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2018.9.17 日本の国家予算の使い方と社会保障・災害など (2018年9月18、19、20、21、22日に追加あり)
(1)本当の無駄遣いは何か
1)2019年度予算概算要求について


2018.9.1西日本新聞 平成時代の国家予算増加 平成31年内訳 歳出・歳入・債務の推移  

(図の説明:平成時代は消費税導入とともに始まり、増税額以上の景気対策を行って、国と地方の債務合計は増加の一途を辿った時代だと総括できる。なお、平成31年度の概算要求内訳では、0金利の下でも国債利払いが9兆円もあるが、これは借り換えによって節約できる歳出だ。また、地方交付税は、地方自治体が稼ぐためのエンジンを持てば、減らすことのできる歳出である)

 各省庁の2019年度予算概算要求は、*1-1のように、過去最大の102兆円台後半となり、その理由は「①医療・介護などの社会保障が過去最高額」「②借金返済に回す国債費が全体を押し上げた」「③2019年10月の消費税増税に伴う景気対策や幼児教育無償化費用を上積み」「④地上配備型迎撃システムの取得で2352億円計上して防衛費が過去最高額」「⑤外国人材受入拡大に備えた入国在留管理庁(仮称)新設」「⑥国債費は低金利にもかかわらず5.5%増の24兆5874億円」「⑦地方交付税15兆8111億円」等と記載されている。

 このうち、②の国債返済は借金を減少させて利払いを減らす効果があるため問題はなく、借金の返済と他の歳出を同じ次元で取り上げる方がむしろ問題だ。また、⑥は、低金利を利用して国債を借り換えれば国債の利払費は小さくなる。

 また、①は、よく槍玉に挙げられるが、国民は社会保険料を支払った上でサービスを受けているため、発生主義で将来支払額を予想して合理的な積立金管理を行っておけば、問題になることはなかった筈だ。そのため、サービスを提供する時になって支払原資が足りないなどと言っているのは、管理者の放漫経営の責任であり、国民に迷惑をかける筋合いのものではない。

 さらに、③のうちの幼児教育無償化はよいものの、消費税増税に伴う景気対策に増税分以上を使うのなら、増税しない方が国民から絞り取らないだけよい。また、災害復興や21世紀型の便利で安全な街づくりへの投資を行えば大型の景気対策にもなるため、景気対策だけを目的とする無駄遣いをする必要はない。

 なお、④は高すぎるし、⑤は入国在留管理庁を作って金と人材を無駄遣いするのではなく、入国管理局の名称を変更してここで行った方がよいと思われる。そして、入国管理局の仕事が増える分は、新規雇用ではなく、定年延長して余った人材をうまく配置して使えばよいだろう。

 さらに、⑦の地方交付税は、地方がよい製品やサービスを生産して自立すればするほど、息切れしそうな大型機関車の東京からの分配を減らすことができるため、機関車になれる地域を増やすことこそ、全国民を豊かにする。

2)北海道地震・西日本豪雨のに対する補正予算について
 政府は、*1-2のように、北海道地震や西日本豪雨災害の復旧費を確保するため、1兆円超を準備するそうだ。しかし、標高の低い場所・川を埋め立てた場所・扇状地・天井川の傍の低い場所などに住宅を造って「堤防があるから安心」と考えていたり、がけ崩れが起こりやすい場所に住宅を作ったりして被害に会ったのは、甘く見ていた自然に仕返しされたようなものである。

 そのため、これらの住宅地を元の状態に戻す「復旧」ではなく、このような被害が二度と起こらない、さらに進化させた都市計画に基づく街づくりと復興を行うべきで、そうすれば災害復興は単なる景気対策ではなく、21世紀に向けた重要な投資となる。

3)国家予算をコントロールする方法
 来年度予算案の概算要求が5年連続で100兆円を超えて過去最大を更新し、*1-3は、「①危機感なき借金まみれの予算をいつまで続けるのか」「②法律で縛ったらどうか」などと記載している。

 しかし、財政健全化のために“国際公約”をして「2020年度までに基礎的財政収支(クラブ)を黒字化する」というのも、不完全な現金主義である上、主権者たる国民が不在である。また、大災害があっても財政や貿易収支が黒字でなければならない理由はなく、必要な資材や労働力は輸入してでも速やかに復興するのが被害を最小にする方法だ。そのため、いざという時には支出できるよう、平時は単なる景気対策のような無駄遣いを慎むものである。
 クラブ 税収・税外収入と歳出(国債費《国債の元本返済と利払費》を除く)の収支

 そのため、財政を法律で縛ったり国際公約したりするのではなく、合理的な歳出をするため国の経費も発生主義で把握するように、国に国際会計基準に基づく複式簿記による公会計制度を導入し、貸借対照表・収支計算書を迅速に作成して予算委員会における討議資料とし、国の予算を主権者である国民の監視下におく必要がある。

(2)安全を無視した街づくり
1)「備え」は甘すぎた
 西日本新聞が、*2-1-1・*2-1-2のように、「備えに隙はなかったか」「北海道地震の死者40人」という記事を書いているが、私には、すべての災害が「想定外」で、危機管理に基づく備えというものがあまりにも甘く、ゆとりがなさすぎたように思えた。

 例えば、北海道全体の停電という電力系統の脆弱さと土砂崩れや液状化が起こる場所での住宅地造成は人災と言わざるを得ない。また、関西空港が台風くらいで機能不全に陥ったのも唖然としたが、標高の低い干拓地であれば当然であるため、もっと海面との間にゆとりをとるべきだった。さらに、ブロック塀も、中に強い鉄筋でも入っていなければ地震の時に危ない上、景観も悪いため、もっと速やかに素敵な生垣などに変えておくべきだっただろう。

 なお、*2-1-3のように、地震発生前の2018年6月26日、「北海道南東部で震度6弱以上の大地震のリスクが上昇している」と朝日新聞に掲載されたが、「発電所が集中して立地しておりセキュリティーが甘い」「住宅地の立地が悪い」というのは短期間には修正のしようがないため、最初にしっかりした都市計画を行わなかったことが最大の問題である。

2)連続した大型台風と水害
 台風21号で、*2-2-1のように、関空が冠水し、「大阪湾沿岸を中心に記録的な高潮になった」「猛烈な風が大阪湾岸に吹きつけた」「140年に1度という想定を超える高潮だった」などの言い訳がされているが、要するに十分な「ゆとり」を見ていなかったのだと思う。

 そして、*2-3-1のように、これまで①浸水想定域に住宅を誘導し ②街の集約計画を掲げる主要な自治体の約9割で浸水リスクの高い地区にも居住を誘導している ということが、日経新聞の調べで分かったそうだ。都市の効率向上といっても、災害リスクの高い場所に建物を建てれば、「床上浸水」などで建物や家財道具を台無しにして資本効率を悪くするとともに、大切な人や二度と作れぬ思い出も失うことになるため、最初の都市計画が重要だ。

3)北海道地震

           2018.9.6、朝日新聞、中日新聞ほか

(図の説明:北海道地震で土砂崩れが多発して死者まで出たのは痛ましいが、崩れた土砂の中にある木は太くて良質の木材だ。そのため、全国の森林組合や木材会社の人等がボランティアに行って木材を集めておけば、あちこちの復興の手助けになると考える)

 北海道の厚真町は、*2-2-2のように、震度7の揺れに襲われて緑の山林に赤土がむき出しになった場所が散在する土砂崩れの現場となったが、よく見ると、山はこうしてあのような形になったのだと思われる光景であり、大昔から続いてきた土砂崩れのように見える。

 北海道地震では、*2-3-2のように、札幌市のベッドタウンが液状化による大きな被害を受け、道路が陥没したり、マイホームが大きく傾いたりし、専門家は、かつてあった川沿いに被害が集中していると分析して二次被害に注意を呼びかけている。市の宅地課は、河川を覆って地下に水路を残し、周辺から削った土砂で里塚地区を造成したと言っているそうだが、これは自然の水の流れをあまりにも軽視した宅地造成である。

 そのため、我が国が高齢化と人口減少に直面していることを活用して、高台にケアしやすいマンションを多く作り、危険度の高い地域から移転して、危険度の高い地域には住まないような進歩した都市計画が必要だ。

(3)大災害時代になった理由とそれに対する備え


    月の公転軌道     火星の公転軌道 現在の火星と水 40億年前の火星の海 
                      2018.7.26朝日新聞
(図の説明:1番左の図が月の公転軌道、左から2番目の図が火星の公転軌道で、どちらも少し楕円形であるため、地球に接近する時があり、両方が接近して太陽と一直線に並ぶ時、地球が受ける引力は最大になる。地球は、日頃から月の引力を受けて潮の満ち引きがあり、地球のマントルが冷えない理由に月の引力によって地球が揉まれていることが挙げられている。また、火星には40億年前は最大水深1600mの海が存在していたそうで、現在は、地表には氷・地下には水も存在するそうだ。なお、火星が冷えてしまったのは、月のような惑星を持たないことが理由で、火星の水が少なくなったのは、火星の引力が弱く大気が薄いため、蒸発した水が地表に戻らなかったことによるのかも知れない。そのため、地球の水が(100%かどうかはわからないが)循環して地表に戻り、生物の生存環境を保っていることには感謝すべきだろう)

 日本農業新聞が、2018年9月13日、*2-4-1のように、「大災害時代が人と社会の変革を迫る」という記事を書いており、近年の大災害がよくまとまっている。

 その内容は、専門家は「①大型災害が多発する『危険サイクル』に入ったと警告」「②地震が活動期に入って水害などと連動し、複合災害を起こしている」「③災害が多発する危険周期に入った」「④社会は、こうした巨大災害に対応できていない」「⑤縦割りの防災行政、司令塔機能の混乱、中央政府と当該自治体の連携不足」「⑥専門家や科学的知見の不足、情報伝達の不備などの問題が浮き彫りになっている」「⑦町村は、財政難や人材難に苦しみ機動的に対応できない」「⑧大災害は、人々の意識や社会システムの変革を迫っている」「⑨農村、都市問わず少子高齢化で地域力が衰退している」「⑩大規模災害のたびに過疎集落は存廃の危機に陥り、国土の荒廃が進むので、防災基点の国づくりこそ百年の計だ」などである。

 ④については、災害の大型化は常態化したので、「想定外」という言葉は通用せず、本当は「想定外」でもなく無視していただけと思われる局面も多い。また、近年は特に、以前よりもゆとりのない設計が多い印象であるため、予報・一時的避難・救済・復旧以前に、巨大災害に適応した街づくりへの迅速な復興が必要なのであり、⑤⑦だから防災庁が必要とはならない。

