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2013.5.16 憲法改正の必要性について(1):「環境権」が現行憲法に記載されていなかったから環境破壊が続けられ、被害者が救われなかったのではないということ
    
                       東京新聞より

 *1、*2のとおり、公明党が改憲容認に転じるように、96条と環境権をセット改正する案が浮上しているが、私は、96条改正は邪道であり、必要な改正は今の条件のまま、一つづつ国民に問う形で行うべきだと思っている。また、環境権の創設は必要ない。

 何故なら、良い環境に住む権利(=環境権)は、現行憲法でも、第25条の「健康で文化的な生活の保証」という規定で確保されており、それは、*4の環境基本法で「現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的」として、具体的に規定されているからである。

 しかし、*3のように、水俣病が起こり、被害者救済の判決が出るのに57年も要した。その理由は、日本国憲法も骨抜きにされ、第25条の「国民の健康で文化的な生活の保証」は徹底されず、公害を黙認して被害者を犠牲にし、産業を優先したことにある。もちろん、産業は大切だが、産業や経済の発展のためには何をしてもよいという価値観がよくないのだ。そして、この価値観は、今でも、原発再稼働推進派の意見や、福島第一原発事故後の情報開示と避難誘導、居住制限区域の設定等で健在ぶりが示されているが、そもそも、産業の育成・発展は、国民がより健康で文化的な生活を送るために行うものであるため、本末転倒なのである。

 では、どうすればよいのかと言えば、*4の環境基本法に罰則規定をつけ、人間を始めとする生物が、生命を維持して心地良く住める環境を守ることを義務付ければよい。これは、普通の法律改正であるため、国会がその気になれば、すぐに行うことができる。それに伴い、一般国民が、「環境を守ることは、健康で文化的な生活を送るための必要条件である」ということを認識できるよう、環境省、司法、メディアが運用を改めるべきなのである。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013050602000121.html
(東京新聞 2013年5月6日) 公明ジレンマ 参院選 改憲ブレーキ役
 夏の参院選へ改憲が大きな争点となりつつある中、公明党の対応が揺れている。「平和の党」を看板に、与党として保守色を強める自民党のブレーキ役を自負するものの、改憲慎重の一辺倒では取り残されるとの焦りからだ。公明党が改憲容認に転じれば、参院選後に改憲勢力が三分の二に達する可能性が高まる立場の重みも苦慮する一因になっている。公明党の斉藤鉄夫幹事長代行は四月三十日、与野党の改憲勢力による推進会合に出席し「党の憲法への考えは『加憲』だ。最も現実的、穏当だと確信している」と主張した。公明党は完全な護憲勢力ではないが、政権復帰後は改憲問題で「時期尚早」との立場を取った。国会で再開された憲法審査会の議論を見守るべきだと訴え、改憲に注目が集まる参院選での争点化は避けたいのが本音だ。しかし、最近は幹部が党方針の「加憲」を強調している。加憲とは、九条の「戦争の放棄」などの根幹部分は堅持しつつ、時代の変化に応じ環境権などを新設する考え方だ。幹部の転換は、改憲要件を定めた九六条問題で、与野党の改憲勢力が緩和を先行させる意見集約に向かっているのが大きい。公明党は九六条先行論にも、国民に浸透していないと異論を唱えてきたが、改憲勢力の自民、日本維新の会、みんなの三党が先行論で固まれば、反対するだけでは歯止めにならなくなる可能性が出てくる。三党が参院選で、改憲の発議に必要な三分の二の議席を得る可能性は低いが、先行論が勢いづきかねないとの懸念もある。最近、公明党幹部が九条など重要な条文を切り離し、それ以外なら要件緩和もあり得るとの柔軟姿勢を示したのも、自民党をけん制する狙いからだ。公明党は参院選公約で、改憲をどう位置付けるのか議論の最中。山口那津男代表は「自民党との連立は揺るがない」と強調するが「平和の党」の存在意義が問われている。

*2:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2013051300966
(時事ドットコム 2013/5/13) 96条先行「難しい」=環境権とセット改正も-自民・船田氏
 自民党の船田元・憲法改正推進本部長代行は13日夜、BS11の番組で、憲法改正の発議要件を定めた96条の先行改正について、「96条単独ではかなり厳しい」との認識を示した。船田氏は「(憲法の)どこをどう変えるか分からないうちに96条改正というのは、危機感や懸念が国民に結構あると思う」と指摘。同時に「新しい人権や環境権など比較的多くの政党が賛成するものとセットで出すことも考えなければならない」と述べた。 

