼きの人形や馬に着色してあった点が博多人形と同じだが、その修理場に行った時、従来のモンゴル民族・漢民族の頭のほかに、オバマ米大統領の頭も置いてあったのが意外で興味深かった。

(2)人材
 九州経済調査協会(福岡市)は、*1-2のように、九州・沖縄・山口の2014年の人口移動は、全293市町村のうち8割近くの228の自治体で55〜69歳のリタイア層が転入超過で、「すでに人口還流が起きている」としている。50歳以上で大都市から九州に還流する人には、これまで九州にはなかったような国際企業や輸出企業で経験を積んだ人も多いため、彼らの知識や経験を取り込んでまちづくりや地域産業の活性化に生かすのは有意義だ。

 また、高齢者も、働いて支える側にいれば、本人には遣り甲斐があって健康寿命を延ばせるとともに、年金受給額が低くなるため、年金財政にもプラスである。

(3)金融とファンド
 事業の見通しがたったら金融が必要になるが、西日本シティ銀行と地場企業は、*2-1のように、既に九州大の特定関連会社、産学連携機構九州と共同で、大学発ベンチャーの創出を目的としたファンドを組成し、バイオ・医療機器・ナノテクノロジー・情報通信・デジタルコンテンツ−などへの投資を想定しているそうで、頼もしい。

 また、*2-2のように、佐賀県内に本店を置く全8金融機関と政府系ファンドの地域経済活性化支援機構は、「佐賀観光活性化ファンド」を設立し、2016年に創業400年を迎える有田焼産地である有田町の事業を最初の支援対象とし、地域活性化のモデルとして全県への展開を目指すそうだ。さらに、*2-4のように、九州の地方銀行は、地域経済の活性化を掲げた投資ファンドを相次いで設立している。

 そして、*2-3のように、ゆうちょ銀行も、中小企業の経営支援をするための投資ファンドを各地の金融機関と設立する検討をしており、地域金融機関との連携を強化するとともに、資金運用の多様化を進めるそうだ。私は、民営化したゆうちょ銀行の事業に政府が制限を加えすぎるのは妥当ではなく、ゆうちょ銀行にとって慣れない仕事は、他の金融機関と協調融資しながら習熟していけばよいと考えている。

    
        丹後縮緬                       京友禅           加賀友禅
     
      西陣織                              博多織
    
    佐賀錦      大島紬(奄美大島)  黄八丈(八丈島) 久留米絣      紅型(沖縄)  
                  (*一番よいものを掲載したとは限りません)

*1-1:http://qbiz.jp/article/73077/1/
(西日本新聞 2015年10月6日) 九州の伝統的工芸品、活路探る 輸出や新技術に力点
 陶磁器、織物、木工品…。九州にはさまざまな伝統産業がある。国指定の伝統的工芸品は、博多織や博多人形、伊万里・有田焼など20品目。各県指定の工芸品も多数ある。生産額が年々減少するなど厳しい状況にあるが、それぞれの産地で輸出拡大や販路開拓、新技術の開発・応用などに活路を見いだそうとしている。伝統的工芸品産業の振興に関する法律(伝産法)が1974年に施行され、産業振興の仕組みが整った。要件としては(1)主に日常生活で使われる(2)製造過程の主要部分が手工業的である(3)100年以上前から続く技術・技法で作られる(4)100年以上前から使われる原材料で製造される(5)産地が一定の規模を形成していること−など。国指定の産地は全国で222品目(今年6月現在)ある。全国組織の伝統的工芸品産業振興協会(東京)によると、国指定産地の12年の販売額は1039億円で、83年(5405億円)の5分の1に減少している。従事者数は約6万9千人で、79年に比べると4分の1。ライフスタイルの変化や、安い海外品の流入などで、苦戦を強いられているのが現状だという。国による支援では、産地ごとに製造事業者などで組合を結成。組合が振興計画を作った上で、後継者の育成や技術の伝承、需要開拓、事業の共同化などの取り組みに対して国が助成している。経済産業省の本年度予算は約12億6千万円。また、各都府県でも独自に、比較的小規模な工芸品産地を指定し、支援している。近年では、輸出拡大に向けた取り組みが活発だ。イタリア・ミラノで開催中のミラノ万博で伝統的工芸品を展示。訪日外国人観光客向けには、東京にある展示・販売施設「伝統工芸青山スクエア」などをPRしている。