 また、①②③については、869年に起こった貞観(三陸)地震が参考になる。当時の陸奥国東方沖日本海溝付近を震源域として発生したマグニチュード8.3以上の貞観地震は巨大で、津波の被害も大きく、地震の前後には多くの火山噴火があった。また、貞観地震の5年前の864年には富士山の貞観大噴火も起きており、9年後の878年にM 7.4の相模・武蔵地震(現在の関東地方における地震)が起こり、西日本では前年の868年に播磨地震、18年後の887年に仁和地震(M 8.0 - 8.5、南海トラフ巨大地震と推定)が起こり、一定期間毎に同じことが起こっている。

 ⑥については、専門家に、日本で地震・火山・津波などが一定期間毎に多発する理由の科学的説明をして欲しい。私も大災害が続く理由はわからないが、*3-1、*3-2のように、「火星が地球に大接近し、同時に太陽や月と一直線になる時に地球にかかる引力が最大になり、地球内部のマントルが大きなエネルギーによって揉まれ、温度が上がって流動性が高くなるのではないか?」「そのため陸上だけでなく海底火山の噴火も増え、大型台風が発生しやすくなり、地球温暖化によって海水温が上昇しているため、なかなか衰えないのではないか?」と推測する。

 従って、⑧はそのとおりだが、⑨⑩のように、高齢化と人口減少が同時に起こっている現在、少しでも田畑を広くとるために崖のそばに住んだり、水害の出やすい場所に住んだりするよりも、高齢者は高台のマンションなどに移住して住宅管理や介護の手間を省き、他の人も安全性を重視した環境の良い街づくりを進めるのがよいと考える。

 なお、*2-4-2のように、「首都直下型地震が起これば、荒川や隅田川沿いの下町は壊滅する可能性がある」と書かれているが、海抜ゼロメートル地帯に居住するのは楽天的過ぎると思われ、軟弱地盤や谷底低地に当たるような場所は速やかに公表して対策を取るべきだ。

*1-1:http://qbiz.jp/article/140085/1/ (西日本新聞 2018年9月1日) 概算要求102兆円後半 医療、防衛、国債費が膨張 19年度
 財務省は31日、各省庁からの2019年度予算の概算要求を締め切った。基本的な経費を扱う一般会計の要求総額は過去最大の102兆円台後半に膨張。医療などの社会保障や防衛費が最高額になったほか、借金返済に回す国債費が全体を押し上げた。歳出抑制額の目安を設けないなど肥大化の歯止めを欠き、12月の編成後には当初予算で初めて100兆円の大台に乗る可能性が高まった。19年10月の消費税増税に伴う景気対策や幼児教育無償化などの費用を編成過程で上積みすることも拡大要因になる。来夏に参院選を控えた与党の歳出圧力は強く、暮らしに必要な経費を賄い財政健全化にも配慮するやりくりは険しそうだ。要求段階の100兆円超えは5年連続。国・地方の政策経費は78兆円前後に上り、省庁別では厚生労働省が18年度当初予算比2・5%増の31兆8956億円を占めた。他省庁分を含む社会保障費は医療や介護などの給付が増えて約6千億円多い32兆円超となり、財務省は査定で抑制する方針。防衛省は2・1%増の5兆2986億円を求めた。北朝鮮の脅威に対処する地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の取得関連で2352億円を見込んだ。各省は看板政策を優遇する「特別枠」を使い、増額要求を掲げた。西日本豪雨などを受けた防災分野や働き方改革、訪日客誘致を重視。外国人材の受け入れ拡大に備えた「入国在留管理庁」(仮称)の新設や、皇位継承の予算もある。自治体に配る地方交付税は一般会計ベースで15兆8111億円。政策関連と別にかかる国債費は5・5%増の24兆5874億円。近年は長期金利の低下で利払い費が圧縮されてきたが、今回は18年度要求と同じ1・2%と想定しており、超低金利の財政効果が表れにくくなっている。
   ◇   ◇
●景気優先で規律緩む一方 消費増税対策は別枠
 2019年度当初予算の各省庁からの概算要求総額は5年連続で100兆円を超え、過去最大となった。当初予算には19年10月の消費税増税に向けた経済対策も加わる見込みで、財務省が要求額を絞り込んでも、歳出総額は史上初の100兆円突破となる公算が大きい。目先の景気を優先し、社会保障費の増大にも目をつぶる。緩みっぱなしの財政規律がまたも後回しになりそうな気配が早くも漂う。
「消費税増税にきちんと対応したい。景気後退を招くようでは(10%への増税を)過去2回延期した意味がない」。概算要求締め切りに先立つ8月27日、麻生太郎財務相は予算編成を担う財務省幹部たちにこう訓示した。強調したのは財政規律ではなく、景気への配慮だった。予算編成の最大の焦点は、消費税増税後の消費の冷え込みを避けるための経済対策だ。政府は過去2度の消費税増税時にいずれも景気後退を招いたことを踏まえ、年末までに住宅や自動車の購入支援を柱とした対策をまとめる。関連予算は概算要求とは別枠で乗ることになる。14年4月に税率8%に上げた際の経済対策の規模は約5兆5千億円。日銀の試算では10%への引き上げに伴う家計負担増は年約2兆2千億円だが、与党内には10兆円規模の対策を求める声もある。来年の統一地方選や参院選をにらんだ政治の意向に押されれば、19年度当初予算は18年度当初(97兆7千億円)を大きく上回りかねない。予算の約3分の1を占める医療、介護などの社会保障費を抑制しようという機運も乏しい。厚生労働省の要求総額は過去最大の31兆8956億円。18年度まで5千億円に抑えていた高齢化に伴う社会保障費の伸びは6千億円と見込む。19年度予算編成では18年度までの3年間と異なり、伸びを年5千億円程度に抑える数値目標がない。渡りに船とばかりに他省も増額要求が目立つ。国土交通省は西日本豪雨を踏まえた水害対策などを掲げ、18年度当初予算比19%増の6兆9070億円を要求。防衛省の要求額も、北朝鮮の脅威を理由に装備増強などで過去最大になった。文部科学省も学校へのクーラー設置などで同11%増の5兆9351億円を要求している。企業収益が堅調で税収が増加傾向でも、歳出の2割超を借金返済が占め、歳入の3割超を新たな借金に頼る異常な財政構造は続く見通し。国と地方の借金残高は1千兆円を超え、国内総生産(GDP)の約2倍に達する先進国で最悪の水準。このままでは安倍政権の思惑通りに金融緩和で物価が上昇しても、金利上昇で国債の利払い費がかさみ、財政が行き詰まる恐れがある。9月の自民党総裁選で連続3選すれば、7年目の予算編成となる安倍政権。将来世代に痛みをつけ回す「大盤振る舞い」を改める気配はない。森友学園を巡る決裁文書改ざんなどで信頼を失った財務省が歳出抑制の主導権を握れるか。険しい予算編成になりそうだ。
   ◇   ◇
●「入国管理庁」創設など588億円 外国人就労拡大へ各省要求
 政府が来年4月から、新たな在留資格による外国人労働者の受け入れを拡大する中、各省の来年度予算の概算要求に関連経費が盛り込まれた。法務省は外国人の就労拡大に対応する「入国在留管理庁」(仮称)新設に伴う人件費やシステム改修費など588億円を計上。厚生労働省は外国人材受け入れの環境整備などで100億円を要求した。入国在留管理庁は入国管理局を格上げして設置。外国人の入国審査などを担う出入国管理部と、国内の外国人の生活や日本語習得を支援する在留管理支援部を置く。出入国審査と在留管理体制強化のため計585人の増員も要求している。厚労省は外国人を雇用する事業所への指導体制強化に10億円を要求。外国人技能実習生に対する相談事業の拡充と、企業などが適切に実習生を受け入れているかを検査する体制強化のために68億円、外国人留学生が日本で就職するよう促すため、職場で実施する日本語研修の支援費用などに8億6千万円を計上した。農林水産省は「農業支援外国人適正受け入れサポート事業」として3億8500万円を求めた。日本で即戦力となり得る知識や技能があるかを評価するため、現地で試験を実施する日本の民間団体への支援費用を盛り込み、外国人からの苦情相談窓口の設置も支援する。文部科学省は生活レベルの日本語を学ぶ環境を整えるための新規モデル事業に約3億円を計上。モデル自治体として15程度の都道府県、政令市を公募し、地域の実態を調査したり外国人と自治体などをつなぐコーディネーターを配置したりして先進事例の構築を目指す。

*1-2:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018090701001576.html (東京新聞 2018年9月7日) 政府、地震や豪雨で補正編成へ 1兆円超か、臨時国会冒頭に提出
 政府は7日、北海道の地震や西日本豪雨など相次ぐ災害の復旧費を確保するため、2018年度補正予算案を編成する方針を固めた。秋の臨時国会冒頭に提出する方向で与党と協議する。災害級とされた今夏の酷暑を踏まえ、小中学校のクーラー設置推進費なども想定しており、規模は1兆円を上回る可能性がある。補正予算は例年、税収見積もりの修正などを反映させて12月ごろに編成している。18年度は災害対応を進めた後、年末補正を組むという二段構えで臨むことになる。補正予算案には西日本豪雨による洪水で壊れた河川堤防の修理や土砂崩れの再発防止、北海道の地震の復旧費などを盛り込む。

*1-3:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018090302000176.html (東京新聞社説 2018年9月3日) 膨張する予算 法律で縛ったらどうか
 来年度当初予算案の概算要求は五年連続で百兆円を超え、過去最大を更新した。危機感なき借金まみれ予算をいつまで続けるのか。自ら抑制できないのなら、法律をつくって縛るしかないだろう。財政健全化の国際公約だった「二〇二〇年度までの基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化目標」を六月に断念した直後の予算編成である。当然、厳しい概算要求基準を設けるかと思いきや、今回も歳出上限の設定を見送るなど相変わらずの締まりのなさだ。PB黒字化を実現できなかったのは経済成長率を甘く設定したためだ。成長頼みが通用しないのは明白なのに、いまだ政権が「経済再生なくして財政健全化なし」を基本方針とするのは危機感がなさすぎると言わざるを得ない。毎年繰り返される手法も問題がある。今回も、人づくり革命など政権が掲げる主要政策に優先的に予算を配分する「特別枠」を設け、一八年度より約一割増の四・四兆円に積み増した。歳出にメリハリを付けるのが特別枠の狙いというが、実態は各省庁が便乗して似たような要求を並べ、かえってメリハリを失っていると批判された。この手法がはたして政策効果を上げているのかどうか検証すべきだ。概算要求とは別枠で、一九年十月からの消費税増税の影響を和らげるための経済対策の予算も組む。自民党から十兆円規模を求める声がある。8%から10%に引き上げると税収増は五兆円程度だ。これでは右手で増税し、左手では税収増の倍の額をバラまくようなものだ。一体、何のための増税か分からない。来年は参院選や統一地方選があり、歳出圧力は例年になく強い。査定する財務省は不祥事が響いて弱体化しているのでなおさら心配だ。財政健全化が官僚や政治家任せでは進まないのであれば、法律で強制力を持たせるしかないのではないか。かつては、米国の包括財政調整法(OBRA)などにならい、財政健全化の具体策を盛り込んだ財政構造改革法を定めたこともある(一九九七年)。金融危機など日本経済が不況に直面して凍結されはしたが、欧州連合(EU)をはじめ多くの国・地域が法制度によって財政健全化に努めている。先進国で最悪の借金を抱え、少子高齢化が最も深刻な日本も再導入を検討すべきだ。 

