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2016.4.14 ふるさと納税に関する批判及び公会計制度について (2016年4月14、15日追加あり)
   
  ふるさと納税の仕組み      上 寄付額の推移     2014年度の上位  2015年度の状況
             (2011年は東日本大震災で増加)     2016.4.12     2016.4.13   
                                         朝日新聞       日経新聞
   
 人口一人当たり税収の偏在    国と地方の財政収支        世界の公会計制度

(1)頑張った地方が多くのふるさと納税(寄付金)を集めるのは当然で、機会は均等だったこと
 朝日新聞が、*1-1、*1-2のように、「2014年度のふるさと納税で地方自治体の純収支を集計すると、上位の10自治体に『黒字』の約24%、100自治体に黒字の7割が集中し、全国1741自治体のうち黒字は1271自治体で計約330億円だった」と記載している。

 また、「①長崎県平戸市の約14億6千万円をはじめ、佐賀県玄海町、北海道上士幌町など地元の肉や魚介類の返礼品を贈る自治体が黒字の上位だった」「②赤字の自治体は都市部に多く、横浜市が約5億2千万円で首位、東京都世田谷区、港区、名古屋、大阪、福岡各市が上位だった」「③地方でも、返礼品競争に慎重な自治体は赤字となり、宮崎市は約90万円しか寄付が集まらず、約2千万円の赤字」「④高所得者ほど寄付の上限が高く、実質2千円の負担で豪華な返礼品がもらえる仕組みになっている」と批判している。

 しかし、私が、このブログの2016年2月14日に記載したとおり、①のように、地域の産品をアピールしつつふるさと寄付金を集めるよう努力した自治体に多くの寄付金が集まるのは自然なことであり、②のように、働き盛りの成人を集めている都市部に赤字が出るのはふるさと納税制度の本来の趣旨であって、③のように、積極的にしなかった地域に寄付金が少ないのも当然であるため、この結果は批判的にではなく、頑張った地域を素直に祝福して記載すべきだと私は考える。

 また、④は、高所得者ほど多くの所得税・住民税を支払うため、控除限度額の計算を行えば所得が多い人ほど上限額が高くなるのは当然で、私は、この限度額計算は細かく言えば欠点もあるが比較的合理的だと考えている。しかし、その欠点については論評できず、「高所得者ほど寄付の上限が高い」などという妬みを煽るような批判は、無知でもできる国益にならないものであり、記事のレベルが低い。

 なお、黒字で上位の自治体は、ネットやテレビでも積極的に宣伝して寄付を集めたそうだが、民間企業と同様、それも努力のうちだろう。さらに「⑤2014年度の赤字が全国2位の約3億円だった東京都世田谷区は、2015年度には赤字が約6億円に倍増し、保育所の新設が妨げられた」などとしているが、東京都世田谷区は2014年度の一般税収が1,239億円、2015年度は1,332億円あり、これに対する⑤の6億円は誤差のうちほどに小さく、これと保育園の待ち行列を結びつけるのは言いがかりにすぎない。

 その一方で、例えば長崎県平戸市は2013年の一般税収が約27億円であり、この規模の自治体への14億円のふるさと納税の効果は絶大だ。また、地方の自治体で税収が小さいのは、企業の本社や職場の都市集中とそれに伴う生産年齢人口の都市集中が原因で、その生産年齢人口にあたる人材を教育してきた地方に、本人の意志で地方税の一部をふるさとに還元できるようしたふるさと納税制度は、見事にその目的を果たしたと言える。

 そのため、日本の国土計画の歪みまで考慮すれば、「⑥お金を出しても見返りを求めないのが本来の寄付文化で、今のふるさと納税制度ではそうした文化が根付かない」とか「⑦本来は住民サービスに回るはずの都市部の財源が目減りした」などとして、頑張った地方自治体を批判するのは、機会均等で差別はないのに頑張らなかった都市のエゴと言える。

 なお、次のように、2014年度の収支が赤字の自治体が記載されているが、東京都世田谷区と同じような大都市で、ふるさと納税によるマイナス額などは誤差のうちに入り、これは、ふるさと納税の意図しているところであって問題はない。
  1 横浜市          ▼5億1966万円
  2 東京都世田谷区    ▼3億 959万円
  3 東京都港区       ▼2億8380万円
  4 名古屋市         ▼2億5231万円
  5 さいたま市        ▼1億5756万円
  6 大阪市          ▼1億2424万円
  7 福岡市          ▼1億2001万円
  8 東京都杉並区      ▼1億1992万円
  9 東京都練馬区      ▼1億1830万円
  10 東京都江東区     ▼1億1734万円