*1-2:http://qbiz.jp/article/66364/1/ (西日本新聞 2015年7月9日) リタイア層、九州の8割で転入超過 九経調「すでに人口還流起きている」
 九州経済調査協会(福岡市)は九州・沖縄・山口の2014年の人口移動を分析し、全293市町村のうち8割近くの228の自治体では、55〜69歳(リタイア層)の世代が転入超過だったとの調査結果をまとめた。有識者でつくる日本創成会議が6月上旬、東京圏の高齢者の地方への移住推進などを国や自治体に求める提言を発表したことを受け、九経調が総務省の住民基本台帳人口移動報告年報(14年)を基に分析した。内訳を見ると、総人口は転出超過であるにもかかわらず、リタイア層の転入超過が起こったのは、熊本市や鹿児島市など半数超の163自治体。総人口、リタイア層いずれも転入超過は、福岡市、鹿児島県姶良市など65自治体だった。九経調は「すでに九州では高齢世代の人口還流が起こっている」としている。また、50歳以上では特に三大都市圏から九州への人口流入が進んでいるという。この理由については「比較的温暖な気候や物価の安さなどによるのではないか」とみている。九経調は「リタイア層を受け入れる自治体は、彼らの知識や経験を取り込んで、まちづくりや地域産業の活性化に生かす方策を考えるべきだ」とする一方、「自治体にとってはリタイア層の流入に伴う医療や福祉の負担増が懸念材料で、国の支援などが必要だ」と指摘している。

*1-3:http://qbiz.jp/article/65968/1/
(西日本新聞 2015年7月3日) ロボット「ペッパー」が広報担当職員 鹿児島・肝付町
 鹿児島県肝付町は2日、ソフトバンクが開発した人形ロボット「Pepper(ペッパー)」に職員の辞令を交付した。ペッパーは「肝付町でお仕事します」と元気に宣言した。町は高齢者の生活援助にITやロボットを使う事業を推進中。徳島県の企業の協力でペッパーを呼び、イメージキャラクターとして広報担当職員に任命した。介護施設にペッパーやIT機器を持ち込み、高齢者の反応を見て活用案を募る。CMなどで話題のロボットの訪問に町役場は大騒ぎ。見守ったお年寄りは「しゃべれるごたっが、かごっま弁はつじっとや?(通じるのか)」と興味津々。

<ファンド>
*2-1:http://qbiz.jp/article/65846/1/
(西日本新聞 2015年7月1日) 西日本シティが九大発ベンチャー創出ファンド 地場9社も出資
 西日本シティ銀行(福岡市)は1日、九州大の特定関連会社、産学連携機構九州(九大TLO、福岡市)と共同で、大学発ベンチャーの創出を目的としたファンドを組成すると発表した。総額は約30億円。このうち15億円を西シ銀、残りを地場企業などが出資し、7月末に設立する。ファンド名は「QB第一号ファンド」で、存続期間は10年。大学の研究成果や特許を活用するビジネスについて、事業化調査の段階から投資対象とするのが特徴で「こうしたファンドは全国で初めて」(西シ銀)としている。出資者には、西部ガス(福岡市)や福岡地所(同)、第一交通産業(北九州市)など9社のほか個人数人も名を連ねる。運営会社は設立済みで、九大TLOの坂本剛前社長、投資ファンド運営の本藤孝氏の2人が代表を務める。現時点では、バイオ▽医療機器▽ナノテクノロジー▽情報通信▽デジタルコンテンツ−などの分野の20社程度に投資することを想定している。創業前の事業化調査のために会社を設立したり、経営人材を探したりすることも手掛ける方針という。