*3:http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130419/trl13041903170001-n1.htm
(MSN産経ニュース 2013.4.19) 水俣病判決 なぜ57年もかかったのか
 水俣病の患者認定をめぐって、最高裁が国の認定基準(判断条件)で患者と認められないケースでも、司法により独自認定できる道を開いた。行政の審査ではねられた被害者を、訴訟を通じて救済する新たな仕組みである。長い間、認定を求め続けてきた人々にとって朗報だ。ただ、来月で水俣病の公式確認から57年になる。なぜこれほどの年月がたってしまったのか。かたくなな対応を続けた環境省、甘い判断しかできなかった政治家ら関係者は、厳しく反省すべきだ。司法も判断が遅すぎたという批判を免れない。最高裁は、熊本県水俣市の女性の遺族の行政訴訟では水俣病と認定するよう命じた2審福岡高裁判決を支持した。遺族側の勝訴が確定し、最高裁で患者と認定された初のケースとなった。大阪府豊中市の女性の訴訟では、水俣病と認めなかった2審大阪高裁判決を破棄して審理を差し戻した。患者としての認定を求める人々に立ちはだかってきたのが、昭和52年の旧環境庁による現行の認定基準だ。感覚障害や運動失調、視野狭窄など複数の症状が重なっていることが大原則で、行政審査は今回の原告のような感覚障害のみの場合は認めようとせず、「患者切り捨て基準」と批判された。事実、潜在患者が20万人ともいわれる中で認定患者は2975人(今年3月末時点)と少ない。最高裁は「個々の事情と証拠を総合的に検討して個別具体的に判断すべきだ」との判断を下し、感覚障害だけの原告を患者と認定した。行政よりも柔軟な姿勢を示したといえる。今回の判決を受け、環境省は「国の判断条件は否定されていない」と認定基準を見直さない考えを示したが、基準の運用に幅を持たせることは必要である。水俣病は、工場から海に垂れ流されたメチル水銀が魚介類に蓄積され、それらを食べた人々が病気になった健康被害である。日本が急激な経済発展を続ける中で生み出された成長の負の部分で、「公害の原点」といわれている。公害を克服する努力は重ねられたが、近年もダイオキシンやアスベストなど新たな健康被害が起きている。そうした事態を未然に防ぎ、起きてしまった場合の補償制度を確立するため、政治や行政は一層、知恵を絞ってほしい。

*4:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H05/H05HO091.html (環境基本法) 
(目的)
第一条  この法律は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに国、地方公共団体、事業者及び国民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。

(定義)
第二条  この法律において「環境への負荷」とは、人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
2  この法律において「地球環境保全」とは、人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
3  この法律において「公害」とは、環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。第二十一条第一項第一号において同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。

(環境の恵沢の享受と継承等)
第三条  環境の保全は、環境を健全で恵み豊かなものとして維持することが人間の健康で文化的な生活に欠くことのできないものであること及び生態系が微妙な均衡を保つことによって成り立っており人類の存続の基盤である限りある環境が、人間の活動による環境への負荷によって損なわれるおそれが生じてきていることにかんがみ、現在及び将来の世代の人間が健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに人類の存続の基盤である環境が将来にわたって維持されるように適切に行われなければならない。

(環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築等)
第四条  環境の保全は、社会経済活動その他の活動による環境への負荷をできる限り低減することその他の環境の保全に関する行動がすべての者の公平な役割分担の下に自主的かつ積極的に行われるようになることによって、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない健全な経済の発展を図りながら持続的に発展することができる社会が構築されることを旨とし、及び科学的知見の充実の下に環境の保全上の支障が未然に防がれることを旨として、行われなければならない。

(国際的協調による地球環境保全の積極的推進)
第五条  地球環境保全が人類共通の課題であるとともに国民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上での課題であること及び我が国の経済社会が国際的な密接な相互依存関係の中で営まれていることにかんがみ、地球環境保全は、我が国の能力を生かして、及び国際社会において我が国の占める地位に応じて、国際的協調の下に積極的に推進されなければならない。

(国の責務)
第六条  国は、前三条に定める環境の保全についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、環境の保全に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(地方公共団体の責務)
第七条  地方公共団体は、基本理念にのっとり、環境の保全に関し、国の施策に準じた施策及びその他のその地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する。

(事業者の責務)
第八条  事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずるばい煙、汚水、廃棄物等の処理その他の公害を防止し、又は自然環境を適正に保全するために必要な措置を講ずる責務を有する。
2  事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な措置を講ずる責務を有する。
3  前二項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するように努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。
4  前三項に定めるもののほか、事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動に関し、これに伴う環境への負荷の低減その他環境の保全に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

(国民の責務)
第九条  国民は、基本理念にのっとり、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活に伴う環境への負荷の低減に努めなければならない。
2  前項に定めるもののほか、国民は、基本理念にのっとり、環境の保全に自ら努めるとともに、国又は地方公共団体が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。

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