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2017.10.18~25 政党に関する時代錯誤の論評とメディアの報道について
(1)民進党議員の希望の党への参集について
 希望の党の政策協定書と公約                 各党の重要政策比較表
 
                                     2017.10.22 
                                      日経新聞
(図の説明:一番左の希望の党の政策協定書には、「希望の党で公認を受ける議員は、憲法改正を支持し憲法改正論議を幅広く進めること」「公認候補となるにあたり、党に資金提供すること」等の記載がある。しかし、憲法変更は党議拘束すら外して議員個人の良心に基づいて議決するのが妥当なくらい重要なテーマであり、他の政策と抱き合わせにした契約で無理やり賛成させるべきものではない。そのため、国民の代表として一人一人の議員を尊重しているのではなく、議員は党の執行部から降りてきた政策を機械的に採決する駒のように考えているわけだが、それは民主主義の基本に反する。また、希望の党は、新しい政党で党に金がないため、公認候補者に資金提供を要求するのは仕方がないのかも知れないが、一定の金額が決まっておらず、公平・公正感がない。なお、各党の重要政策は右の2つの表の通りだ)

1)メディア等の共産党との野党連合に対する批判
 メディアや他党が、「共産党との選挙協力は野合だ」と非難しているが、共産党の主張には、①脱原発 ②消費税増税中止 ③憲法9条の変更反対 など、資本主義・自由主義経済下でも、政府の無駄遣いを減らして国民生活を豊かにするため、賛成できる提案が多い。また、共産党は歴史が長いため人材が多いようで、情報収集力や分析力があるため、「共産党は社会制度の前提が異なる」として、どのテーマについても「共産党の提言だから」として排除すると、せっかくの提言が有意義な成果を生まない結果となる。

 また、子どもが大人のやり方を見て真似することを考えると、少数派をいじめたり、変なレッテルを貼って排除したりするやり方は、将来世代への影響という点でも問題だ。

2)メディアを通して見ていた人が考えた民進党支持率低迷の理由
 民進党をはじめとする野党連合は、森友・加計問題で安倍首相をしつこく追究して内閣支持率を落とし、今回の解散に追い込んだのだろうが、それによって民進党の支持率が上がったわけではなかった。その理由は、①(いろいろな意味で)過去に失敗したリーダーが、頻繁に顔の見える立場にいたこと ②「安倍政権下での憲法改正には応じない」というような対立軸にならない子供じみた批判をしていたこと ③脱原発の思い切った政策を出せなかったこと ④消費税増税で戦おうとしたこと などだろう。

 そのほか、日本のメディアが、政策の違いやその本質的な理由を真面目に報道できず、誰かの人格否定のようなことばかりを集中して報道するため、それよりも次元が高くなっている多くの国民から、「それだけでは任せられない」と思われたという日本独特のメディアの問題もある。

 そこで、民進党は小池氏の「希望の党」と合流することにしたようだが、希望の党は「国会を一院制にする」というような国会の二重チェック機能を無視した政策提言をしたり、公認希望者に自民党より多様性を認めないような政策協定書に署名させたりしたため、それとは考え方の異なる国民を失望させ、民進党の前議員も立憲民主党を立ち上げたり、無所属になったりして、選挙に突入したわけだ。

3)「リベラル」「保守」「革新」「右翼」「左翼」という言葉使いのおかしさ
 希望の党は、民進党議員を受け入れるにあたり、「リベラル(英語:Liberal)でないことを条件にした」とメディアが報道していたが、「Liberal」とは「自由な」という意味で、現代では、「自由」が民主主義国の大前提であり、日本国憲法にも随所に出てくる。そのため、「Liberalである」ことを理由として排除されなかった候補者が本当に「Liberalでない」とすれば、その人は日本国憲法違反の議員となるが、政党やメディアの中心にいる人が、そんなことにも気づかないとは情けない。ちなみに、「保守」と言われている自由民主党の英語名は、「Liberal Democratic Party of Japan」であり、堂々と「Liberal」が冠せられている。

 また、「保守」とは「現状を維持したい勢力」のことであり、「革新」とは「旧来の制度・方法・習慣を変えたい勢力」のことであるため、現行憲法が施行され定着している現在、憲法を変更したいとする自民党やそれに考え方の近い勢力が「革新」で、護憲を基本とする立憲民主党・公明党・社民党・共産党が「保守」と呼ばれるべきだろう。

 つまり、太平洋戦争終了後、日本国憲法の発布と施行で日本の革命は終わり、その日本国憲法が70年にわたって安定的に運用され、日本は平和主義を前提として戦争で膨大な無駄遣いをせずに経済発展してきたのに、メディアや政党がその事実を無視して戦前の発想で分類しているため、「保守」と「革新」の定義が逆になっておかしくなっているのである。

 なお、革命が終わっても、よりよい方向への継続的な改善はやり続ける必要がある(Continuing improvement)が、リセットばかりしている余裕はない。そして、どの分野でも同じだが、改善とは、欠点を直すためによりよい方向への見直しを普段から続けることであり、理由なき改革のための改革は、無駄な仕事を増やしたり、混乱させたり、改悪になったりするため、しない方がよいのである。

 また、「右翼」とは、国会議事堂で議長(戦前は、たぶん天皇)から見て右側に座っている勢力で、「左翼」とは、左側に座っている勢力であるためそう呼ばれたのだろうが、現在は議員数の多い政党順に右から並んでいるため、「右」か「左」かで思想や政策を分けられるわけではない。ちなみに、先日までの衆議院は、与党である自民党は右側、同じ与党である公明党は比較的左側に着席しており、無所属の人が考え方にかかわらず一番左側にいた。

(2)消費税増税について

    
2017.10.1琉球新報         付加価値税率国際比較   税収・歳出・公債

(図の説明:左の2つが、消費税増税に関する各党のスタンスであり、消費税増税をしないことに対してメディアの批判が多い。しかし、右から2番目のグラフのように、日本は消費税率が低いと言われるが、消費税は日本にしかない税制で、ヨーロッパは付加価値税、米国は国税ではない小売売上税があるだけだ。また、右のグラフのように、日本では1989年《平成元年》に消費税が導入されて以来、消費税率を上げるたびに景気回復と称して生産性の低い歳出を増やすため、消費税ができてから国債残高は増えるばかりなのである)

1)世界で唯一の消費税増税を大合唱する日本のメディアと経済界
 「付加価値税(taxe sur la valeur ajoutée:略語TVA」はフランスで考案され、1954年に世界で初めてフランスで導入され、1960年代末からヨーロッパ共同体(“EC”)の統一税制となり、現在はヨーロッパ連合(“EU”)諸国に導入されている。日本では、英語「value-added tax:略語VAT」で呼ぶのが一般的だが、米国には付加価値税や消費税はなく、州・郡・市毎に率の異なる小売売上税(小売りの売上に一度きり課税するもの)があるだけである。

 そして、太平洋戦争後、日本は、シャウプ勧告(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%A6%E3%83%97%E5%8B%A7%E5%91%8A 参照)を受け、直接税を中心とする米国方式の(長くは書かないが)合理的な税制を作った。その税制は、源泉徴収制度により給与所得者等の所得捕捉率や税の徴収率がよいため、今は捕捉できずにいる所得を捕捉できるように改善し、米国方式で首尾一貫した方が、特定の国民の課税済所得に再課税することにならず、公正・中立である。

 また、米国の小売売上税は売上に課税し、欧州の付加価値税は付加価値に課税するため、どちらも納税義務者は事業者である。一方、日本の消費税は消費に課税するため納税義務者は消費者で、納付を事業者が代行する形になっている。そのため、「消費者に完全に転嫁せよ」などと言われるわけだが、日本で付加価値税ではなく消費税が導入されたのは、事業者から反対の声があがったからにほかならない。

 さらに、欧州の付加価値税や日本の消費税には輸出免税があり、これにより輸出事業者は益税となり、還付されることすらある。また、軽減税率が導入されれば、軽減される業種も益税となる。そして、それが、新聞や経団連などの大企業が、消費税増税を自己目的化している財務省とつるんで、社会保障を人質に、世界で唯一の消費税増税を大合唱している理由だろう。

2)消費税しか財源がないわけではないこと
 メディアは、*1-2、*1-3、*1-4、*1-5のように、「①2019年10月の消費税増税を、自公は予定どおり実施して、借金返済に回す分を減らし、子育てや教育の充実に振り向ける」「②他党は増税に反対している」「③消費税増税を凍結すると借金が減りにくくなり、目標だった20年度の基礎的財政収支の黒字化が不可能になる」「④日本は社会保障に見合う財源が確保されておらず、国債発行という将来世代へのつけ回しに頼っている」「⑤従って、負担増こそ論点だ」「⑥消費税増税は誰が政権についても避けて通ることのできない課題で、異論を言う党はビジョンがない」「⑦各党は教育無償化などの再分配政策に傾斜した内容が目に付き、近く日本が直面する少子高齢化に向けた『痛み』を伴う施策を素通りしている」「⑧消費税増税の選挙争点化は、もうやめよう」「⑨消費税10%への引き上げの3党合意はどこへ行った」など、「消費税増税に賛成しないのは、社会保障についてのビジョンを持たないポピュリズム(衆愚)だ」という財務省の主張を記載している。

 しかし、ここで注意しなければならないのは、財務官僚が優秀でも、イ)財務省は消費税増税を自己目的化している ロ)他省庁管轄の事象に関する影響は考慮できない という事情がある。そのため、政治家が有権者である国民の負託を受けて省庁の壁なく全体を見て考察すべきであり、そうすると、幼児教育・高校授業料無償化、大学授業料減免、大学の給付型奨学金拡充が実現すれば、生産性の高い人材が増え、GDPが上がるため、直接税による税収増を見込める。また、景気刺激策・雇用維持策としてのバラマキを辞められるため、理想的な形で歳出削減を行うことができる。そして、そうなるような教育をしなければならないのだ。

