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2014,09,08, Monday
燃料電池車 燃料電池飛行機 リニアモーターカー 新幹線各種 (1)都市住民の地方への移住願望 一昔前(20世紀後半)は、田舎から都会に出て一旗揚げるのが“成功”だったが、現在では、都会に住んだことのある人が人口の半数以上を占め、生まれも育ちも都会だという人も多い。そのため、*1-1のように、都市住民の3割が田舎暮らし願望を持っており、それもダサい田舎暮らしではなく、おしゃれな田舎暮らしなのである。そして、農林水産業も次第に先端技術を取り入れた産業になっていかなければならず、行政の就業相談や起業融資は、それらのニーズにマッチしたものでなければならない。 都会より田舎の方が住みやすい点は、*1-2のように、自動車が1人1台近く普及しており、比較的広い家に住めることだ。また、人口密度が低いため、人間の繋がりが濃く、それぞれの人に出番が多い。さらに、人間が作った小さな公園ではなく本物の自然を住まいの近くで体感でき、子どもが環境への感受性を磨く機会が多い。これは交通などの不便とセットだが、米国でもちょっと郊外に行けば状況は同じだ。 (2)付加価値の高い最先端の製造業を誘致することも必要 しかし、*2-1のように、付加価値の高い最先端の製造業を誘致して、若者に魅力的な雇用を準備することも必要で、佐賀県でも、燃料電池車等への地場産業の参入拡大を目指しているが、すべてのイノベーションが進みつつある現在は、その新しい産業に参入してリードできるチャンスである。 そこで、*2-2のように、トヨタ自動車の豊田章男社長(58)が、唐津港を発着点とする自動車ラリー選手権「TRDラリーチャレンジin唐津」に出場され、鏡山や虹の松原を通るコースに「いい景色、いい道」と笑顔になり、唐津港ではラリーに合わせて多彩なイベントがあったそうだが、それならば、同時にグライダーやヨットフェスティバルも行って、燃料電池航空機やエコ船舶開発の第一歩としてはどうだろうか。 (3)地方の交通システム 地方は、自然が多く豊かな生活ができるものの、知的刺激は少ない。都会から移住すれば同じようなことを感じる人も多いだろうが、例えば、私が本屋に行って欲しい本を探しても置いてなかったり、雇用における男女平等が進んでおらず感覚の違いを感じることが多いため、そこにだけずっといるとまいる。 これを解決する手段としては、*3-1のようなリニア新幹線もしくは、*3-2のような新幹線で、都市との時間的距離を短縮して往来を便利にすることが必要である。東海旅客鉄道(JR東海)が2027年の開業を計画するリニア中央新幹線は、環境評価をクリアして今夏中に工事実施計画の認可を国に申請する見通しで、JR九州も「フル規格の新幹線を通す方がやりやすい」としているが、 リニアや新幹線の整備は、日本の動脈として行うべきである。 (4)地方のインフラ整備における資金調達 *4-1のように、平成26年5月23日付で、総務大臣が各都道府県知事、各市区町村長宛に、「今後、複式簿記の地方公会計を整備促進し、全ての地方公共団体において統一的な基準による財務書類等を作成する」と通達を出している。 民間企業では、納税目的や資金調達目的のために、複式簿記による網羅性・検証可能性のある会計処理を行って正確な開示を行うことが普通に行われており、公的部門がまだ単式簿記を使っていることを信じられない人が多いと思うが、現在は、まだ、その段階なのである。しかし、素早く民間企業並みの会計制度に移行して公認会計士監査を導入すれば、有意義な投資であれば公債発行による資金調達も可能になるため、詳しくは、その地域の公認会計士に相談して欲しい。 また、*4-2のように、地域の農水産物等の特産品を贈ることにより、「ふるさと納税」が脚光を浴びているが、これも地域にとって有意義な投資を行う場合は、投資目的を明確にして呼びかければ、それに呼応して寄付する人も多いのではないかと考える。 <都市住民の地方への移住> *1-1:http://qbiz.jp/article/43651/1/ (西日本新聞 2014年8月10日) 都市住民の3割が田舎暮らし願望 内閣府調査 都市部に住む人の31・6%が農山漁村に定住してみたいと考えていることが9日、内閣府の農山漁村に関する世論調査で分かった。2005年の調査から約1・5倍に増えた。ただ定住に必要な条件(複数回答)として「医療機関、施設の存在」(68・0%)「生活が維持できる仕事」(61・6%)が上位に挙がっており、受け入れ側の課題があらためてクローズアップされた。農山漁村の活性化に取り組む農林水産省は「体験型観光のグリーンツーリズムが普及するなど、関心の高まりが表れている」と分析。