*2-2:http://qbiz.jp/article/66183/1/
(西日本新聞 2015年7月7日) 佐賀 全8金融機関と政府系ファンドと連携
 佐賀県内に本店を置く全8金融機関と政府系ファンドの地域経済活性化支援機構(東京)が6日、観光振興事業を支援する「佐賀観光活性化ファンド」を設立した=写真。最初の支援は2016年に創業400年を迎える有田焼の産地である有田町の事業を対象にし、地域活性化のモデルとして全県への展開を目指す。同機構は観光庁と連携し、資金提供や専門家の派遣を通して観光事業を支援している。佐賀銀行と有田商工会議所、機構が中心となり、ファンド設立の準備を進めた。同機構と金融機関が設立したファンドは六つ目で、九州では初めて。ファンドの規模は5億円で、事業期間は7年間。食、伝統工芸に関する事業者やまちづくり会社に対して投資や融資をするほか、会計や経営の専門家による指導、助言を行う。まずは有田商工会議所が4月に設立した有田まちづくり公社への支援を検討している。ファンドの参加団体は同日、佐賀市の佐賀銀行本店で「観光を軸とした地域活性化」の推進協定も締結。佐賀銀行の陣内芳博頭取は「地域の成長なくして地域金融機関の発展はない。一体となって魅力を発信し、交流人口増加を図りたい」と話した。

*2-3:http://qbiz.jp/article/71677/1/
(西日本新聞 2015年09月29日) 中小支援ファンド出資検討 ゆうちょ銀、地銀などと
 日本郵政グループのゆうちょ銀行が、中小企業の経営を支援するための投資ファンドを、各地の金融機関と設立する検討をしていることが29日、分かった。地域金融機関との連携を強化するとともに、資金運用の多様化を進める狙いがある。金融庁も容認する方向だ。具体的には、ゆうちょ銀と地方銀行などが共同でファンドに出資して、中小企業に出資や融資をするほか、経営上の課題解決のために助言することなども想定している。ただ、国内の銀行は低金利で貸し出しの収益性が低下しているのが実態だ。このため金融庁は、「ゆうちょ銀の主力業務は投資信託運用・販売が望ましい」(幹部)としており、投資リスクのあるファンドへの出資額は預貯金残高約180兆円の1%未満に抑えられる方向だ。ファンドによる1件当たりの出資や融資の額も数百万〜数千万円にとどまる見通し。地域では特に中小企業の株主として投資する出資者が不足しているとされる。金融庁は、ゆうちょ銀の加わるファンドがこの役割を担うことを期待しているもようだ。