 そのため、上の①については、教育・福祉予算が消費税でなければならない理由はなく、②が正論で、③④は、消費税増税を行う度にその言い訳として景気刺激策を行って生産性の低い歳出を増やし、国の借金が増加していることを忘れてはならない。そして、社会保障サービスは、まさに現代のニーズなのである。さらに、⑤⑥⑦については、痛みがあるから良薬とは限らず、害があるだけの政策もあり、⑧⑨のように、理論は別として「何が何でも消費税増税が必要で、それに反対する国民の意識はポピュリズム(衆愚)だ」などと言うことこそ、経済も税制も知らずに傲慢極まりないのだ。

(3)脱原発について


     各党の公約       使用済核燃料の蓄積  新燃岳の噴火と霧島連山
 2017.10.16   2017.10.7           2017.10.11
 西日本新聞    読売新聞             毎日新聞

(図の説明:左の2つが各党の原発政策の要点だ。中央は、各原発に蓄積されている使用済核燃料のトン数で、処理方法は未定であり、原発が稼働すれば増加する。さらに、薩摩川内市にある川内原発は、現在噴火している新燃岳の近くにあり、その新燃岳は一番右の写真の霧島連山の火山の一つなのである。しかし、原発ゼロを明記するほど憲法は細かいことを規定するものではないため、原発ゼロは環境基本法の実行で十分である)

 *1-2には、「原発の扱いも争点で、太陽光などの再生可能エネルギーで代替する計画だが、発電コストが割高のため、膨らんだ買い取りコストが家庭や企業の電気代に上乗せされる」と書かれているが、書くからには、記者は原価計算を理解した記事を書くべきである。また、普及すればコストダウンできるというのも、マーケティングの常識だ。さらに、再生可能エネルギーは国内にある資源であるため、国富が流出することなく国内で循環して税収増に繋がる。

 そして、このようなことは、他人から言われなくても自ら正確な情報を選択して論理的に考えることができる人材を養成しておく必要があり、そのためには、文系か理系かを問わず、教育を充実して達成しておかなければならない知識や論理的思考力の最低水準があるのだ。

 なお、日経新聞は、経産省の広報版のように、*2-1の「現実直視し責任あるエネルギー政策を」という記事を書いており、現実を直視してエネルギー利用の未来を展望すれば、原発を「ベースロード電源」と位置づけて再稼働するのが正しく、国民は現実を見ずに単なる不安を感じているにすぎないかのように記載している。しかし、実際には原発ゼロの道筋は既に何度も示しており、再エネや省エネの技術もある。にもかかわらず、*2-2も、太陽光や風力は天候などで発電量が変わりやすいなどとしており、思考停止が甚だしいのである。

 また、国民負担であれば、経産省は、*2-3のように、原発立地自治体を対象とした国の補助金を、2017年度から原発30キロ圏内の自治体にも支払う仕組みに変更し、2017年度の予算額を45億円とした。もちろん、原発のリスクと隣り合わせの自治体から見れば、国の補助金はないよりあった方がいいが、原発を開始してから今まで全体でどれだけの補助金が支払われたかを、正確に計算しておくべきである。

 さらに、東京新聞は、*2-4のように、東京電力福島第一原発事故の廃炉作業で、国が直接、税金を投入した額が1000億円を超えたと報道している。事業別では、①凍土遮水壁が設計などを含めて約357億8千万円 ②ロボット開発など1~3号機の原子炉格納容器内の調査費約88億4千万円 ③廃炉作業は約1172億6千万円 ④原発事故処理費用は21兆5千億円(このうち東電負担は8兆円) ⑤除染で出た汚染土を30年間保管する中間貯蔵施設は国の負担で金額は未定 という具合で、歳出額が大きい上、関係者が原発事故にたかっている様子もうかがえる。

 そのため、原発を辞めて再生可能エネルギーで代替すれば、教育無償化や社会保障の充実は容易にでき、現代のニーズにマッチしている上、エネルギーを100%国産にできるため、国富を海外に流出させずに国内で循環させることができると言える。

 そのような中、*2-5のように、日立製作所が英国に建設する原子力発電所に対して日本のメガバンクが融資する建設資金に、日本貿易保険(NEXI)を通じて政府が全額補償するそうだが、これは、日本国民にとって、言われなき国民負担のリスクがあるものである。

 また、フクイチ事故による関東の汚染も、*2-6のように、ひどいものであり、*2-7のドイツ人小児科医による講演内容は、日本メディアの記事よりも本当だ。つまり、公害は、原発の方がCO2よりもずっと著しいのである。

(4)憲法の変更と安全保障について

  
                      憲法9条への対応    北朝鮮への対応
    2017.10.20西日本新聞          2017.10.13、15西日本新聞

 *1-1に、自民・希望・維新は憲法改正に積極姿勢を示していると書かれているが、最も変更したい項目は、*3-2のように、党によって異なる。

 憲法9条の変更には、自民、希望、維新が前向きで、共産・立憲民主が反対だそうだが、①憲法9条を変更するのなら、それによって成し遂げられてきた平和主義を捨てるのか否か ②両立させる方法があるのか ③それは、改悪ではなく改善になるのか について検討すべきである。

 なお、*3-4のように、北朝鮮のミサイル実験で「国難だ、国難だ」と騒ぎながら衆議院を解散しているくらいだから、緊急事態条項が不要なことは明らかであるし、北朝鮮問題は5年もすれば落ち着くと思われるため、北朝鮮のミサイル実験を根拠に日本国憲法を変更する必要はないと考える。

 そのような中、西日本新聞は、2017年10月20日、*3-1のように、「22日投開票の衆院選を巡る世論調査では、自民党が圧勝し、憲法改正に前向きな勢力が国会発議に必要な定数465の3分の2(310議席)を獲得する勢いで、選挙後に9条改正などの論議が加速する可能性が高まる」と記載している。しかし、「立憲民主が野党第1党なら“足踏み”」などと、内容の検討もせずに「改憲が前進」という前提で報道するのは中立性を欠き、国民に先入観を与えるのでよくない。しかし、*3-2のように、公明党が改憲に慎重姿勢を示しているため、与党には少し安心感があるのである。

 また、*3-3のように、希望の党は、公認の条件として提出を求めている「政策協定書」で、①憲法改正への支持 ②安全保障関連法については「適切に運用し、現実的な安全保障政策を支持する」 などとした。一般に、改憲派は、「現実に合わせて理想を変更すべきだ」と主張しているが、憲法はあるべき姿(理想)を述べて、現実を理想に近づけるためのものであるため、発想が逆である。「現実に合わせて理想を変更すべきだ」という論法は、わかりやすく書けば、「泥棒がなくならないから、泥棒してもよいことにしよう」という論法と同じである。

 さらに、「日本国憲法は、古くて時代に合わなくなっている」と言っている人がいるが、それなら、どこが古いのでどう変えたいのかを具体的に指摘する必要があるが、憲法を変えなければならないような場所は、私には見当たらない。環境権についても、足りない部分は強化して環境基本法をしっかり守ればよいため、憲法の変更は不要である。

 最後に、核兵器問題については、日本政府が国連に提出した核兵器廃絶決議案の軍縮等に関する表現が後退していることを、国際NGO「ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)」が批判している。ICANは、そういう組織だからこそノーベル平和賞受賞が決定したのであり、こういう正論を言う人たちが、最少は少数派でも次第に世界をあるべき方向に進めるのだ( https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20171021-00000017-ann-int 参照)。

<各党の政策のうち消費税と財政再建>
*1-1:http://www.yomiuri.co.jp/election/shugiin/2017/news1/20171007-OYT1T50105.html (読売新聞 2017年10月8日)自民と希望、増税・原発で対立…憲法改正は一致
 政権を争う自民、希望の両党は、消費増税や原発政策などをめぐって対立する。一方、両党は憲法改正を目指す点では一致しており、衆院選の結果次第では、改憲論議が活発化する可能性もある。
◆消費増税
 2019年10月の消費税率10%への引き上げの是非を巡っては、与野党の対立構図がそのまま持ち込まれた。自民、公明両党は予定通り引き上げ、飲食料品などへの軽減税率導入を掲げる。両党は増税分の使い道を見直し、子育てや教育などに重点配分する方針も打ち出した。これに対し、希望、日本維新の会の両党は「凍結」との立場だ。共産党も引き上げ中止を掲げ、立憲民主は「直ちに引き上げることはできない」と見送りを主張した。ただ、野党側が消費増税に代わって確保すると主張している財源については曖昧さも残る。希望は、企業利益の蓄積に当たる「内部留保」への課税を盛り込んだが、「法人税との二重課税になる」との指摘があり、実現性を疑問視されている。
◆原発政策
 自民が公約で、原発を「重要なベースロード電源」と位置付けるのに対し、野党側は「脱原発」を掲げた。
希望は公約で再稼働に柔軟姿勢を示すものの、原発は新設せず、「2030年までに原発ゼロ」を目指すとした。共産は「原発再稼働の中止」、立憲民主も「一日も早い原発ゼロ」を掲げ、「原発ゼロ基本法」の策定を目指す。
◆憲法改正
 自民や希望、維新は憲法改正に積極姿勢を示している。
自民は「自衛隊の明記、教育の無償化・充実強化、緊急事態対応、参議院の合区解消」の4項目で改憲を目指すとした。希望も「憲法9条を含め改正論議を進める」と明記した。9条改正については自民、希望、維新が前向きだが、共産や立憲民主は「9条の改悪反対」を掲げ、反対姿勢を強めている。