 そのため、私は、*1-3のように、「ふるさと納税で、10町村の2015年度の寄付総額が2014年度の地方税収を上回り、高知県奈半利町では税収に対する寄付額の倍率が4.93倍もあったというのは、「よく頑張った」と素直に祝福すべきだと考える。そして、地方で水揚げされた魚や生産されたコメが、それだけ価値あるものと評価されたことを喜ばしく思っている。

(2)地方自治体への複式簿記による公会計制度の導入と国への導入の必要性
 *2のように、地方自治体には統一的な公会計基準による複式簿記の会計制度が導入され、平成27年度から平成29年度までの3年間で全ての地方自治体がこの基準による財務書類等を作成することとなり、地方自治体の財政は比較可能になった。しかし、この準備は、(私も提唱して)1995年前後から行われており、部分的には既に実施されていたため、上図のように、地方自治体の財政収支は改善してきており、複式簿記による統一会計基準の実施は遅すぎたくらいなのである。

 複式簿記による会計制度では、網羅性・検証可能性が担保されるので都合の悪い取引を隠すことはできない。また、資産・負債が、収入・支出の結果として網羅的に金額で表示されるので、債務だけを見て大騒ぎする必要はなくなる。また、資産の効果的な使い方を工夫し、税収が足りなければ税収を増やす工夫や税外収入を得る工夫をする基礎資料となる。さらに、正確な会計情報が開示され、正規の公認会計士監査が行われるようになれば、公債を発行して市場で資金を集めることも可能だ。

 そのため、今後は、価値の低い支出が多すぎる国の会計に、複式簿記による公会計制度を導入することが必要であり、上図のように、世界では多くの国が既に導入済である。

*1-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12307236.html
(朝日新聞 2016年4月13日) ふるさと納税、偏る恩恵 「黒字」の24%、上位10市町に
 自治体に寄付すると大半が減税される上に特産品などを受け取れる「ふるさと納税」で、寄付の受け入れ額から減税額を差し引いた地方自治体の収支を集計したところ、2014年度分は上位の10自治体に「黒字」の約24%、100自治体に黒字の7割が集中した。「地方を応援する」ねらいで導入されたが、赤字だった地方都市もある。朝日新聞が情報公開請求で、14年のふるさと納税に伴う自治体ごとの住民税の減税額を入手。総務省が昨年秋に公表した自治体ごとの14年度の寄付受け入れ額から差し引いて、収支を集計した。返礼品にかかる費用は含めていない。全国1741自治体のうち黒字は1271自治体で計約330億円。1位は魚介類の返礼品が人気の長崎県平戸市で約14億6千万円。佐賀県玄海町、北海道上士幌町など地元の肉や魚を贈る自治体が続いた。「赤字」の自治体は都市部に多く、横浜市が約5億2千万円で首位。東京都世田谷区、港区や名古屋、大阪、福岡各市が上位に入った。地方でも、返礼品競争に慎重な自治体が赤字となり、宮崎市は約90万円しか寄付が集まらず、約2千万円の赤字。平戸市のある長崎県では、県内の3割にあたる6市町が赤字だった。ふるさと納税は、寄付額の2千円を超える分を国の所得税と居住する自治体の住民税から減税する。高所得者ほど寄付の上限が高く、実質2千円の負担で豪華な返礼品がもらえる仕組みになっている。