*2-4:http://qbiz.jp/article/73077/1/ (西日本新聞 2015年10月20日) 地銀系ファンド続々、地方創生支援に期待 成功例少なく乱立気味?
 九州の地方銀行が、地域経済の活性化を掲げた投資ファンドを相次いで設立している。資金不足や後継者不在などの課題を抱える企業の成長や再建を後押しし、地方創生につなげる経営支援策として期待されるが、成功事例はまだ少ない。乱立気味にも見えるファンドの課題を探った。肥後、鹿児島両銀行が経営統合し、九州フィナンシャルグループ(FG)が発足した今月1日、九州に三つのファンドが誕生した。まず、九州FGが立ち上げた「KFG地域企業応援ファンド」。次いで、九州FGと営業エリアが重なる宮崎銀行の「みやぎん地方創生1号ファンド」。そして、ふくおかFG傘下の福岡、親和、熊本と大分、宮崎の5行が参加する「九州観光活性化ファンド」だ。大学発ベンチャーの創出、イスラム市場でのビジネス支援、再生可能エネルギー事業の育成…。他の地銀も、競うようにファンドの組成や参画を進めており、テーマが重複するファンドも少なくない。地銀再編がささやかれる中、複数の地銀が手を組むケースもあり、興味深い。
   ◇     ◇
 投資ファンドは、運営者が金融機関などから集めた資金を、出資や社債などの形で企業に提供するのが一般的。企業の価値を中長期的に高め、株の上場や売却で収益を出すビジネスモデルだ。特に最近、地銀のグループ会社がファンドを運営し、銀行の取引先を支援するケースが目立つ。背景には、企業の設備投資意欲がなかなか上がらず、預金の貸出先が見つかりにくいことや、金融庁が、担保となる不動産よりも事業の将来性を重視する姿勢への転換を迫っていることがある。昨年、政府が打ち出した「地方創生」に向け、地域金融機関の役割に期待が高まっていることも大きい。出資を受ける企業にとっては、事業の計画段階から銀行の助言を得たり、人材の派遣を受けたりできる。一方で、銀行にとっては融資よりも高いリスクを抱えることになる。
   ◇     ◇
 「一緒にやろうという雰囲気があり、信頼関係を築きやすい」。アメイズ(旧亀の井ホテル、大分市)の山本等総務部長は地銀系ファンドの増加を歓迎する。ホテル事業を手掛ける同社は、2013年に福岡証券取引所に上場した際、大分銀行グループのファンド運営会社から支援を受けていた。今も、運営会社の社長が社外監査役を務める。ただ、ファンドにとって理想とされる出資先の上場事例はまだ少ない。九州のあるファンド運営会社の広報担当者は「経営支援の結果、会社が筋肉質になっても、根本から変わるわけではない」と外部から事業を磨く難しさを語る。ある地銀の担当者は「支援先が見つからず、空箱のようなファンドも増えるのでは」と声を落とす。関西学院大大学院経営戦略研究科の岡田克彦教授(行動ファイナンス)は「銀行がリスクを取ってファンドを活用することは、日本経済の発展に不可欠。一度失敗した会社でも、将来性を見込んで支援するケースが増えれば、斬新な企業がもっと増えるはずだ」と期待を寄せている。


PS(2015年10月24日追加): 持株会社の形にして異なる業種を下につけていくのは経営合理性のある場合が多いが、*3の「九州では、西日本シティ銀行グループを抜き、ふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)に次ぐ地域金融グループが誕生した」というように、資産規模や資本金の大きさで一位・二位を争う目的の合併は、合併後のシナジー効果が小さく、経営をややこしくするだけのケースが多い。つまり、経営体は大きければよいわけではなく、時代に対する洞察力をもつ組織が一丸となって何をできるかが大切なので、メディアや周囲も、大規模化しさえすればよいという方向にそそのかしてはいけない。

*3:http://qbiz.jp/article/73421/1/
(西日本新聞 2015年10月23日) 西日本シティ銀、持ち株会社設立へ 来年10月
 西日本シティ銀行(福岡市)は23日、2016年10月をめどに、持ち株会社を設立する検討を始めた、と発表した。同日の取締役会で決議した。目的は「グループを挙げた総合金融力の向上」とし、他の金融機関との経営統合など地銀再編の受け皿とする意向については、「将来の可能性までは否定しないが、現時点では念頭にない」とした。同行によると、持ち株会社は株式を移転して設立する方針で、西日本シティ銀行が傘下にぶら下がる。詳細な日程や、具体的な方式については今後詰めるという。狙いは「グループ経営管理態勢の再構築を図り、グループ総合力を強化すること」という。同行には、長崎銀行や西日本シティTT証券、九州カードといった金融子会社があるが、どの企業を傘下に入れるかは、「これから検討する」とした。金融業界では、人口減や高齢化による国内市場の縮小や、グローバル化の加速など厳しい経営環境が続く中、地銀の再編が進む。10月1日には、肥後銀行(熊本市)と鹿児島銀行(鹿児島市)が経営統合し、九州フィナンシャルグループ(FG)が発足。総資産は6月末現在の単純合算で約8兆9千億円に上り、九州では、西日本シティ銀行グループを抜き、ふくおかフィナンシャルグループ(福岡市)に次ぐ地域金融グループが誕生したばかりだ。西日本シティ銀行も、九州を舞台にした地銀再編のプレーヤーとして注目されるだけに、今回の「持ち株会社設立」は、「さらなる経営統合の受け皿づくりではないか」(金融関係者)との見方も少なくない。同行は、2004年10月に西日本銀行と福岡シティ銀行が合併して発足。資本金は857億円。店舗数は194。従業員数は3834人。
*銀行持ち株会社:銀行を中核とした企業グループを統括する会社。銀行や証券会社などの株式を保有し傘下に置く。金融制度改革の一環として1998年に設立が解禁された。経営の健全性を確保する観点などから子会社も含め業務範囲は厳しく制限されている。大手行だけでなく「ふくおかフィナンシャルグループ」など地方の銀行にも活用事例が広がっている。