*1-2:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20171007&ng=DGKKZO21978770W7A001C1MM8000 (日経新聞 2017.10.7) 財源当てなき公約競争、衆院選、主要各党が公表 目立つ曖昧さ、論戦に課題
 10日公示―22日投開票の衆院選に向けた各党の公約(総合2面きょうのことば)が6日ほぼ出そろった。政権選択を争う自民党と新党「希望の党」は消費増税や原子力発電・エネルギー政策で対立する。経済政策はいずれの政党も再分配を重視して聞こえのいい内容に偏りがちで、政策実現のプロセスや財源確保に曖昧さが残る。党首討論や街頭演説を通じて有権者に明確に説明できるかが問われる。希望が6日に発表し、新党「立憲民主党」は7日に公表する。公表済みの自民や公明党、日本維新の会などとあわせ主要政党の公約がそろう。経済政策が大きな対立点として浮かんだ。2019年10月の税率10%への消費増税は自公が予定どおりの実施を掲げた。雇用や所得などの経済環境が良くなってきたと強調する。他党は「一般国民に好景気の実感はない」(希望)として増税に反対する。自公も増収分の使い道は変える。借金返済に回す分を減らし、子育てや教育の充実などに振り向ける。これまでは5兆円あまりの増収分の大部分を借金返済、残りを医療・介護や子育て支援の充実などに充てる予定だった。安倍晋三首相は比率を「おおむね半々にする」と表明した。借金が減りにくくなり、目標だった20年度の基礎的財政収支の黒字化は不可能になる。自民は16年の参院選まで公約に明記してきた「20年度の黒字化」を削除した。政府内で簡易的にまとめた試算では、社会保障費の自然増を年5000億円に抑えるなどの歳出抑制を続ければ22年度に黒字化できる。歳出抑制のタガが緩めば25年度まで遅れる。あくまでも19年10月に消費税率を上げることが前提だが、その増税自体の実現にも曖昧さが残る。首相は9月26日のテレビ番組で「リーマン・ショック級の緊縮状況が起これば判断しなければならない」と語った。
●黒字化27年度に
 希望は消費増税の凍結を公約の筆頭に掲げた。小池百合子代表は6日の記者会見で「いったん立ち止まるべきだ」と強調。菅義偉官房長官は「財源なく大胆な改革を進めるような無責任な議論にくみすることはできない」と述べた。第一生命経済研究所の試算では凍結なら基礎的財政収支の黒字化は27年度にずれる。希望は消費拡大に向けベーシックインカム(最低生活保障)の導入も打ちだした。同研究所の星野卓也氏によると、月に6万5千円を支給する場合、現役世代の1割弱を占める年収200万円未満の世帯に対象を絞っても年5.9兆円が必要。300万円未満なら11.5兆円、400万円未満なら18.3兆円と必要な財源は増える。希望が財源に挙げたのは大企業の内部留保への課税だ。内部留保をはき出させ「雇用創出や設備投資に回す」と明記した。内部留保課税は賃上げや設備投資を企業に半ば強制する手段として政府・与党内で浮かんだこともある。実現していないのは課題が多いからだ。法人税を納付した後に課税するため二重課税になり、賃上げや投資の機運を逆に冷やしかねない。小池氏は6日に早くも内部留保課税の提案を修正する可能性に言及した。生煮え感は否めない。自民、希望以外も財源や工程に不透明な部分が多い。自民が全ての3~5歳児の幼児教育・保育の無償化を明記したのに対し公明は全ての0~5歳児で無償化を掲げた。公明は所得制限をかけて私立高校の授業料も無償化するという。より多くの財源が要るが確保策は示されていない。立憲民主も増税先送りの立場だが代替財源を確保できるかは分からない。「身を切る改革で教育無償化」をうたう維新は国会議員の定数削減などを明記した。共産党は大企業の法人税率の引き上げなどを掲げた。いずれもどれだけの財源になるか見通せない。
●家庭・企業に重荷
 電気料金や安定供給にかかわる原発の扱いも争点になる。希望など多くの党が原発に依存しない方針を示した。太陽光などの再生可能エネルギーで代替する計画だ。政府は12年度から電力大手に再生エネの電気を買い取らせる制度を始めた。まだ発電コストが割高のため、膨らんだ買い取りコストが家庭や企業の電気代に上乗せされる。今年度の上乗せは月額686円。12年度の10倍以上だ。政府は30年度に再生エネの比率を22~24%に高める目標に向け導入を進めてきた。希望の目標どおり「30%」まで高まれば電気代への上乗せはさらに増える可能性がある。今後も原発を使っていく方針を示した自民と日本のこころも新設を認めるかどうかは明らかにしなかった。原発はどんなに長くても60年間で運転を終える決まり。新設しなければいつかはゼロになる。中長期のエネルギー政策の選択肢を示したとはいえない。

*1-3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S13159917.html (朝日新聞社説 2017年10月1日) 衆院選 社会保障の将来 甘い言葉で「安心」得られぬ
 「社会保障制度を全世代型へと転換する。急速に少子高齢化が進む中、決意しました」。衆院解散を表明した記者会見で、安倍首相はそう強調した。「全世代型」への柱として「子育て世代への投資の拡充」を唱え、2年後に予定する消費増税分から財源を確保するとした。その是非を国民に問うという。だが、深刻な少子高齢化も、高齢者向けと比べて手薄な現役世代への支援の必要性も、以前から指摘されてきたことだ。8年前には麻生内閣の「安心社会実現会議」が「全世代を通じての切れ目のない安心保障」を打ち出した。政権交代を経てもこの考えは引き継がれ、旧民主党政権は社会保障・税一体改革大綱で「社会保障を全世代対応型へ転換」すると掲げた。安倍内閣のもとでも、「社会保障制度改革国民会議」が4年前に「全世代型の社会保障」を提言している。方向に異を唱える人はいないだろう。政治の怠慢で進まなかったのが実態である。
■繰り返される議論
 首相官邸が主導し、社会保障を議論する有識者会議が設けられるようになったのは、2000年代に入ってからだ。高齢化で年金や医療などの給付が膨らむ一方、少子化で支え手は減っていく。制度を維持していくには、給付を見直しながら、負担についても保険料や自己負担に加えて税制も一体で考え、縦割りを排して政府全体で検討する必要がある。そうした問題意識が背景にある。以来、内閣が代わるたびに「国民」や「安心」「改革」といった言葉をちりばめた会議ができ、提言がまとめられた。その内容は、多くの部分で重なり合う。「女性、高齢者、障害者が働きやすい環境を整え支え手を増やす」「高齢者であっても負担可能な人には負担を分かち合ってもらう」「子育て世代への支援、若者の雇用不安への対策の強化」……。取り組むべき課題は十数年の議論で出尽くしている。必要なのは、具体策をまとめて実行に移す、政治の意思と覚悟だ。とりわけ、給付の充実と表裏であるはずの負担増を正直に語れるかどうかが試金石となる。
■負担増こそが論点
 安倍首相は、消費増税分のうち、国の借金減らしに充てる分の一部を新たな施策に回し、安定した財源にするとしている。だが、この考え方は危うさをはらむ。日本は「中福祉」の社会保障と言われるが、それに見合う財源が確保されておらず、国債の発行という将来世代へのつけ回しに頼っている。消費税率を10%にしても、不足分の解消にはほど遠い。高齢化などに伴う社会保障費の自然増を毎年5千億円に抑えるやりくりでしのいでいるのが近年の状況だ。消費増税の使途を変えるとなると、社会保障費の伸びを今以上に抑えるのか。あるいは、国債発行に頼ってさらにつけ回しを増やすのか。そうした点も一緒に示さなければ、国民は是非を判断しようがない。給付の充実だけを言い、社会保障制度への影響には触れず、財政再建への見取り図も示さない。そうした態度では、単なる人気取り政策と言うしかない。そもそも、給付が負担を大きく上回る構造を抜本的に改めていくことが問われ続けているのだ。今後、高齢者でも所得や資産に余裕のある人には負担を求めることや、医療・介護の給付範囲と負担のあり方なども検討課題としていかざるを得ないだろう。そうした痛みを伴う改革や負担増の具体案と道筋を示し、将来の社会保障の姿を描く。それこそが政治の役割であり、国民に信を問うべきテーマである。
■一体改革をどうする
 消費税収の使途変更を打ち出した与党に対し、「希望の党」代表の小池百合子・東京都知事は消費増税の凍結を語る。与党との対立の構図を作る狙いのようだが、では社会保障についてどのようなビジョンを持っているのか。希望の党への合流を掲げた民進党の前原誠司代表は、消費税を増税した上で教育や社会保障の充実に充てると訴えていた。統一した見解を早急に明らかにするべきだ。国民のニーズの変化に対応して社会保障の仕組みを見直し、少子高齢社会のもとでも安定した制度にしていく――。誰が政権についても避けて通ることのできない課題である。人口減や財政難の深刻さを考えれば、とりうる政策の幅はそれほど大きくはない。5年前、民主(現民進)と自民、公明の与野党3党が決めた社会保障と税の一体改革は、社会保障とそのための負担を政争の具にしないという、政治の知恵だと言える。風前のともしびの一体改革の精神を大切にするか。目先の甘い話を競い合うか。すべての政党が問われている。