*1-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12307210.html
(朝日新聞 2016年4月13日) ふるさと納税、ゆがむ理念 高所得者と一部自治体、もうけ大きく
 生まれ故郷や好きなまちを応援しようと始まったふるさと納税。多くの地方自治体が「まちおこし」に生かそうと熱心に取り組むが、寄付者への返礼品競争が過熱。競争の先頭を行く一部の自治体と高所得者ほど「もうけ」が大きくなる状況になっている。「うまい話にはご注意ください。ここだけの話、本日18:00に再入荷することが決定しました。うまさが話題の『肉と焼酎』がなくなる前にお申し込み頂きますようご注意ください」。3月下旬、宮崎県都城市はそんな新聞広告を出した。紹介された返礼品は「宮崎牛サーロインブロック」や地元でつくる芋焼酎「1年分365本(1本1・8リットル)」など。特集サイトでは、通販のカタログ感覚で豪華商品を選べる。焼酎1年分は、100万円以上を寄付した人が対象だ。この金額が減税対象となるのは、年間の給与収入が3千万円を超え、高額の所得税と住民税を納めている高所得者。100万円を寄付すると、2千円の自己負担を除いた99万8千円が減税され、小売価格で60万円超の焼酎1年分がもらえる。同市によると、「忘年会でふるまいたい」などと、経営者や医師らがこの返礼品を選んだという。朝日新聞の分析では、都城市は2014年度のふるさと納税の「黒字」額で全国9位。黒字上位の自治体は、ネットやテレビでも積極的に宣伝し、寄付を集める。安倍政権は減税される寄付額の上限を15年度の税制改正で倍増させており、寄付受け入れ額と減税額は大幅に増えている可能性が高い。総務省によると15年度の寄付受け入れ額は上半期で約450億円と、14年度の年間より2割多かった。収支が赤字なのは、人口が多く、高所得者が集まる都市部が中心だ。こうした自治体では、不十分な行政サービスが問題にもなっている。14年度の赤字が全国2位の約3億円だった東京都世田谷区は、15年度には赤字が約6億円に倍増した。世田谷区は待機児童数が全国で最も多く、区によると、6億円あれば120人規模の保育所を新設し、1年運営できるという。
■「見返りないのが本来の姿」
 14年度のふるさと納税の黒字は、上位1割に満たない100自治体に約7割が集まる。豪華な返礼品競争はさらに過熱しつつある。千葉県大多喜町は14年末から地元で使える「ふるさと感謝券」を導入した。ネットオークションで換金されており、こうした事例を問題視した総務省は今年4月、商品券や家電などを返礼品としないよう求めた。だが、大多喜町は感謝券の発行を続ける。「すぐにはやめられない」(担当者)。15年度は12億円超の感謝券を発行。町の家電店や旅館など約100店は感謝券で商品を売り、町が換金する。町はネット通販でブランド品を売る業者にも事実上、利用を認めた。こうした動きを見て、となりの千葉県勝浦市も4月から、市内で使える「かつうら七福感謝券」を返礼品に導入。「大多喜町が寄付を集めていたのを参考にした」(担当者)という。今年に入って、14年度の収支が赤字だった宮崎市はノートパソコン、鹿児島市は豚肉、焼酎などの返礼品を拡充した。となりの都城市と黒字額に約50倍の「格差」が生じた宮崎県日南市は今年3月から、60万円以上の寄付者に豪華クルーズ船の旅で「返礼」することにした。ただ、寄付者の「もうけ」部分の財源は、実質的に所得税と住民税という税金で賄われており、高所得者優遇との批判は強い。佐藤主光・一橋大教授(財政学)は「お金を出しても見返りを求めないのが、本来の寄付の文化。いまのふるさと納税の仕組みでは、そうした文化が根付かなくなってしまう」と指摘する。
2014年度に収支が赤字の自治体
 1 横浜市         ▼5億1966万円
 2 東京都世田谷区   ▼3億 959万円
 3 東京都港区      ▼2億8380万円
 4 名古屋市        ▼2億5231万円
 5 さいたま市       ▼1億5756万円
 6 大阪市         ▼1億2424万円
 7 福岡市         ▼1億2001万円
 8 東京都杉並区    ▼1億1992万円
 9 東京都練馬区    ▼1億1830万円
10 東京都江東区    ▼1億1734万円

