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2016,05,23, Monday
私が、2005年12月に決定した第2次男女共同参画基本計画に、例えば「女性はしとやかで謙虚でなければならず、男性は志と勇気が必要」「女性は文学、男性はエンジニア」というような社会的・文化的に形成された性別(ジェンダー)の強制を禁止する項目を盛り込もうとした時、「それは『男女同室宿泊』や『男女同室着替え』のことか」などという驚くような次元の異なる反論が自民党内の男女共同参画部会でも盛んに出た。その時、参議院議員で隣に座っていた舛添さんに、「こういうことは男性から言ってもらった方が説得されやすいので・・」と発言を頼んだところ、ビシッと的を得た発言をして場をリードしていただいた(これは、経歴や女性遍歴などの背景を知って、より納得できた)。そのため、今回は、本人は言いづらく、私の方がよく知っていて言いやすいことについて援護する。
舛添都知事をめぐる金の流れ 政治資金について 家賃は適切か 出張旅費について 公用車について 都知事記者会見のポイント (2016.5.14中日新聞) (1)舛添都知事が行ってきた政策 この2年の舛添都知事の政策判断は、*1-1の現代ビジネスの2016年5月10日に、①ロンドンと友好都市協定を締結した ②財政出動よりも構造改革、金融改革、財政出動のいずれも必要である ③アベノミクスの原点は金融緩和政策で日銀はマイナス金利まで導入しているが、いくら金融緩和しても企業のガバナンスが改善しなければ成長のための資金は集まらない などが書かれている。 このうち、①の友好都市協定はないよりあった方がよいに違いない。また、②の財政出動はドイツが言うとおり構造改革・金融改革があった後に必要ならやることで、日本もこれ以上、無駄遣いで借金を積み増せるような状況ではないと私も考える。さらに、③は、企業のガバナンス以前に②の政府のリーダーシップに問題があり、政府の政策に最適化して利益を挙げようとして、企業のガバナンスは変わるものだ。 また、東京オリンピックにおける東京都の負担額がうなぎ上りに上がりそうだった時に「待った」をかけたのは舛添都知事で、これは都民の代表としては当然の行為だったが、元自民党森派の長で現在は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長とは対立したと思われる。 さらに、*1-2のように、東京都は、2016年4月8日、電力小売り事業に参入すると発表し、福岡県みやま市などでつくる電力会社「みやまスマートエネルギー」が、技術やノウハウ面で協力することになった。電力自由化が行われても、再生可能エネルギーのみを使って電力を供給する事業者は少ないので、埼玉県など他県でもやって欲しいところだが、これには舛添都知事の判断があったらしい。舛添都知事は、「今回の取り組みでノウハウを蓄積し、再生エネ由来の電気を供給する事業者を育てていきたい」としているが、これは既得権益のある大手電力会社にとっては都合の悪い意思決定だっただろう。 従って、全体としての舛添都知事の政策は、日本政府より的確だったものが多いが、政府要人を多く出している旧森派や既得権益を持つ企業・省庁にとっては邪魔だったと考えられる。 (2)メディアは人格批判に終始し、嘘や妬み、不法行為でないことへの法律の拡大解釈が多い 5月11日発売の週刊文春が報じたのが発端で、*2のように、舛添都知事の資金管理団体「グローバルネットワーク研究会(既解散)」が「会議費」名目で千葉県内のホテルに支出した約37万円が家族旅行に充てられ、政治資金規正法違反(虚偽記載)の“疑い”があると、新聞・テレビは、舛添都知事の政策実行に関する報道に費やした時間とは比較にならない時間を費やして、このことばかりを報道した。 しかし、私は、都知事としての判断力や実行力を問題にするのではなく、「税金から支出」などとする誤りを含む疑いの段階で公職選挙法違反として派手にしつこく報道して、人格攻撃で引きずりおろそうするのは、都知事を選挙で選んだ有権者を馬鹿にしており、本当の民主主義になっていないと考える。 また、メディアの記者の質問や番組でのコメントを聞くと、*3-1、*3-2のように、政策や法律・経済には全く触れず、ただ辞任させることのみが目的の結果ありきの低レベルの質問を繰り返しているため、政治的意図がありありとわかり、国民の方が報道の適切性を見抜けるほど賢くならなければならない。 1)出張費について 最初、報道で、上の写真のように、舛添都知事が海外出張の際にファーストクラスを使ったことが大名旅行として批判されたが、ファーストクラスは外交官が普通に乗っており、サラリーマンが海外出張にビジネスクラスを使うからといって、東京都知事もビジネスクラスを使わなければならない理由はない。つまり、批判の内容が自分と異なるクラスを使っていたというものだが、東京都知事は、そのスケジュールの厳しさや責任の重さから見てサラリーマンクラスではなく外交官クラスだ。ただし、都の職員は、サラリーマンの海外出張であるため、ビジネスクラスを使うのが適切だろう。 なお、米国では、会社の社長クラスは自家用機を普通に持っており、日本でもトヨタの社長は自家用機を持っておられる。つまり、「時と体力は金なり」という人もいるのであり、すべての人が同じでなければならない理由はない。 2)公用車の使用について 「公用車での毎週末の別荘通い」というのは、別荘を持っていることが贅沢に見えたのかもしれないが、私は、都内の本宅に本を置ききれずに湯河原に別荘を買って書庫を作り、そこに本を置いている弁護士さんを知っているため、舛添都知事が別荘を持っているからといって、特に贅沢とは思わなかった。 また、「公用車で別荘に行く」のが公私混同だと思う人もいるかもしれないが、(長いものに巻かれずに)本物の改革をやればいつでも身の危険があるため、SPをつけて公用車で動くのは正当な注意だ。そのため、舛添都知事が毎週末に公用車で別荘に通ったことは公私混同ではなく、都も禁止していない。 3)後援会の収支報告について 上の図のように、問題となっている舛添都知事の資金管理団体である「グローバルネットワーク研究会」は、2014 年2月の都知事選のために設立された後援会であって政党支部ではない。そして、新党改革本部から舛添氏の参議院比例区第四支部に2014年1月に政党交付金600万円が払い込まれ、そのうち526万円が2014年1月中にグローバルネットワーク研究会に寄付され、新党改革比例区第四支部は同1月末に解散されており、新党改革比例区第四支部の収支報告書は監査済である。そして、参議院比例区第四支部からグローバルネットワーク研究会に寄付する行為は適法であって問題なく、526万円程度の寄付金は3,000万人都市の東京都知事選では、印刷代くらいで終わったと考えられる。 なお、政党交付金は税金で賄われているため、政治活動に入らないような私的な費用に充当されれば国民は苦情を言う権利があるが、後援会であるグローバルネットワーク研究会には、このほかにも多額の寄付があったらしく、2014年7月の解散時にも4,960万円が残っており、それを新しい後援会である秦山会に寄付してから解散している。政党交付金以外の寄付は、政党支部ではないグローバルネットワーク研究会には個人が行ったものしかなく、それは寄付する個人の所得からなされたものであって、税金から支出されたものではない。 ただ、政治家個人の後援会への寄付であっても、政党等寄附金特別控除を受けられるので、寄付金控除をとった人はその分だけ税金を負けてもらっている。しかし、寄付金控除をとるためにはグローバルネットワーク研究会が総務大臣もしくは都道府県選挙管理委員会の確認印のある「寄附金(税額)控除のための書類」を発行して、それを添付する必要があるため多くの人がそれを利用したわけではないと思われる(https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1260.htm 参照)。 つまり、「グローバルネットワーク研究会」が支出した費用の殆どは、税金から支出されたのではなく、舛添都知事誕生を支持した人の懐から出たものである。そして、グローバルネットワーク研究会の解散時にどうすべきかについては特に規則はないため、代表者が決めることができるのだ。 そのグローバルネットワーク研究会が「会議費」として千葉県内のホテルに支出した約37万円が家族旅行に充てられており、政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いがあると2016年5月11日発売の週刊文春が報じたそうだが、選挙は妻や子も巻き込むため、家族旅行を会議費として事前の打ち合わせや御苦労会をしたとしてもわからなくはない。ちなみに、私は家族に事前の打ち合わせも御苦労会もしないため母から文句を言われていたし、国会議員になって嫁の来手がなくなったとぼやいている人もいた。 4)公職選挙法違反か 家族旅行は、私的なものであるため税引後所得から行うべきとするのが日本では一般的で、私も基本的にはそう思っている。そして、弁護士である夫の所得税確定申告を税理士である妻が請け負った手数料を弁護士の夫が損金処理したケースでは、夫婦はいかなる場合でも同一世帯だとして税理士である妻の手数料受領と夫の損金算入を否認した判例があるが、私は妻の仕事は無償とする判例は時代にそぐわないと考える。 何故なら、妻も仕事をする機会を持っているため、他の仕事をせずに夫の仕事を手伝った場合は、夫から何らかの報酬があってしかるべきであり、個人事業主の青色専従者のような制度が政治家の妻にあってもよく、上記の税理士である妻への税務申告手数料は損金算入が認められてよいと思うのだ。 そして、家族旅行を会議費として処理したのが虚偽記載で公職選挙法違反かと言えば、その旅行でどういう話をしたかによる。もちろん、人の疑いを買うような灰色の行動はしない方がよいが、法律に禁止規定がないため法律違反ではないだろう。 なお、「資料代」の名目で美術品を購入していたというのは、私は感心しないが、グローバルネットワーク研究会の支出の仕方については、寄付した人が文句を言わなければよいのであって、支出内容や解散時の残余財産処理に関する法律の定めがないため、違法行為にならない。なお、美術品ではなく美術書だとする記事もあるが、それならば東京都のために文化について研究していたとも考えられるので、「資料代」でよい可能性がある。 5)家賃について 上の図では、税金が舛添氏個人宅の家賃に流れたように書いてあるが、グローバルネットワーク研究会については税金ではなく個人の寄付金を自宅事務所の家賃に充てたものである。そのため、家賃としての価格の適正性は問われるが、税金を横流ししているものではない。なお、新党改革比例区第四支部時代にも同額の家賃を支払っており、こちらは監査を通っているのだから価格の適正性もあるのだろう。 6)婚外子がいるのは不当か 「週刊ポストの2014年1月24日号に、*4-1のように、結婚3回、離婚2回で子供2人に愛人の子3人で、凄すぎる『女』と『カネ』、現在『隠し子、養育費裁判』係争中」などとプライバシーが曝露されているが、1986年に再婚した相手である片山さつき氏は東大助教授だった舛添氏と見合い結婚し、離婚後に「愛のない結婚で、舛添さんと結婚したことがそもそも間違いだった」と述べておられる。しかし、私は、愛のない結婚の被害者は両方であって片方ではないと思う。 また、愛人のA子さん、B子さんも、他に選択肢はあったにもかかわらず、相手に妻がいることを承知の上で未婚の母になったのであり、私自身は相手の妻や自分の子のことを考えれば未婚の母になるのは問題だと思うが、近年は少子化を口実にそれを推奨する人もいるわけだ。 そのような中、バラエティー番組などでこのことを笑っている人たちも、芸能関係の人がついたり離れたりして両親を誇れない悲しい子どもが大量生産されているのを批判したことはないため、政治家へのヘイトスピーチと政治家の汚さをアピールするために批判しているにすぎず、民主主義に関する深い考察や首尾一貫した考えのないことは明らかである。 (3)「表現の自由」をかざしたメディアが、本来の目的である民主主義を護る表現はしていないこと 私が(1)(2)で書いたことは、*4-2でまとまった記事になっており、舛添都知事が辞任して橋下氏が都知事選に出馬すれば首相にとって一石三鳥の戦略だとされている。そのため、少なからぬ人が舛添都知事の辞任を待っていることは確かだろうが、その根拠は、正しく報道された民主主義の結果ではない。 