*1-4:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20171011&ng=DGKKZO22078940Q7A011C1EA1000 (日経新聞 2017.10.11) 各党「痛み」素通り、公約、再分配に傾く 有権者、狭まる選択肢
 10日に公示した衆院選で各党の選挙公約をみると、教育無償化など再分配政策に傾斜した内容が目に付く。近く日本が直面する少子高齢化に向けた「痛み」を伴う施策は素通りした形で、将来負担を心配する有権者にとって選択肢は乏しい。2012年の社会保障と税の一体改革から5年がたち、各党は再び近視眼的な政策を並べている。
・「幼児教育の無償化を通じ、全世代型の社会保障へ転換」(自民党)
・「幼児教育の無償化、大学の給付型奨学金の大幅拡充」(希望の党)
・「高校授業料無償化、大学授業料の減免」(立憲民主党)
 安倍晋三首相が2019年10月の税率10%への消費増税の使途変更による「全世代型社会保障」の実現を訴えると、各党は公約に教育無償化を明記した。高等教育までを含めた無償化の費用は最大で年5兆円規模に上るが、選挙前に十分議論されたとは言い難い。例えば自民党が打ち出した幼児教育の無償化。公約は「20年度までに3~5歳のすべての子どもたちの費用を無償化する」とうたった。いまの保育料は所得が高い人ほど金額が高くなる制度だが、自民党の公約は所得制限を設けないと読める。高所得者ほど恩恵が手厚くていいのか。本来は大きな争点だが、各党で論戦になっていない。社会保障も同様だ。政府は来年6月に社会保障費の抑制額などを定める財政健全化計画を改定する予定で、負担をどうするかが焦点だ。だが、各党公約は具体像を語らない。「医療・介護費をどのくらい払うのか」「年金はもらえるのか」。有権者に「痛み」を示さず支持を呼び掛けている。消費増税は割れた。希望の党や立憲民主党など野党はそろって増税の延期や凍結を主張し、自公は「リーマン・ショック級の出来事が起きない限り」との条件付きで増税すると約束した。ただ自公も5兆円強の増収分のうち新たに1.7兆円程度の税収を教育などに使う。各党の公約はいずれも財政健全化からは遠く、将来世代にツケを先送りする主張だ。原発政策も争点だ。自民党は1日を通じて安定的に供給できる「ベースロード電源」と位置づけ、再稼働に前向き。希望の党は「30年までの原発ゼロ」を主張した。同党は再生可能エネルギーの割合を「30%」にすると唱えるが、電気代の上昇など経済的な負荷の可能性への言及は乏しい。

*1-5:https://mainichi.jp/senkyo/articles/20171011/ddm/005/070/008000c (毎日新聞 2017年10月11日) 2017衆院選 消費税増税=井出晋平(東京経済部)
●選挙争点化、もうやめよう
 安倍晋三首相は、2019年10月に予定通り消費税率を8%から10%に引き上げることで見込まれる増収分の使途変更を掲げて衆院選に踏み切った。一方、小池百合子東京都知事率いる「希望の党」など野党は、増税凍結・中止を訴え対抗姿勢を鮮明にしている。だが、もう消費税を選挙の争点にするのはやめるべきではないか。政策を巡る議論が深まらないまま、選挙のたびに消費税を「政争の具」にし続ける政治の無責任さを感じずにはいられない。
●唐突な使途変更、解散の「口実」か
 首相は9月25日の記者会見で、10%への消費税増税による5・6兆円の増収分のうち、国の借金返済に充てる予定だった分の一部を幼児教育・保育の無償化などに振り向けると表明。「国民生活に関わる重い決断を行う以上、すみやかに国民の信を問わなければならない」として、衆院を解散した。だが、この首相の説明には首をかしげざるを得なかった。首相が新たな使い道とする教育無償化は、今夏の内閣改造で首相が目玉に据えた「人生100年時代構想会議」で議論を始めたばかりで、会議はまだ1回しか開かれていない。議論が深まらないうちに、首相は▽3~5歳児は完全無償化▽0~2歳については低所得層に限り無償化▽大学生の給付型奨学金の拡充--などと打ち上げた。これでは、構想会議を設置した意味がない。また、首相は全世代型の社会保障制度への転換が「待ったなし」と述べたが、現行制度が高齢者に手厚く偏っているという指摘はかなり前からあった。制度の組み替えの必要性を感じているなら、なぜもっと早く取り組まなかったのか。首相は12年12月の第2次政権発足後、選挙のたびに消費税を争点に据えてきた。14年12月の衆院選では、同年4月の消費税率の8%への引き上げによる消費低迷を理由に、15年10月に予定していた10%への引き上げ延期を表明し、衆院解散に踏み切った。16年7月の参院選では、直前に再び17年4月の増税を延期すると表明した。それまで「リーマン・ショックや大震災のような事態が発生しない限り、予定通り引き上げる」と繰り返していたが、16年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で「世界経済が危機に陥るリスクに直面している」と唐突に表明。リーマン・ショック級の危機が迫っているという強引な理屈で増税延期に持ち込んだことは記憶に新しい。今回は、これまでとは逆に予定通りの消費税増税を表明した。2回の延期で「安倍政権で増税は無理」とあきらめていた財務省内では当初、「増税分を教育無償化の財源にする以上、3回目の延期は無いだろう」と期待する声が聞かれた。だが、その後首相がテレビ番組で「リーマン・ショック級の大きな影響、経済的な緊縮状況が起これば(延期を)判断しなければいけない」と発言したことで、「また延期するかもしれない」と戸惑いの声も出ている。希望の党が消費税増税の凍結を訴えたこともあり、首相が解散の大義とした増収分の使途変更は、自民党の政権公約の6本の柱のうち4番目に後退。「大義なき解散」を取り繕うために使途変更を持ち出した感を改めて強くする。
●10%引き上げの3党合意どこへ
 一方、希望の党や立憲民主党など野党の消費税増税の凍結・中止という主張も賛成できない。特に野党再編の中心となっている希望の党は、安倍政権への対抗姿勢を打ち出すための戦略という思惑が透けてみえる。安倍政権の支持率が低下し、自民党内で「ポスト安倍」として岸田文雄政調会長ら財政再建派の名前が取りざたされていた今夏、ある民進党議員は「自民党がポスト安倍で消費増税に傾けば、小池氏は支持を得やすい増税反対で打って出る」と予測した。増税を表明したのは首相自身だったが、対抗して増税反対を訴えれば票が集まるという計算が働いた可能性は高い。もともと消費税率5%から10%への段階的な引き上げと、増収分の使途を医療、介護、年金、少子化対策の社会保障4経費に限ることは、旧民主党政権時代の12年、自民、公明との3党合意で決めたものだ。その背景には、少子高齢化で年金や医療費が増加を続ける一方、担い手が減少し、このままでは社会保障制度が破綻するとの強い危機感があった。また、有権者の受けが悪いとされる消費税を「政争の具」にしないという狙いもあったはずだ。増税はできれば避けたい選択だ。国民に負担を求める前に税金の無駄遣いをやめ、歳出を徹底的に見直す必要がある。しかし社会保障制度を維持するには、一定の負担が避けられないのも確かだ。国と地方の借金は国内総生産(GDP)の2倍近くに達し、先進国で最悪だ。増税凍結、使途変更のどちらの主張も借金を減らすことにはつながらず、将来不安は消えない。公示された衆院選では耳に心地よい政策ばかりが目立つが、将来世代につけを回すことは許されない。どの政党がこの国のかじ取りにふさわしいか--。我々は、惑わされない確かな目を持つことが求められる。

<エネルギー政策>
*2-1:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20171016&ng=DGKKZO22288450W7A011C1PE8000 (日経新聞社説 2017.10.16) 現実直視し責任あるエネルギー政策を
原子力発電をどう利用するかは衆院選の対立軸のひとつだ。自民党は原発を基幹電源と位置づけ再稼働の必要性を訴えている。一方で、野党は実現時期は違うものの原発ゼロを目標に掲げ、再稼働を認めない党もある。エネルギーは社会を支え、供給が途絶えれば影響は大きい。聞こえのよいスローガンを唱えるだけでは困る。現実を直視してエネルギー利用の未来を展望し、責任ある政策を示してほしい。自民党は原発を「ベースロード電源」と位置づけ、再稼働についても原子力規制委員会による安全性の確認と地元同意を前提に進めるとした。前回の衆院選の公約とほとんど変わらず、原発を争点にしたくない姿勢も見てとれる。だが安倍政権のもとで再稼働した原発は5基にとどまり、2030年に電力の2割強を原発で賄うとした政府の目標を達成できるかも、不透明さを増している。世論調査では再稼働を不安に感じる国民がなお多い。原発問題から逃げずに、再稼働がなぜ必要かを丁寧に説くべきだ。政策を見直すべき点がないかも検証が要る。太陽光や風力など再生可能エネルギーの目標はいまのままでよいのか。30年以降の原発比率や新増設はどうするのか。これらの点について方向性を示す必要がある。「30年までに原発ゼロ」を掲げる希望の党や「一日でも早い脱原発を」と訴える立憲民主党には具体的な道筋を示すよう求めたい。両党は原発の代わりに再生エネルギーの比率を増やし、省エネも最大限強化するとした。だが実現への技術的な裏づけや、国民負担がどの程度膨らむかなどが、はっきりしない。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」で国際社会に約束した温暖化ガス削減と両立できるのかもきちんと説明すべきだ。立憲民主党は原発ゼロを基本法で定め、希望の党も憲法で明記すると約束した。だがエネルギー利用は国際情勢の影響を受けやすく、政策には変化に対応できる柔軟さも要る。理念と政策は分けて考えるべきではないのか。安倍政権になり原子力政策について国民の声を聞く場は減っている。衆院選を機に各党が正面から向き合い、議論を深めてほしい。