<安全を無視した街づくり>
*2-1-1:https://www.nishinippon.co.jp/nnp/syasetu/article/447633/ (西日本新聞 2018年9月7日) 自然災害続発 「備え」に隙はなかったか
 記録的な猛暑に加え、豪雨、台風禍、そして今度は大地震が列島を襲った。ひと夏にこれだけ自然災害が続くのは異例で、非常事態といってもよかろう。しかし、「想定外」という言葉で済ますわけにはいかない。自然の脅威に対して、私たちの「備え」はなお脆弱(ぜいじゃく)である。その現実を見据え、被災地の支援などに全力を挙げたい。きのう未明、北海道で最大震度7の地震が起きた。強風と高潮で関西空港を閉鎖に追い込むなどした台風21号が過ぎ去った直後のことだった。揺れは広域に及んだ。大規模な土砂崩れや液状化現象による人的被害に加え、道全域が停電して二次被害が広がるなど、かつてない事態が生じた。政府は人命救助と併せ、本州からの送電や電源車両の手配など緊急対応に追われた。電力は言うまでもなく、ライフラインの要である。供給が長時間、広域にわたってストップすれば生活や生産の基盤は損なわれ、影響は計り知れない。まずは全面復旧が急務だが、北海道電力の地震対策や電力の需給管理システムに不備はなかったのか、詳しい検証を進める必要があろう。一方、地震直前の台風禍で関西空港が機能不全に陥ったのも衝撃的だった。滑走路が水没した上、強風で流されたタンカーが連絡橋に衝突し、多数の乗降客らが孤立する状況に陥った。海上に立地する同空港を巡っては、地盤の軟弱さや高潮対策の難しさが指摘されていた。今回は高潮とタンカーの衝突が重なり「想定外の事案」とされるが、当初3千人と伝えられた孤立した人の数が、時を追って5千人、8千人と変遷するなど危機管理の甘さが露呈した。九州の北九州、長崎両空港を含め、海上や海沿いに立地する全国各地の空港の災害対策も再点検すべきだろう。今夏の災害を振り返ると、6月の大阪府北部地震では、私たちの身近にあるブロック塀の倒壊で女子児童が死亡する惨事が起きた。ブロック塀の保守・点検の必要性は過去の震災で指摘されながら、全国的に進んでいない実態が明らかになった。岡山県で大規模な洪水が起きるなどした7月の西日本豪雨では、河川の改修工事が行き届いていなかったり、洪水の危険性を知らせるハザードマップが浸透していなかったり、基本的な対策の不備が指摘された。地震や火山噴火の予知は依然難しい。近年まれな気象現象が列島に災害をもたらしてもいる。自然は常に私たちの「想定」の隙を突いてくる。改めてそう胸に刻み、決して終わりのない「備え」に努めたい。

*2-1-2:http://qbiz.jp/article/140486/1/ (西日本新聞 2018年9月10日) 死者40人、捜索を終了 安否不明者なくなる、北海道地震
最大震度7を観測した北海道の地震で、道は10日、死者は40人になり、安否不明者はいなくなったと発表した。不明者の捜索が続いていた厚真町は、捜索を終了したと明らかにした。道内では電力の供給不足を補うため、節電の取り組みが本格化。北海道電力は、地震前の需要ピーク時に電力供給力が追いついていないとして、計画停電も検討している。官公庁や公共交通機関は、照明の減灯や運行本数の削減などを始める。道などによると、9日に安否不明だった2人が厚真町で見つかり、それまでに心肺停止で発見されていた2人と合わせ、4人の死亡が確認された。10日午前2時すぎにも同町の土砂崩れ現場で最後まで安否が分からなかった男性(77)が心肺停止の状態で見つかり、その後死亡が確認された。厚真町の死者は36人で、札幌市、苫小牧市、むかわ町、新ひだか町で各1人。同日午前10時現在で避難者は約2700人、断水は約8千戸。高橋はるみ知事は9日の記者会見で、平常より2割の電力削減が必要とした上で「大変に厳しいが、計画停電や再度の停電が生じれば、復旧途上にある暮らしや企業活動への影響は大きい」と道民や企業に協力を求めた。北海道と経済産業省は10日、地元の経済団体などとつくる連絡会を開催。効果的な節電方法について話し合う。道や札幌市は所有する施設で冷暖房やエレベーターなどの使用を抑制。JR北海道は札幌と旭川、室蘭を結ぶ特急の一部を運休する。札幌市営の地下鉄や路面電車も日中に運行本数を減らす。6日の地震で北電の最大の火力、苫東厚真火力発電所(厚真町)が停止し、電力需給バランスが崩れ、道内全域の約295万戸が一時停電。北電は苫東厚真の復旧に1週間以上かかる可能性があるとしており、供給不足が長期化する恐れがある。安倍晋三首相は9日の地震の関係閣僚会議で、死者数について「これまで42人の方々が亡くなられた」と述べた。

*2-1-3:https://digital.asahi.com/articles/ASL6Q4R1DL6QULBJ008.html?iref=comtop_8_02 (朝日新聞 2018年6月26日) 大地震のリスク、北海道南東部が上昇 18年版予測地図
 政府の地震調査研究推進本部は26日、今後30年以内に特定の地点が強い揺れに見舞われる確率を示す「全国地震動予測地図」の2018年版を公表した。震度6弱以上の確率は、北海道南東部で前年と比べて大きく上昇した。地図は地震の起きやすさと地盤の揺れやすさの調査をもとに作製。確率はすべて今年1月1日時点。政府が昨年末に見直した、千島海溝沿いの地震活動の評価を反映し、マグニチュード(M)8・8程度以上の超巨大地震などを考慮した。新たなデータを反映した結果、釧路市で69%(前年比22ポイント増)、根室市78%(15ポイント増)、帯広市22%(9ポイント増)などった。プレート境界で起きる大地震は100年前後の間隔で繰り返し発生する。南海トラフは前回発生した1940年代から70年以上経っており、東海から四国の太平洋側や首都圏は、静岡市70%、名古屋市46%、大阪市56%、高知市75%、千葉市85%など、前年同様に高い確率になっている。一方、活断層による地震は、プレート境界で起きる地震と比べて一般的に発生間隔が長く、陸域や日本海側の確率は新潟市13%、福岡市8・3%など、太平洋側に比べて低い。ただ、確率が低くても過去に大きな地震は発生している。18日に発生した大阪北部地震で、震度6弱を観測した大阪府高槻市は22・7%だったが、同本部地震調査委員長の平田直・東京大教授は「震度6弱以上の揺れが起きる確率がゼロの地域は全国にどこにもない。家庭や職場で備えを進めて欲しい」としている。予測地図は、防災科学技術研究所がつくるウェブサイト「地震ハザードステーション」(http://www.j-shis.bosai.go.jp/別ウインドウで開きます)で閲覧できる。任意の地点の発生確率や、地震のタイプ別の確率の違いなどを見ることができる。(

*2-2-1:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180914&ng=DGKKZO35322970T10C18A9TJN000 (日経新聞 2018.9.14) 猛烈な南風 高潮を増幅、台風21号で関空が冠水
 非常に強い台風21号の影響で、大阪湾沿岸を中心に記録的な高潮になり、関西国際空港(大阪府泉佐野市)の滑走路が冠水するなど大きな被害が出た。複数の要因が重なったが、特に南よりの猛烈な風が南西に開いた大阪湾の岸に吹きつけた影響が大きいという。大阪湾は高潮が起こりやすい。関空は護岸のかさ上げなどで対策を進めてきたが「140年に1度」という想定を超える高潮には、なすすべがなかった。台風21号が通過した4日、大阪市で3メートル29センチ、神戸市で2メートル33センチの潮位を記録した。いずれの地点も、死者194人を出した1961年の第2室戸台風時の潮位を上回った。国内最悪の高潮被害を出した1959年の伊勢湾台風での名古屋市の3メートル89センチ、2012年の台風16号で有明海に面する佐賀県太良町で観測した3メートル46センチに次ぐ水準だ。京都大学防災研究所准教授の森信人さんが各地の潮位データをもとに解析すると、大阪市南部から神戸市付近まで大阪湾奥の広い範囲で高さ3メートルに迫る高潮が発生していた。大阪湾の沿岸地域は第2室戸台風のほか、1950年のジェーン台風、1965年の台風23号などで大きな被害にあっている。森さんは「高潮発生リスクが高く危険な地域だ」と指摘する。
●気圧低下も要因
 高潮は台風などの強い低気圧が通過する際に、海面が高くなって波が岸へ押し寄せてくる現象だ。台風は周囲よりも気圧が低く、上昇気流によって掃除機に吸い上げられるように海面が上昇する。気圧が1ヘクトパスカル下がると、海面は1センチ上昇するとされる。さらに岸に向かって吹く強い風で海水が吹き寄せられ、海面が上昇する。風の威力は大きく、風速が2倍になれば海面の上昇幅は4倍になる。大阪湾を通過したころの台風21号の中心付近の気圧は950ヘクトパスカルほど。午後1時半すぎ、関西国際空港で瞬間風速が58.1メートルを記録した。猛烈な高潮になったのは、こうした要因がそろったからだ。京大の森さんの解析では、気圧低下の影響で海面が60~70センチ上昇した。満潮が近づいていたため、いつもより50センチ高かったという。ここに南西から南南西の猛烈な風が吹いたことで「さらに2メートルほど潮位が上昇した」。大阪湾では午後1時から2時にかけて、風向きが東よりから南よりに変わったタイミングで各地の潮位が上昇した。もし、台風21号の接近が一週間ずれていたら、潮位が最も高くなる大潮の時期と重なった。森さんは「潮位はさらに1メートル20センチほど高くなり、大きな被害を出した可能性が大きい」と警鐘を鳴らす。
●不十分だった対策
 高潮で最も深刻な被害を受けたのが関西国際空港だ。2本あるうちのA滑走路が水没し、第1ターミナルが水浸しになって停電した。海水は高潮や津波対策としてかさ上げした護岸を30センチほど乗り越えていた。暴風で流されたタンカーによって連絡橋が大きく損傷し、追い打ちをかけた。関空を運営する関西エアポートの担当者は5日夜の記者会見で「備えていたつもりだったが、甘かった。高潮は想定を超えていた」と説明した。だが、対策は十分だったとはいえない。関空のある人工島は軟らかい地盤にあり、地盤沈下が深刻だ。A滑走路は1994年の開港時から約3メートル40センチ沈んでおり、海面からの高さは最も低いところだと1メートル40センチほどだ。今も年に6センチほど沈んでいる。護岸のかさ上げは地盤が沈下した分を補っているにすぎない。護岸を高くするには、航空法の規制がある。むやみに護岸を高くすれば、航空機が着陸する際に邪魔になる。滑走路全体をかさ上げすれば解決するが、巨額の費用がかさむうえに工事中は便数を減らす必要があり、実現は難しい。地球温暖化が進むと海面の上昇が進むとされる。そうなると高潮のリスクは高まる。京大の森さんの研究によると、現在よりも気温が4度上昇すると、大阪湾で第2室戸台風に匹敵する2.5メートル以上の高潮が発生する頻度が増す。森さんは「台風による高潮は常に起こりうるリスクだと認識すべきだ」と呼びかける。