なお、舛添都知事の辞任後、大阪から大阪府知事だった橋下氏を立候補させなければならないほど、東京は人材不足ではない。 また、政治は、人格攻撃による電撃辞任や電撃解散、W選挙やトリプル選挙によってもてあそばれるべきものではない。何故なら、それでは、国民が一つ一つの政策について冷静に選択することができなくなる上、優秀な人は馬鹿らしくて政治家にならなくなるからで、そうなることを望んでいる人は誰だろうか。そして、知事も、よい政策を選択する判断力と実行力を持つことが必要条件であることは言うまでもない。 (4)今後、やるべきこと 国会議員に「政治とカネ」の問題が浮上する度に、政治資金規正法は改正を重ねて、*3-3のように、2007年12月、国会議員に関する政治団体は1万円以上の支出に関する領収書を公開することとなり、登録政治資金監査人(登録を受けた弁護士、公認会計士、税理士)による政治資金監査も義務づけられた(政治資金規正法第19条の13第1項)。 しかし、国会議員以外の政治家は5万円以上の支出に関する領収書を公開すればよく、*4-3のように、政治資金監査が義務付けられたのは国会議員関係の政治団体のみであり、その他の政治家には義務付けられていない。そのため、その他の政治家は監査人の指導やチェックを受けることもなく、素人が適当に会計処理しているというのが現状である。 また、政治資金監査は、①会計帳簿、領収書等が保存されていること ②会計帳簿にその年の支出状況が記載され、会計責任者が会計帳簿を備えていること ③収支報告書は、会計帳簿及び領収書等に基づいて支出の状況が表示されていること ④領収書等を徴し難かった支出の明細書等は、会計帳簿に基づいて記載されていること の4点のみについて行われ、監査人はそれに関する意見表明しかしない。 監査人は、単式簿記による会計と政治資金規正法からは、この程度のことしか証明できないのだろうが、これでは、監査を受けて適法意見が表明されても政治資金管理団体の会計責任者や代表者は十分に保護されない上、利害関係者(納税者、寄付者)にとっても透明ではない。 そのため、今後は、すべての政治家の政治資金管理団体の会計を民間企業と同じ複式簿記によるものとし、フル規格の監査で適法意見を表明するように、政治資金規正法を改正するのがよいと考える。 <舛添都知事の政策> *1-1:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48618 (現代ビジネス 2016.5.10) 友好都市の先進事例から学ぶこと 海外出張経費については、批判の声に謙虚に耳を傾け、目下、無駄の削減について検討中であるが、一方で、テロ対策をはじめ多くの分野で成果が上がっていることもまた記しておきたい。昨年、ロンドンのボリス・ジョンソン市長と東京都知事の私は、両都市の友好都市協定を締結したが、それ以来、協力関係のさらなる強化を図っている。この10日には、2012年にロンドンで開かれたオリンピック・パラリンピック大会の警備を担当した元ロンドン警視庁の副総監を都庁にお迎えし、テロ対策についてアドバイスを頂く。スコットランドヤードとの会談の後、警視庁のテロ訓練の現場を視察し、日々精励している警察官を激励する予定である。とくに、羽田の東京国際空港ターミナルにおいては、様々なケースを想定した訓練を行いたいと考えている。26,27日には主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)が開かれるが、東京でも厳戒態勢を敷く。2005年にイギリスのスコットランドで開かれたグレンイーグルズサミットの最中の7月7日、ロンドンで公共交通機関を標的にした同時爆破テロ事件が発生している。サミット開催国の首都である東京もまたテロと無縁ではない。ロンドンの経験に学ぶことは多い。ロンドンでは、ジョンソン市長が、兼任している国会議員職に専念するため任期満了で市長を退任したのを受け、5日に市長選挙が行われた。その結果、最大野党である労働党の下院議員、サディク・カーン氏(45歳)が、与党保守党下院議員のザック・ゴールドスミス氏(41歳)を破って当選した。欧米主要都市で初のイスラム教徒の市長である。イスラム国などによるテロが頻発し、反イスラム感情が高まる中での、今回のカーン氏の勝利は、イギリスの民主主義の成熟度を示す証左でもある。最近、ロンドンでは住宅価格の高騰が続いており、若い世代がマイホームを持つのは不可能な状況である。この問題などを争点化したこともカーン氏がロンドン市民の支持を受けた理由である。その住宅価格の高騰は、とくに海外からの投資によるところが大きい。東京の研究機関によるランキングで世界一の座を占めるだけに、ロンドンは魅力にあふれており、その不動産は格好の投資対象となっている。二位のニューヨーク、三位のパリもまた同様な状況であるが、東京はまだその段階に達していない。だから四位の座に甘んじているのである。これらの都市を訪ね、市長と会談を重ね、活気ある都市作りを視察することは、東京にとっても大いに参考になる。先月訪問したアメリカでは、ニューヨーク、ワシントンDCで、公的住宅のあり方について議論することができた。住宅こそは都市の活気の源であり、今後とも友好都市の先進事例から学びたいと思っている。 ●コーポレイト・ガバナンスの改善は東京から 安倍総理は、伊勢志摩サミットの準備のため、議長国首相として欧州諸国を歴訪した。最大の課題は経済政策の調整であるが、安倍首相が積極的に進めようとする財政出動に対して、フランスとイタリアは賛成の姿勢を示したが、ドイツとイギリスはあまり積極的ではない。ドイツのメルケル首相は、「構造改革、金融政策、財政出動の三つとも必要だ」と主張している。安倍首相にとっては、消費税増税を予定通りに行うか否かを判断する材料ともなるだけに、この問題は政治的に微妙である。しかし、経済そのものを見ても、アベノミクスを成功させるためには、さらなる大胆な政策の展開が必要である。メルケル首相が言うように、構造改革、金融改革、財政出動のいずれも必要であるが、とくに日本の場合、経済のグローバル化が進行する中で、企業のコーポレイト・ガバナンスの改善が不可欠である。最近、家電業界など日本企業が外国企業に買収されるケースが話題になることが多いが、それは日本企業のガバナンスに問題があるからである。アベノミクスの原点はベースマネーを増やすという金融緩和政策である。日銀は、マイナス金利まで導入している。しかし、いくら金融緩和をしても、企業のガバナンスが改善しなければ、成長のための資金は集まらない。会社法改正によって、企業のガバナンスを改善する法的仕組みは整っている。たとえば、ライツ・イッシュー(株主割当増資)を使いやすくすることが、企業の増資の選択肢を拡大させる。それは、ダイリュージョン(一株利益の希薄化)を招かずに既存株主の利益を守ることができるからである。企業のコーポレイト・ガバナンスの改善は、まずは東京の企業から始めてもらいたい。そのために、行政ができる支援は躊躇しないし、国際金融センターなどの整備もまた、日本企業の国際競争力を増すことにつながる。先月訪問したニューヨークでは、ウォール街でこの問題について講演し、またNY証券取引所とは協力関係を強化していくことで合意した。官民あげて、成長戦略を前進させるしか日本経済再生の道はない。東京都は、国や他の自治体に先駆けて、日本経済復活への道を歩む決意である。 *1-2:http://qbiz.jp/article/84490/1/ (西日本新聞 2016年4月9日) みやま市が東京都に技術協力 再生エネルギーモデル事業 東京都は8日、電力小売り事業に参入すると発表した。福岡県みやま市などでつくる電力会社「みやまスマートエネルギー」が、技術やノウハウ面で協力する。都の公益財団法人「東京都環境公社」を通じて、7月から都内の公共施設2カ所への電力供給を始める。都は都内の電力消費量に占める再生可能エネルギーの割合を2030年までに30%程度に高める目標を掲げているが、再生エネのみを使って電力を供給する事業者が都内には少ないのが現状。都がモデル事業として小売りに乗り出すことで、再生エネの利用拡大を図る。公社は今回、バイオマスや太陽光に由来する再生エネの電力を宮城県と都内の2事業者から調達する。みやま社は、昨年11月から公共施設などに電力を供給してきたノウハウや技術を提供。電力の需給調整のほか、再生エネ由来の電力の共同調達などで公社と連携する。公社が調達した電力をみやま市に融通する計画もある。みやま社は業務を受託することで、事業規模の拡大を図る。「電力の地産地消」を掲げるみやま社は、10月にも新電力会社の設立を目指す鹿児島県肝付町なども支援。さらに、九州大と共同で電力小売り事業に参入する自治体向けのソフトウエアの開発を始めており、今後も全国の市町村との連携を広げていく考えだ。この日、記者会見した舛添要一都知事は「今回の取り組みでノウハウを蓄積し、再生エネ由来の電気を供給する事業者を育てていきたい」と述べた。 <人格批判に終始するメディア> *2:http://digital.asahi.com/articles/ASJ5C3TP6J5CUTIL00X.html (朝日新聞 2016年5月11日) 会議費で家族旅行と報道 舛添知事「調査指示した」 東京都の舛添要一知事の資金管理団体「グローバルネットワーク研究会」(解散)が「会議費」名目で千葉県内のホテルに支出した約37万円が、家族旅行に充てられ政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いがあると11日発売の週刊文春が報じた。舛添氏は同日午前、報道陣に対し「事務所に、調べるように指示した。精査が終わればコメントしたい」と述べた。同研究会の政治資金収支報告書によると、研究会は千葉県木更津市の「龍宮城スパホテル三日月」に2013年1月3日に約23万8千円、14年1月2日に約13万3千円を支払っており、支出目的はともに「会議費用」となっている。週刊文春は会議ではなく家族旅行だったとする関係者の証言を紹介し、政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いがあると指摘した。舛添氏は報道陣から自身の記憶ではどうかと問われたが、「不正確なことは言いたくない」と話した。 <法律違反より批判のための批判> *3-1:http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H62_Q6A520C1000000/?n_cid=NMAIL002 (日経新聞 2016/5/20) 舛添都知事、支出問題は弁護士に調査依頼 辞任は否定 東京都の舛添要一知事は20日の定例記者会見で、政治資金の一部を私的な支出に充てていた問題について、第三者の弁護士に支出が適切だったかどうかの調査を委ねる考えを示した。舛添知事は「公正な目で見てもらう必要がある。第三者にしっかり調査してもらい、改めるところを改めたい」と述べた。調査期間については「できるだけ早くしたい」と述べた。また、自身の進退については「全力を挙げていい仕事をしたい。都民のために尽くしたい」として、辞任を否定した。舛添知事をめぐっては、自身が代表を務める政治団体の政治資金収支報告書の記載に、「資料代」の名目で美術品を購入していたり、「会議費」としたものが家族との旅行が含まれていたりするなど、相次ぎ問題が指摘されていた。 *3-2:http://mainichi.jp/articles/20160521/k00/00m/040/057000c (毎日新聞 2016年5月20日) 2時間16分間繰り返す「第三者に…」60回以上 東京都の舛添要一知事は20日の定例記者会見で、政治資金の私的流用を相次いで指摘されていることについて「政治資金規正法に精通した複数の弁護士に(政治資金収支報告書などの)調査を依頼する」と表明した。「第三者に厳しい目で調査いただく」と繰り返すこと60回以上。舛添氏が17日に「20日の定例記者会見で答えたい」と自ら宣言して迎えた2度目の「釈明会見」は2時間16分に及んだが、政治資金の使途などの説明は全て先送りされた。「説明責任は果たした」と強弁した会見から1週間。噴出する「疑惑」を追及された舛添氏は疲れた表情を見せ、口調も弱々しかった。会見場には約170人の報道陣が集まった。薄いグレーのスーツに紫色のネクタイを締めた舛添氏は冒頭の2分間、東京都内の劇場不足対策を説明した。都庁関係者は「文化行政に関心の高い知事が、自ら説明したいと望んだ」と明かす。対策に関する質問が出ないのを見て、舛添氏は手元の資料をそろえると「政治資金についてご心配、ご迷惑をおかけしていることを心から深くおわび申し上げます」と、深々と頭を下げた。