*2-2:http://qbiz.jp/article/120623/1/ (西日本新聞 2017年10月16日) 【争点チェック2017衆院選】(4)原発・エネルギー 活用かゼロその先は
 東京電力福島第1原発事故から6年余り。今後も原発を活用する方針の自民党に対し、大半の政党が「原発ゼロ」を掲げた。原発への不信感は今なお根強く、民意をすくい取ろうとする各党の思惑がのぞく。自民党は公約で「原発依存度を可能な限り低減する」としつつも「重要なベースロード(基幹)電源」と原発を位置付けた。原子力規制委員会が新規制基準の適合を認め、立地自治体の理解を得た原発の再稼働を進める方針だ。政府は2030年度の原発依存度20〜22%を目指す。原発30基程度を再稼働する前提だ。31年度以降も原発を使い続けるならば、新増設や建て替えの議論が避けられない。どこまで原発を「低減」するかも問われるが、自民党の公約にはその記載がない。連立与党を組む公明党は再稼働を容認するが、「原発の新設を認めず、原発に依存しない社会・原発ゼロを目指す」と強調。とはいえ「既存の原発はいずれ廃炉になるから、ゼロになる」(山口那津男代表)として、いつゼロにするのかは明らかにしていない。8党の中で唯一、原発ゼロの目標時期を示したのは希望の党。原発を新設せず、運転開始から40年の原発を廃炉にする原則を徹底することで、30年までの原発ゼロを目指す。ただ、再稼働を認める立場をとっており、どうやって12年余りで原発をゼロにするのかの道筋は示していない。民進党出身の前議員が軸となる立憲民主党は、原発ゼロの実現時期について「一日も早く」と表現。「30年代に原発ゼロ」を目指した民進党のように具体的な期限を掲げなかった。野党共闘する共産党、立憲民主党、社民党は再稼働反対で足並みをそろえた。原発に代わる電源について、共産は「30年までに電力の4割を再生可能エネルギーで賄う」方針。社民は「再エネの割合を50年までに100%」とする目標を盛り込んだ。太陽光や風力は天候などで発電量が変わりやすく、どう需給バランスをとるのか不透明だ。「原発ゼロ」の表現を公約に使っていない日本維新の会は「既設原発は市場競争に敗れ、フェードアウトへ」としている。原発を使い続けるにしても、ゼロにするにしても、将来にわたり、どうエネルギーを安定確保していくのか。政治の責任を背負った答えは明確に示されていない。

*2-3:http://qbiz.jp/article/120595/1/ (西日本新聞 2017年10月14日) 原発30キロ圏も国補助金 糸島など計5億円
 経済産業省が、原発が立地する自治体を対象とした国の補助金を、2017年度から、原発の半径30キロ圏内の自治体にも支払う仕組みに変更していたことが13日、分かった。17年度の予算額は16年度と同じ45億円で、対象自治体は150を超え、新たに支給予定の立地外の自治体は16に上る。対象自治体などによると、支給予定の補助金の総額は少なくとも約5億円に上るとみられる。同省は仕組みの変更を報道発表していなかった。原発事故が起きた場合、広範囲の被害への懸念から、30キロ圏内には再稼働に慎重な自治体もある。経産省は「原発の影響が周辺にも及ぶことが分かり仕組みを見直した。再稼働への同意を得る目的ではない」としているが、原発のコストに詳しい龍谷大の大島堅一教授(環境経済学)は「地域再生策として趣旨は理解できるが、補助金を渡すだけという手法には反対だ。再稼働への理解を得たいという意図があるのではと読めてしまう」と指摘した。経産省によると、補助事業は「エネルギー構造高度化・転換理解促進事業」で、16年度に始まった。主に老朽化などで廃炉が決まった原発が立地する自治体に対し、再生可能エネルギーの普及促進など地域振興の取り組みを後押しする。17年度からは公募要領を変更し、「原子力発電施設からおおむね半径30キロの区域を含む市町村、および当該市町村が属する都道府県」に応募資格を広げた。応募があった自治体の中から、今年4月と7月に補助対象を決めた。北海道電力泊原発(北海道泊村)の30キロ圏では、ニセコ町や岩内町など4町が選ばれた。東京電力福島第1原発や第2原発を抱える福島県では、いわき市と浪江町が対象となった。九州は、九州電力玄海原発(佐賀県)に近い唐津市、伊万里市、福岡県糸島市、川内原発(鹿児島県)周辺の阿久根市、いちき串木野市が支給予定だ。経産省は「事業は日々運用を改善しており、逐一、報道発表することはない。ホームページ上で公表し、説明もしている」とした。

*2-4:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201708/CK2017081402000112.html (東京新聞 2017年8月14日) 【社会】福島第一 廃炉に税金1000億円超 7月まで本紙集計
 東京電力福島第一原発事故の廃炉作業で、国が直接、税金を投入した額が一千億円を超えたことが、本紙の集計で分かった。汚染水対策や調査ロボットの開発費などに使われている。今後も溶け落ちた核燃料の取り出し工法の開発費などが必要になり、金額がさらに大きく膨らむのは必至だ。廃炉費用は東電が負担するのが原則だが、経済産業省資源エネルギー庁によると「技術的に難易度が高い」ことを基準に、税金を投入する事業を選定しているという。担当者は「福島の早い復興のため、国が対策を立てることが必要」と話す。本紙は、エネ庁が公表している廃炉作業に関する入札や補助金などの書類を分析した。廃炉作業への税金投入は二〇一二年度からスタート。今年七月までに支出が確定した業務は百十六件で、金額は発注ベースで計約千百七十二億六千万円に上った。事業別では、建屋周辺の地下を凍らせ、汚染水の増加を防ぐ凍土遮水壁が、設計などを含め約三百五十七億八千万円。全体の三割を占め、大手ゼネコンの鹿島と東電が受注した。ロボット開発など、1~3号機の原子炉格納容器内の調査費は約八十八億四千万円だった。福島第一の原子炉を製造した東芝と日立GEニュークリア・エナジーのほか、三菱重工業と国際廃炉研究開発機構(IRID)が受注した。受注額が最も多いのは、IRIDの約五百十五億九千万円。IRIDは東芝などの原子炉メーカーや電力会社などで構成する。国は、原発事故の処理費用を二十一兆五千億円と試算。このうち、原則東電負担となる廃炉費用は八兆円とされている。除染で出た汚染土を三十年間保管する中間貯蔵施設は国の負担だが、賠償費用は主に東電や電力会社、除染費用も東電の負担が原則だ。

*2-5:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170902&ng=DGKKASFS01H5T_R00C17A9MM8000 (日経新聞 2017.9.2) 政府、原発融資を全額補償、まず英の2基 貿易保険で邦銀に
 政府は日立製作所が英国に建設する原子力発電所について、日本のメガバンクが融資する建設資金を日本貿易保険(NEXI)を通じて全額補償する。先進国向け案件の貸し倒れリスクを国が全て引き受けるのは異例の措置だ。国内の原発新増設が難しい中、国が全面的な支援に乗り出してメガバンクなどの協力を引き出す狙い。インフラ輸出は中国など新興国勢との競争が激しくなっており、国が他のインフラ案件でも支援拡充に動く公算が大きい。安倍晋三首相は8月31日にメイ英首相と会談し、原発建設の協力推進を確認した。貿易保険(総合2面きょうのことば)の補償対象は日立子会社のホライズン・ニュークリア・パワーが受注した、英中部ウィルファで計画中の原発2基だ。両政府と日立は事務レベルで資金支援の枠組みを詰めて2019年中の着工を目指している。試算によると、事業費は2基で2兆円超だ。英政府と日立、日本政策投資銀行、国際協力銀行(JBIC)が投融資を実施する見込みだが、巨額な資金を調達するには民間融資が不可欠になっている。NEXIは通常、民間融資が焦げ付いた場合に備えた保険を提供し、融資額の90~95%を補償する。今回の英国案件については全額を補償する方向で邦銀と協議に入る。原発事業は東京電力福島第1原発事故以降に安全対策費が膨らみやすく、三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行も貸し倒れリスクが大きいと判断しNEXIの全額補償を条件にしていた。過去に途上国向けで全額補償したことはあるが、先進国では例外的な措置だ。数十年程度の長期融資などが補償の条件になる見込みだ。原発事故などが発生した場合、三菱UFJ、みずほ両行は第三者から原発事業への貸し手責任に関して訴訟を起こされるリスクもある。両行は損害賠償に関する日英両政府間の協議などを見極めたうえで最終判断する。国が資金支援で前面に立つのは大きなリスクとも隣り合わせだ。原発建設は徹底した安全対策で工程が長引く傾向にあり事業費が想定を上回るケースも後を絶たない。貸し倒れになったりすればNEXIやJBICのバランスシートを直撃し、税金投入を通じた資本増強が不可避になる。最終的に多額の国民負担が発生する危険を冒しながらインフラ輸出を推進することの是非についても議論が活発になりそうだ。一方で中国は国有企業を中心に国を挙げて大型のインフラ輸出を加速させており、日本も対抗上、相応のリスクを取らなければ激しい受注レースで生き残れない現実もある。英政府は15年、英南東部で中国製の原子炉を先進国では初めて導入することを決めた。安倍政権は今回、全額補償措置などと引き換えに英国側にも官民での資金支援を手厚くするよう要請する。