*2-2-2:https://digital.asahi.com/articles/ASL984TZRL98UTIL01Y.html?iref=comtop_8_03 (朝日新聞 2018年9月8日) 開墾してできた厚真町、覆った土砂 「ショックな光景」
 厚真町は、南端で太平洋に面する。海岸へと広がる地形と厚真川水系を生かした米づくりで知られる。海岸沿いには、今回の大停電のきっかけになった北海道電力の苫東(とまとう)厚真火力発電所がある。そんな町を震度7の揺れが襲った。死亡と心肺停止を合わせると33人(8日午後9時現在)。いずれも北部の山間地の集落だ。町長の宮坂尚市朗(しょういちろう)さん(62)の家は南部にある。地震後、自宅を出てから町役場まで、一見して大きな被害はなさそうに見えた。だが、テレビに映った北部の映像に言葉を失った。とりわけ被害が大きかったのは、34人が暮らす吉野地区だ。死亡と心肺停止を合わせて17人。広い土地にもかかわらず、民家が集まって立っていた。「町の初期に、発展の中心になった場所だからでしょう」と宮坂さんは言う。町のホームページによると、明治3年に新潟から移り住んだ人が原野を切り開いて小屋を建て、明治17年に北部も開墾したのが旧厚真村の始まりとされる。この町で生まれ育った農家の日西善博さん(65)は、地震当日にヘリで救助され、土砂崩れの状況を上空から見た。「あんな景色は生まれて初めて。緑の山林があるはずが、粘土層と赤土が見えて、ショックな光景だった」。8日までに、大半の世帯で電気は復旧した。だが、水道や通信網が元に戻るには、相当の時間が見込まれる。「全町民が被災者」と宮坂さんは言う。いま役場には、自衛隊や警察の車両が駐車場に並び、24時間、慌ただしく人々が出入りする。町長室で取材に応じた宮坂さんは、「長い戦いになる」と言った。

*2-3-1:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180902&ng=DGKKZO34840540R30C18A8MM8000 (日経新聞 2018.9.2) 浸水想定域に住宅誘導、まち集約の自治体9割で 防災後手、計画の再点検を
 西日本豪雨などで洪水被害が相次ぐ日本列島。天災への備えが一段と求められるなか、まちの集約計画を掲げる主要な自治体の約9割で、浸水リスクの高い地区にも居住を誘導していることが日本経済新聞の調べで分かった。こうした地区にはすでに住宅が集まっているケースもあり、都市の効率向上と災害対策を両立させる難しさが浮き彫りになった。まちづくりと防災対策を擦り合わせ、集約計画を再点検する必要がある。全国でコンパクトシティー形成をめざす「立地適正化計画」の策定が進んでおり、120以上の市町が居住を誘導する区域を設定している。都市密度を高めて1人あたりの行政費用を抑えるためで、区域外の開発には届け出を求めている。一方で各自治体は洪水時の浸水予測をハザードマップなどで公表。1メートル以上の浸水であれば一戸建ての床上、3メートル以上であれば2階まで浸水する恐れがあるとされる。
●「床上」リスク高く
 日本経済新聞は居住誘導区域を3月末までに発表した人口10万人以上の54市を対象に、調査表や聞き取りを通じて浸水想定区域との重なり具合を調べた。その結果、全体の89%となる48市で1メートル以上の浸水想定区域の一部が居住誘導区域となっていた。うち45市は大人の身長に近い2メートル以上の区域とも重なっていた。「床上浸水リスクは避けたほうがいい」。名古屋市の立地適正化計画を検討した有識者会議のある委員はこう主張した。3月にできた計画を見ると、庄内川沿いの広範囲で1メートル、2メートル以上の浸水の恐れがあるのに居住誘導区域となっている。市の原案に対し、「リスクが高い地区に誘導する必要があるのか」との異論は根強くあったが、既に市街地が形成されていると主張する市の事務局が押し切った。浸水想定3メートル以上の地区は外した。都市計画課は「2階に避難できるかどうかで判断した」と説明するが、足腰の悪いお年寄りが階段をのぼるのは難しい。市の都市計画審議会会長を務める名城大の福島茂教授は「5年ごとに計画を評価する。合意形成を進めて区域を見直せばいい」と語る。市によっては大きな河川のそばで、浸水想定区域をすべて避けるとまちづくりが成り立たない事情もある。信濃川に沿って街並みがある新潟県長岡市は居住誘導区域のほぼ全域が0.5~5メートルの浸水想定区域と重なる。淀川に面する大阪府枚方市も85%程度で1メートル以上、約6割で3メートル以上の浸水リスクがある。都市計画課は「浸水想定区域を除くのは極めて困難。洪水リスクの事前周知や避難体制の整備など対策を進める」と説明する。多くの自治体は防災対策を施せば浸水リスクを軽減できると主張する。だが、立地適正化計画をつくる段階で、都市整備と防災の部署がどこまで細部を擦り合わせたか。東日本のある自治体の防災担当は「居住誘導区域の詳細が分からない」と回答。都市整備担当も浸水想定区域との重複度合いについて「細かく把握していない」という。居住誘導区域に占める1メートル以上の浸水想定区域の割合は、高知市のように1%と低い市もあるが、多くが「把握していない」(千葉県佐倉市、神奈川県大和市、大阪府高槻市など)と答えた。
●西日本豪雨で被害
 西日本豪雨で被害を受けた広島県東広島市では居住誘導区域で浸水があった。一部は浸水リスクが指摘されていた。都市計画課は「誘導区域が今のままでいいとは思わないが、被害対策が最優先で都市計画の議論に着手できていない」という。「居住誘導区域内の浸水想定を詳細に分析すべきだ」と訴えるのは土木工学に詳しい日本大学の大沢昌玄教授だ。リスクの度合いに応じて防災対策の優先順位を決めやすくなるという。そのうえでリスクが高い地域については「誘導区域からできるだけ除外したほうがいい」と強調する。

*2-3-2:https://digital.asahi.com/articles/DA3S13677813.html?ref=pcviewpage (朝日新聞 2018年9月14日)液状化「なぜ自分の家が」 新築に「危険」判定 北海道地震
 北海道地震で、札幌市のベッドタウンが液状化による大きな被害を受けた。道路が陥没したり、マイホームが大きく傾いたりした光景に、住人らはショックを隠せない。専門家は、かつてあった川沿いに被害が集中していると分析し、二次被害に注意を呼びかける。札幌市東部にある清田区里塚地区は、1970年代後半から住宅地として整備されてきた。この地区で暮らす建設業の清本翔馬さん(27)は、昨年建てたばかりの2階建て住宅が市の応急判定で「危険」とされた。妻の紗耶佳(さやか)さん(28)と「なぜ自分の家が」と頭を抱えている。6日未明、翔馬さんは激しい揺れで目が覚めた。恐る恐る外に出ると、雨が降っていないのに水が激しく流れる音がする。自宅前の道路が背丈ほど陥没し、濁流となっていた。40年ローンで建てたマイホーム。加入する地震保険では、建築費の3分の1しかカバーできない。「先は見えないが、親も里塚で暮らし、自分が生まれ育った場所。またここで暮らしたい」と翔馬さんは話す。市宅地課によると、里塚地区は河川を覆って地下に水路を残し、周辺から削った土砂で造成されたという。被害が大きかった地域は約5ヘクタールに及ぶ。市が7~12日に実施した応急危険度判定では、里塚地区などの計539件中、倒壊の恐れがある「危険」は85件、「要注意」は88件あった。同じ里塚地区でも、被害には大きな差が現れた。清本さん宅から直線距離で約200メートル離れた近藤陽子さん(43)宅は食器が落ちた程度で、液状化の影響をほとんど受けなかった。「同じ里塚なのに別世界のよう。私たちは被害が少なかったけれど、避難する方や陥没した道路を見るたびに、里塚の傷の大きさを痛感しています」
■被害、以前の川沿いに集中
 北海道大の渡部要一教授(地盤工学)は地震直後に札幌市清田区里塚周辺の現場に入り、地面の陥没や隆起、土砂が噴き出している様子などを調査した。12日、朝日新聞がチャーターしたヘリコプターに同乗し、現場周辺を目視した。渡部教授によると、現場周辺はかつて田んぼが広がり、川も流れていた。今回、被害が大きかった住宅や公園は、かつて流れていた川沿いに集中していることが上空からも確認出来たという。「地震による液状化で流動化した地盤が、土砂となってかつての川に沿って地下で動き、それが一気に地上にあふれた。そこに水道管の破裂によって生じた水が加わったことで、泥水が道路を冠水させたと考えられる」。渡部教授は「もし、仮説通りの液状化が起こっているとすれば、土砂が流れ出た後の地下の地盤は空洞化している恐れがあり、現場周辺では陥没などの地盤の変化を注意深く見守る必要がある」と話している。