その後も「厳しいご指摘をいただいている」「疑念を持たれて恥ずかしい」「真摯(しんし)に反省し改善したい」と述べ、頭を15回下げて反省を強調した。ところが、不透明な政治資金の使途に関する問いには全て口をつぐみ、「政治資金に精通する弁護士に調査をお願いする」「第三者の公正な目で見ていただく」と繰り返した。公用車の使用や一部を政治資金で購入した美術品の保管場所など政治資金以外の問題についても、第三者に調査を委ねるとして説明を拒んだ。恣意(しい)的な公私混同との指摘には「そういう意図はない」と否定したが、政治団体の会計責任者に個人の会計も託した理由を尋ねられても「反省している」「(会計責任者に)精査してもらうため」「システムとしてそうしていた」と言うばかり。市民団体が東京地検に政治資金規正法違反容疑などで舛添氏と会計責任者だった男性の告発状を送付したことに関しては「当局から捜査に協力を求められれば真摯に対応する」と述べた。批判がやまない状況に「私は信頼を失っている」と認め、信頼回復の道筋を問われると「都民のために仕事をしたい」と視線を落としながら答えた。 *3-3:http://mainichi.jp/articles/20160521/ddm/003/010/030000c (毎日新聞 2016年5月21日) 舛添氏資金問題 疑惑説明は全て先送り 強気の背景に法の不備 政治資金の不透明な支出などを指摘されている東京都の舛添要一知事は20日の定例記者会見で、第三者に調査を委ねる方針を示す代わりに、具体的な疑問に対する説明を一切拒み、辞職の意思がないことも重ねて強調した。問題の背景には政治資金を巡る制度の不備がある。説明を尽くそうとしない同日の会見を見て、知事選で舛添氏を支援した自民、公明両党からも厳しい声が出始めた。「全力で都民のために仕事をしたい」。舛添氏は20日の会見で謝罪しつつ、知事続投の意思を強調した。さまざまな疑惑が浮かびながらも、こうした強気の姿勢を見せる背景には、今回の政治資金の問題が違法性を問いにくい「支出」に関するものという点がある。国会議員に「政治とカネ」の問題が浮上する度に政治資金規正法は改正を重ねている。ただ、規制の大半は、企業などからの不正献金を防ぐための「収入」についてのことだ。2005年10月の改正では、政治団体間の献金に年間5000万円の上限が設けられた。07年1月以降、松岡利勝農相(当時)ら自民党の閣僚に事務所費の不正支出疑惑が相次いで発覚した。同年2月には民主党の小沢一郎代表(同)の資金管理団体が政治資金で10億円相当の不動産を取得していたことが明るみに出た。これらを機に同年12月、国会議員に関係する政治団体は原則全ての支出の領収書を公開することや不動産取得を一部制限することを柱とした改正法が成立した。支出の中身を「全面公開」させ政治家に「自主規制」を促すのが狙いだった。しかし、その後も政治資金の支出を巡る問題は続く。10年6月、民主党政権の荒井聡国家戦略担当相(同)の政治団体が少女コミックや音楽CD、キャミソールなどの購入費を支出したことが発覚した。自民党政権でも小渕優子経済産業相(同)の資金管理団体が、ベビー用品やブランド衣料品などを購入したことが14年10月に問題となった。政治資金制度に詳しい岩井奉信・日本大教授(政治学)は「使途に規制がないため、問題となった政治家も『運が悪かった』と思うだけ」と指摘する。実際に07年の事務所費問題の後、支出の問題だけで閣僚辞任や議員辞職に至ったケースはなく、議員が謝罪し費用を返して幕引きしている。舛添氏が政治資金から千葉県木更津市のホテル宿泊費を支出した問題などで、市民団体が政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑などでの告発状を出した。岩井教授は「本人が『会議を開いた』と言えば罪に問うのは難しい」とみる。その上で「適法なら問題ないということではなく、問われているのは政治活動としての支出の妥当性。舛添氏は説明を尽くし都民との認識のずれを埋める努力をすべきだ」と批判する。一方、税金が原資の政党交付金を巡っても抜け道がある。舛添氏が代表を務める政党支部「新党改革比例区第4支部」は都知事選出馬を控えた14年1月末、支部解散直前に429万円余の政党交付金を舛添氏の別の政治団体に寄付した。政党解党時の政治資金を巡っては自由党党首だった小沢氏が03年9月、解党直前に政党交付金を含む13億円余を自身が管理する政治団体に資金移動していたことが問題となった。政党助成法は政治団体解散後の交付金の残金について「総務相が国庫に返納させることができる」と定めるものの、解散直前の資金移動は対象にならない。小沢氏の政治団体も返金していない。規正法の支出の公表基準は、国会議員と知事の資金管理団体で異なる。舛添氏の場合、参院議員時代は1万円超の支出は全て報告書への記載義務があり、請求されれば領収書を全て開示しなければならなかったが、知事の場合、公開の対象になるのは5万円以上の支出のみ。仮に私的な飲食などに政治資金を支出しても、5万円未満であれば支出の検証は困難になる。 ●自公も厳しい姿勢 20日の舛添氏の会見を受けた与野党の反応は、1週間前の会見の時よりも厳しさを増している。舛添氏を巡るさまざまな問題が発覚した後も静観の構えを続けてきた都議会自民党の幹部は「(記者の質問に)あまり答えていなかったように見受けられた。第三者に調査してもらうと言っていたが、党としては6月の議会で『追及するものは追及する』という立場を取ると思う」と述べた。これまで議会で追及することはないとしてきた都議会公明党の幹部も「所信表明でどう説明するかが全てだ」と厳しい姿勢を見せた。臨時議会の開催を求めている共産党都議団は「(地方自治法に基づく)百条委員会の設置をはじめ、都議会として全容を解明するために全力を尽くす」とし、都議会民進党(旧民主系)の幹部は「本会議で追及せざるを得ない」と冷ややかに語った。国政レベルでも「説明不足」という指摘が相次いでいる。公明党の井上義久幹事長は20日の記者会見で「説明責任を果たしていただきたい」と注文を付けた。与党幹部は「このような質疑応答が毎週の会見や都議会で続けば、都政が滞る」と懸念を示した。ただ、与党は前回の都知事選で舛添氏を支えただけに、表立って進退を問う声は出ていない。自民党の谷垣禎一幹事長は17日の会見で「猛省が必要だ」と苦言を呈するにとどめた。舛添氏が辞職し出直し知事選になれば「自民党に次の知事候補が見当たらない」(同党幹部)という事情もある。これに対し共産党の志位和夫委員長は20日、「都民の不信は非常に強くなっている。都議会でも徹底的な真相究明をやっていきたい」と追及する姿勢を示した。その上で「説明できないなら、(知事の)資格に関わるのは当然だ」と断言した。民進党の岡田克也代表は20日の会見で「舛添氏を評価してきた私からみると、がっかりすることが続いている」と述べた。 <政治> *4-1:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13120650713 (「週刊ポスト2014年1月24日号) 舛添要一の凄すぎる「女」と「カネ」、結婚3回、離婚2回、子供2人に愛人の子3人、現在「隠し子、養育費裁判」係争中』 首都の顔を決める都知事選挙。有力候補の一人と見られているのが無所属での出馬を表明した舛添要一・元厚労相(65)だ。実は舛添氏、類い稀な男性的魅力を持っているようで、「永田町イチの艶福家」として知られているのだ。舛添氏の最初の結婚は1978年、相手はフランス人女性だった。出会いは、舛添氏が東大法学部政治学科を卒業後、パリ大学研究所やジュネーブ高等国際問題研究所の研究員を歴任したヨーロッパ留学中のことだった。帰国後の1979年、舛添氏は31歳の若さで東大教養学部の助教授に就任。だが、プライベートも順風満帆とはいかず、1981年に破局を迎えている。 1986年に再婚した相手はというと、いまや政治家として全国区の知名度がある片山さつき・参院議員だ。片山氏は大蔵省(現・財務省)入省後、フランス国立行政学院に留学。帰国後の27歳の時、東大助教授の舛添氏とお見合い結婚した。結婚当時は“ミス大蔵省”との呼び声も高く、後に女性初の主計官も務めた。そんな片山氏は結婚生活について、最近のインタビューでこう振り返っている。 <舛添さんと結婚したことがそもそも間違いであったと思います。愛のない結婚をしてはいけないということ。私の人生における大変大きな間違いだった>(『婦人公論』2013年2月22日号) そう振り返る結婚生活はわずか2年3か月で終わりを告げる。離婚の理由を片山氏はこう打ち明けている。 <慌しく始まった結婚生活でしたが、「平穏」だったのは最初の数週間だけ。「遅く帰ってきやがって!」突然、彼は怒鳴り始めたんです>(『週刊新潮』2010年5月6・13日号) 一旦怒り始めると、舛添氏は怒鳴る、手当たり次第にモノを投げつける、そして、ある時にはいくつものサバイバルナイフを片山氏の目の前にズラーッと並べたこともあったという。 <彼は、ナイフの収集が趣味だったんです。しかも、そのうちの一つの刃先を私に向けたことまであります。(中略)結局、結婚から3か月ほどで、弁護士に離婚を相談しました。すると、弁護士の調査で彼には愛人が、そして彼女が妊娠中であることも分かった>(同前) その「妊娠中の愛人」を仮にA子さんとしよう。A子さんが東大の学生だった時、舛添氏が指導教官という立場で知り合った。すぐに「もう妻(片山氏)とは別れるから」と舛添氏がA子さんに猛アプローチ。押されるまま付き合い始めたA子さんは1988年、男児を出産した。A子さんの知人が当時の状況を振り返る。「A子さんの存在を知って激怒した片山さんが、バッグに包丁を忍ばせてA子さんと舛添氏がいた部屋に怒鳴り込んできたことがありました。真っ先に部屋を飛び出した舛添氏が逃げ込んだ先は、もうひとりの愛人B子さんの部屋だったそうです」。A子さんの子供を舛添氏が認知したのは1990年。認知するまでの2年間に、B子さんが女児を出産、さらに同時期に他に2人の女性とも交際していたことがわかったという。目まぐるしい女性遍歴の末、舛添氏が15歳年下の現在の夫人である雅美さんと再々婚したのは1996年だ。なお、その前年にB子さんは2人目の女児を出産した。もちろん父親は舛添氏。その後、雅美夫人との間には、2000年に長女、2003年に長男が生まれている。振り返ると、結婚は3回、離婚は2回。2人の愛人が産んで認知した子3人と、雅美夫人との間の子2人を合わせると、舛添氏には計5人の子供がいることになる。 *4-2:http://news.livedoor.com/article/detail/11531554/ (NEWSポストセブン、週刊ポスト2016年5月27日号 2016年5月17日)橋下徹氏が都知事選出馬なら首相にとって一石三鳥の戦略 舛添要一・東京都知事が絶体絶命のピンチに立たされている。公用車での毎週末の別荘通いや税金を使った海外出張時の大名旅行ぶりへの批判に加え、政治資金で家族旅行をしていたのではといった疑惑が次々発覚、釈明はしたものの都民の不信感は高まるばかりだ。ここに来て都議会自民党関係者からは、6月1日辞任、7月10日に都知事選挙と参議院選挙をWで行なうといった憶測も急浮上してきた。都議会自民党の背後には当然官邸の思惑がある。官邸の思惑通りに舛添電撃辞任によって参院選と都知事選のW選挙となった場合、焦点は新たな「東京五輪の顔」となる都知事候補が誰になるのかだろう。自民党都議の1人は、「知事を辞任させるべきだという声は強いが、ネックは有力な後任が見当たらないこと。都連は参院選の東京選挙区に2人候補を擁立する方針だが、乙武洋匡氏がスキャンダルで出馬断念した後、参院でも2人目の候補がいまだに見つからないというのが実情。ましてや都知事候補となると高い知名度がいる。候補が決まりさえすれば一気に選挙戦に動くことができるのだが」と語る。自民党内の人材難は、前回都知事選で党を除名されていた舛添氏を担がざるを得なかったことが証明している。そこでウルトラCの候補として浮上しているのが「無役」となったあの人だ。政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう見る。「舛添氏を降ろして出直し都知事選となれば、短期決戦だから、有権者にとって顔と名前が一致する知名度の高い候補でなければ勝負にならない。その意味で、大阪府知事と大阪市長を経験し、首長としての経験十分な橋下徹氏の名前が官邸周辺で囁かれています」。