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2014.12.23 ふるさと納税制度について
   
  *2-1より           *3-1より        玄海町浜野浦の夕日

(1)ふるさと納税制度の趣旨とその発展的展開
 「ふるさと納税制度」を提案し実現にこぎつけたのは私だ。そこで、「ふるさと納税制度」の趣旨を書くと、地方である「ふるさと」で教育を受けて大都市で働いている人の多くは、高校までの教育費を地方で支出してもらいながら、働き手となって税金を納めるのは居住する大都市に対してであるため、教育投資をする場所と働き手として税金を納める場所が異なるという根本的な齟齬(そご)が生じている。また、その老親は、地方である「ふるさと」に残って医療・介護などのケアを受けるため、地方は、支出は多いが収入が少ないという構造的な問題を抱えることになる。

 そこで、私は、都会で働く地方出身者を視野に「ふるさと納税制度」を提案したため、地方出身者が自分が育った地方にふるさと納税を行うというのが最初の趣旨だったが、①父親の転勤等で「ふるさと」が複数ある人はどこに納税すればよいのか ②自分の転勤で住んだ第二の「ふるさと」に納税したいができるか ③東日本大震災のような災害時に被災地に納税できるか などのさまざまな要望があり、*1のような発展的展開になっているもので、私は、これでよいと思っている。

 そして、重要なことは、これまでとられるだけだった税金を、人々が地域や事業を選んで納めることができるようになったことで、これを使えば、メニューさえあれば、現在住んでいる自治体に対しても「ふるさと納税制度」を利用して、使途を指定して税金を納めることが可能である。そのため、それぞれの自治体が知恵を出して政策を作れば、確かに、よいまちづくりが進むとともに、市民の地方自治への関心を高めて民主主義の活性化にも繋がるだろう。

(2)地方自治体の努力とその成果
 *2-1に書かれているように、平戸市はふるさと納税制度の本年度の寄付申込が10億円を突破し、昨年度の個人市民税と法人市民税の合計約10億5370万円と匹敵するそうだ。その理由は、①寄付額に応じてポイントを寄付者に付与し、ウチワエビ、平戸牛などの特典をカタログから選べる制度を導入したこと ②ポイント付与率の引き上げや特典拡充 ③クレジットカード払い導入 などで寄付者を増やしたことだそうで、アッパレだ。

 黒田成彦市長は「市の知名度を上げ、特産品の販売増と生産者の所得向上につなげたい。観光客や移住の増加も期待している。」と話しているそうで、寄付集めに熱心な自治体は、人口減少などで税収減に悩んでいる地域に多く、寄付額の上位10位に九州の5市町が入っている。政府は来年度から減税対象となる寄付の上限を2倍に引き上げる方針であるため、工夫すればもっと実を結ぶことになる。

 また、玄海町のふるさと納税は、米、いちご、高品質の黒毛和牛、豚の角煮、うにの塩漬け、サザエ、サザエご飯、鯛、鯛茶漬け、イカの一夜干しなど、美味しそうな特典が多いため人気があるが、これは、玄海町にある上場商工会議所が知恵を絞って地元農水産物の振興と合わせて行っているからだ。

 しかし、*2-2の玄海町の新酒づくりはよいのだが、「音音〜ネオン〜」という名前では当たらないと思う。何故なら、ネオンなら都会の方がオリジナルで数が多い上、ネオン街の酒は清潔そうでも美味しそうでもないからだ。そのため、むしろ玄海町の長所である自然の風、岬、紺碧の海か歴史的な地名である「末盧」をアレンジした命名にした方がよいと考える。なお、今までそれほど酒好きでなかった人を酒市場に取り込むためには、スパークリング清酒も面白いが、イチゴ(ショッキングピンク)やみかん(黄色)で作ったスパークリング・ワインがよいと思う。

(3)返礼合戦でふるさと納税の趣旨は薄れず、平準化主義はむしろ自治体の努力を妨げる
 *3-1の日経新聞記事は、「ふるさと納税返礼合戦で、お得感が膨らみふるさと納税の趣旨が薄れた」とし、「ふるさと納税は、自治体間の税金の奪い合いになりかねない面があり、過度な競争は地方の自滅になる」と京都府知事が懸念していると書き、「東京都は、ふるさと納税で5億円近い税収が“流出”した」としている。しかし、これらの大都市こそ、教育費を出さずに働き手を入手して納税させている地域であり、東京都にとっての5億円は小さな金額であるため、お礼に工夫を凝らしてふるさと寄付金を増やした自治体を攻めるのは的外れだ。