*2-4-1:https://www.agrinews.co.jp/p45166.html (日本農業新聞 2018年9月13日) 大災害時代 「人と社会」の変革迫る
 北海道地震から1週間。近年、災害が大規模化し、繰り返し列島を襲う。異常が常態となり、「想定外」は通用しない。専門家は大型災害が多発する「危険サイクル」に入ったと警告する。大災害時代の防災、減災対策は今や国家的課題だ。大災害は、人々の意識や社会システムの変革を迫っている。災害は、地震や風水害だけではない。口蹄(こうてい)疫や鳥インフルエンザ、豚コレラなどの家畜伝染病、凶悪テロなどの犯罪も含む。災害は社会や経済状況を映す。自然災害も例外ではなく、地球温暖化の進展と比例して猛威を振るう。少子高齢化や過疎集落の増加、地域コミュニティーの弱体化など社会・産業構造の変化も被害を拡大させ、復旧・復興の長期化を招いている。北海道地震では、電源の一極集中が広域停電を引き起こした。半世紀にわたって防災・復興の研究と実践に携わる、室崎益輝・兵庫県立大学教授(減災復興政策研究科長)は、平成に入って災害が多様化し大規模化していると言う。地震が活動期に入り、水害などと連動し複合災害を引き起こしやすくなっていると指摘。「災害が多発する危険周期に入った」と警告する。事実、平成30年間の主な自然災害を見ると、北海道南西沖地震(1993年)、阪神・淡路大震災(95年)、新潟県中越地震(2004年)、そして未曽有の東日本大震災(11年)。近年も熊本地震(16年)、九州北部豪雨(17年)と続き、今年も大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、北海道地震と頻発する。問題は社会の側が、こうした巨大災害に対応できていないことだ。縦割りの防災行政、司令塔機能の混乱、中央政府と当該自治体の連携不足、専門家や科学的知見の不足、情報伝達の不備などの問題が浮き彫りになっている。加えて本来、防災・復旧・復興の当事者であるはずの市町村は、財政難や人材難に苦しみ機動的に対応できない。道路や橋、河川などインフラの老朽化も被害に拍車を掛ける。さらに目を向けなければならないのが、農村、都市問わず少子高齢化でコミュニティー機能が弱っていることだ。地域力の衰退は、共助の弱体化に直結し、被害の拡大を招く。大規模災害のたびに過疎集落は存廃の危機に陥り、国土の荒廃が進み、さらなる災害の引き金となる負の連鎖が止まらない。災害は社会の弱点や矛盾を映す。災害対策基本法など法制度の充実強化はもとより、防災教育、予防対策、初期対応、復旧・復興に向けて省庁の壁を越えて横断的に取り組む体制が不可欠だ。併せて、災害に強いインフラ整備に予算を重点投入すべきである。そして地域振興や1次産業の活性化は、国土防災につながるという視点が必要だ。地域の防災力を高めることが、大災害時代を生き抜く術になる。防災基点の国づくりこそ百年の計だ。

*2-4-2:https://news.nifty.com/article/domestic/society/12151-14868/ (niftyニュース 2018年2月28日) 首都直下型地震が起これば荒川や隅田川沿いの下町が壊滅する可能性
①東京都は首都直下型地震に備え、危険度を5段階にランク付けしたマップを公表した
②荒川や隅田川沿いなど、下町エリアに危険度が高い地域が集中しているという
③しかも、直下型を想定したこのマップでは、津波の被害が考慮されていないらしい
■「下町が壊滅する!」直下型地震で地獄と化す東京都ゼロメートル地帯
 2月15日、東京都は4年半ぶりに“危険度ランク”を発表。いつ発生しても不思議ではない首都直下型地震に備え、町や丁目で区切った5177カ所を対象に、危険度を5段階にランク付けしたマップを公表した。それを見ると、危険度が高い地域が下町エリアに集中していることが一目瞭然。荒川や隅田川沿いの下町に広がる軟弱な地盤や谷底低地に当たる場所は、地震が起きた際に揺れが増幅されやすく、しかも古い木造住宅が密集しているためだ。防災ジャーナリストの渡辺実氏は言う。「東京都は震災対策条例にもとづいて、1975年から約5年ごとに地震に対する建物倒壊や火災などの危険度を調査、公表してきました。しかし、開発が進んでいる地域では建物の耐震化が進んで評価が上昇しているのに対し、荒川、隅田、足立区では高齢化が進み、建て替えをしようというエネルギーもないというのが実状なんです」。木造住宅が密集している環状7号線の内側を中心としたドーナツ状のエリアや、JR中央線沿線でも火災危険度が高い。「首都直下型地震の際は帰宅難民の大量発生が指摘されていますが、都心から郊外の自宅へ帰宅する際、環状七号線一帯の火災により、都心へ戻る人が出てくる。それが新たな帰宅難民とぶつかることで、さらなる混乱も予想されます。そこへ、関東地震(1923年)の時に発生したような火災旋風が襲う可能性もあるのです」(同)。ただ、8回目の作成となった今回のマップでは、耐震性の高い建物への建て替えや、耐震改修工事などが反映され、倒壊危険度は前回に比べ平均で約20%低下している。また、火災の危険度では、延焼時間の想定が6時間から12時間にまで伸びたが、不燃性の建材を使った建物が増えたことや道路の拡幅工事、公園整備などが進んだ結果、リスクは平均約40%低下したという。しかし問題は、直下型を想定したこのマップでは、津波の被害が考慮されていない点だ。特に23区の東部にはゼロメートル地帯が広がっている。巨大地震の際は、ここに大きな水害が出る危険があるという。渡辺氏が続ける。「東京湾の満潮面より低い、いわゆるゼロメートル地帯が、墨田区、江東区に広がり、23区の面積の約20%にも及びます。そしてそこに、約150万人が生活をしている。考えておかなければならないのは、満潮時に地震が来た時です。火災や揺れで住民が動揺しているところへ、地震により防潮堤が破壊され大量の水が流れ込む。そうなった場合は、想定外の大パニックとなる可能性があるのです」。怖い順の格言である「地震雷火事親父」の親父の部分はかなり怪しくなってきたが、東日本大震災の恐怖は未だ脳裏から離れない。首都直下地震は30年以内に7割の確率で起こると言われているが、それは明日にもやってくるかも知れないのだ。

<火星の話>
*3-1:https://digital.asahi.com/articles/ASL7B5V8VL7BULBJ00Y.html (朝日新聞 2018年7月23日) 火星が大接近 観察は8月が狙い目、小型望遠鏡で模様も
 火星が31日、地球に大接近する。火星はおよそ2年2カ月ごとに接近するが、6千万キロ弱まで近づくのは15年ぶりだ。観察しやすいのは8月で、小型の望遠鏡でも模様が見える。近年は水の痕跡など、探査機による発見も相次いでいる。火星大接近を控えた先月16日、東京・中野にある光学メーカー「ケンコー・トキナー」本社で、望遠鏡の選び方や使い方を紹介する体験会が開かれた。親子連れら約20人が参加。光学デモンストレーターの渡辺一生さんが「火星は今回、土星と同じくらいの大きさに見える。鏡の直径が8センチクラスの望遠鏡でも模様が見えそう」と説明すると、参加者は「撮影には何が必要か」などと熱心に質問していた。父親と来ていた小学6年の男の子(11)は「望遠鏡の使い方のコツが分かったので、火星だけじゃなく木星や土星も見てみたい」と楽しみにしていた。火星は地球のすぐ外側の軌道を回っていて、地球はおよそ2年2カ月ごとに内側から追い越している。この時に最も近づくが、火星の軌道は地球より楕円(だえん)の度合いが強いため、接近する距離は毎回異なり、6千万キロより近づく「大接近」があったり、1億キロまでしか近づかない「小接近」があったりする。2003年の距離は5600万キロ弱で、「6万年ぶり」とも言われた超大接近だった。この夏の火星大接近は5800万キロ弱と、03年に匹敵する近さだ。「大シルチス」という表面の黒い模様や、ドライアイスなどでできた南北の極冠の様子も望遠鏡で見やすくなる。ただ、火星では今年5月に大規模な砂嵐が発生して、模様が広範囲で覆われる状態が続いている。砂嵐が収まるのはしばらく先になりそうだ。また、7月だとまだ火星が夜遅くにしか上がってこないこともあり、国立天文台も「観察しやすいのは8月や9月」として、観望会もその時期に予定している。
●火星の地下に氷残る?
 火星の大きさは地球と月の間くらいだが、地形は極めてダイナミックだ。最高峰のオリンポス山は高さ26キロで、太陽系で最大の山と言われる。すそ野の広がりは600キロに達する。東京―岡山間よりも長い距離だ。また、米探査機が発見したマリナー渓谷は全長5千キロ、幅100キロに及ぶ。地球によく似た特徴もある。1日の長さはほとんど同じ約24時間40分。地軸の傾きもほぼ一緒で夏や冬がある。地球の100分の1の大気圧とはいえ大気がある。気温は平均マイナス55度だが、夏には20度を超すことがある。氷が溶けて液体の水が存在できる温度だ。実際、1996年に打ち上げられた米探査機「マーズ・グローバル・サーベイヤー」が、地下からしみ出た水が地表を流れたように見える地形を上空から撮影した。今も地下に氷が残っているのではないかという期待が高まっている。最近の研究では、地球で生命が生まれた40億年ほど前、火星にも大量の水があったらしいことが分かってきた。であれば、微生物やその痕跡が残っていても不思議ではない。だが、火星の海は消え失せ、赤茶けた大地が広がる荒涼とした世界になった。米航空宇宙局(NASA)のジェイムズ・グリーン博士は5月に来日した際、「火星で起きたことは地球でも起こりうる。地球の運命がどうなるのかを理解するためには、火星を調べることが近道だ」と語った。
●各国が探査
 火星探査はかつて米ソが覇を争ったが、近年は日欧も計画を本格化させている。先陣を切ったのは旧ソ連だ。60年以降、探査機「マルス」シリーズを次々と打ち上げた。だが、軌道に乗せることが難しく、失敗が続いた。初めて火星を近くから撮影したのは65年の米探査機「マリナー」4号だった。さらに、米国は76年に、「バイキング」1、2号の着陸機を軟着陸させた。初めて地表の鮮明な写真が撮られ、大気も観測した。地表では現在、米国の探査車「オポチュニティー」と「キュリオシティ」が活動している。NASAは今年6月、キュリオシティが火星の岩石から炭素や水素を含む有機物を発見したと発表。しかし、生命がいた直接的な証拠は未発見だ。NASAは5月には火星の地中を掘って地質などを調べる着陸機「インサイト」も打ち上げた。将来的には火星の岩石を地球に持ち帰ったり、有人探査をしたりする野心的な計画を立てている。欧州宇宙機関(ESA)もロシアと協力し、火星の本格探査を始めた。16年に打ち上げた探査機は軌道投入に成功。20年には探査車を打ち上げる予定だ。日本も探査機「のぞみ」を1998年に打ち上げたが軌道投入に失敗。リベンジを計画している。狙うのは火星本体ではなく、二つある衛星「フォボス」と「ダイモス」だ。小惑星探査機「はやぶさ」で磨いた試料採取の技術などを応用し、どちらかの衛星から石や砂を持ち帰る火星衛星探査計画(MMX)を進めている。打ち上げは2024年度の予定だ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の川勝康弘・プリプロジェクトチーム長は「どういう小天体に水や有機物が多く含まれ、惑星に物質を運んだのかを突き止める手がかりにしたい」と話す。
●NASAの有人探査計画
 NASAは2030年代に宇宙飛行士を火星に送り込む探査を計画している。まず月の周りに宇宙ステーションを建設。そこを中継基地にして火星に向かう。ただ、片道でも1年ほどかかるため、飛行士の健康管理や被曝(ひばく)対策、事故への備えなど課題は尽きない。費用も巨額になりそうだ。