橋下氏は「政界を引退する」と大阪市長を退任した後、『おおさか維新の会』には正式に参加せずに現在は弁護士業とテレビ・コメンテーター業を務めているが、安倍官邸、特に菅義偉官房長官との太いパイプを持つことで知られる。そもそも菅氏は橋下氏に政界入りを説得した人物で、橋下氏も引退会見で菅氏を「とんでもない政治家だ」と手放しで絶賛するなど、いまだに強い信頼関係がある。もし、橋下氏が無所属で都知事選に出馬し、安倍政権と自民党が全面支援すれば、知名度からいっても野党側が対抗できる候補を擁立するのは難しいだろう。政治評論家の浅川博忠氏もこう語る。「現在の安倍政権は外交・防衛に力を入れ、世論が求めている社会保障や景気回復がおろそかになっている。アベノミクスの限界も見えてきた。そういう状況の中で参院選と都知事選のダブル選挙になった場合、大都市圏は革新が強い傾向があるため、通常であれば野党にアドバンテージがあると考えられます。ただし、安倍政権が橋下氏を擁立できれば風向きはガラリと与党有利に変わる可能性が高い。橋下氏にはそれだけのインパクトがある。橋下氏の出馬が前提なら、安倍政権にとって都知事選とのダブルは切り札的になるでしょう」。安倍首相は参院選で公明党、おおさか維新などを合わせた改憲推進勢力で3分の2の議席確保を目指している。橋下氏自身は参院選出馬に否定的だが、都知事選に出馬すれば、相乗効果でおおさか維新の参院選での議席の上積みも見込める。首相にとっては参院選のテコ入れと都知事選勝利、改憲勢力の拡大というまさに一石三鳥の戦略だ。橋下氏も憲法改正について「今度の参院選がワン・チャンスだと思っている。泣いても笑っても、ここを逃せば、10年、20年と憲法改正の機会は遠のく」と語るなど首相と同じ考えだ。 *4-3:http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/todokede/answer05.html#q5_4 Q.登録政治資金監査人による政治資金監査制度の概要について教えてください。 A. I.国会議員関係政治団体(国会議員関係政治団体であった政治団体も含みます。ただし、収支報告書に記載すべき収入・支出がなかった場合はこの限りではありません。)の会計責任者は、平成21年分から、収支報告書を提出するときには、あらかじめ、当団体の支出について、政治資金適正化委員会が行う研修を修了した登録政治資金監査人(同委員会の登録を受けた弁護士、公認会計士、税理士)による政治資金監査を受けることとされています(法第19条の13第1項)。 II.政治資金監査は、 i.会計帳簿、領収書等が保存されていること ii.会計帳簿にその年の支出状況が記載されており、かつ、会計責任者が会計帳簿を備えていること iii.収支報告書は、会計帳簿及び領収書等に基づいて支出の状況が表示されていること iv.領収書等を徴し難かった支出の明細書等は、会計帳簿に基づいて記載されていること の4点について政治資金適正化委員会の定める具体的な指針に基づいて行うこととされています。 III.また、国会議員関係政治団体の会計責任者が収支報告書を提出するときには、政治資金監査の結果作成される政治資金監査報告書を併せて提出することとされています(法第19条の14)。 PS(2016年5月25日追加):公私混同はいけないが、過去の田中角栄氏などの事件と比べて金額が桁違いに小さく、政策を左右するような大きな賄賂はないことがわかる。また、政治資金規正法に使途の規定がない以上、罪刑法定主義の民主国家で突然逮捕されることがあってはならず(法律に規定もないのに、その時の都合で逮捕される方がよほど悪い国である)、政治資金規正法を改正して公私混同がなくなるよう使途の範囲を決めたとしても過去に遡って遡及されることはない。そのような中、*5のように、都議団幹部は、「問題は『知事の資質』で、違法かどうかは主眼ではない」と話したそうだが、単なる標的への攻撃ではなく問題の本質を明らかにして解決に導くつもりがあるのなら、①知事・議員の資質の判断基準は何か ②都議はじめ他の議員はこういうことを全くしていないのか についても議論し検証すべきだ。(*ちなみに、私も、いい加減な会計処理をしたことは全くないのに、変な含み笑いをされたり、いちゃもんをつけられたりして、言っている人のレベルの低さに呆れつつムカーッとしたことがある) *5:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12374757.html?ref=pcviewpage (朝日新聞 2016年5月25日) 舛添氏、別荘近くで政治資金 道路回数券200枚・食品店で2万円… 東京都の舛添要一知事の政治団体が、舛添氏の別荘がある神奈川県湯河原町周辺で政治資金を繰り返し使っていたことがわかった。一連の問題は、政治資金規正法に支出内容に関する規定のないことが背景にあるが、過去には政治家の責任が問われた事例もある。都議会は25日、実態解明に向けた対応を協議する。舛添氏が代表の「新党改革比例区第4支部」(2014年に解散)の政治資金収支報告書や総務省に提出した領収書によると、支部は12年と13年に湯河原町の食料品店で、計約2万1千円を「消耗品」代として支出していた。この店は食料品のほかに棚一つ分のトイレットペーパーやティッシュ、洗剤を置く程度。店側の関係者は「食料品ばかりなのに(舛添氏が)事務所のものを買うわけがない」と話す。舛添氏は土曜日に妻子と来店することが多かったという。12年5月には同町の衣料品店に「消耗品」代として約1万円を支出していた。この店の関係者によると、年2、3回家族と来店し、大人用の下着や子ども服などを買っていたという。支部は11年4月と12年10月、同町につながる有料道路「真鶴道路」の回数券(100回分)を2回、計3万2千円で買っていた。回数券を使えば、本来の通行料金よりも1回あたり40円安く済む。12年9月にはJR湯河原駅で「乗車券類代」として1万2120円を支出。舛添氏は当時参院議員で、JRなどの無料乗車パスが支給されていた。町には舛添氏の別荘がある。舛添氏の事務所に、別荘周辺の支出や政治活動との関連を質問したが、24日夜までに回答はなかった。 ■規正法、使途の規定なし 一連の政治資金をめぐる問題について、舛添氏は25日に第三者的に調べる弁護士らを選任する。これまで宿泊費などの支出について「政治活動の費用で問題ない」と繰り返してきた。政治資金規正法では、収支報告書に記す支出額の基準は定められているが、支出の内容の是非について規定がない。元検事で同法違反事件を多く手がけた郷原信郎弁護士は「政治資金の支出に関して刑事責任を問われた例は恐らく過去にない。おかしな支出でも『政治活動だ』と強弁されると覆せないし、記載が虚偽だとしても『意図的だ』という立証が難しい」と話す。同法は繰り返し改正されてきたが、主に企業献金など「収入」に関する規制強化だ。「支出」は、松岡利勝農水相(当時)らによる事務所費の不正支出問題が相次いだことを受け、07年に国会議員の関係政治団体が全ての領収書の公開を義務づけられた程度だ。疑惑を受けた対応は様々だ。佐田玄一郎行政改革担当相(同)は06年、活動実体が無い政治団体の活動費約7800万円を計上していた問題で閣僚を辞任した。他方、荒井聰国家戦略担当相(同)の少女コミックやキャミソールなどの購入問題(10年)では、辞任にまで至らなかった。東京経済大学現代法学部の加藤一彦教授は「違法でなかったとしても、政治家としての説明責任はある。都民の信頼を取り戻さなければ、都政運営もできず、辞任が現実味を帯びる」と指摘する。 ■都議会が追及へ 舛添氏の政治資金などの問題を追及する都議会は6月1日に開会する。野党の共産党都議団は25日の議会運営委員会で、強い調査権限を持つ百条委員会の設置を提案する方針を固めた。都議団幹部は「政治資金や高額な海外出張費、公用車での別荘通いを3点セットで調べるべきだ。問題は『知事の資質』。違法かどうかは主眼ではない」と話す。24日には、正副議長や各会派の幹事長らに書面で趣旨を説明した。知事に自身の言葉で説明してもらうため、総務委員会での集中審議も求めるという。都議会民進党など3会派も、舛添氏が「第三者に調査を委ねる」と繰り返した20日の記者会見後に、「信頼を損ねた責任は大きい」などとする談話を出した。一方、舛添氏を知事選で支援した与党の自民、公明は、「まずは6月1日の本会議での所信表明をしっかりと聞く」という姿勢を変えていない。 PS(2016.5.26追加):*6では、①「公私混同」の範囲 ②支出の内容に踏み込む監査制度の導入 が問題になっているが、①については、都知事としての仕事に必要なものは「公」、それ以外のものは「私」 と定義できる。そのため、都知事としての海外出張は紛れもなく「公」であって東京都の予算から出張費が出ており、都知事選のための会議費なら後援会から支出することもあり得る。また、美術書は、都知事としての見識を得て都の文化政策に資する目的であれば「公」であり、個人の趣味による収集に留まるのなら「私」である。なお、自分で車を運転していてわざとぶつけられたり、命を狙われたりすることを避けるため公用車を使用するなど、一般の人には常識の範囲外だが、政治家には正当な注意ということもあるため、要注意だ。 また、②については、収支報告書や使途報告書が単式簿記に基づいて作られていると、都合の悪い費用は掲載せず、その分は収入も少なく計上するという操作が可能であるため、収支報告書や使途報告書を複式簿記による帳簿に基づいて作るよう変更し(会計ソフトをそのように変更すれば会計処理は簡単)、網羅性・検証可能性を備えた上で公認会計士のフル監査を受けるようにすべきだ。これにより、経験のある会計責任者も含めて、会計処理の正確性に気をつけるようになるとともに、多くの議員がそれを行うようになればソフトの値段や監査料も下がる上、国民にとっては透明性が増し、政治家がカネの問題で陥れられることもなくなる。 *6:http://www.nikkei.com/paper/related-article/?b=20160526&c=DM1&d=0&nbm=DGKKZO02787810V20C16A5CR8000&ng=DGKKZO02787890V20C16A5CR8000&ue=DCR8000 (日経新聞 2016.5.26) 舛添氏、強気の背景 政治資金規正法、支出制限難しく 専門家「明確な違法性ない」 舛添知事を巡る「公私混同」疑惑が広がりをみせるなか、知事は説明責任を果たしていない。その背景には政治活動とプライベートとの線引きを曖昧にできる政治資金を巡る法律の不備がある。米国人画家の作品や裸婦像、掛け軸、美術関連の洋書……。知事の国会議員時代の政治団体の収支報告書に「資料代」や「書籍代」と記されているものには一見、政治活動とは関係がなさそうなものが並んでいる。知事は「美術品の収集が趣味」と公言しているが、政治資金で購入したものについても「海外の方との交流を行う際のツールだ」として法律上の問題はないと強調。専門家の多くも「グレーだが、明確な違法性はない」と指摘する。正月に家族と宿泊した千葉県木更津市内のホテルに「会議費用」として計約37万円を支出したことも「同じ部屋で事務所関係者らと会議をした」と説明し、政治活動の範囲内とする。釈明の背景には政治資金規正法に「支出」の是非の規定がなく、政治家が「政治活動」と主張すれば違法性を問いにくいことがある。規正法が主眼を置くのは不透明な資金が入っていないかをチェックする「収入」の部分で、「支出」については領収書の公開が義務付けられている程度だ。日本大の岩井奉信教授(政治学)は「支出の制限は政治活動の自由の制限につながりかねず、一律の規制は難しい」と指摘する一方で、「このままでは国民の納得は得られず、政治不信を高めてしまう。支出の内容にも踏み込む監査制度を導入すべきでは」と提案している。 PS(2016年6月1日追加):*7で、「『原点』忘れた?舛添都知事 『弱者向いた政治を』→福祉政策に疑問符 『公のために尽くす』→クリーンほど遠く」と題して、1)海外出張が豪華だったこと 2)後援会資金を「私」目的に使用したこと から舛添都知事の全人格を否定しているが、言えることと言えないことをごっちゃにしており、これが日本によくある「だから資格がない」と結論する典型的な方法であるため、その論法が正しいか否かを検証する。 まず、①については、賄賂をもらってその人に有利な政策を実行したのではなく(これが最も大きな問題)、後援会から「私」目的の金を支出するほど困窮していたと考えられるので、クリーンでないとまでは言えない。