*2-6:http://useful-info.com/tokyo-is-contaminated-not-safeplace (お役立ち情報の杜 ) 【福島原発事故による内部被ばく】東京は放射性物質まみれであり、安心して暮らせる場所ではない。
 「福島原発事故は収束した」「福島原発事故により放出された放射性物質は健康に影響を与えない」「放射性物質による実被害は無いのに懸念を表明するのは、風評被害につながるのでやめるべきだ」というような「信念」に取り憑かれている人は多いと思います。御用マスコミや芸能人を使った「食べて応援キャンペーン」も功を奏しているようです。「食べて応援キャンペーン」を懐疑的に見ている人もいます。しかしその人たちも、健康被害を心配すべきなのは福島県内だけだと思っている場合が多いのではないでしょうか?世界有数の大都市である東京は福島県から200km以上離れていますが、果たして、安心して暮らせる状態なのでしょうか?「放射能汚染―32カ所が基準超え―東京東部で市民団体調査」というリンク先の情報によると、2014年~2015年にかけて市民団体が調査した結果、国の指定基準を超える高放射能汚染箇所(ホットスポット)が多数発見されました。さらに、ホワイトフードさんは、東京都内公園の放射性物質による土壌汚染状況をまとめてくれています。詳細な数値に関しては、下記リンク先でご確認ください。「この程度の汚染数値だったら大した事ねえよ。気の持ち方次第だよ」なんて言う人もいるかもしれません。放射性物質まみれの環境で暮らすことにより、放射性物質を呼吸や食事などを通して体内に取り込むとどうなるのでしょうか?外部被ばくよりも恐ろしい内部被ばくの危険を避けることはできません。例えば、セシウム137を毎日10ベクレルづつ摂取した場合、500日後には体内の総放射線量は1400ベクレルにも達します(1ベクレルとは、1個の原子が1秒間に崩壊する時の放射線の強さに等しい)。体重70キログラムの大人ならば、1キログラム当たり20ベクレルですが、体重20キログラムの子供の場合、1キログラム当たり70ベクレルになってしまいます。体重1キログラム当たりのベクレル数が多くなるほど心臓に悪影響を与えやすいことが判っています。特に体重1キログラム当たり50ベクレルを超えると、心臓血管系・神経系・内分泌系・免疫系・生殖系・消化器系・排泄系で病的な変化が増加します。セシウム137は、体内の様々な臓器に偏在し濃縮されるのが原因です。人工的な放射性物質には、これ以下なら安全という閾値は存在しません。チェルノブイリ原発事故に伴い、ベラルーシでこの研究を行い発表したバンダジェフスキー博士は逮捕・投獄され、拷問も受けています。日本では特定秘密保護法が成立しており、似たような人権侵害が起こる可能性が高いですね。つまり、内部被ばくによる健康被害は、原発マフィア側にとって都合の悪い事実だということです。2016年6月30日、環境省は、1キログラム当たり8000ベクレル以下ならば一般廃棄物扱いにして全国でリサイクルも可能にするという基本方針を正式決定しましたが、これが犯罪行為だということが理解できたのではないでしょうか?繰り返しますが、人工放射性物質には、これ以下なら安全という閾値は存在しないのです。本来、1キログラム当たり0ベクレルでなければなりません。安倍政権下では、放射性物質による汚染状況調査も健康被害調査もまともに行われていません。福島県内での甲状腺がん発生率が何百倍に増えても、原発事故との因果関係を認めようとしません。福島原発事故により放射性物質は全国に拡散されました。東京の人たちは他人事だと言ってられません。では、何をすべきなのでしょうか?放射性物質に汚染された地域は少なくとも300年は居住することができません。何兆円もかけて無駄な除染作業をするくらいならば、そのお金を移住費用などに充てるべきでしょう。本来、日本政府は下記の施策を即実行すべきです。
  ①放射能レベルの正確な測定を日本全国で行い、結果を全て公表する。
  ②外部被ばくだけでなく内部被ばくの危険についても、最新の知見を国民へ提供する。
  ➂避難・移住地域選定については、最低限、チェルノブイリ基準を適用する。
  ④避難・移住先で不自由がないように、住居、仕事、収入については十二分に援助する。
  ⑤避難対象者の医療費については生涯無料とし、診断結果は本人へ丁寧に説明する。
  ⑥原発は即廃止し、福島原発も含めて廃炉作業は安全第一で進める。
 放射性物質は、目も眩むような閃光を発しません。鼻を突くような異臭がありません。耳をつんざくような爆音もしません。顔をしかめるような激痛もありません。だからこそ、科学的な知識、原発マフィア以外からの情報、健康被害への想像力、冷静な思考力・判断力、雰囲気に流されない自律心などが必要になります。「見て見ぬふり」や「臭い物に蓋」は身を滅ぼします。国民は、自分の身は自分で守るしかないと思います。          以上

*2-7:http://useful-info.com/ippnw-dr-alex-rosen-lecture (お役立ち情報の杜) 福島原発事故について皆がダンマリしている時こそ、確かな情報を! ドイツ人小児科医による講演内容を紹介。
 IPPNW(=International Physicians for the Prevention of Nuclear War 核戦争防止国際医師会議)の理事会メンバーで、小児科医・医学博士でもあるアレックス・ローゼン氏が、福島原発事故による健康被害に関して講演を行いました。噂や扇動ではなく、すべて、科学的な根拠に基づいた話です。しかも、この公演では、日本政府や東京電力が公表したデータを用いています。それだけでも、原発事故の恐ろしさを十分に説明できるからです。公演内容の要点を以下に述べます。
要点始め *********************
1)放射線と、それが健康に及ぼす影響についての基礎知識
・放射線とはどういうものか?
・よく使われる放射線の単位:ベクレル(Bq)、シーベルト(Sv)
・外部被ばくと内部被ばく
・放射線による被ばくは、細胞の損傷と突然変異を引き起こす。
・これ以下なら安全という閾値はない。
・抵抗力のない人や子供は影響を受けやすい。
・放射線核種と病気の関連
  (ヨウ素:甲状腺ガン、セシウム:固形腫瘍、ストロンチウム:白血病、
  プルトニウム:肺ガン・肝臓ガン)
2)福島原発事故に関する事実
・爆発と、大量の放射性物質放出(東電の公開データより)
・福島事故による放射性物質の降下量分布
・放射性物質の約80%が太平洋へ流れた。陸地が2割で済んだのは風向きによる運である。
・放射性物質による土壌汚染調査の結果。
・吸引、経口摂取による内部被ばくの危険。
・チェルノブイリなら避難しているレベル地域に、多くの日本住民が住んでいる。
・学校、幼稚園、保育園の土壌から高い放射線が検出されている。
・子どもは土に触れる機会が多く、しかも放射能に敏感なので、健康への影響が心配だ。
・取り除いた汚染土壌が屋外に放置されている。これは放射性廃棄物なので、ドイツなら
 キャスクに入れて保管しなければならない。
・こんな環境が子どもたちの通学路になっているのはヒドイことだ。
・モニタリングポストの数値は、実際より低い。
・放射性物質で汚染された飲食物(水道水、果物、野菜、魚介類、牛乳、米、お茶)。
・最大の危険は、長期間の、汚染食料による内部被ばくだ。
・日本では、この先100年も200年も放射性セシウムが地中に残留し続ける。
・WHOは過小評価をしている。
3)これから如何なる健康被害が予測されるか、また、既に起こってしまったか。
・WHOには、放射線に関する専門部署が無い。IAEAという原子力推進団体から提供され
 たデータを用いている。例えば、タバコの害についてフィリップモリスから提供された
 報告書を鵜呑みにしているのと同じだ。
・WHOは、放射線とその影響について、IAEAの承認なしには公表できない契約を結んで
 いる。このスキャンダルは、何十年も批判され続けている。
・WHOのレポートには問題点が多い。
  「放出された放射性物質の量が過小評価されており、東電発表数値よりずっと少ない」
  「福島県外の人々への健康影響が無視された」
  「測定用食料品サンプルの量と選択が不適切」
  「原発利権者に健康被害の説明をさせている」
・福島原発事故後に乳児死亡率が上昇した。チェルノブイリのケースと似ている。
・甲状腺異常が増加した。平時なら、小児の甲状腺ガンは、あり得ないと言えるほど発生
 率が低いのだ。
・甲状腺以外のガンも増加リスクがある。しかも、福島県民だけの話ではない。
 (循環器疾患、視力障害、不妊症、遺伝子への影響)
・精神的影響(ガン発症の不安を抱えながら生きねばならない)は重大な問題だ。
4)個人として何ができるだろう?
・情報を集め、現状を知り、理解し、他の人に伝えることが重要だ。
・「汚染は大したことはない。原子力エネルギーは必要だ」という原子力業界のウソにダマ
 されないこと。
・例えば山下俊一が、「笑っている人には放射能はやって来ない」「年100ミリシーベルト
 でも安全」と言っているが、信じてはいけない。
・政治家を含む原発利権者に対して批判的な質問をすること。根拠を説明させるのが大事。
・民衆の反対圧力が高まれば、これ以上逆らえないと政治家は気付く。
・日本は、自然エネルギー大国であり、再生可能エネルギーで100%まかなうことが可能だ。
・「原発が無くなるとエネルギーが不足する」というウソを信じてはいけない。
・福島県の子どもたちが沖縄で保養している実例紹介。
********************* 要点終わり
 日本各地の原発が再稼働に向けて動いているため、福島原発事故などは過去のものであると思っている人も多いと思います。日本の大手マスコミは、福島原発事故による健康被害について、ほとんど報道していません。「問題ない」「問題ない」という、原発マフィアたちのブラックプロパガンダだけを聞かされていると、誤解や・判断ミスをして、失敗の繰り返しにつながります。原発利権集団(政治家、官僚、メーカー、電力会社、御用マスコミ、御用学者、IAEA、WHOなど)の言い分ばかりを鵜呑みにすることは危険です。原発利権組織と距離を置いているIPPNW(核戦争防止国際医師会議)などの情報も意識的に取り入れて頂きたいと思います。以上