 また、*3-2の北海道上士幌町の場合も、そもそも北海道には美味しい食品が多い上、北海道上士幌町には和牛や蜂蜜などの魅力的な特産品があり、住民は少なく個人住民税も少ないため、半年で個人住民税の倍になったとしても驚くには当たらない。これはむしろ、ふるさと納税制度が人口の偏りを特産物で是正している姿であり、上士幌町は返礼品にそれだけ魅力があることに自信を持って、それらの商品が品切れにならないよう増産すべきなのである。

   
      春(菜の花)       夏(ハスの花)  秋(彼岸花)      冬(樹氷)

<ふるさと納税の趣旨と展開>
*1:http://www.f-tax.jp/site/about_tax (ふるさと納税応援サイト ふたくす)
●「ふるさと納税制度」とは
 「ふるさと納税」について、言葉からは、“生まれ育った「ふるさと」に「納税できる」制度”と受け止める方が多いと思います。しかし、国が制度化した趣旨や具体の運用方法はこれとは若干異なると考えるため、勝手ながら説明させていただきます。
※ここで書く内容は、下記文書をベースに、一部当法人の考えを交えてまとめたものです。
  •総務省:「ふるさと納税研究会報告書」
  •自由民主党:「平成20年度税制改正大綱」
 これまで、“とられる”イメージであった税金について、“選んで納める”という市民の自発的行為に基づいて自治体に渡していくものであり、従来の考え方を変えるものです。また、まちづくりにおいては資金の確保が重要な要素でありますが、これにより、市民が主体性を発揮してまちづくりを進められる新たな可能性が生まれました。
●人それぞれの“ふるさと”への寄付
 一般的に“ふるさと”とは、“生まれ育った地域”と捉えられ、“ふるさと納税”については、地域への恩返しや地域で暮らす親への生活支援等のために納税することを指すと考えられがちです。しかし、自分を育ててくれたのは、“生まれ育った地域”のみならず、“すばらしい歴史や自然を有する地域”や“心温かいもてなしをしてくれた人たちが暮らす地域”など人それぞれです。また、将来、“この地域に住みたい”、“この地域でとれる農作物を食べていきたい”など、今後を見通した新たな形の“ふるさと”も考えられます。つまり、人それぞれが、“生まれ育ったふるさと”のみならず、“第二のふるさと”や“心のふるさと”を持っており、各々の思いのある地域を選んで納税することができる制度といえます。
●「納税」ではなく「寄付」
 手続きとしては、“自治体を選んで税金を納める”のではなく、“他の自治体に寄付した金額の一部を、本来納めるべき税から引いてもらう”ことになります。わかりやすさの面から「納税」という語が使われているに過ぎず、手続きとしては「寄付金分の控除」となっています。
●税金が使われる「事業」の選択も可能
 “○のために資金面で協力したい”という思いを形にする制度ですので、単に“生まれ育った○町に!”、“一生懸命がんばる○村に!”と納税するのみならず、“あの歴史あるまちなみの保全のために”、“地域のために働く志の高い人材を育成するために”といった「取り組み・事業」を選んで寄付することができます。言い換えれば、あなたの税金が、まちづくり事業の出資金・投資資金となるわけです。実際に、この制度が始まる前から寄付は多く行われていますが、“緑の保全のために”、“子供たちの交通安全のために”と使途を限定するものが多くを占めていましたので、これを促す制度であるといえます。ということは「自分の住む自治体にも・・・」。現在住んでいる自治体に対しても「ふるさと納税」制度を活用することができ、税金を単に納めるだけではなく、使途を指定して納められると考えます。“何のために使われているかよくわからない”といぶかしく納税していたお金を、“この地域の発展のために”と範囲を限定したり、“若者の教育のために”、さらには“この事業のために”、と使途を限定して寄付(資金を提供)することができる訳です。全国には、「住民税の1%を自分の望む団体の活動資金に回せる自治体(千葉県市川市)」や、「自分の望む事業に寄付できる自治体(北海道夕張市)など」も現れています。それぞれの自治体が知恵を出し合って政策を競い合うことで、各地でより住みよいまちづくりが進むとともに、市民に対して地方自治への関心を高め、民主主義(ないし自治)の活性化にもつながると考えられます。