また、②③は、舛添氏の言っておられることは、当時は「寝かせきり」が問題になっていたので本当だが、舛添氏(東大法学部卒、政治学者)が厚生労働大臣だった時に厚生労働委員会で阿部知子衆議院議員(東大医学部卒、小児科医)のポイントを突いた質問に的確に応えておられるのを私も聞いていて、医学知識のない法学部卒の人がそこまで的確な答えができるのは自分が経験して問題意識を持っているからに違いないと確信した。そのため、③の「福祉施設の視察が少ない」のが本当であるとしても、都知事は全体の仕事をやらなければならないので、よくわかっている分野に割く時間はむしろ少なくするだろうし、国(財務省・厚労省)の方針が「高齢者から子どもへの予算移動」となっているため、法学部卒の都知事がそれに逆らう理論構成をして結果を出すのは困難だったとも考えられる。さらに、④の「『己を慎み、品行を正しくし』ていないので人格を全否定し、その他のすべてを否定する」論法は、日本ではよく使われるが、「探したら重箱の隅に傷を見つけたので、それを重箱として使えないと宣言する」というのと同様、論理的ではなく感情的であり、主権者や青少年をミスリードすると考える。 *7:http://mainichi.jp/articles/20160531/dde/012/010/003000c (毎日新聞 2016年5月31日) 「原点」忘れた?舛添都知事 「弱者向いた政治を」→福祉政策に疑問符 「公のために尽くす」→クリーンほど遠く この人が「東京の顔」とは、情けない。海外への豪華出張や政治資金の使途を巡り、公金感覚の欠如が批判される舛添要一東京都知事。釈明に追われ、6月1日から始まる定例都議会では、進退問題も含め、厳しく追及されるのは必至だ。かつては「首相にふさわしい」とも評価された舛添氏は、政治を志した「原点」をお忘れなのだろうか。 ①〓政治は強者のためではなく、弱者のためにある。これが私の政治哲学だ〓 舛添氏は2014年に都知事に就任した直後に出版した著書「東京を変える、日本が変わる」の中でこう記した。猪瀬直樹前知事が選挙資金の問題で辞任したことに伴う選挙だっただけに、舛添氏に「クリーンな政治」を期待した都民も多かったに違いない。“政治哲学”の「弱者」の2文字に注目するのが、NPO「高齢社会をよくする女性の会」理事長で、東京家政大名誉教授の樋口恵子さん。1990年代後半、「国際政治学者」として活躍していた舛添氏とテレビ番組で一緒になったことが何度もあったという。「彼は00年に介護保険法が施行される前から、認知症の母の介護をしたことで知られ、番組でも体験を話していました。内容はともかく、親の介護に携わる男性が非常に少なかった時代。この頃は『介護の舛添さん』という印象が強かった」。98年には「遠距離介護」の日々をつづった著書「母に襁褓(むつき)をあてるとき」を出版する。おむつを指す「襁褓」をタイトルに入れた著書にはこうある。 ②〓自力で歩いていた母が(施設に入所後)、車椅子が不可欠な身となりました。また、おむつなど不要だったのに、「寝たきり」、いや「寝かせきり」老人になってしまい、昼夜を問わずおむつが必要になりました。わが国の高齢者福祉の現状を告発せざるをえません〓 この著書には北九州市で暮らす母の元へ、東京から月2〜5回通ったとも記している。おむつ代を医療費控除の対象にする際、税務署で領収書以外に「おむつ使用証明書」の提出を求められたり、母の送迎に使う福祉車両購入時に煩雑な手続きを強いられたりしたことも紹介している。00年にみとるまで、遠距離介護は5年間に及んだ。この時点では、舛添氏の視線は真っすぐに弱者に向けられていたのだろうか。舛添氏の名を「全国区」に押し上げたのが、87年から続くテレビ討論番組「朝まで生テレビ!」だ。司会を務めるジャーナリストの田原総一朗さんは「舛添さんは国際政治に詳しく、世論におもねらない発言をする。88年ごろ、僕が東大の助教授だった彼をマスコミの世界に引き込みました」と振り返る。舛添氏が政治の道を歩み始めたのは99年の都知事選から。この時は、その後4期続く石原慎太郎氏に敗れた。01年、参院選比例代表に自民党から立候補し、約159万票でトップ当選。07年には厚生労働相として入閣した。10年の自民党離党後は紆余(うよ)曲折もあったが、14年の都知事選で初当選を果たす。では「政治とカネ」についてはどう考えていたのか。08年の著書「私の原点、そして誓い」をひもとくと、こんな記述があった。 ③〓私利私欲を離れて、公のために尽くすという気持ちになる、つまり無私という境地に達しないかぎり政治家になるべきではないという信念を抱いていましたし、今もそれは変わりません。その覚悟がないかぎり、金権腐敗の政治家に堕落する危険性が常につきまとうからです〓 しかし、である。家族同伴のホテル代や美術品の購入代金などに政治資金を充てていたことが判明。これでは「私利私欲を離れて」いるとは言えまい。前出の樋口さんは「初心を忘れたのか、思ってもいないことを著書に記したか、そのどちらかでしょう。『お年寄りのために』と政治を志した舛添さんには、質実剛健なところを見せてほしかったのですが……」と残念がる。一方、認知症の母を07年にみとるまで、在宅で7年間介護した作家の落合恵子さんはこう問いかける。「介護をすれば誰でも、いや応なく『政治の壁』にぶつかり、『政治を変えなければ』と思います。しかし、舛添さんが都知事になってから、福祉の分野で大きな政策を実現したとの記憶がありますか」。1人暮らしの高齢者の増加と貧困問題、介護ヘルパーの離職率の高さ……。落合さんはこれらの現実を挙げながら、「都知事は、首相に次ぐほどの発言力と決定力を持つはずですが、自身の介護体験が政治に十分生かされていないのでは」と言うのだ。27日の記者会見では、報道陣から「美術館や博物館の視察は多いが、福祉施設の視察が少ないのでは」との質問も出た。舛添氏の答えは「そういうご批判があることも踏まえ、反省すべきは反省し、改めるべきは改めたい」。政治の「原点」に関わる問いに、多くを語らなかった。舛添氏は周囲に「天下を取りたい」と話したこともあるという。田原さんの証言。「天下を取るということは、自民党の政治家にとって、いずれ総裁、首相になること。実際、党内には舛添さんを総裁にという声も上がっていた。10年に党を飛び出さずにとどまっていれば、舛添政権が誕生する可能性もあり得た」。今の舛添氏に対して、田原さんは「国民が怒っているのは、法律違反の有無ではなく公私混同です。まずは2人の弁護士による調査結果を待つが、きちんと説明責任を果たさなければならないだろう」と語る。舛添氏は続投する方針だが、6月の都議会を乗り切れるのかという問題もある。元都職員の佐々木信夫中央大教授(行政学)はこう見る。「与党の自民、公明はジレンマを抱えています。舛添氏に甘い対応を取れば、夏の参院選、来夏の都議選に影響が出かねない。一方、今辞任に追い込めば7月に知事選が行われ、4年後の任期満了と東京五輪が重なってしまう」。こんな政治事情で“延命”しても、状況は険しさを増す。「舛添氏が何を言っても説得力がなく、都庁職員もついてきません。都議会が地方自治法に基づき、調査権限の強い百条委員会の設置で合意したらアウトでしょう」。再び舛添氏の「原点」につながるであろう発言を紹介したい。都庁に初登庁した14年2月、幹部職員を前に明治維新の功労者、西郷隆盛を引き合いにこうあいさつした。 ④〓(西郷は)遺訓の中で、「万民の上に位する者、己を慎み、品行を正しくし、驕奢(きょうしゃ)を戒め、節倹を勉(つと)め、職事に勤労して人民の標準となり、下民其(そ)の勤労を気の毒に思ふ様ならでは、政令は行はれ難し」と喝破しています。都庁の職員一人一人が、天に恥じない仕事をするとき、必ずや都政に対する都民の信頼が回復するものと確信しております〓 「己を慎み、品行を正しくし」という言葉がむなしく響く。多くの都民に愛想を尽かされてしまったトップの前途は厳しい。 PS(2016年6月5日追加):舛添都知事が航空機のファーストクラスや宿泊時にスイートルームを使ったことが問題になっているが、伊勢志摩サミットで、オランド仏大統領は最高級の新館ロイヤルスイート(210平方メートル、1泊21万6千円)に泊まり、オバマ米大統領は2番目に高級な本館ロイヤルスイート(96平方メートル、同17万8200円)に2泊したそうだ。また、食事は、伊勢志摩、三重、日本の食材のすばらしさを提供したメニューだそうだが、これが首脳ではなく、例えばケネディー駐日大使が訪れても、最高のもてなしをして日本のよいところを感じて帰って欲しいと願うのが自然ではないだろうか。 そして、これは、東京都知事が海外に行った時も同じで、現地の人はやはりそう思うだろうし、都知事が海外の高級ホテルの食事や設備などのもてなしを体験して来る意味もある(ホテルの居室でもぼやっとしていないで仕事するということ)。このようにマスコミが騒ぐ中、都庁に寄せられた苦情や意見が約2万2700件あり、都議会の傍聴席が満員になったそうだが、苦情を言っていない大多数の人は問題にしておらず、都議会の傍聴席がこのようなことでしか満員にならないのは民主主義国としてお寒い限りだ。つまり、政策では議論できず、このようなことでフィーバーして、何が何でも謝罪させたり辞任させたりしたがるメディアこそ、性格が悪い。 *8-1:http://digital.asahi.com/articles/ASJ655K47J65ONFB00T.html?iref=comtop_8_01 (朝日新聞 2016年6月5日) オバマ氏は2番目、最高級部屋は誰? サミット会場公開 主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)の主会場、賢島(三重県志摩市)の志摩観光ホテルは5日、舞台となった会場や首脳らが宿泊した客室を報道関係者に公開した。首脳らは5月26、27の両日、新館「ザ ベイスイート」のラウンジや本館「ザ クラシック」のレストランなどで会合を重ねた。ワーキングランチとディナーで使われた直径約3メートルの円卓2台も公開された。最高級の新館ロイヤルスイート(210平方メートル、1泊21万6千円)に泊まったのはオランド仏大統領。オバマ米大統領は、2番目に高級な本館ロイヤルスイート(96平方メートル、同17万8200円)に2泊した。また、同ホテルの樋口宏江・総料理長(44)は会見で「伊勢志摩、三重、日本の食材のすばらしさを提供したい」と心がけたメニューが、首脳らに称賛されたエピソードを披露した。伊勢エビやアワビ、松阪牛を使った26日夕の洋食は、特に伊勢エビクリームスープが好評で、オランド仏大統領からテーブルに招かれ、G7首脳全員に握手を求められた。メルケル独首相にも「あなたがこの夕食を作ったのですか」と聞かれたという。「まさかお声がけいただけるとは。大変光栄で料理人冥利(みょうり)に尽きます」と振り返った。志摩観光ホテルはこれらの部屋に滞在し、同じ円卓でほぼ同様の食事を堪能できる宿泊プランを用意。2人で1泊2食50万~2泊5食100万円で、5日から予約を受け始めた。 *8-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12388448.html (朝日新聞 2016年6月2日) 都議会与党も強く反発 舛添知事に「謝罪になってない」 東京都の舛添要一知事は1日に開会した都議会の所信表明で、政治資金の公私混同疑惑など一連の問題を陳謝し、元検事の弁護士2人による調査について「今議会での審議に間に合うように公表する」とめどを明らかにした。都議会の自民、公明など主要会派は「説明が不十分で納得できない」と反発を強めており、7日の代表質問、8日の一般質問で事実関係を追及する構えだ。会期は15日まで。舛添氏は所信表明25分のうち、およそ3分を問題への対応にあてた。高額との批判が高まっている海外出張費については、航空機のファーストクラスや宿泊時のスイートルームを使わず、経費縮減に取り組むと表明。公用車は「厳格な運用を徹底し、都民の皆様の疑惑を招かないようにする」と述べた。有権者の関心は高く、この日の都議会は、190枚用意された傍聴券がすべて配布され、満員になった。先月31日までに都庁に寄せられた苦情や意見は約2万2700件にのぼっている。 ■あきれる傍聴者 「怒られたから謝った、という感じ。子どもの発言のようだ」。傍聴席で所信表明を聞いた東京都世田谷区の会社員巽(たつみ)一郎さん(55)はあきれた表情で話した。2年前の都知事選で、お金にクリーンなイメージから舛添氏に投票した。「何が悪かったという説明を聞きたかったが、もう信用はない。辞めてほしい」。渋谷区の自営業女性(52)も「淡々と原稿を読んでいて、謝る意思をまったく感じなかった」と憤る。議席の約6割を占め、前回の知事選で舛添氏を全面支援した自民、公明からも不満が噴出。