改定作業を進めている農政の長期指針「食料・農業・農村基本計画」に結果を反映させる。調査は6月に実施し、全国の20歳以上の男女1880人から回答を得た。都市在住は1147人、農山漁村は700人で、他は「どちらともいえない」などだった。農山漁村に定住したいと答えた都市住民は、世代別では20代の38・7%が最高。男女別では男性が36・8%で、女性より約10ポイント高かった。農山漁村に住む人で都市部に移住したいと答えたのは19・7%だった。20代では34・5%と高かった。 ■就業支援の拡充を 小田切徳美・明治大教授(農村政策論)の話 農山漁村への移住を考える人が増えたのは、グリーンツーリズムやふるさと納税の認知度が上がり、地域の情報を得る機会が増えたことも要因になっている。安定して暮らせるかどうかの不安を解消し、定住や永住につなげられるかが課題。行政が就業相談や起業への融資などを行い、移住者が望む生活様式を実現できるチャンスを提供する必要がある。 *1-2:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL020JA_S3A900C1000000/ (日経新聞 2013/9/2) 軽自動車、普及台数が過去最高 佐賀・鳥取は「一家に1台」超す 全国軽自動車協会連合会(全軽自協)が2日発表した2013年3月末時点の世帯あたりの軽四輪車普及台数は、100世帯当たり51.8台となり、過去最高を更新した。2012年3月末比で0.8台増えた。2011年に100世帯当たりの普及台数が50台を超えて以降、「2世帯に1台」以上の水準となるのは3年連続。好調な軽の新車販売が保有台数を増やし、世帯当たりの普及台数を押し上げている。普及台数は軽四輪車の保有台数を全国の世帯数で割って算出している。13年3月末の軽四輪車の国内保有台数は2.5%増の2828万3561台。世帯数は0.8%増にとどまったため、普及率が上昇した。都道府県別で最も多かったのは100世帯あたりの普及台数が100.2台だった佐賀県。昨年末まで27年連続で1位だった鳥取県を抜いて1位となった。鳥取県も100世帯あたりの普及台数が100台を超えた。全軽自協によると「一家に1台」の割合を超える県が出たのは初めてという。100世帯あたりの普及台数は1977年以降、増加が続いている。全軽自協は「路線バスや鉄道の廃止など地方の交通の便が悪化し、『車は生活必需品』という意識がより高まっている。それだけにできるだけ安く手に入れたいとして、保有コストを安く抑えられる軽自動車へのニーズが強い」と説明。燃費性能に優れた新車が増えていることも相まって、軽の普及に弾みがついているようだ。 <100世帯当たりの保有台数、13年3月末現在> 普及率が高い地域 (1)佐賀 100.2 (2)鳥取 100.1 (3)島根 98.3 (4)山形 98.2 (5)長野 98.0 普及率が低い地域 (1)東京 11.3 (2)神奈川 21.0 (3)大阪 26.6 (4)埼玉 37.7 (5)千葉 38.4 〔日経QUICKニュース(NQN)〕 <産業> *2-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10103/98888 (佐賀新聞 2014年8月29日) 「次世代カー」市販迫る 関連企業対応を模索 「次世代エコカー」の本命とされる燃料電池車の市販が迫り、自動車関連企業が集積する佐賀県内でも今後の市場動向に関心が高まっている。関連企業などでつくる県自動車産業振興会(吉村正会長)は27日、学識者や専門家による講演会を実施。技術革新や産業構造の変化にどう対応し、参入拡大を目指すか、地場企業の模索が始まっている。トヨタ自動車は、本年度中に燃料電池車を1台700万円程度で一般向けに販売する。ホンダは2015年、日産自動車も17年の発売を目指しており、既に市販されている電気自動車と合わせ、次世代車の普及が本格化する。「カーアイランド」とも呼ばれる九州には、トヨタや日産、ダイハツの組立工場などがリスク分散を理由に相次いで進出。同地域での13年度の生産台数は137万5千台に上り、県内でもトヨタ系の車内外装品など2次、3次部品メーカーが集積する。ただ、生産拠点の海外シフトや海外部品の輸入増などで、国内企業を取り巻く環境は厳しさが増す。さらに、次世代車は既存のガソリン車に比べて部品が3分の1程度にまで減るほか、コスト削減や工程短縮のため、部品を一部組み上げた状態で納入する「モジュール化」の流れも強まるとされ、地元企業への影響が懸念されている。こうした状況を受け、講演した東京大次世代モビリティ研究センターの田中敏久氏は「メーカーが国内企業に期待しているのは、高い技術と工程管理能力、需要変動に対応できる生産の柔軟性」と説明。