*1-3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160413&ng=DGKKASFB08HCH_T10C16A4MM0000 (日経新聞 2016年4月13日) ふるさと納税額、全国10町村で地方税収超す、返礼品優先、地域還元半ば
 出身地や応援したい自治体に寄付すると居住地での税金が軽減される「ふるさと納税」で、2015年度の寄付総額が少なくとも全国10町村で年間の地方税収を上回った。自治体間では寄付を呼び込もうと返礼品の競争に拍車がかかっており、本来は住民サービスに回るはずの財源が目減りする課題も浮上している。日本経済新聞社が全国の自治体の15年度のふるさと納税の寄付額と、14年度の地方税収(決算ベース)を比較した。税収を上回った10町村のうち、税収に対する寄付額の倍率が最も高かったのは高知県奈半利町の4.93倍(寄付額は13億5400万円)だった。次いで、宮崎県綾町の2.44倍(同13億8000万円)、北海道上士幌町の2.23倍(同15億3700万円)が続いた。15年度から減税対象の寄付額上限が2倍になった影響もあり、15年度上期のふるさと納税総額は前年同期の3.9倍に膨らんだ。自主財源の乏しい小さな自治体には貴重な財源だ。奈半利町は農産物の加工販売所などを建設した。津波対策のため幼稚園や保育園の高台移転も今年度中に完了する予定だ。ただ、多くの自治体は寄付額の半分以上を住民サービスではなく返礼品の購入に充てている。カニ、牛肉など豪華な返礼品で寄付を集める競争が過熱しているためだ。奈半利町の返礼品は地元で水揚げした魚やコメで、購入費総額(約8億6000万円)は地方税収の3倍強となった。地元産豚肉が人気を集めている綾町も返礼品の購入費総額(約7億円)が地方税収を2割上回った。こうした実態を踏まえ、総務省は今月1日、商品券やパソコンなど換金しやすいものや豪華すぎるものを返礼品にしないよう総務相名で全国の自治体に通知。過度な返礼品競争を改めたい考え。総務省によると、14年のふるさと納税は東京、大阪、名古屋の三大都市圏の住民からの寄付額が全体の7割を占めた。財政規模の大きい都市部の自治体にとっては、他の自治体へのふるさと納税によって住民税の税収が減る課題が浮上している。「待機児童や高齢者介護への対応などに使うべき財源が失われ、住民サービスに与える影響は無視できない」(東京都世田谷区)との指摘がある。地方財政に詳しい関西学院大学の小西砂千夫教授(財政学)はふるさと納税について「都市部と地方の税源の偏在を是正する効果はある」と評価。ただ「返礼品競争の過熱など制度のひずみが顕著になれば、制度の存廃問題にも発展しかねない」と指摘する。