これまでの「静観」から一転、対決姿勢を見せ始めた。「説明は納得できない。言語道断だ。厳しく追及する」。公明の長橋桂一幹事長は都議会後、強い言葉で舛添氏を批判した。自民のベテラン都議は「今日で潮目が変わったかもしれない」と話す。会派内では議会後、「(所信表明は)謝罪になっていない。どうしようもない」という声が相次いだという。「リオデジャネイロ五輪を控えているうえ、次の知事候補を探す時間もない。いますぐ辞めさせるわけにはいかないが、こんな知事を擁立したことをわびる必要はあると思う」。複数の自民、公明都議の事務所には「知事を辞めさせろ」「参院選では投票しない」などの電話が殺到。ある公明都議は「メディアの目が議会に移り、追及がぬるいと思われると自分たちが糾弾される」と危機感を募らせる。総務委員会の集中審議の開催に、与党側からも前向きな声があがりつつある。 ■舛添知事の所信表明の発言 【疑惑や問題】 発言内容 * 【高額な海外出張費】 航空機のファーストクラスは使用しない 宿泊施設のスイートルームは使用しない 随行職員数を最小限にする * 【公用車使用の公私混同】 厳格な運用を徹底 * 【政治資金支出の公私混同】 本会議(15日まで)の審議に間に合うよう、(第三者に依頼中の)調査結果を公表 ■今後の都議会の日程 <7日・代表質問、8日・一般質問> 知事が「第三者」の調査結果を公表か。各会派が追及へ <9日、13日・総務委員会> 一連の疑惑を審議か。集中審議になれば、知事に出席を求めて一問一答形式で疑惑を追及することも可能に <15日・閉会> 会期中に開かれた総務委の集中審議が閉会後に継続することも。会期中に集中審議がなくても、閉会後に開かれる可能性も PS(2016年6月7日追加):私は、元検事の弁護士による報告は90%以上正確だという印象を受けたが、*9-1のうち、「児童の保護者から子どもが悪い言葉遣いをまねると相談を受けて、どのような表現がなされているかを確認するために『クレヨンしんちゃん』を購入した」というのは、他の人はそこまでしないかもしれないが、舛添氏はそこまでやったのかもしれないと考える(理由:私も確認すると思うから)。 また、政治資金規正法には、政党支部や後援会を解散した場合に残余財産をどうすべきかについての規定はないため、残余財産のすべてを代表者の舛添氏が受け取ったとしても違法ではない。つまり、わかりやすく書けば、リスクを取って、国の補助金を受ける事業を奥さんといっしょに営んでいた事業主が、その事業を解散する時に補助金を返さなくてよいのと同じであるため、この法律の下で何とか探してケチをつけ、本来の都政を停滞させるのはいかがなものかと考える。 *9-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20160607&ng=DGKKASDG06HEW_W6A600C1CC1000 (日経新聞 2016.6.7) ピザの焼き方・「クレヨンしんちゃん」…購入本、家族向け? 舛添氏が政治資金で買った書籍の中には趣味が目的と取られかねないものも含まれている。「ピザを焼いて振る舞いながら政治課題について意見を聞いたことがある」――。舛添氏はピザの窯や焼き方に関する本の購入理由を弁護士にこう説明したという。洋書や政治書などの購入リストに交じって「のらくら同心手控帳シリーズ」や「ゼロの焦点」などの小説も。舛添氏はそれぞれ「江戸時代の風俗研究のため」「映画化されたので支援者との話題作りのため」としたが、弁護士は娯楽性が強いことから「適切とは言いがたい」と指摘した。「クレヨンしんちゃん」や「イナズマイレブン」などの人気コミックのタイトルも並ぶ。「児童の保護者から子どもが悪い言葉遣いをまねる」と相談を受けた舛添氏が「どのような表現がされているか確認するため」に購入したという。弁護士は家族のために購入したと受け取られてもやむを得ないと苦言を呈す一方、政治資金の使途に法的な制限がないことを挙げて、いずれの書籍購入も「違法とは言えない」との見解を示した。 *9-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12396555.html (朝日新聞 2016年6月7日) 舛添氏「けじめ」強調 返金・別荘売却、でも辞任は否定 政治資金調査報告 「慢心があった」「極めて恥ずかしい行動を心から反省」――。東京都の舛添要一知事は6日、政治資金をめぐる疑惑について、これまでよりていねいな言葉で謝る一方、辞任は否定し、「有権者の判断に任せたい」と繰り返した。都政トップの説明責任は果たされたのか。都民や有識者からは疑問の声も上がった。6日午後4時。約200人の報道陣が詰めかける中、元検事の弁護士2人に舛添氏が同席する形で会見が始まった。「違法ではないが、不適切だった」。政治資金で「豪快ダッチオーブンテクニック」などの本やマンガを購入したことをはじめ、私的な宿泊や飲食などに支出したとの疑惑について、佐々木善三弁護士らが見解を読み上げた。続々と挙がる事例に、舛添氏は終始うつむきがちに耳を傾けた。主にインターネットオークションで100点を超える絵画・版画を購入したことについて、舛添氏は「絵画の知識を深めることで、海外の政治家との関係を緊密にできる」と説明したというが、弁護士は不適切だと判断した。家族で天ぷら屋で飲食費を支出したことなども不適切とされた。適切とされた中にも、「政治資金の支出は避けるべきだった」などと指摘されたものもあった。そば打ちやピザ窯の作り方、金魚の飼い方の本の購入について、舛添氏は「政治家仲間とそばを打ちながら政治談義をしたこともある」などと説明したとされる。しかし、佐々木弁護士は「相応の合理性があるが基本的に個人的趣味の本」とした。一方、2011年に上海で13万9178円で買ったシルクの中国服と書道用品について、佐々木弁護士は「書道の際、この服を着ると筆をスムーズに滑らせることができるとの(舛添氏の)説明は説得力がある」と判断した。書道は趣味だが、政治活動にも役立っており適切だ、との理屈だ。舛添氏は、「違法な点がなく、ほっとしたか」と問われると、間髪を入れず「厳しい指摘を受けているので、汗顔の至りだ」と険しい表情で返した。さらに、不適切とされた支出の返金に加え、神奈川県湯河原町の別荘を売却することを「けじめ」と強調。ただ、有権者は納得すると思うかとの質問には「有権者の判断にお任せしたい」と述べるにとどめた。 ■「誠意伝わらぬ」 舛添氏が国会議員になる前から支援してきた元後援会関係者は「最初の会見で自分の言葉で説明できた問題ばかりだ」と批判する。「高校の時も学年トップの秀才だったから、自分のやることに間違いはないと思うんだろう。誠意が伝わってこないし、本当に反省しているとは思えない」と話した。新宿駅周辺で販売員をする女性(75)も「調査結果は、舛添さんが当初から話していたことを第三者の口から言わせただけ。時間稼ぎにすぎなかった」と切り捨てた。 ■解明は不十分、指摘も 「親しい知人から話があり、舛添氏の秘書に会い、きちんと理解してもらった方がいいだろうと思って引き受けた」。調査した佐々木善三弁護士は6日の会見でこう語った。佐々木氏は、東京地検特捜部副部長や京都地検検事正を歴任し、リクルート事件などの捜査を担当した。現金受領問題が発覚した猪瀬直樹前都知事の弁護も担った。もう一人の森本哲也弁護士も東京地検刑事部などで勤務経験がある。佐々木氏と同じ法律事務所に所属し、東京五輪・パラリンピックの旧エンブレム問題では、選考過程を調べる外部有識者による調査委員会のメンバーを務めた。「疑惑を抱える本人から依頼されて調査を行うことで客観性を保てるのか」。こう質問された佐々木氏は「第三者委員会は基本的にそういうもの。今回は第三者委員会ではないが」とし、「十分(調査を)尽くしたと思っている」と語った。これに対し、コンプライアンスに詳しい国広正弁護士は「都知事という公職者の問題なので、本来は百条委員会が必要だが、それに代わるものは真の意味での第三者委員会。その場合、委員会の役割はステークホルダー(利害関係者)である都民の目線で、知りたい真実を調査することにある」という。今回の報告書では、支出が適切か否かや、法的判断の結果が示されたのみで、肝心な舛添氏の真意が明らかにされていないと指摘。「都民が知りたいのは、舛添氏の現在の反省の弁ではなく、支出時の認識のはずだ」と話す。 ■これで終わりではない 危機管理コンサルタントの白井邦芳さんの話 「不適切だが違法ではない」との調査結果に、舛添知事は「これで辞めずに逃げ切れる」と判断したのだろう。だが、知事は法律やルールの境界線上で政治資金を扱っており、コンプライアンス(法令や社会規範の順守)を重視すべき都のリーダーとしての資質に欠ける。弁護士の調査内容は一定の評価はできるが、知事が自分の費用で依頼しており、透明性や客観性に疑問が残る。これで終わりではなく、今後限られた期間で都議会がどこまで追及できるかが重要だ。 PS(2016年6月9日追加):舛添都知事の政治資金問題について、*10-1、*10-2のように、マスコミは連日、①会議費名目の家族旅行 ②高額な海外出張費 ③公用車の使い方など、参議院議員選挙を前に他に報道すべきことは多いだろうに、舛添氏を辞任させることが目的の悪意のある報道を続けている。しかし、このうち東京都が支出した費用は、②③だけで、これが東京都の規則違反ではなく、理由をきちんと説明できれば東京都民が問題にする理由はない。 また、①については、「グローバルネットワーク研究会」は舛添氏の後援会で、代表者の意志で使い方を決められるため、仮に「家族旅行」だったとしても違法ではないし、政治資金規正法は領収書の添付しか義務づけていないため、請求書を添付しないのは普通である。その上、舛添氏の奥さんは政治活動で重要な働きをしているので、「夫婦だから私的」とするのもサラリーマンの想像にすぎない。さらに、会議に参加したという出版社社長の名前も、その人がメディアにおしかけられたり、嫌がらせをされたりするのを防ぐため、私であっても言わないだろう。 なお、これまでの舛添都知事の説明や「別荘の売却」「給与の減額」などの対応はポイントをついていないが、これは、辞めさせることを目的として揚げ足取りをし集中砲火を浴びせている人たちにまともな説明をしてもポピュリズムに基づく変な反論をされてかえって不利になるのを防いだり、政治資金規正法に詳しくないので慎重に対応したりしているためと思われる。なお、政治資金規正法(特殊な法律)に詳しい人は稀だが、少なくとも政治資金規正法を使って批判する人はよく調べてからにすべきだ。 *10-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12402181.html (朝日新聞 2016年6月10日) 都議会、集中審議13日・20日 舛添氏政治資金問題 東京都の舛添要一知事の政治資金の公私混同問題などについて、都議会総務委員会は9日の理事会で、集中審議の日程を13日と、第2回定例会(6月議会)閉会後の20日に決めた。知事を呼び、一問一答形式で疑惑を追及する。一方、共産党は今定例会中に不信任決議案を提出することを決定。他会派にも同調を呼びかける方針。知事を呼ぶことは、総務委理事会の全会一致で決まった。政治資金の私的流用疑惑、高額な海外出張費、公用車の使い方について、事前に質問内容を通告せずに直接質疑する。説明が不十分と判断すれば21日以降も開くことも合意。舛添氏は9日、報道陣に対し「議会の指示に従う」と話した。 *10-2:http://www.sankei.com/politics/news/160510/plt1605100042-n1.html(産経新聞2016.5.10)会議費名目で「家族旅行」と文春報道 舛添氏「質問やめて」 13日の会見で説明へ 東京都の舛添要一知事の資金管理団体「グローバルネットワーク研究会」(解散)が「会議費」名目で千葉県内のホテルに支出した約37万円が、家族旅行だった疑いがあると週刊文春がインターネットで報じ、舛添知事は10日、報道陣に「今日はちょっと(その質問は)やめていただきたい」と述べ、13日の定例会見で説明する意向を示した。政治資金収支報告書によると、同団体は舛添氏が知事就任前の平成25、26年に木更津市のホテルにそれぞれ約24万円と約13万円を支出。文春は「2回とも会議は行われていません。お子さんを連れて、家族でご利用になりました」とするホテル関係者の証言を紹介。政治資金規正法違反(虚偽記載)の疑いがあると報じた。 PS(2016年6月13日、15日《蚕の写真等》追加):*11のように、上海で購入した2着3万5000円(1着1万7500円)のシルクの中国服を政治資金の私的流用として騒いでいるメディアが多いが、中国を訪れ、中国に敬意を払って、中国の名産を買って帰るのは非難されるべきことではない。