電子化が著しい次世代車への対応について、「自前の技術にこだわらず、IT関連など異業種との連携で開発期間を短くできるかがポイントになる」と指摘した。県内では、自動車用ボルト製造の佐賀鉄工所(佐賀市)などのように、メーカーの海外展開に追従できる企業は一部に限られる。同振興会副会長で、プレス金型製造「聖徳ゼロテック」(同)の古賀鉄夫社長は「技術革新に伴って部品の多品種化が進む。海外進出が難しい中小企業はメーカーのニーズを把握し、オンリーワンの技術を構築することが取引の維持、新規参入の布石になる」と展望を語る。 *2-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/102140 (佐賀新聞 2014年9月8日) 自動車ラリー トヨタ社長、笑顔の快走「いい景色」 トヨタ自動車の豊田章男社長(58)が7日、唐津港を発着点とする自動車ラリー選手権「TRDラリーチャレンジin唐津」に出場した。鏡山や虹の松原を通るコースに「いい景色、いい道」と笑顔。今季3戦目となるラリーE2クラスで8人中4位と快走した。豊田社長は国際C級ライセンスを持ち、ドライバー名は「モリゾウ」。2009年に社長就任後も「車に乗る楽しさを全国で伝えていきたいし、私自身がいい車を開発するためのいい“センサー”になりたい」とレースを続けている。唐津は高校総体のホッケーの試合で訪れて以来40年ぶりと言い、「沿道の人たちが笑顔で迎えてくれた」とレースを楽しんだ。唐津市はトヨタの伝説のスポーツカー「2000GT」をデザインした野崎喩(さとる)さん=2009年死去、79歳=の出身地。会場には2000GTの試乗会や、野崎さんの資料が展示された。豊田社長は「半世紀近くたっても人の記憶に残り、全然古くならないデザインはすごい。野崎さんがどのような環境で育ち、どういう人たちに触れたのか感じることができた」と語った。この日は全国からドライバーが集まったTRDラリーと、JAF九州ラリー選手権「グラベルマインドラリー」の2レースが開かれ、計74台が出場した。唐津港ではラリーに合わせ、AKB48チーム8のライブなど多彩なイベントがあり、6、7の2日間で約5千人の人出でにぎわった。 <交通アクセス> *3-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140718&ng=DGKDASFS17H0Y_X10C14A7PP8000 (日経新聞 2014.7.18) リニア、環境評価クリア 国交相、きょうにも表明 太田昭宏国土交通相は18日にも東海旅客鉄道(JR東海)が2027年の開業を計画するリニア中央新幹線の環境影響評価について意見を表明する。トンネル工事で発生する大量の残土処理などに適切に対応するよう求めるものの、整備方針に大きな影響は与えない。環境評価を実質的に「クリア」することで、JR東海は今夏中に工事実施計画の認可を国に申請する見通し。会社側がめざす今秋の着工にも弾みがつきそうだ。リニア新幹線は最高時速500キロメートルで品川―名古屋を最短40分で結ぶ。工事の前には環境影響評価が必要で、JR東海は4月23日に国交相に同評価書を提出した。 *3-2:http://qbiz.jp/article/42185/1/ (西日本新聞 2014年7月18日) JR九州社長「全線フル規格、効果大」 新幹線長崎ルートで言及 JR九州の青柳俊彦社長は17日、西日本新聞のインタビューに応じ、2022年開業を目指し整備中の九州新幹線西九州(長崎)ルートについて「事業者としてはフル規格でやる方がやりやすいし、お客さまも効果が高いと思っている」と述べ、将来的には、沿線自治体などから要望が出ている全線フル規格化が望ましいとの考えを示した。長崎ルートのうち、フル規格の新線を建設しているのは長崎−武雄温泉(66キロ)だけで、武雄温泉−新鳥栖(51キロ)は在来線を走る計画。長崎−博多はフリーゲージトレイン(FGT、軌間可変電車)で現在より28分短い1時間20分かかる。全線フル規格になれば、所要時間は41分とFGTのほぼ半分に短縮できるとされる。青柳氏は「フル規格の方が投資効果は大きい。要はお金の問題だけ」とフル規格化論議の高まりに期待を込めた。 <資金調達> *4-1:http://www.soumu.go.jp/main_content/000292408.pdf (総財務第102号 平成26年5月23日) 各都道府県知事、各市区町村長宛 総務大臣 新藤 義孝 ●今後の地方公会計の整備促進について 地方公会計は、現金主義会計による予算・決算制度を補完するものとして、現金主義会計では見えにくいコストやストックを把握することで中長期的な財政運営への活用の充実が期待できるため、各地方公共団体において、その整備を推進していくことは極めて重要であると考えております。