<憲法変更と安全保障>
*3-1:http://qbiz.jp/article/120946/1/ (西日本新聞 2017年10月20日) 9条論議 加速か停滞か
 22日投開票の衆院選を巡る報道各社の世論調査では、自民党が圧勝し、憲法改正に前向きな勢力が国会発議に必要な定数465の3分の2(310議席)を獲得する勢いだ。選挙後に9条改正などの論議が加速する可能性が高まるが、各党が掲げる改憲項目には違いがある。自民、公明の与党だけで3分の2を得ることができるのか、野党第1党がどの党になるかで議論の行方が変わりそうだ。
●自公で3分の2なら…自衛隊明記へ 来年発議も
 自公で3分の2を維持すれば、安倍晋三首相(自民党総裁)が主張する9条への自衛隊明記に向けた議論が進む可能性が高い。首相は公示日の10日、仙台市での街頭演説で「東日本大震災で頑張った自衛隊に『君たちは憲法違反だけど命を懸けろ』と、こんなことが通るはずない」と訴えた。首相は自衛隊明記案の2020年施行を目指し、年内に自民党案をまとめ、来年の通常国会で発議する日程を描く。自民は今回、12年の政権復帰後、初めて改憲を公約の重点項目に位置付け、自衛隊明記を含む4項目を掲げた。各社の調査では、自民単独で300議席を獲得するとの見方もある。自民幹部は「圧勝すれば首相の改憲案に『お墨付き』が与えられたということになる」と語る。「国防軍」創設を記した12年の党草案での発議を主張する石破茂元幹事長らの異論は抑えられ、首相の想定通りの改憲シナリオが一気に進む可能性がある。9条改正に慎重な公明党は公約集で「国民は自衛隊は憲法違反の存在とは考えていない」とあえて記し、改正の必要性に疑問を示す。だが、特定秘密保護法も安全保障法制も、連立維持を重視して最後は成立を容認してきた経緯がある。首相官邸はこれまでも、日本維新の会とてんびんにかけることで公明を動かしてきた。希望の党は「9条を含め改正論議を進める」と公約に掲げており、連携を呼び掛ける可能性もある。
●野党が健闘したら…9条以外の項目優先も
 野党が健闘して自公の3分の2を阻止した場合、発議には希望や維新など、野党の改憲勢力を巻き込む必要が出てくる。だが、希望の小池百合子代表は首相の自衛隊明記案には「疑問がある」と否定的だ。民進党出身者らを中心に異論を唱える場面も予想される。維新も「9条改正」を公約に記載。ただ、松井一郎代表は教育無償化や地方自治を優先事項としており、9条については「自民党案が固まってくれば、まじめに正面から議論したい」と態度を保留している。首相官邸が9条改正を先送りし、緊急事態条項の創設など幅広い合意が得られそうな項目を先行させる「お試し改憲」を目指すことも考えられる。
●立民第1党なら足踏み?
 安保法制を前提とする「9条改悪」に反対する立憲民主党、改憲反対の共産、社民両党と野党系無所属議員が衆院3分の1超となる156議席以上を確保すれば、改憲議論は一気に後退する。だが、3党の公示前勢力は計38議席で、そのハードルは極めて高い。ただ、立憲民主が野党第1党になり発言力を高めれば、希望や維新と連携し、改憲阻止勢力が拡大する可能性もある。

*3-2:http://qbiz.jp/article/120468/1/ (西日本新聞 2017年10月13日) 【争点チェック2017衆院選】(1)憲法改正 改憲勢力の思惑交錯
 「党内外の十分な議論を踏まえ、初めての憲法改正を目指します」。自民党は衆院選の公約で、2012年の政権復帰後、初めて憲法改正を重点項目に位置付けた。首相が5月に9条1、2項を維持した上で、自衛隊を明記する案を提起したことを受け、公約には自衛隊の明記▽教育無償化▽緊急事態対応▽参院の「合区」解消の4項目を列挙。「国会で発議し、国民投票を行う」と具体的な手続きに踏み込み、首相の前のめりな姿勢を反映している。首相は政権復帰直後、改憲発議要件を定めた96条緩和を打ち出し、14年には緊急事態条項新設に意欲を示したが、世論の反発などで実現しなかった。変遷の末に9条に目を付けたのは、災害救助で高い評価を受ける自衛隊の明記に限れば、国民は受け入れるとの読みがあるとみられる。与党内の温度差は公約にも表れている。公明党は「(首相提案の)意図は理解できないわけではないが、国民は自衛隊は憲法違反とは考えてない」「安全保障法制の適切な運用を積み重ね、さらに国民の理解を得ることが大事だ」と書き込み、慎重姿勢を強調した。自公と、希望の党、日本維新の会の「改憲勢力」内でも思惑は交錯している。首相が協力を期待する希望は「9条を含め憲法改正論議を進める」と明記した。小池百合子代表(東京都知事)は00年の衆院憲法調査会で「いったん現行の憲法を停止する、その上で新しいものをつくっていくことに基本的に賛同する」とまで述べた改憲論者だが、首相案には「大いに疑問がある」と異論を唱え、選挙後の対応も見通せない。維新は「国民の生命・財産を守るための9条改正」を盛り込んだ。改憲勢力の拡大に「護憲派」は危機感を強める。共産党は「自衛隊が明記されれば9条2項を残しても死文化し、無制限の海外での武力行使が可能になる」と指摘。社民党は「9条の平和主義を守る」と同調する。共産、社民と共闘する立憲民主党は改憲論議は否定しない立場だが、公約で「憲法違反の安保法制を前提とした9条改悪とは徹底的に闘う」と宣言した。改憲論議の進展は選挙結果に大きく左右される。首相は特定秘密保護法や安保法制の制定前の選挙戦と同じく、街頭演説では改憲にあまり触れないが、首相側近はこう言う。「改憲勢力が増えれば増えるほど、議論は進めやすくなる」
   ◇    ◇
 与野党各党は憲法改正、消費税増税、北朝鮮問題などの主要課題とどう向き合うのか。各党の公約や主張を中心に衆院選の争点を5回にわたって点検する。

*3-3:http://mainichi.jp/senkyo/articles/20171003/k00/00m/010/128000c (毎日新聞 2017年10月3日) 希望の党:公認条件、安保関連法「適切に運用」に
●立候補予定者に求めている政策協定書最終案 「容認」改め
 希望の党が立候補予定者に公認の条件として提出を求めている「政策協定書」の最終案が明らかになった。安全保障関連法について「適切に運用し、現実的な安全保障政策を支持する」としている。協定書案では当初、安全保障関連法に対する「容認」を要求していた。しかし、民進党出身者が受け入れやすくするため、「適切に運用」にとどめた。憲法改正への支持、2019年10月の消費税率の10%への引き上げの凍結なども盛り込んだ。外国人に対する地方参政権の付与反対、政党支部で企業団体献金を受け取らないこと、党への資金提供も求めている。さらに、選挙区のすみ分けを行う日本維新の会を念頭に「選挙協力の協定を交わしている政党への批判は一切行わない」とする文言も加えた。
●政策協定書の全文は次の通り。
 私は、希望の党の公認を受けて衆院選に立候補するに当たり、下記事項を順守すること、当選した場合には希望の党の所属する会派に所属して国会活動を行うこと、希望の党党員として政治活動を行うことを誓います。
1 希望の党の綱領を支持し、「寛容な改革保守政党」を目指すこと。
2 現下の厳しい国際情勢に鑑み、現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に
  運用する。その上で不断の見直しを行い、現実的な安全保障政策を支持する。
3 税金の有効活用(ワイズ・スペンディング)を徹底し、国民が納める税の恩恵が全ての
  国民に行き渡る仕組みを強化すること。
4 憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進めること。
5 国民に負担を求める前に国会議員が身を切る改革を断行する必要があること及び
  いわゆる景気弾力条項の趣旨を踏まえて、2019年10月の消費税10%への引き
  上げを凍結すること。
6 外国人に対する地方参政権の付与に反対すること。
7 政党支部において企業団体献金を受け取らないこと。
8 希望の党の公約を順守すること。
9 希望の党の公認候補となるに当たり、党に資金提供をすること。
10 選挙期間が終了するまで、希望の党が選挙協力の協定を交わしている政党への批判は
  一切行わないこと。

*3-4:http://qbiz.jp/article/120617/1/ (西日本新聞 2017年10月15日) 【争点チェック2017衆院選】(3)北朝鮮問題 明確な対立軸見えず
 核実験や弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮。安倍晋三首相(自民党総裁)は、「国難」として北朝鮮への対応を衆院選の争点の一つに掲げたが、各党の公約に大きな対立軸は見えない。「北朝鮮の側から『政策を変えるから話し合いましょう』と言ってくる状況をつくり上げなければならない」。首相は全国を遊説し、北朝鮮に対する圧力強化の重要性を訴える。9月に国連安全保障理事会で採択された経済制裁の完全履行を関係国に働き掛けていくと主張。トランプ米大統領の「全ての選択肢がテーブルの上にある」という軍事的措置を含めた方針を支持している。連立与党を組む公明党は、国際社会との連携を深め「制裁決議の実効性を高めるとともに、対話と圧力で懸案の包括的な解決に取り組む」と歩調を合わせる。野党では、日本維新の会が「問題の解決に向けて、日米韓中の連携をさらに強化する」と主張。希望の党と立憲民主党は与党側と同じく、圧力強化を公約に盛り込んだ。希望は「対話を導く手段として、制裁の厳格な実施を働きかける」、立憲民主は「対話のテーブルにつかせるため、圧力を強める」との立場だ。立憲民主の枝野幸男代表は街頭演説で、度重なる挑発行為を「国難」と強調する与党側の姿勢について、「北朝鮮の脅威をあおっている」と批判している。共産党と社民党は、軍事的措置を含めた米国の方針を首相が支持していることから、「偶発や誤算から軍事衝突が起こり、戦争に発展しかねない」などと強調。北朝鮮の挑発を非難しつつも、「経済制裁強化と一体に『対話による平和的解決』に知恵と力を尽くす」(共産)、「米朝会談を実現し、停戦協定を不戦協定へ切り替えていくよう日本が仲介役となる」(社民)というように、外交努力を重視している。自民と日本のこころは、弾道ミサイルへの対処として、地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」の配備をうたう。自民は党内の部会で「敵基地攻撃能力」の保有を求める提言をまとめているが、今回の衆院選の公約には含めなかった。与野党で見解が分かれそうなミサイル防衛能力の強化や防衛予算の増額などの具体的な議論は聞かれない。拉致問題については、いずれの党も解決に向けて尽力することを盛り込んでいる。