さらに、日本ではシルクは女性用の高級品というイメージが強いが、中国では「2着3万5000円」と安く、私も香港に行った人から5000円くらいのシルクのパジャマをもらって「シルクは洗濯しにくいのでは?」と思ったところ、「洗濯機で他のものと一緒に洗ってよい」と書いてあって驚いたことがある。つまり、日本におけるシルクの値段とシルクへの反応が異常で、批判している人の方が「井の中の蛙、大海(世界)を知らず」かもしれないので要注意だ。 左の3つは日本の伝統的な蚕生産の様子だが、一番右は蛍光を発する蚕だ。蚕は用途が多く、 餌(例えば、桑とユーグレナの混合粉末飼料)の改良やコンピューターを使った空調管理などを 行えば、建物の中で完全自動化してコストダウンした大量生産が可能だろう。また、織物や染色 もコンピューター親和性が高いので、従来の繭や絹織物産地の研究と進歩に期待する。 *11:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160610-00000107-dal-ent (デイリースポーツ2016年6月10日)舛添氏「中国服は筆が滑る」と政治的使途を断固主張!背広は筋肉あり「窮屈」 東京都の舛添要一知事が10日、東京都庁で定例会見を開き、噴出する政治資金の私的流用疑惑などに対する5度目の釈明を行った。この日は「書道の際に着ると筆がスムーズに滑る」ため“政治的使途”だと主張している、中国・上海で購入した2着3万5000円のシルクの中国服について、記者団から激しい突っ込みを受けたが、舛添氏は猛然と反論した。この中国服は、不可思議な政治資金使用の代表作で、記者団から理由があまりに稚拙では?と問われたが、舛添氏は「私は毎日のように書道をやってるんですが、やっぱり中国のシルクのヤツってのは、ここ(脇下や上腕を触りながら)が引っかからないんで、書きやすいんですね」と主張した。「第三者」だとする弁護士の調査時にも実演して説明したという舛添氏は、この日も身振り手振りを交えながら「私は柔道やってるんで、ここ(上腕)がものすごく張ってるんです。ものすごく筋肉があるもんですから、背広ってのは非常に引っかかるというか、どうしても窮屈になる。(中国服は)つるっとしてるんで、そういう意味です」とスーツを触りながら説明した。報道陣から「腕だけの問題か」と聞かれ「基本的にそうです」と返したが、「ならば袖のない服を着れば?」と問われると、「気温が低い時は?」と真顔で聞き返し、会見場に失笑が漏れた。 PS(2016年6月14日追加):確かに舛添氏の最近の答えは、答えになっていない部分もあったが、政局を作るために、法律違反でもない軽微なことで都知事をクビにして再選挙し、次は、それ以上の人を選べるのか疑問だ。日本は、むしろ東京、大阪などの大都市で有名なだけの人が選ばれる傾向にあり、これはマスコミがまともな政策論争をせず、このように歪んだ人格論争ばかりしているからである(公認会計士時代にODAで行った開発途上国の新聞記事の方が、よほどまともなことが書いてあった)。 *12:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/322420 (佐賀新聞 2016年6月14日) 自民、舛添氏不信任案を協議、都議会の野党各会派は午後提出 東京都の舛添要一知事の政治資金流用問題で、都議会最大会派で与党の自民党は14日午前、幹部らが知事の不信任決議案の提出に踏み切るかどうかを協議した。都議会の野党各会派は同日午後、議会運営委員会に不信任案を提出する。自民党内では参院選への影響などを懸念し「早期に辞めさせるべきだ」との声が高まっており、与党の公明党は自民党に足並みをそろえる方針だ。野党各会派は不信任案の一本化に向けた調整をする考え。不信任決議案は都議の3分の2以上が出席し、4分の3以上が賛成すれば可決される。会期末の15日に審議される見通し。 PS(2016年6月14日追加):舛添都知事は、北九州の貧しい家から東大に合格して成功したドリームの実現者であるのに、子どもの頃に貧しかったことを批判めいて伝えた報道もあるのは日本人の心の劣化を感じた。また、*13-1のように、舛添都知事が泣いたことを喜び、舛添都知事の子ども(公人ではない)がいじめにあうような報道を流し続けている報道姿勢にも意識の低さを感じている。なお、舛添都知事の子どものいじめを止めない慶応高校や慶応中学もおかしいが、子どもの方は悪いことをしておらず学校の替えもいくらでもあるため、いじめる相手とそれを止めない学校を堂々と論破するくらいのたくましさが欲しい。さらに、舛添都知事は、違法でないことについて悪いことをしたかのようにしつこくメディアで報道され辞職に追い込まれたため、名誉棄損・政治活動の妨害、自分と家族に対する人権侵害で週刊文春などを提訴するのが、本当の政治改革に役立つと考える。なお、私が提訴した時に週刊文春の担当者が言っていたのだが、週刊文春は、いつも複数の訴訟をかかえているそうだ。また、*13-2は、「舛添都政のこの2年余りは及第点をつけられるが、今回の退任劇は“おごり”が生んだもの」としており、その“おごり”とは、「公用車を使った」「スイートルームに泊まった」など、知事として不相応なものではないため、「ビジネスホテルに泊まって“おごり”はないが、都民のためにならない人」よりずっとよいと考える。 *13-1:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160614-00000156-jij-pol (時事通信 2016年6月14日) 議長の辞職要求拒否=舛添氏、涙ながらに―都議会 自らの政治資金流用問題などをめぐる東京都議会の厳しい追及を受け、辞職に追い込まれることが確実な情勢となった舛添要一知事。しかし、川井重勇議長からの辞職要求を受け入れず、「子どものことを考えれば、今すぐにでも辞めたいが、時間を下さい」と、不信任決議案の提出を9月議会まで待つよう涙ながらに訴えた。川井議長は14日午後、不信任案可決を前に、自発的に辞職するよう議会内で舛添氏を説得したが、舛添氏は「応じられない」と拒否した。舛添氏は理事会で「不信任の可決をしたら、(自分が)辞任するか、議会解散の二者択一しかない。(8~9月の)リオデジャネイロ五輪・パラリンピックをやっているときに選挙をやる姿を世界に見せるわけにはいかない」と熱弁。自分の問題に関する報道で子どもがいじめにあっていることなども説明したという。川井議長は「必要に応じて知事に会うことがあると思う」と述べ、閉会日の15日を控え、引き続き舛添氏の説得を続ける意向を示した。共産党都議団の大山とも子幹事長は「解散をちらつかせながら、子どもまで引き合いに出して、不信任案を出すなと言っているようなものだ」と納得できない表情で語った。都庁関係者も「リオを盾に取って議会を脅しているような感じだ」と話した。 *13-2:http://www.nikkei.com/article/DGXMZO03620070V10C16A6AM1000/ (日経新聞 2016/6/15) 舛添都知事、おごりが生んだ退任劇 政治資金の流用疑惑などが発覚して2カ月弱。211万票の得票で首都のリーダーになった舛添要一知事は急転直下、その座を追われた。「細大漏らさず公開しているし、何ら問題ない」。2014年1月14日に都庁で都知事選への出馬を表明した舛添氏はこう胸を張った。猪瀬直樹氏が辞めた問題に絡み、「政治とカネ」について質問された時である。あれから2年5カ月。本人の言葉とは裏腹に数々の疑惑が浮上し、批判の嵐にさらされた。都庁内で当初ささやかれていたのは「9月以降辞任説」だった。「今回は許してやる」。問題が発覚して早々、都議会自民党の幹部は舛添知事の周辺にこう伝えた。高い知名度が勝利の絶対条件になる都知事選。「勝てる後任候補」が見つからないうえ、今回、辞任に追い込めば、その次の都知事選は20年の東京五輪と時期が重なる。しかし、世論の批判は自民の想像を超えた。給与全額カットという知事の切り札も不発に終わり自民も方針を転換した。知事個人の評価とは別に、舛添都政のこの2年余りは及第点をつけられるだろう。非正規社員の正社員化へ国を上回る対策を打ち出し、障害者雇用にも力を入れた。巨額に膨らんだ五輪施設の建設費も圧縮し、水素社会の実現や国際金融センター構想も進めている。石原都政の負の遺産である新銀行東京も他行との経営統合という形でケリを付けた。舛添都政はバランスが取れている。しかし、股関節症の手術から復帰した昨年4月末ごろから「おごり」が表に出てくる。公用車での別荘や美術館通いが頻繁になったのもこのころだ。都議会から指摘された海外出張の見直しにも腰が重かった。「俺は首都を24時間、預かっている」。そんな自負が生来の強気な性格と相まって、公私混同を助長した。16年度の都予算に関する今年1月の知事査定。「2年後にはどんな成果が出るのか具体的に示せ」。舛添知事はその場に並んだ都幹部に檄(げき)を飛ばした。18年2月の都知事選での再選をにらんだ指示だった。舛添氏は再選後に東京五輪を「首都の顔」として迎え、その先は国政復帰も視野に入れていたに違いない。しかし、自らのおごりが、そうした思いや計算の全てを吹き飛ばした。 PS(2016年6月15日追加):私でさえ「買収した」「逮捕された」などの虚偽の言いがかりをつけられるのであり、“清廉さ”はどうやってでも否定できるものであるため、“清廉さ”のみを重視して「“清廉”に見えるが、知事としての能力に欠ける」という人選こそしないで欲しいと考える。 *14:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/323075 (佐賀新聞 2016年6月15日) ポスト舛添の調整具体化、自民慎重、民進は清廉さ重視 与野党は15日、舛添要一東京都知事(67)の辞職決定を受け、後継候補選びへ調整を具体化させた。2014年都知事選で舛添氏を支援した自民党は「政治とカネ」問題で舛添氏ら過去2代の知事が辞職した事態を問題視。7月の参院選に影響するとして、党本部主導での擁立に慎重な声が強い。民進党は、清廉さを重視して人選を進める方針だ。自民党東京都連は15日、緊急幹部会合を17日に開くと所属国会議員らに通知した。人気アイドルグループ「嵐」の桜井翔さんの父親で、17日付で総務事務次官を退く桜井俊氏(62)の名前が取り沙汰されたが、桜井氏は「出るつもりはない」と明言。 PS(2016年6月18日追加):*15-1、*15-2のように、舛添氏が辞職するまで、朝日新聞は最も大きな見出しで辞職を迫っていた。また、テレビ局は全局が不法行為でなかったり、誤解に基づき事実でもなかったりすることに対して非難の世論を煽り、テレビ朝日とTBSは特に熱心だった。そして、辞職後、*15-3のように「水に落ちた犬たたく現象、強まっている」「視聴率は、スポンサーがCMを出稿する際の目安になり、CM契約料金に直結し、他局も流しているので、やめられなかった」などと書いているのは、今後起こりうる名誉棄損と政治活動の妨害に関する訴訟に備える弁解であり、自分たちが本来の「報道の精神」や「責任感」を失って、主権者に悪影響を与えていることを自白したにすぎない。 *15-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12409002.html (朝日新聞 2016年6月15日) 舛添氏不信任案可決へ 都議会、辞職しない場合 与野党、案を一本化 東京都の舛添要一知事をめぐる政治資金の公私混同疑惑などの問題で、都議会最大会派の自民党は15日未明、舛添氏への不信任決議案を議会運営委員会理事会に提出した。都議会の各会派は、それぞれが出した不信任案を自民案に一本化し、15日の本会議で審議する。舛添氏が自ら辞職しない限りは、同日午後に可決される見通しだ。不信任案は、123人の在籍議員の3分の2以上が出席し、4分の3の賛成で可決される。可決された場合、舛添氏は10日以内に議会を解散しなければ、失職することになる。舛添氏が議会を解散しても、都議選で新たに選ばれた議会が再び不信任案を可決すれば、舛添氏は失職する。14日午後に開かれた議運委理事会では、与党の公明党や野党の共産党、民進党などが、それぞれ計7本の不信任決議案を提出した。舛添氏に自ら辞職を決断するよう説得していた自民も交渉が難航し、夜になって不信任案を提出した。14日は、舛添氏への説得が続いた。都議会の川井重勇議長(自民)も、主要4会派の要望を受けて理事会前に舛添氏と会談して辞職を促したが、舛添氏は「応じられない」と拒否したという。