各地方公共団体における財務書類の作成は着実に進んでおりますが、多くの地方公共団体において既存の決算統計データを活用した簡便な作成方式である総務省方式改訂モデルが採用されており、本格的な複式簿記を導入していないことから、事業別や施設別の分析ができていないのではないか、また、公共施設等のマネジメントにも資する固定資産台帳の整備が十分でないのではないか、といった課題があります。そのため、「今後の新地方公会計の推進に関する研究会」を開催して議論を進めてきましたが、平成26年4月30日に報告書を取りまとめております。この中で、固定資産台帳の整備と複式簿記の導入を前提とした財務書類の作成に関する統一的な基準を示したところです。今後、平成27年1月頃までに具体的なマニュアルを作成した上で、原則として平成27年度から平成29年度までの3年間で全ての地方公共団体において統一的な基準による財務書類等を作成するよう要請する予定であります。さらに、こうした財務書類等を作成するためには、各地方公共団体においてICTを活用したシステムの整備が不可欠であり、その事務負担や経費負担に配慮する必要があると認識しております。また、システム整備の重複投資を回避するため、地方公共団体共通のシステムを一括構築することも重要な課題であります。そのため、地方共同法人の活用も視野に入れながら、ICTを活用した標準的なソフトウェアを開発し、平成27年度のできる限り早い時期に地方公共団体に無償で提供したいと考えております。なお、それまでの間、地方公共団体におかれては、統一的な基準による財務書類作成の前提となる固定資産台帳整備の準備(資産の棚卸等)等を進めていただくようお願いします。各都道府県におかれては、貴都道府県内市区町村に対して、この通知の趣旨について適切に助言いただきますようお願いします。 *4-2:http://qbiz.jp/article/43432/1/ (西日本新聞 2014年8月7日) 「ふるさと納税」が脚光を浴びている 「ふるさと納税」が脚光を浴びている。生まれ故郷など希望の自治体に寄付すると税金が軽減される制度。全国46道府県で2013年度は件数で前年度の2・8倍、総額で6%増えたと報じられた。道府県別で鳥取県が件数、金額ともトップだった。上位にランクされる自治体は、一定金額以上の寄付で地元の特産品を贈っていることが奏功した。では九州の自治体はどうか。長崎県平戸市は、13年度は約3910万円で前年度の36倍に急増した。さらに14年度は既に1億6千万円を超えた。平戸ゆかりの人は10%にも満たない。平戸の特産品狙いの寄付者が圧倒的だ。13年度は佐賀県玄海町や宮崎県綾町も2億5千万円前後の寄付があり九州の代表格だ。平戸和牛にマンゴー…。大都市の消費者と地域の農水産物が直接つながる新たな販路として、広がってほしい。 PS(2014.9.11追加):確かに、燃料電池は高価すぎるため低価格化が必要であり、*5は福音なのだが、希少資源を使わない技術を確立すれば、最も安価で世界に歓迎されると思う。 *5:http://qbiz.jp/article/45414/1/ (西日本新聞 2014年9月6日) 燃料電池車の低価格化へ道 「白金の使用量10分の1に」九大グループが成功 九州大カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の藤ケ谷剛彦准教授(応用化学)らの研究グループは、次世代のエネルギーとされる燃料電池に用いる白金の量をこれまでの10分の1に抑えることに成功したと発表した。白金は価格が高く、燃料電池開発のコスト面の課題となっている。研究グループは低価格化につながるとして、5年後の実用化を目指すという。研究成果は5日、英科学誌「ネイチャー」の姉妹誌電子版に掲載された。燃料電池は、水素と酸素を化学変化させて電気をつくる仕組みで、白金は電極に付着した状態で化学変化を促す。研究グループは、白金粒子を小さくして、使用量を抑える方策に着目したが、粒子を小さくすると互いに集まって大きくなったり、偏在したりして、発電効率が落ちる問題があった。そこで、白金の粒子を吸着する性質がある樹脂で電極を覆ったところ、直径比で約半分(直径2ナノメートル)の大きさで電極上に均等に付着し、同等の発電効率を維持できたという。資源の枯渇が懸念される白金は1グラム当たり約5千円と高価で、燃料電池車1台当たり約50グラムが必要とされる。藤ケ谷准教授は「燃料電池の普及には低価格化が欠かせない。(二酸化炭素などの有害物質を出さない)水素社会の実現を加速させることにもつながる」と話している。
| まちづくりと地域振興::2014.4~2015.4 | 05:30 PM | comments (x) | trackback (x) |
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