*3-2:https://digital.asahi.com/articles/ASL7S7GV8L7SULBJ01G.html (朝日新聞 2018年7月26日) 火星、氷床の下に大量の水? 「生命生き残れる環境」
 火星の南極にある氷床の下に大量の水をたたえた「湖」が存在する可能性が高いと、イタリア国立宇宙物理学研究所などのチームが25日、発表した。「生命が生き残れる環境だ」という。27日発行の米科学誌サイエンスに論文が掲載される。太陽から平均約2億2800万キロ離れた火星には、地球の約100分の1の大気があり、生命の「材料」とされる有機物も岩石から発見されている。約40億年前は大量の水に覆われていたと考えられ、現在も北極や南極周辺に氷床が残っている。研究チームは、欧州宇宙機関(ESA)の探査機「マーズ・エクスプレス」が2012~15年に得た南極周辺の観測データを分析。電波の反射具合から、厚さ約1・5キロの氷床の下に、水とみられる層が幅20キロにわたって湖のように存在することがわかった。水がある氷床の底の温度は零下約70度と推定されるが、塩分が濃いことや氷床の圧力がかかっていることで液体のまま存在できているらしい。研究所のロベルト・オロセイ氏は「生命にとって好ましい環境ではないが、水中では単細胞生物などが生き残れる可能性がある」としている。地球外での水の存在は、木星の衛星「エウロパ」や土星の「エンケラドス」などでも予想されているが、火星はより太陽に近く、光や熱で生命活動の元になる化学反応が起きやすい。宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の臼井寛裕教授(岩石学・地球化学)は「火星に水があるなら、地球と似た生物がいる可能性が高まったと言える」と話している。

<復興と防災>
PS(2018年9月18日追加): 本文に私が、「高齢化と人口減少に直面していることを活用して、高台にケアしやすいマンションを作って危険度の高い地域から移転する都市計画」等と記載したのは、*4-1のように、多様な世代が暮らしやすい街を高台に作って移り住むことだ。こういう街への転居なら、生活がより安全で便利になるので、移転する人も満足できるだろう。
 また、*4-2のように、旧耐震基準で建てられた大型施設の1割に倒壊リスクのあることが明らかになったそうだ。そして、*4-3のように、台風21号による飛来物や倒木がぶつかったことで、福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山の2府5県で、電柱600本以上が折れる被害が出て6日間24万戸超が停電したが、電線地中化や分散発電が進んでいれば、毎年来る台風でこのように多くの人が停電の不便を味わう必要はなかった筈である。
 さらに、*4-4のように、溜池の危険性が西日本豪雨などで浮き彫りになり、地震による決壊も続発しているそうだ。確かに、政府は溜池の補強を急いで防災と安全機能を高めるべきで、溜池に農業用電力を発電する小水力発電設備を取りつけてもよいと思われる。
 なお、都会でも、*4-5のように、南海トラフ巨大地震発生時に震度6弱以上の揺れが想定される地域を含む24府県にある37国立大のうち、保有する研究機器や歴史的史料を保護するための防災計画を策定している大学は4分の1に留まるそうだ。貴重な研究機器や史料は大学に限らず保管されていると思うが、近いうちに首都直下型地震が起こるとされている関東は準備ができているのだろうか。

*4-1:http://qbiz.jp/article/140105/1/ (西日本新聞 2018年9月3日) 旧公団 ついのすみかに 北九州市小倉南区 徳力団地に医療と福祉拠点 多様な世代が暮らす街へ
 小倉南区、徳力団地−。1960年代半ばに開発された約2300戸のこの旧公団住宅の一角に診療所と特別養護老人ホーム(特養)を併設した「メディカル&ケアとくりき」が8月1日、オープンした。「お父さん。私が毎日来られるようになって、よかろう」。入所者の家族、所紀世子さん(79)が話し掛けると「まあ、気持ちはいいよ」と車いすの夫、泰政さん(84)は照れくさそうにうなずいた。徳力団地に約20年前から住む所夫婦に転機が訪れたのは約10年前だった。泰政さんが脳出血で倒れ体が不自由になった。典型的な「老老介護」で夫の面倒を見続けた紀世子さんは介護7年目でついに倒れてしまった。介護疲れ。1カ月の入院生活を送り限界を悟った。泰政さんは宗像市の有料老人ホームに入所し、その間、紀代子さんは足の不調を覚え手術を受けた。入所していた約3年間、泰政さんの元に通えたのは5回ほどだった。泰政さんの体調も悪化した。「よその土地には、なじめんやった」と泰政さんは振り返る。メディカル&ケアとくりきに入所できた今、紀世子さんは自宅からつえをつきながら通える。「夫も明るく元気になった。友達もいる団地に住み続けられて助かる」。紀世子さんに笑みがこぼれた。
   ◆    ◆
 高度経済成長期の60〜70年代、都市部への人口集中に伴って大規模化していった旧公団住宅は急速に住民が高齢化している。都市再生機構(UR)が管理する1500団地73万戸を対象に2015年に実施した調査では住人の平均年齢は51・2歳で、65歳以上の割合は34・8%に上り、15歳未満は8・6%にとどまった。5年で平均年齢は4・6歳上昇し、高齢化率は9・7ポイント上がった。一方15歳未満の割合は2・2ポイント下がった。URは自治体などと協力し、メディカル&ケアとくりきのような医療と福祉を合わせた複合型拠点を2025年度までに150カ所設置する。14年度から始まり、全国各地で現在133団地で着手や検討が進む。九州では北九州市や福岡市、宗像市の8団地で病院を誘致するなど複合型拠点づくりに取り組んでいる。こうした複合型拠点の開設は、戦後の第1次ベビーブーム期に生まれた「団塊の世代」が75歳以上になる25年度をめどに住まいや医療、介護などの生活支援を一体的に提供する「地域包括ケア」を構築する国の政策にも沿う。URは「(旧公団住宅での)医療と福祉の複合型拠点形成を多様な世代が暮らせる街づくりの先行事例にしたい」と意欲を見せる。
   ◆    ◆
 高齢になっても住み慣れた地域で医療や介護、生活支援サービスを一体的に受けられる地域包括ケアの重要性にいち早く着目したのがメディカル&ケアとくりきの山家滋院長だった。住民基本台帳では3月現在、徳力団地は65歳以上が41%を占め、80歳以上11・4%、85歳以上でも4・8%に上る。自治会が実施した調査では80歳以上の独居高齢者は120人以上いた。50年以上にわたって同団地内で診療所を開いてきた「徳力団地診療所」は以前から往診も実施してきた。01年に診療所を引き継いだ山家院長は、50人以上の往診患者を抱えるうちに入院高齢者に比べ、回復が早く症状が緩和することを実感するようになった。「療養環境の変化はやはりストレスが大きい。自宅と変わらない風景と近所づきあいが続くことで患者の負担感が全然違うと気がついた」。山家院長は小倉南区の社会福祉法人「菅生会」の理事長も兼ねることになり、URに協力を要請。医院と社会福祉法人の協業による拠点開設にこぎ着けた。団地敷地内にあった診療所を4階建てビルに建て替え。無床の診療所、特養29床と併設ショートステイ10床が入居し地域との交流スペースもある。団地や近隣の高齢者たちが次々に入所している。

*4-2:https://digital.asahi.com/articles/DA3S13556772.html (朝日新聞 2018年6月26日) 震度6強―古い大型施設、1割倒壊リスク 学校や病院1万棟、国交省集計
 旧耐震基準で建てられた、病院や小中学校といった規模が大きい全国の建物1万棟余りのうち、1割弱にあたる約1千棟で、震度6強以上の地震が起きると倒壊や崩壊の危険性が高いことが国土交通省のまとめでわかった。大阪府北部を震源とする最大震度6弱の地震から25日で1週間。より強い地震が起きた場合、これらの建物は損壊し、大きな被害が出る恐れがある。現在の耐震基準は1981年6月に導入され、震度6強~7の地震でも倒壊、崩壊しないことが求められている。自治体は、旧耐震基準で建てられた3階建て5千平方メートル以上の旅館や店舗▽2階建て5千平方メートル以上の老人ホームなど、多くの人が出入りする一定規模以上の建物について、耐震性の診断結果を集約し、順次公表していった。同省は、今年4月までに公表された46都道府県(東京の一部と和歌山を除く)に関し、結果を取りまとめた。棟数は計約1万600棟で、▽9%にあたる約1千棟が震度6強~7の地震で倒壊・崩壊する危険性が高い▽7%にあたる約700棟が震度6強~7の地震で倒壊・崩壊する危険性がある――と判明した。合わせて16%となるこれらの建物について、同省は「耐震不足」と認定し、対応を求めている。また、危険性が高いとされた割合(公表時)は東京都が4%、福岡市が4%なのに対し、大阪市が14%、札幌市が18%と地域によって差も生じた。今回の診断は多くの人が出入りする大規模な建物に限られ、ほかにも耐震性が不足している建物は少なくないとみられる。同省は25年までに、「耐震不足」とされた建物の耐震化を完了させたい考えだ。個別の診断内容は、結果を公表している各自治体のホームページで確認できる。

*4-3:http://qbiz.jp/article/140332/1/ (西日本新聞 2018年9月6日) 台風で電柱600本以上折れる 関電、6日も24万戸超停電
 関西電力は6日、台風21号による飛来物や倒木がぶつかったことで、福井、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山の2府5県で、電柱600本以上が折れる被害が出たと明らかにした。また、6日午後3時現在で約24万6千戸が停電しており、他の電力会社からの応援を含めた8千人超の態勢で、7日中に大部分を復旧させる方針を改めて強調した。6日午後3時までの延べ停電戸数は約219万戸で、阪神大震災の約260万戸に次ぐ規模となった。