その数時間後、舛添氏は議運委理事会に出席。一連の問題について陳謝したうえで、不信任案を可決したら今夏のリオデジャネイロ五輪・パラリンピックを前に都政が混乱すると改めて説明。「第3回定例会(9月議会)に私の身柄を託したい」と訴え、13日と同様に不信任案提出の先延ばしを求めた。自民の14日午前の都連の幹部会では、一連の問題に対して世論の批判の矛先が自民に向かいつつあることから、「かばいきれない」との意見で一致したという。だが、不信任案が可決された場合、舛添氏が都議会解散を選択することを警戒。「舛添さんが自分から辞めれば、不信任を出さなくて済む」とし、舛添氏へ辞職を促してきた。舛添氏をめぐっては、政治資金での家族旅行や大量の美術品購入など私的流用疑惑が相次いで発覚。公用車の利用や高額な海外出張も問題となり、13日に都議会総務委員会の集中審議が開かれた。一問一答形式での舛添氏の説明が「不十分」とされ、質疑した6会派のうち自民を除く5会派が辞職を要求した。 *15-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12410878.html (朝日新聞 2016年6月16日) (転落 公私混同の果て:上)語るほど世論反発、相次ぐ誤算 舛添都知事辞職 15日の東京都議会。辞職を表明した舛添要一知事はこう語り、頭を下げた。疲れ切ったその顔から、かつて見せていた余裕は完全に消えていた。高額の海外出張費が問題になった4月上旬。「香港のトップが二流のビジネスホテルに泊まりますか? 恥ずかしいでしょう」と香港の記者に語った。公用車での別荘通いを問われても胸を張った。「公用車は『動く知事室』で、電話で報告などを受けている」。風向きが変わったのは5月だった。千葉県木更津市のホテルに家族と泊まった費用に政治資金をあてていたことを、週刊文春が報じた。都庁への抗議は1日千件超に増えた。それでもなお、ホテルで面会した人物については「政治の機微に触れる」と明かさなかった。都幹部は「知事は法律論のうえでは、違法ではないから問題ないと考えていた」と言う。理詰めで議論の相手をねじ伏せてきたが、世論は単純ではなかった。ここに舛添氏の一つ目の誤算があった。テレビのワイドショーが連日、問題を取り上げた。《公費で海外に行くのがうれしいのか。『ファーストクラスで海外』というさもしい根性が気にくわない》《議員の公用車も要らないと思っている》こうした著書での過去の記述が洗い出され、言動との不一致が指摘された。民放関係者は「舛添氏の報道を一度やめたら、同時間帯の他局の番組に視聴率を奪われた。視聴率が取れる話題だった」と明かす。二つ目の誤算は「第三者」による調査だった。「第三者の厳しい目に任せたい」。舛添氏は弁護士に調査を依頼することで打開を図ろうとした。調査の結果、宿泊費と飲食費の計約114万円分などが「不適切」とされたが、「違法とはいえない」と結論づけられた。だが、批判はむしろ強まった。まず、調査の客観性を疑問視する声が出た。政治資金で購入したシルクの中国服について、舛添氏が「書道の際、この服を着ると筆をスムーズに滑らせることができる」と説明したことも判明し、都議らから「あまりに説明が稚拙だ」と非難された。弁護士の態度までもが、ネット上で「逆ギレ」などと揶揄(やゆ)された。舛添氏が世に出たきっかけは、東大助教授時代の1987年に始まったテレビ朝日の討論番組「朝まで生テレビ」だった。保守の立場から、リベラル系の重鎮を相手に論争を挑んだ。司会の田原総一朗さんは「歯切れがよく、論争に負けなかった。何を言えばテレビが使ってくれるのか、よくわかっていた」と振り返る。「だが、今回は『正論』を語れば語るほど都民には弁解にしか映らなかった。論争では相手を負かせるという自信が、どんどん自分を追い詰めてしまった」 ◇ 舛添氏の公私混同問題から何が見えたのかを検証します。全3回。次回からは社会面に掲載します。 *15-3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12414609.html (朝日新聞、Media Times 2016年6月18日) 舛添氏問題、TV局過熱 情報番組が高視聴率 東京都の舛添要一知事が辞職に追い込まれた「政治とカネ」の問題。ワイドショーなどの情報番組を中心に、テレビが連日、多くの時間をさいて報じた。各局で異例の高視聴率を記録し、報道が過熱。番組制作の現場で、何が起きていたのか。 ■「水に落ちた犬たたく現象、強まっている」 フジテレビ系「直撃LIVEグッディ!」1部は疑惑追及の場になった都議会の集中審議を伝えた13日、平均視聴率が前4週平均から2・5ポイントアップし、昨年3月の放送開始以来最高の5・6%を記録した。同時間帯の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」も、TBS系「ゴゴスマ・GOGO!Smile!」もそれぞれ2ポイント以上アップし、10・1%、4・9%だった(いずれも関東地区、ビデオリサーチ調べ)。ある情報番組のディレクターが手応えを感じ始めたのは、舛添氏が家族で泊まった千葉県内の温泉ホテルに会議費名目で約37万円を支出していたことを報じた5月からだ。公用車での別荘通い、政治資金での美術品購入……。「辞任を決意するまで日に日に数字が上がった」。別の民放プロデューサーは「関東以外の系列局でも視聴率が上がった。視聴者にわかりやすい問題で、まさにキラーコンテンツだった」と振り返る。なぜ、こんなに注目を集めたのか。図らずも記者会見や議会審議が放送時間に重なり、連日、舛添氏がカメラの前に登場したことが高視聴率を下支えした。番組側は、生中継でとにかく舛添氏の「生の声」を放送することを意識したという。発言を切らずに流したほうが視聴率が伸びたといい、その変遷や疑惑の内容をフリップにまとめて紹介した。ある民放プロデューサーは「舛添氏は何度もカメラの前に登場してくれて助かった。ふつう『渦中の人』はあそこまで出ませんから」。同じ「政治とカネ」の疑惑を追及された甘利明・前経済再生相は療養が必要になり、公の場から姿を消した。舛添氏自身が「怒りの燃料」を投下したとみる民放のチーフプロデューサーもいる。「疑惑を認めない彼のスタンスに対して、人々は自分の生活に引きつけて怒り、もっと知りたいという欲求を高めていった」。各局は、論点を整理し、面白く、分かりやすく伝えようとした。TBS系では、舛添氏がシルクの中国服を政治資金で購入した問題で、実際に書家に中国服を着てもらい「書道の際に着ると筆がスムーズに進む」との舛添氏の弁明を検証。「グッディ!」は集中審議の際、「あなたならどう攻める?」との字幕を出し、舛添氏の答弁に納得できたか、視聴者にツイッターで回答を求めた。連日、報じるなか、ある民放のディレクターは「さすがに放送はもういいだろう」と思った。ところが視聴率は伸び続けたという。視聴率は、スポンサーがCMを出稿する際の目安になり、CM契約料金に直結する。「他局も流しており、やめられなかった」。一連の報道について、服部孝章・立教大名誉教授(メディア法)は「消費増税の先送りや待機児童問題、五輪誘致の贈賄疑惑など報じるべきことが他にあるのに、メディアがわかりやすいスキャンダリズムに走り、軽重が逆転してしまった」とみる。舛添氏は辞任に追い込まれたが、疑惑の全容解明はならなかった。2014年にゴーストライターの存在が発覚し、批判報道が過熱した作曲家・佐村河内(さむらごうち)守氏を取り上げた映画「FAKE」が公開中の映画監督、森達也さんは「舛添氏の問題はあまりに身近で分かりやすく、たたきやすかった。タレントの不倫報道もそうだが、『水に落ちた犬をたたけ』という現象が以前より強まっている」と指摘する。 PS(2016年6月19日追加):法律違反で懲戒免職されるわけでもないのに、*16-1のように、「退職金を辞退せよ」「給料を辞退せよ」などと言うような主権者を育ててはならない。何故なら、「1日24時間、土日も拘束されよ」とも言っており、重責を負って長時間労働している政治家に対して労働基準法からかけ離れた幼稚な要求をして、金持ちや政治家の家系の出身者しか政治家になれないような状況を作っており、そのツケは必ず都民や国民自身にまわってくるからだ。 例えば、*16-2は、国会議員の家系で金持ちだが、あまり勉強していないらしく教養のない麻生氏は、「①カネは一切息子や孫が払うものと思って使いたい放題使ってましたけど、ばあさんになったらああいう具合にやれるんだなと思いながら眺めてました」「②貯蓄より消費が重要で、金は使って回さないとどうにもならない」「③90歳で老後心配、いつまで生きてるつもり」などと述べておられる。しかし、①は高齢女性を馬鹿にしており、祖母に対してさえ敬愛の念を持たず相手の立場でものを考えられないことや、特殊な環境にいる高齢女性のみを見て全体を判断している点で論理になっていない。また、②は、使いたい放題使っていたとして高齢女性を馬鹿にしていたのとは正反対に無駄遣いの奨励を行っており、一つの話の中にさえ矛盾がある。そして、③は、確かに90歳というのは既に老後であるため老後の心配をしなければならないのはおかしいが、それをさせているのは麻生財務大臣はじめ関係省庁であり、「社会保障費がかかるから早く死ね」と言うのは、教養のなさが見識の低さとなって現れたということだ。 *16-1:http://mainichi.jp/articles/20160616/k00/00e/040/213000c?fm=mnm (毎日新聞 2016年6月16日) 退職金2200万円、都民「辞退したら…」 東京都の舛添要一知事の辞職が決まり、来月中にも都知事選が実施されることになった。首都の「顔」が2代続けて「政治とカネ」の問題で辞職した東京。都によると、舛添氏には都条例に基づき約2200万円の退職金が支払われる予定で、都民には次のリーダーへの希望と舛添氏への批判の声が交錯した。辞職決定から一夜明けた16日、舛添氏は午前10時過ぎに登庁した。薄いグレーのスーツ姿で、報道陣の問いかけにも真っすぐ前を向いて口を結び、足早に知事室に向かった。都によると、知事の退職金は退職した時点での給料月額(145万6000円)に在職月数(2年5カ月)をかけた額の52%で、退職から1カ月以内に支払われる。東京都大田区のJR大森駅前の商店街。青果店従業員の女性(52)は「次はお金にクリーンな人がいい。でも、政治家というのはクリーンではいられないのかしら」とうんざりした表情。退職金が支払われることに驚き「誠意があるなら辞退するのが男らしい引き際じゃないかと思う」と話した。総菜店経営の男性(58)は「辞めるのは仕方ないが(50億円とされる)都知事選の費用がもったいない」とぼやき「次はお金にきれいな人がいい」。退職金については「これだけ世間を騒がせたのだから、半分くらい置いていってほしい」と訴えた。寝具店従業員の男性(59)は「都知事は2代続いてお金に絡んだ問題で辞めている。次は政治家という仕事に奉仕の感覚のある人がいい」と望んだ。 *16-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S12416478.html (朝日新聞 2016年6月19日)「90歳で老後心配、いつまで生きてるつもり」 麻生副総理が発言 自民党の麻生太郎副総理兼財務相が17日、北海道小樽市での講演で「90歳になって老後が心配とか、わけの分かんないこと言っている人がこないだテレビに出てた。オイいつまで生きてるつもりだよと思いながら見てました」と語った。麻生氏自身も75歳だが、高齢者への配慮に欠けた発言として批判が出ている。麻生氏はこの日、小樽市の党支部会合で「1700兆円を超える個人金融資産があるのに消費が伸びていない」などと指摘する中で「90歳の老後」に言及した。自らの祖母が91歳まで元気だったと紹介し、「カネは一切息子や孫が払うものと思って、使いたい放題使ってましたけど、ばあさんになったら、ああいう具合にやれるんだなと思いながら眺めてました」とも語った。貯蓄より消費が重要として「金は使って回さないとどうにもならない」とも述べた。麻生氏の発言に対し、民進党の岡田克也代表は大分県由布市で「国は年金や医療、介護制度で、高齢者の不安に応えなければならない。私は非常に怒っている」と批判した。
| 民主主義・選挙・その他::2014.12~2020.9 | 04:05 PM | comments (x) | trackback (x) |
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