<地方自治体の努力と成果>
*2-1:http://qbiz.jp/article/52453/1/
(西日本新聞 2014年12月23日) 平戸市、ふるさと納税10億円超 全国初、昨年度の26倍
 長崎県平戸市は22日、ふるさと納税制度での本年度の寄付申込額が約10億2420万円(約2万6400件)となり、10億円を突破したと発表した。昨年度の寄付額の約26倍。ふるさと納税に関する全国の情報を集めたポータルサイト「ふるさとチョイス」によると、10億円突破は全国の自治体で初めてという。市によると、昨年度の個人市民税と法人市民税は計約10億5370万円で、ふるさと納税でこれに匹敵する寄付が集まった。平戸市は寄付額に応じてポイントを寄付者に付与し、ウチワエビ、平戸牛などの特典をカタログから選べる制度を昨年8月に導入。ポイント付与率の引き上げや特典拡充、クレジットカード払い導入などで寄付者を増やした。黒田成彦市長は「市の知名度を上げ、特産品の販売増と生産者の所得向上につなげたい。観光客や移住の増加も期待している」と話した。寄付集めに熱心な自治体は、人口減少などで税収減に悩んでいる地域に多く、寄付額の上位10位に九州の5市町が入った。政府は来年度から減税対象となる寄付の上限を2倍に引き上げる方針。一方、豪華な返礼品による自治体の“特典合戦”を問題視する声もある。

*2-2:http://qbiz.jp/article/47263/1/
(西日本新聞 2014年10月7日) 玄海町、ふるさと納税生かし新酒づくり
 佐賀県玄海町が、全国から寄せられるふるさと納税制度の寄付金を用いて、地元の棚田で収穫した新米を使った新酒づくりに取り組んでいる。来春にも第1弾の5千本が完成する予定で、棚田米を生かした特産品として売り出すほか、ふるさと納税のお礼にも活用する。町財政企画課によると、町内には夕日の観賞スポットとして知られる「浜野浦の棚田」などが点在。海と山に挟まれて寒暖の差が大きく、米にも甘みが出やすいという。来年10月には全国棚田サミットが同町で開かれることもあり、食味のいい米を使った土産品の開発を検討していた。今回、唐津市の酒造会社・鳴滝酒造の協力を得て、純米酒とスパークリング清酒の2種類を製造。すでに秋口に収穫した新米約2700キロを確保し、19日にも米の磨き作業に入る。事業費には、ふるさと納税制度を通じて募った寄付金500万円を活用。新酒の完成後は、数量限定で納税のお返し品にもする。新酒は「音音〜ネオン〜」と命名する予定。酒を囲んで、笑い声などさまざまな音が響き合う場にとの願いを込めている。財政企画課の担当者は「町には生塩ウニやこのわたなど酒のあてはたくさんあるが、地酒はなかった。海産物と合わせてPRし、町の新たな土産品として定着すれば」と話している。