<衆議院議員選挙結果と希望の党、立憲主義について>
PS(2017/10/23、25追加):*4-1のように、自民・公明・希望の党・日本維新の会を合わせた「改憲勢力」が、国会発議に必要な3分の2(310議席)を大きく上回って衆院全体の約8割に達したそうだが、これは押し付けられた“賛成”にすぎない。そのため、9条改正を巡って公明党が慎重姿勢を崩していないのが、唯一の希望である。
 希望の党の小池代表はテレビ朝日の番組で、憲法改正について「ようやく国民的議論ができるようになった」と意欲を示されたそうだが、*4-2のように、安全保障に関する政策で候補者を選別した結果、完敗したのだということを忘れてはならない。また、小選挙区は党首の人気に乗って空中戦をすべき場所ではないため、駒のように候補者を当てはめても選挙区の人が受け入れず、余程の有名人でなければ当選しないのは当たり前なのである。そのため、安全保障関連法に反対を表明するなどして希望の党の公約に反し、当選した候補者が離党するのは必然だ。
 なお、希望の党は、「日本のこころ」の中心だった中山成彬氏を九州比例1位にして当選させたが、中山氏は自民党の中でも「右翼」だった。そして、「日本のこころ」の憲法改正草案は、自民党の憲法改正草案よりは文章が整っておりテニヲハまで指摘する必要がないので引用すると、*4-3のように、下の内容の前文を記載し、「日本国のかたち」で「日本国は、天皇を日本国及び日本国民統合の象徴とする立憲君主国家」と明記している。しかし、憲法は、事実ばかりではない自国の歴史や国土を自慢する場所ではない上、天皇を君主とする日本国を維持するため、国民は犠牲になりながらも喧嘩せず従順で温和なのがよいとするのは、聖徳太子の17条の憲法の時代ではあるまいし、官僚以外の主権者である国民にとっては改悪にほかならない。
 ①日本国は、古来、天皇がしろしめす国であり、国民は、一人一人を大切にする和の
  精神をもって、その悠久の歴史を紡いできた。
 ②日本国民は、四囲を海に囲まれ、四季が織りなす美しい風土の中で、時に自然の
  厳しさと向き合いながら、自然との共生を重んじ、相手を思いやる文化を育んできた。
 ③日本国民は、明治維新を経て、衆議を重んじる伝統に加えて、欧米諸国の英知を
  集めて、大日本帝国憲法を制定し、立憲君主国家を誕生させ、近代国家としての
  発展を目指してきた。
 ④先の敗戦の後、占領下において制定された日本国憲法の施行以来、七十年が過ぎ、
  日本をめぐる国際環境は大きく変わり、新たな対応が求められている。日本国民は、
  ここに新たな時代にふさわしい憲法を制定することを決意した。
 ⑤日本国民は、本来日本人が持つ和と公正の精神、人間尊重の原理の上に立って、
  国家の発展を図り、国民の幸福と利益を増進し、家族を大切にする、明るく温かな
  社会を建設することを誓う。
 ⑥日本国民は、法と正義を基調とする世界平和を希求し、各国間の交流に積極的に
  力を尽くすとともに、あらゆる力を注いで、世界平和の実現に寄与することを誓う。
 ⑦これらの崇高な理想を実現し、将来の世代に引き継ぐ決意を込め、われわれの手に
  より、この憲法を制定する。
 このように、立憲主義とは、「憲法を最高位の法として、それに従って下位の具体的な法律を定め、法治主義で政治を行う」という原理にすぎないため、憲法を変えれば立憲君主主義に変えることも何をすることも可能だ。そして、フランス革命時代とは異なり、現代では立憲主義は当たり前で、憲法の内容が重要なのであり、変えにくいように硬性憲法にしてあるわけである。

*4-1:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22567960T21C17A0PE1000/?dg=1 (日経新聞 2017/10/23) 改憲勢力8割に、国会発議に現実味、9条改正、公明は慎重
 自民、公明両党と憲法改正に前向きな希望の党、日本維新の会を合わせた「改憲勢力」は、国会発議に必要な3分の2(310議席)を大きく上回った。4党の議席は衆院全体の約8割に達しており、発議が現実味を帯びる。ただ9条改正を巡っては公明党が慎重姿勢を崩しておらず、希望の党も一線を画す。今後の改憲議論はなお曲折が予想される。「希望の党も建設的に議論していきたいとの考えを持っている人が多い。希望あるいは維新、他の党派の方々にも賛成してもらえるよう努力したい」。安倍晋三首相(自民党総裁)は22日夜のフジテレビ番組で語った。自民は衆院選で憲法改正を訴えた。首相が特にこだわるのは自衛隊の存在の明記だ。首相は憲法学者に根強い自衛隊の違憲論について「そういう論争がある状況に終止符を打ちたい」と改めて力説した。今後、党憲法改正推進本部での議論を加速させる。ただ、連立を組む公明は9条に手をつけることには慎重だ。山口那津男代表はNHK番組で「国民の理解が伴わないといけない」と強調した。斉藤鉄夫選挙対策委員長は「野党第1党、第2党も含んだ形で、幅広い合意で提案することが国民投票を成功させるうえでも大事だ」と指摘した。改憲勢力は衆院では3分の2を大きく超えるものの、参院ではようやく届く程度。9条改正の実現には、公明党の理解を得るのが不可欠だ。改憲に向けて多数派形成が必要になる状況に変わりはない。自民の二階俊博幹事長は22日夜、党本部で「選挙を終えても、運び方は慎重でなければならない」と述べた。自民は希望や維新との連携を探りつつ、公明の態度軟化を引き出したい考えだ。当初の想定を覆し、野党では立憲民主が議席を大きく伸ばした。「安全保障法制を前提とした憲法9条の改悪に反対」を掲げ、首相と改憲で協力する余地はほとんどない。立憲民主が野党第1党に躍り出ることで「与党プラス野党第1党」による幅広い合意を演出するのは困難となる。希望の小池百合子代表はテレビ朝日番組で、憲法改正について「ようやく国民的議論ができるようになった」と意欲を示した。ただ自衛隊の明記に関しては「種々問題がある」と述べ、慎重な見解を示した。実際の改憲項目や条文づくりは、高いハードルになる見通しだ。首相は改憲論議について自らは前面に出ずに党側に委ねる方針。2020年の新憲法施行を念頭に、18年通常国会で国会発議をめざすかどうかについて「時期ありきではない」と述べた。

*4-2:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO22560610S7A021C1EA1000/?dg=1 (日経新聞 2017/10/23) 小池氏「私自身におごり」 希望代表辞任は否定
 希望の党の小池百合子代表(東京都知事)は22日、「政策本位を考えたが、厳しい結果につながっているのは大きな問題で真摯に受け止めたい。敗因を分析しなければならない」と述べた。その上で「私自身におごりがあった。これまでは空中戦でやってきたが、小選挙区はそれだけではだめだった」と強調した。同時に「私自身、都知事選、都議選と完勝させていただき、2連勝だったが、今回は完敗ということをはっきりと申し上げたい」と述べた。自身の進退に関しては「(新党を)立ち上げた責任はある。今後も党運営を責任を持って進めていきたい」と辞任を否定しつつ「国会議員から(国政の)執行部を形成していくことになる」と説明し、国会議員の代表者も置く方向で検討する考えを強調した。民進党出身者の公認をめぐり、一部を「排除する」と発言したことについては「不快な思いを抱かせてしまったことは申し訳ない」と改めて陳謝。その上で「(野党が)調整できる十分な時間があったとはいえない。今の安倍政権を利したかといえば、結果的にその通り」と敗北を認めた。小池氏は「政党は政策が一致してこそ。根幹部分で一致することは必要だったと今も思っている」との持論も展開。希望の党として首相指名選挙をだれにするかを問われると「(衆院選を)勝ち上がってきた皆さんと話し合って決める。国政の方針や運営は国会議員中心に」と述べるにとどめた。出張先のパリ市内やNHK、民放番組などで記者団らの質問に答えた。小池氏の人気に支えられてきた希望は分裂含みの展開になる可能性もある。民進から希望への合流組からは「小池氏頼みには限界がある」と小池氏や合流を主導した前原氏への不満が漏れ始めている。安全保障関連法への反対を表明するなど、党の公約に反する考えを示す候補者も目立ち、当選した合流組が離党するとの観測がある。

*4-3:https://nippon-kokoro.jp/news/policies/kenpo01.php (日本のこころ 2017.4.27) 「日本のこころ」の日本国憲法草案
目次
 前 文
 序 章 日本国のかたち(第一条―第九条)
 第一章 天皇(第十条―第十六条)
 第二章 平和の維持(第十七条)
 第三章 国民の権利及び義務(第十八条―第四十二条)
 第四章 国会(第四十三条―第六十三条)
 第五章 内閣(第六十四条―第七十三条)
 第六章 裁判所(第七十四条―第八十条)
 第七章 財政(第八十一条―第八十六条)
 第八章 地方自治(第八十七条―第八十九条)
 第九章 最高法規(第九十条―第九十二条)
 第十章 改正(第九十三条)
 日本国は、古来、天皇がしろしめす国であり、国民は、一人一人を大切にする和の精神をもって、その悠久の歴史を紡いできた。
 日本国民は、四囲を海に囲まれ、四季が織りなす美しい風土の中で、時に自然の厳しさと向き合いながら、自然との共生を重んじ、相手を思いやる文化を育んできた。
 日本国民は、明治維新を経て、衆議を重んじる伝統に加えて、欧米諸国の英知を集めて、大日本帝国憲法を制定し、立憲君主国家を誕生させ、近代国家としての発展を目指してきた。
 先の敗戦の後、占領下において制定された日本国憲法の施行以来、七十年が過ぎ、日本をめぐる国際環境は大きく変わり、新たな対応が求められている。日本国民は、ここに新たな時代にふさわしい憲法を制定することを決意した。
 日本国民は、本来日本人が持つ和と公正の精神、人間尊重の原理の上に立って、国家の発展を図り、国民の幸福と利益を増進し、家族を大切にする、明るく温かな社会を建設することを誓う。
 日本国民は、法と正義を基調とする世界平和を希求し、各国間の交流に積極的に力を尽くすとともに、あらゆる力を注いで、世界平和の実現に寄与することを誓う。
 これらの崇高な理想を実現し、将来の世代に引き継ぐ決意を込め、われわれの手により、この憲法を制定する。
序章 日本国のかたち
 (日本国の象徴)
第一条 日本国は、天皇を日本国及び日本国民統合の象徴とする立憲君主国家である。

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