<地方自治体への複式簿記による公会計制度の導入>
*2:http://sennich.hatenablog.com/entry/2015/06/17/194708
(千日のブログ 2015/6/17) 【新地方公会計制度1】公会計の複式簿記とストック情報への期待
✱統一的な基準による地方公会計のポイント
 平成27年度から平成29年度までのわずか3年間で全ての地方公共団体が統一的な基準による財務書類等を作成することとされています。
その統一的な基準による財務書類等とは民間企業と同じ複式簿記によるものとされています。
✱統一的な基準による地方公会計マニュアル
 総務省は平成27年1月に『統一的な基準による地方公会計マニュアル』総務省|今後の新地方公会計の推進に関する実務研究会|統一的な基準による地方公会計マニュアルを公開してます。前回の記事では『上手くいくのかな?』という所で終わってました。是非とも上手くいって欲しいです。
  •少子高齢化
  •インフラの老朽化
 今後確実に働き手が減って税収は減り、老人の医療費、インフラを維持するためのコストは増加していきます。先細りとなる税収でインフラを維持していくことが喫緊の課題になっているんです。今後、シリーズとして『統一的な基準による地方公会計マニュアル』の中から制度の重要な部分を中心に記事を書いてみたいと思います。まずはマニュアルの財務書類作成にあたっての基礎知識より、1.単式簿記と複式簿記からです。
✱公会計の複式簿記=ストック情報の蓄積です
  •単式簿記では取引の記帳を現金の収支として一面的に行う=官庁会計
  •複式簿記では取引の記帳を借方と貸方に分けて二面的に行う=企業会計
 従来の地方公共団体の会計は単式簿記でした。その年度の納税額を何に幾ら使ったのかという公金の適正な出納がなによりも優先されたからです。
<1億円を使って建物を増築した>
 単式簿記では現金△1億円という記録になります。建物増築によって建物の価値が増えたことは帳簿上無視されるんです。複式簿記では現金△1億円と建物+1億円という記録になります。取引には常に表裏二つの面があるという考え方です。原因と結果でも良いです。複式簿記によって税金を1億円使ったというフロー情報だけでなく、建物が1億円増えたというストック情報も記録出来ます。
  •フロー情報=税金を1億円使った
  •ストック情報=建物が1億円増えた
 フロー情報はその年度の現金出納です。フローとは流れです。翌年にはまた新たな現金の出納があるのでゼロスタートです。これが今までの官庁会計です。ストック情報は建物の+1億円です。ストックとは蓄積です。これは翌年はゼロになりませんよね。複式簿記ではストック情報も記録出来るのです。
✱新公会計制度の複式簿記は大きな変革です
 ここ迄の説明で従来の官庁会計からとても大きな変革がされるんだということがお分かり頂けたでしょうか。複式簿記によるストック情報。これが大きなポイントで、ストック情報の為にやっているようなものです。
✱ストック情報の把握=固定資産台帳
 例として挙げた建物は『固定資産』です。地方公共団体では道路や水道管などのインフラが大部分を占めるでしょう。先に挙げたインフラの老朽化に対して適切な時期に適切な金額でメンテナンスをしていく為に、
  •何を(固定資産の種類)
  •どこに(住所や位置)
  •いつ(年月日)
  •いくら(金額)
使ったのかという情報を蓄積していく必要があるのです。この機能を有する情報が『固定資産台帳』というものです。
✱ストック情報による検証機能
 また、複式簿記によって作成される財務書類等の一つに貸借対照表があります。貸借対照表は会計年度末の資産、負債及び純資産の一覧表です。例えば、貸借対照表の建物の金額と固定資産台帳の建物の合計額は一致するはずですよね。このように相互を照合することでどちらかの誤りを発見して修正するという検証機能も期待されているんです。従来は公有財産台帳等と現物を照合していたのですが、公有財産台帳には金額情報が無かった。一方、固定資産台帳には金額情報があるので、現物の照合に加えて金額の照合も行えるんです。
✱住民として理解しておきたい部分
 このような取り組みを読者様のお住まいの地方公共団体(都道府県、市町村)で平成29年度までに行うことと決まってます。複式簿記によって蓄積されるストック情報を上手く活用出来るか、無用の長物となってしまうか……なにぶん初めてのことですので誰にもわかりません。しかし、私達の住んでいる地域の今後10年後、20年後の街並みを、良くも悪くも変えて行くかもしれない動きの一つです。大阪市の梅田地下道拡幅工事によって退去の決定した串カツ『松葉』。昭和17年の地下道開通後60年を超す歴史に幕を閉じた。あまり一般ウケするテーマではありませんが、誰にも無関係ではないのでボチボチ更新して行こうと思います。


PS(2016年4月14日追加):*3のように、ふるさと納税が企業まで拡大されると寄付金は増えるだろうが、6割しか税金から引かれなければ、残り4割が寄付者の負担となりおかしい。また、対象事業の選定は、総務省ではなく地方自治体が主体的に行うべきだが、事業を選定するのなら将来性ある事業でなければ共感を呼ばないだろう。その1つには、下の写真のように鉄道や高速道路を高架にし、高架下に商店街を配置して、街の再編を早める方法がある。共働き時代は時間の節約と利便性が一番で、駅の近くで用事が全部済むと助かるからだ。そして、下の写真のうち、パリの高架下は雰囲気がおしゃれで、道が広く、緑が多くて、電線もないのが素敵だ。また、他の目的で建設されたため発電していなかったダムで発電できるようにして再生可能エネルギーを増やしたり、医療・介護システムを構築したり、森林整備や環境維持活動を行ったりなど、共感を得られるような事業は多いだろう。

   
2016.4.14佐賀新聞     パリの高架下      浅草橋の高架下      その他イメージ

*3:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/299978
(佐賀新聞 2016年4月14日) ふるさと納税、企業に拡大、夏ごろ対象事業決定
 改正地域再生法が14日成立し、ふるさと納税の企業版が本年度からスタートする。企業が社会貢献の一環として、応援したい地方自治体の地域活性化事業に寄付すると寄付額の約6割分が税金から引かれる仕組み。対象事業の第1弾が夏ごろに決まる見通しだ。企業が多い東京都などに偏る税収を地方に移すことで地方創生を後押しするのが狙い。国は、自治体への企業寄付の総額が現状の年間約200億円から2倍の約400億円に増えると見込む。個人のふるさと納税のように広がるかは未知数で、自治体の取り組みが課題となる。