*4-4:https://www.agrinews.co.jp/p45073.html (日本農業新聞 2018年9月3日) ため池管理 安全性高める補強急げ
 急がなければならない。ため池の危険性が西日本豪雨などで浮き彫りになった。地震による決壊も続発している。政府はため池の補強を急ぎ、防災機能と安全性を高めるべきだ。ため池は、西日本を中心に全国に約20万カ所ある。主に雨の少ない地域で農業用水を確保するために作られた。洪水調節や土砂流出を防止する効果に加え、生物の生息場所や地域の憩いの場になるなど多面的な機能を果たしている。農業にとって重要な施設だが、老朽化が進んでいる。2ヘクタール以上の農地に水を供給しているため池は約6万カ所で、このうち7割が江戸時代以前に作られた。担い手の減少や高齢化から管理が行き届かず、堤が崩れたり、排水部が詰まったりしている。農水省がまとめた全国調査によると、ため池の下流に住宅や公共施設ができ、決壊すると大きな被害が予想される「防災重点ため池」は1万カ所を上回った。さらに都道府県の詳細調査では、調査対象の5割強で耐震不足、4割弱で豪雨対策が必要だった。決壊した場合の浸水被害を予想したハザードマップを作り、地域に配っているのは半分に満たない。こんなお寒い状態で防災とはいえない。近年は都市住民との混住化が進み、災害の危険性は増している。ハザードマップを完備し、災害に備えるべきだ。最近10年のため池被災は、7割が豪雨、3割が地震で堤の決壊や流失を起こしている。記録的な豪雨は、常識では考えられない降水量をもたらす。昨年7月の九州北部豪雨や、今年7月の西日本豪雨では大きな被害につながった。この異常事態を念頭に置きながら、耐震性や洪水防止策を強めるなど安全性を強化するべきだ。一方、ため池の所有者が複数に及んだり、工事費用の負担が重かったりと、改修工事の合意形成も容易ではないのが実態だ。地方自治体任せにするのではなく、政府全体がしっかり支援すべきだ。現場のニーズに応えられるように予算を十分確保し、改修工事などの補助率を高めるなど、現場の負担を減らす方法も考えなければならない。ため池での死亡事故も続発している。ここ10年は年平均で20人以上が亡くなっている。60歳以上の高齢者が多く、水の利用が多くなる5~9月にかけて多発している。警戒を強めるべきだ。釣りなど娯楽中の事故も多い。ため池を管理している水利組合や行政、土地改良区は、子どもたちが危険な箇所に立ち寄らないよう注意喚起したり、安全柵を設置したりする対策も進める必要がある。農山村に人が少なくなり、管理の目は行き届かない。放置されたままのため池はないか。もう一度、下流域の住民を含めてみんなで点検し、必要な整備を急ぐ必要がある。政府や地方自治体は、一日でも早くため池の防災対策に取り組むべきだ。

*4-5:https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180901-00000022-mai-soci (毎日新聞 2018/9/1) <南海トラフ地震>機器や史料の保護対策 域内国立大25%
 南海トラフ巨大地震の発生時に震度6弱以上の揺れが想定される地域を含む24府県にある37国立大のうち、保有する研究機器や歴史的史料を保護するための防災計画を策定している大学は4分の1にとどまることが、毎日新聞のアンケートで明らかになった。大学には貴重な研究機器や史料が多く、対策が求められそうだ。アンケートは、6月の大阪北部地震で最大震度の6弱を観測した大阪府茨木市で、大阪大の研究施設に被害が出たことを受けて実施し、静岡大を除く36大学が回答した。地震や津波、火災などに備え、研究機器や二度と手に入らない古文書などの歴史的史料に対する免震装置の設置や防火対策など、物品が対象の防災計画を策定しているか尋ねたところ、策定済み9(25%)▽未策定24(67%)▽検討中2▽その他1--だった。策定済みの9大学のうち、名古屋大は東日本大震災(2011年)を受け、重要な機材や史料の損害を防ぐためにガイドラインを定めた。熊本大も熊本地震(16年)後に大規模災害対応マニュアルを改定し、大災害を機に計画を整備した大学が目立った。大阪北部地震で被害を受けた阪大は「策定の検討を始める予定」と回答した。未策定の24大学の多くは、人命の安全や2次災害防止が目的の防災計画はあるが、研究機器などは対象外。神戸大や広島大などは研究室や部局ごとに設備の転倒防止や防火対策を進めているが、「被害規模の想定が困難」(山梨大)と物品の防災の難しさを指摘する声もあった。被災時に必要な支援策では、28大学が「国による経済的支援が必要」と回答。機密文書の取り扱いに詳しい専門家の派遣や、施設を使えなくなった研究者の受け入れを他大学に求める意見もあった。一方、国立大学の研究施設や所蔵史料の防災対策に関して、国としての対応の有無を文部科学省に照会したが、確認できなかった。6月18日に起きた大阪北部地震では、阪大で1台約23億円する電子顕微鏡2台が損傷し、復旧まで1年以上かかる見通しだ。iPS細胞(人工多能性幹細胞)を使った世界初の心臓病治療の研究でも栄養管理が中断し、細胞の培養をやり直すことになった。

<防災庁と防災 ← 狭い視野では何もできないこと>
PS(2018年9月18日追加):(3)に記載したように、「①社会が災害に対応できていないから防災庁が必要」とする意見があり、*5-1のように、「②官僚は応答性と専門性があるが、専門性が身につかなければ若手は霞が関から離れる」「③少人数で政策を決めるトップダウンが進むほど、大多数の政策立案に関われない官僚たちはいらだつ」という記事もある。
 しかし、全体を見渡して重要性を判断する教育が徹底している公認会計士と全分野を担当する国会議員の両方を経験してきた私が官僚を見ると、②については、官僚機構は優秀な人を採用しているのに、入省年次と入省時の成績や学歴ですべてが決まり、リスクをとったら損をするシステムであるため、優秀な人を普通の人に育てているように見える(結果としては、さすがと思われる人も多いが・・)。また、2年毎に関連のない部署に異動させる官僚機構こそが、超ジェネラリスト(「何でも知っている」とされる何もできない人)を作り、スペシャリスト(専門家)を育てることができないシステムだ。そして、これは安倍首相や政治家が作った風土ではなく、官僚機構そのものの文化なのである。
 このような中、③については、内閣府は各省庁出身者を抱えているため、内閣府で決められる政策は単なるトップダウンではなく、各省庁の提言を踏まえている筈で、少人数で決めたものではない。また、国会議員とのすり合わせは、官僚も交えて自民党の専門部会や国会の各委員会で行われているため、残る問題は、どういう理念の下で提言を取捨選択したかであり、ここに民間議員の意見も入っている筈なのだ。そのため、官僚がいらだつのは、政策の取捨選択に関してだと思うが、私から見ると、官僚の政策は現場を見ておらず、省庁内の男社会という狭い視野であるため、疑問を感じることが多い。そして、官僚は主権者である有権者の選挙を経ていない。
 また、①については、災害対策は、気象庁・防衛省・警察庁・国土交通省・環境省・農水省・経産省・厚労省・財務省・総務省・文科省など殆どすべての省庁が関わるため、防災庁を作って防災しか考えたことのない官僚が行うよりも、内閣府を土台として内閣が政治決定した方が速やかで的確な判断ができる。そのため、省庁を細かく分けて小さな分野を専門とし、他のことはわからない狭い“専門家”を作るよりも、内閣府を司令塔にする方が合目的的なのである。
 例えば、*5-2のように、大型台風19号、20号も発生し、8月に発生した台風は8個に上り、*5-3のように、硫黄島では火山性地震が1日500回超に増加している。また、*5-4のように、地震調査委員会が全国地震動予測地図を公表しており、これに対応するには短期的避難では足りず、原因究明して都市計画や建築物の構造から考え直さなければならない。そのためには全省庁が知恵を絞る必要があり、その対応には内閣府の方が適しているわけである。

*5-1:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180918&ng=DGKKZO35362850U8A910C1MM8000 (日経新聞 2018年9月18日) 政と官 細る人財(2) 白書は「遺書」、頭脳流出の波
 「労使ともにリスクを避けて雇用の維持を優先している姿勢がみられる」。2017年夏に公表された経済財政白書は第1章で、雇用を守るために低賃金・長時間労働がはびこっていると問題提起した。内閣府で執筆に携わった森脇大輔氏。まだ30歳代だが「遺書のつもりで書いた」。
●1年で1685人離職
 年次と学歴ばかりを重視し、変化するリスクを拒む霞が関への批判を込めた。閉じた世界では変化は生まれない。そんな思いから白書公表の直前、サイバーエージェントに転職した。今はネット広告システムの研究開発を手掛ける一方、研究者として論文も書く。総務省の若手チームは6月、省内の働き方改革を提言した。メンバーの橋本怜子さんは自ら希望し、鎌倉市役所に出向した。霞が関は外との交流や勉強の時間が持てず、民間に比べ給料も低い。「優秀な若手が辞めていくのは当然」と思う。止まらぬ頭脳流出。霞が関の25~39歳の行政職の離職者は16年度に1685人。ここ5年、じわじわ増えている。一方、キャリア官僚の試験申込者数は17年度で2万3425人と前年度比4%減。20年間で約4割減った。財務省は10年度に官民交流拡大など50の提言をまとめたが「次官が代わるたびに改革の勢いが鈍った」(同省幹部)。官を取り巻く環境はさらに厳しさを増している。息子の大学入学に絡む汚職で幹部が逮捕された文部科学省。若手官僚は「国からではなく、現場から教育を変えようという人材が増えるだろう」と嘆く。安倍政権が教育無償化の具体化を進めるなか、教育行政の担い手が犯罪に手を染めた衝撃は計り知れない。
●官邸主導に不満
 明治大学の田中秀明教授は、官僚の役割として政治家からの要求に応える「応答性」と、制度などの深い知識を持つ「専門性」があると指摘する。「現政権は過度に応答性を重視するが、専門性が身につかなければ若手は霞が関から離れる」。かつて社会保障分野では、首相経験者の橋本龍太郎氏ら大物政治家がボスとして強い力を持っていた。10年ほど前までは尾辻秀久元参院副議長ら「4人会」が政策決定の中心。いわゆる族議員の「密室政治」だが、政治家が決めた政策の方向性を官僚が制度に落とし込むという政と官の一種の役割分担があり「役人としてやりがいを感じた」(元厚労省首脳)。いまは安倍政権下で官邸主導が進む。農林水産省の若手は「政府が掲げる『農産物輸出1兆円』の目標も、目標設定のための分析は不十分。単に切りがいい数字を挙げただけとしか思えない」という。少人数で政策を決めるトップダウンが進むほど、大多数の政策立案に関われない官僚たちはいらだちを募らせる。「70歳、80歳まで仕事する時代。戦力として働き続けたい」。安永崇伸氏(46)は昨夏、経済産業省を辞めた。将来の資源エネルギー庁長官とも嘱望されていたが、かねて考えていたように、コンサルタントとしてエネルギーを自身の生涯の仕事とする道を選んだ。官僚も人の子。機械の歯車ではない。官であれ民であれ、やりがいを見失えば、未来を信じて働くことは難しくなる。

*5-2:https://ryukyushimpo.jp/news/entry-785556.html (琉球新報 2018年8月20日) 台風19号、夜大東接近 20号も発生、今月8個目
 強い台風19号は、19日午後9時現在、東京都・小笠原諸島の父島の西南西約460キロにあり、ゆっくりした速さで西北西へ進んでいる。20日から21日にかけて沖縄地方に接近する恐れがあり、大東島地方では20日夜は非常に強い風が吹き、沿岸の海域では大しけとなる見込み。また、18日午後9時に発生した台風20号は19日午後9時現在、南鳥島近海にあり、西北西へ進んでいる。19日午後9時現在、台風19号の中心気圧は955ヘクトパスカルで、中心付近の最大風速は40メートル、最大瞬間風速は60メートル。中心から半径130キロ以内は風速25メートル以上の暴風域となっている。大東島地方は台風接近により20日午後から次第に北西の風が強く吹き、夜遅くには非常に強い風が吹く見込み。沖縄本島地方沿岸も20日からうねりを伴い波が高くなる見込み。台風の進路によっては21日から大しけとなる。8月に入って台風の発生が相次いでおり、20号で8個目となった。