PS(2015年11月19日追加):意外な人が上手だったりするため、*4のように、「育成塾」を開いて広い裾野の人に人形師が指導するのはよいことだ。ただ、私は、顔が自分に似た博多人形を大切にしていたが、手が折れてがっかりしたことがあるため、①もっと壊れにくい材料にする ②3Dプリンターで家族写真、思い出の写真、特定の人物などをいい人形にする等を行うと、別の大きな需要ができると考える。

*4:http://qbiz.jp/article/75174/1/
(西日本新聞 2015年11月19日) 【伝統産業の挑戦】博多人形 若手育成で裾野拡大図る
 「中をくりぬくときは、脇を締めて」と、講師の明るい声が飛ぶ。粘土の人形を手に持つ受講生のまなざしは真剣だ。細かい表情や衣服のしわを描いていく。福岡市博多区の福岡商工会議所ビルの一室で開かれる「育成塾」。約30人が集まり、博多人形師の指導を受けながら、約1年かけて作品を仕上げていく。博多人形商工業協同組合と福岡市が共同で続けている後継者育成事業。2001年に「体験講座」としてスタートし、12年から「育成塾」に衣替えした。受講生は計約300人で、2年目の講座に参加する人も多い。そのうち11人が人形作家になった。育成事業を始めたのは、博多人形を取り巻く環境の厳しさからだ。1977年度のピークに32億円あった生産金額は、00年度に約13億円に半減。その後も低迷は続き、14年度は約7億円だった。「若い人がこの業界に入ってこなければ、ますます先細りしてしまう」と、協同組合の武吉国明理事長は危機感を抱く。体験講座1期生の永野繁大さん(38)=福岡県大野城市=は、大学生のときに参加。「最初は形にならず、難しかった。だからこそ面白かった」と振り返る。受講後に師匠の下で5年間修業し、独立。スケート選手やアニメのフィギュアなどの作品も手掛けている。永野さんは今年3月、高度な技術を保持する「伝統工芸士」に認定された。「伝統的な手法を生かしつつ、博多人形の幅広い可能性に挑戦したい」と、あらためて決意する。博多人形の販売が落ち込んだのは、生活様式の変化も大きいという。床の間、げた箱、たんすなど家の中に人形を置ける空間が減少。祝い事で人形を贈るケースも減った。ただ若手育成の努力で、組合員数はここ10年以上、60人台を維持している。「今は、人形好きな人が自分のために買っている。時代のニーズに合った多様な作家が出てくれば、裾野が広がる。決して悲観はしていない」。武吉理事長は力を込めて語った。博多人形 福岡市。黒田長政が筑前国(現福岡県)に入った際に集めた職人の中から素焼き人形が生まれたとされる。明治時代には海外でも評判になった。素焼きの人形に彩色して繊細な表現を生み出すのが特徴。1976年、経済産業省の伝統的工芸品に指定された。

| 経済・雇用::2014.6~2015.10 | 05:09 PM | comments (x) | trackback (x) |

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