PS(2016年4月15日追加):奨学金の必要額は地域によって異なり、例えば、東京都内に住宅があって東京の大学に行く人は、寮に入ったりアパートを借りたりせずにすむため住居費はかからないが、北海道や九州から東京の大学に行く人は、住居費がかかる上に、東京は地方より物価水準が高いので、親は余計に苦労するのである。そのため、地方自治体が企業から寄付を集めて、給付型奨学金を作ったり学生寮を整備したりなど、教育関係の事業をするのもよいだろう。

*4:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12310786.html
(朝日新聞社説 2016年4月15日) 奨学金制度 格差是正へ改善急げ
 大学生らを対象にした、返済の要らない「給付型奨学金」の仕組みをつくろうという動きが与野党で相次いでいる。共産、民進党などが打ち出し、自民、公明党も安倍首相に提言を渡した。政府も、5月にまとめる「1億総活躍プラン」に支援策を盛り込む方向だ。ぜひ実現へ向けて知恵を絞ってほしい。奨学金はいまや2人に1人の学生が借りている。授業料が増え、親も収入が減ったせいだ。奨学金は出身による格差を改善し、教育の機会均等を実現するためにある。返す必要のない給付型はあって当然のものだ。だが日本の場合、国の奨学金制度は貸与型しかない。先進国の中では異例だ。特に、借りた額に利子を払うものが人数枠の6割を超える。これでは奨学金とは名ばかりの「学生ローン」にすぎない。返済を延滞する人は2014年度末で約33万人に上る。年功賃金と終身雇用の日本型システムが崩れ、非正規労働が広がっていることが背景にある。未来を広げるはずの奨学金が逆に追い詰める結果になっている。これでは家庭が豊かではない子どもが「返す自信がない」と進学をあきらめかねない。無利子の枠を増やすとともに給付型の検討を急ぐべきだ。給付型実現への壁になるのは財源だ。対象となる学生の範囲や給付内容だけでなく、財源の確保についても、各党は具体案を明らかにしてほしい。検討すべきは、給付型だけではない。卒業後の収入に応じて毎月返す額を決める「所得連動返還型」の奨学金制度もだ。文科省の有識者会議が先月、一次まとめを公表している。決まった額を返さねばならない仕組みは、低所得の人にとって厳しい。それだけに、新しい制度が期待されていた。だが今回は、収入がゼロでも、猶予期間から外れると月2千円払わねばならないなど課題を抱えている。よりよい仕組みにするために議論が必要だ。学びを支える制度は何も大学の奨学金に限らない。現在でも「幼児教育の段階的な無償化」や、経済的に苦しい家庭の小中学生が対象の「就学援助」、高校生向けの「奨学給付金」などの政策がある。貧しさが世代間で連鎖し、格差が広がる事態は避けねばならない。幼児から大学生まで切れ目ない支援の仕組みをどう設計するか。検討を進めたい。


PS(2016年4月15日追加):唐津線の40~50年も走っているディーゼル車両は、もう取り替えの時期だと考える。今度は、すっきりした涼しげな色の蓄電池電車に換え、線路は次第に高架にして、市街地では店舗・公園・駐車場、農業地帯では農業用倉庫などに一階部分を貸し出して、そこからも収入を得ればよいと思う。そして、このような面白い事業であれば、賛同してふるさと納税してくれる人も多いだろう。

   
  上 現在の唐津線    日本の蓄電池電車     ロンドンの蓄電池電車   2012.3.22  
(いくら赤字でも色の合わない                                西日本新聞
 車両を繋ぐのは、センス悪
 すぎで見る人にストレス×

*5:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10102/300713
(佐賀新聞 2016年4月15日) JR唐津線 普通列車故障で走行できず
 15日午前8時40分ごろ、佐賀県唐津市のJR唐津線鬼塚駅で、下りの普通列車(1両)が故障で走行できなくなった。乗客6人は下車し、車両は別の列車に結合し移動させた。この影響で普通列車6本が運休、3本が最大2時間以上遅れるなどして200人に影響が出た。JR九州によると、車両内に空気を送り込む装置に不具合が生じたという。

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