<平準化主義は工夫を妨げること>
*3-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141027&ng=DGKKZO78882390V21C14A0ML0000 (日経新聞 2014.10.27) ふるさと納税返礼合戦 「居住地以外で寄付」に税控除 膨らむお得感、薄れる趣旨
 居住地以外の自治体に寄付すると住んでいる自治体で税金が控除される「ふるさと納税」が急拡大している。寄付者の自己負担を上回る額の返礼が増え、返礼品を見比べられるサイトが登場するなど、お得なイメージが広がった。他の自治体に入るはずの税金を原資にした返礼合戦や、ゆかりの土地に貢献する趣旨が薄れていることへの疑問も強まっている。「今のままだとお礼の品の予算が尽きてしまう」。新潟県三条市の国定勇人市長は15日の記者会見で、ふるさと納税による寄付が、返礼品が不足しそうなほど急増していることへの喜びを口にした。1万円以上の寄付者に、園芸用のハサミなど寄付額の6割に相当する特産品を送る仕組みを1日にスタート。2週間で申込件数は1021件、金額は1566万円となり、目標の月間300件を軽く超えた。返礼品の追加には補正予算で対応するという。
●震災前比で倍増
 ふるさと納税の利用者は、所得などに応じた上限額の範囲内なら何回でも寄付することができ、自己負担の2千円を除く全額が居住地の住民税などから控除される。例えば三条市に3万円を寄付すると2万8千円の税金が控除され、1万8千円相当のお礼が返ってくるため、寄付者は1万6千円のプラス効果を見込める。市からみると1万8千円の返礼で3万円が入る勘定だ。国定市長は「寄付を受ける自治体は損しない仕組みで(議会の理解が得やすく)予算を組みやすい」と話す。返礼品を地元業者から購入すれば、地域振興にもつなげられる。総務省によると、ふるさと納税による寄付額は2012年に約130億円。一時的に急増した東日本大震災の直前の10年の約67億円のほぼ倍だ。ふるさと納税支援の専門サイト「ふるさとチョイス」を12年9月から運営するトラストバンク(東京・渋谷)によると、同サイトに返礼品を掲載している自治体は現在、約980団体で、1年間で4割増えた。9月の閲覧ページ数は約1500万件で前年同月の17倍だ。13年12月からクレジットカードで寄付を受けられるサービスを導入したのも奏功したという。普及の背景にあるのは、寄付の上限額が高くなる高額所得者を中心にメリットの認知度が高まったことがある。独身で年収5千万円の寄付者の上限額は92万3千円。仮に上限額を寄付して半額分を返礼品として受け取れば、2千円の負担で40万円を超す特産品などが得られることになる。4月に出版された「100%得をするふるさと納税生活」の著者、金森重樹氏は「一定のルール下で『欲』に訴えたことでテコが働いた。利用者視点がないと継続的な制度にならない」と指摘する。返礼合戦の過熱を象徴する事例も生じている。京都府宮津市は1千万円以上の寄付者に750万円相当の土地を無償譲渡する特典を設け、9月中旬に告知を始めたが、総務省が待ったをかけた。土地の譲渡は税控除を受けられない税法上の「特別の利益」に当たる恐れがあるとの理由だ。井上正嗣市長は「勉強不足だった」と認め、9月26日に募集中止を発表した。同市は100万円以上の寄付なら来夏の花火大会で寄付者の名前を冠した50万円相当の花火を打ち上げるコースの募集も始めている。ふるさと納税には、特産品を競い地元をPRする効果がある一方で、自治体間の税金の奪い合いになりかねない面がある。あくまでも国から地方への税源移譲を訴える全国知事会の山田啓二会長(京都府知事)は過度な競争は「地方の自滅になる」と懸念。自民党の「ふるさと納税の拡充を目指す議員の会」も今後の留意点として「節度を期待する」と提言した。
●5億円弱「流出」
 ふるさと納税により、13年度に都道府県で最も大きい5億円近い税収が“流出”した東京都は「影響は限定的で静観している。ただ返礼の過熱が好ましいとは思っていない」(財務局)という。都は返礼品を設けていないが、総務省内には「東京が返礼品の導入に乗り出せば、さらに税収が都に集中することになる」との声もある。普及と節度のバランスをどうとるのか。お得感だけでなく、他の自治体や住民に納得感を生む努力も欠かせない。

*3-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141027&ng=DGKKZO78882480V21C14A0ML0000 (日経新聞 2014.10.27) 北海道上士幌町の場合 半年で個人住民税の倍
 ふるさと納税の返礼品には正負両面の評価がつきまとう。総務省が昨秋に公表した自治体調査によると、特産品の送付に関し「特に問題はない」との回答は5割程度を占めたが、「問題はあるが、自治体の良識に任せるべき問題」も都道府県で約3割、市区町村で約2割にのぼった。返礼が寄付を呼ぶのは確かだ。北海道上士幌町は和牛や蜂蜜といった特産品とクレジットカード対応を武器に、ここ半年余りで個人住民税の2倍近い約4億4千万円を集めた。返礼品などの経費を除くと約35%が残る。学校の吹奏楽部の楽器など「通常予算での購入が難しかった資材に使いやすい」(企画財政課)。「話題性を優先し、すぐ品切れになる返礼品が少なくない」と指摘するのは、ふるさと納税の情報サイト「ふたくす」を運営するNPO支援全国地域活性化協議会(東京・千代田)の吉戸勝理事長。「お得感を宣伝する返礼はせず、地元の家族をパイプに、校区など身近なエリアへの寄付を上手に集める自治体もある」と強調する。総務省の研究会が制度の骨格を規定した07年の報告書は第一の意義に「納税者が自分の意思で、納税対象を選択できるという道を拓く」と明記した。それぞれの自治体が「どんな納税者に選ばれたいか」と自問してみるのも意味があるかもしれない。

| 経済・雇用::2014.6~2015.10 | 03:40 PM | comments (x) | trackback (x) |

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