*5-3:https://www.hokkaido-np.co.jp/article/226400?rct=news (北海道新聞 2018年9月8日) 硫黄島で火山性地震増加 1日で500回超、噴火の可能性
 気象庁は8日、東京の硫黄島で火山性地震が増加し、同日午前2時ごろから午後9時までに566回観測したと発表した。噴火する可能性がある。沿岸での小規模な海底噴火にも注意が必要。1日の地震回数が500回を超えたのは2012年4月27日以来。硫黄島は現在、海上、航空両自衛隊の基地があり、民間人の上陸は制限されている。

*5-4:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018062602000279.html (東京新聞 2018年6月26日) 関東圏 震度6弱高確率 地震調査委予測 危険性変わらず
 政府の地震調査委員会(委員長・平田直(なおし)東京大教授)は二十六日、三十年以内に震度6弱以上の揺れに襲われる危険性を示す全国地震動予測地図二
〇一八年版を公表した。南海トラフ巨大地震が懸念される太平洋岸では静岡市が70%、長大活断層が走る四国は高知市が75%と各地で引き続き高い確率となった。沖合で新たに巨大地震が想定された北海道東部は、根室市が63%から78%となったのをはじめ大幅に上がった。地震調査委を所管する林芳正文部科学相は同日の記者会見で「地震はどこでも発生することを念頭に置いて、防災に役立ててほしい」と述べた。最大震度6弱を観測した大阪府北部地震が十八日にあった近畿地方でも、50%前後と高い数値が目立つ。活断層が多い上に、地盤が揺れやすい平野が広がるためという。神奈川県沖を走る相模トラフの巨大地震や、東京周辺を直撃する首都直下地震が懸念される関東地方も高いまま。六月に入って周辺で地震活動が活発化した千葉市が85%と都道府県庁所在地では最も高かった。揺れの計算には地盤の性質が反映されているが、プレートが複雑に重なる南関東では大地震が多数想定されており、横浜市、水戸市も80%を超えるなど強い揺れの確率も高くなっている。南海トラフ巨大地震の発生確率は毎年上昇するため、西日本の太平洋岸は名古屋市が46%、和歌山市が58%など一七年版と同じか、わずかに確率が上昇。近畿から四国、九州に延びる長大な活断層「中央構造線断層帯」などの評価を昨年見直したため、四国四県は確率が1~2ポイント高まった。北海道東部は沖合のプレート境界、千島海溝沿いで大津波を伴う巨大地震が繰り返していたとの研究結果を踏まえて、釧路市が47%から69%になるなど大幅に上昇した。評価は今年一月一日が基準。最新版は防災科学技術研究所のウェブサイトで公開され、住所から発生確率を検索できる。<全国地震動予測地図> ある場所がどのくらいの地震の揺れ(地震動)に襲われるのかを「今後30年間で震度6弱以上」といった表現で、全国規模で示した地図。プレートが沈み込む海溝で起きる地震や、内陸の活断層で起きる地震の評価結果を基に政府の地震調査委員会が作成、公表している。

<省庁再々編は改善になるか>
PS(2018年9月19、20、21日追加): *6-1のように、北海道地震から10日以上が経過し、被災地では中断していた農作業が再開し始めたが、人手不足が深刻化しているそうだ。厚真町で水稲や畑作物を33ha栽培する山崎さんは、既に大規模化している北海道の農業者であるため、この農業を体験しておくことは勉強になる。そのため、未だ田畑の区割りが小さな東北の農家で農作業が終わった人、農高や大学農学部の学生は、体験方々、ボランティアに行くとよいだろう。
 また、農業は、*6-2のように、「スマート農業」が始まり、農水省が2019年度から全国50カ所で「スマート実証農場」を整備して大規模な実証試験を始めるそうだ。次世代を担う高校生・大学生は、農業系・工業系を問わず見学に行き、「自分なら、何をどうする」ということを考えておく方がよいと思われる。
 このような中、*6-3のように、「①自民党本部で行政の効率化を議論する総会が開かれて省庁再々編の提言がまとまった」「②内閣府の担当領域の広さや子育て政策を担う部署の分散が問題視された」「③最も批判を集めて再々編の目玉になったのは厚労省で、法案作成が雑・データの扱いも粗末・法案の渋滞がひどい」「④国会の委員会は役所別に設置し、その所管法案を審議する。ある法案が審議入りしたらその採決まで別の法案は審議しない慣例がある」「⑤政治家が答弁するなら、官僚はより丁寧に準備しないといけないので、役所は大変になった」「⑥政と官は表裏一体だから、官を斬るなら政も血を流す覚悟が求められる」等が書かれている。
 このうち、②の内閣府の担当領域の広さは全分野をカバーするため当然だが、子育て政策を担う部署が厚労省と文科省に分散していたのは、確かに幼児教育と保育の改革を妨げてきた。また、③の厚労省で法案作成が雑・データの扱いも粗末・法案の渋滞がひどいと言われる理由は、忙しすぎたからではなく、「結果ありきの調査をして結論に合うデータを作ってもよい」という感覚で法案作成をしてきたからであるため、組織再編をするより、考え方を変えるべきである。
 また、⑤についても、主権者が選んだ政治家が答弁するのは民主主義の当然であるため、矛盾なく速やかに説明できる資料を普段から作っておくのは仕事の一部であり、それで役所が大変になったというのなら、農業のIT化・機械化を見習うべきである。さらに、⑥の「官を斬るなら政も血を流せ」などという発言は、議論してよりよい結果に辿り着こうとする民主主義の論理ではなく、パワハラを含む暴力発言であり、主権者への連絡係であるメディアがこの程度にしか民主主義を理解しておらず人権意識が薄いのが、最も大きな問題なのである。
 最後に、④の委員会を役所別に設置しているのは、英国のように提出法案毎に委員会を作ればよいと思うが、首相の370時間の答弁は、モリカケ問題のように全体から見れば小さな金額で本質を外した質問の繰り返しによるものが多かった。これは野党が悪いというよりは、個人の人格攻撃を行うやりとりしかスクープできないメディアの質の悪さと怠慢が原因であり、メディアはこのやり方を「国民に合わせて、視聴率を上げるため」などと弁解しているが、一般国民の方がメディアの製作者よりも質が高いというのが、これまで見てきた私の感想だ。
 ただし、*7-1のように、石破派の斎藤農相が、総裁選で安倍首相を支持しなかったことによって辞任圧力を受けたのは、経産省出身の議員だからこそ農林水産品の輸出に関して農相としてよい仕事をしていたのでもったいないことだ。なお、*7-2の「カツカレー食い逃げ事件」は、いつもの冷えたまずいカレー(私がカレールーを使って作った具沢山の鶏カレーの方が、よほどヘルシーで美味しい程度)だったので投票を辞めたか、首相サイドには秘書が偵察に来ていたか、最後に調整に動いた人がいるのか、ともかくあのカレーでは誘因にならない(笑)。

*6-1:https://www.agrinews.co.jp/p45229.html (日本農業新聞 2018年9月19日) 北海道地震 ジャガイモ、カボチャ最盛期 収穫遅れ小麦播種も迫る パート不足深刻 厚真町
 北海道地震から10日以上たち、被災地では中断していた農作業が再開し始める一方、人手不足が深刻化している。ジャガイモなどの収穫が最盛期だった北海道厚真町では、農作業のパートタイマーも被災。水稲の収穫や、小麦の播種(はしゅ)も始まるため焦燥感が募る。自ら人を集め、急ピッチで作業を進める農家も出てきた。特に人手が必要なのは、ジャガイモとカボチャだ。ジャガイモは4人ほどで収穫機に乗り、機械が掘り上げた芋をコンテナに詰める。カボチャは手作業で収穫する。元々、人手不足だったが、より人手が集まりにくい状況だ。JAとまこまい広域によると、地震発生前日の5日時点での集荷量は、ジャガイモが予定量1700トンのうち3割、カボチャは1200トンの2割にとどまる。厚真町で水稲や畑作物を33ヘクタール栽培する山崎基憲さん(44)は、自宅や倉庫の片付けが一段落し、17日からジャガイモの収穫を再開した。3・5ヘクタールのうち残りは7割で、例年より1週間以上遅れているという。「今後、水稲や小麦もある。早くしないと雪が降る前に作業を終えられない」と気をもむ。山崎さんはボランティアチーム「石狩思いやりの心届け隊」にジャガイモの収穫を依頼。17~24日のうち6日間、2、3人が来る予定だ。同チーム代表の熊谷雅之さん(50)は「農作業支援は初めて。少しでも早く収穫が進むよう、これからも協力したい」と話す。

*6-2:https://www.agrinews.co.jp/p45230.html (日本農業新聞 2018年9月19日) 「スマート農業」始動 見て 触って 使って…便利さ実感 実証農場50カ所 農水省19年度
 農水省は2019年度から、ロボット技術や情報通信技術(ICT)を活用したスマート農業の普及に向けて、全国50カ所に「スマート実証農場」を整備して大規模な実証試験を始める。水稲や野菜、果樹、畜産など各品目で、1作通して複数のスマート農業技術を組み合わせ、省力効果や経営効果を確認。最適な技術体系を確立する。全国8カ所で説明会を開き、協力する生産者やメーカーを募る。
●協力農家を募集 8会場で説明会
 19年度予算概算要求に「スマート農業加速化実証プロジェクト」事業として50億円を盛り込んだ。事業は19年4月~21年3月の2年間。「スマート実証農場」は、生産者や農機メーカー、研究機関、JA、自治体などでつくるコンソーシアムが運営する。各品目で、さまざまなスマート農業技術を導入したときの生産データや経営データを蓄積・分析する。同省は稲作で使える技術として、ロボットトラクター、自動運転田植え機、自動水管理システム、ドローン(小型無人飛行機)を使った種子・薬剤散布などを挙げる。その他にも、施設園芸では統合環境制御システム、接ぎ木ロボット、収穫ロボットなど、果樹では人工知能(AI)によるかん水制御、自動草刈り機、作業者が身に着けるアシストスーツなどの導入を提案する。事業では、これらの技術の導入や改良に要する費用、人件費などを補助する。事業を管轄する同省農林水産技術会議事務局は「スマート農業普及のためには、技術体系の確立だけでなく、農家に実際に見て使ってもらうことが重要」(研究推進課)と説明。実証農場には、農家の視察や農機の試乗などを積極的に受け入れるよう求める。事業説明会は18日の広島、島根を皮切りに、北海道、岩手、東京、愛知、香川、熊本で開く。参加希望者が定員を上回った会場もあり、追加で開くことも検討している。

*6-3:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180919&ng=DGKKZO35367050U8A910C1MM8000 (日経新聞 2018年9月19日) 政と官 細る人財(3) 滞る国会改革、すり減る現場
 9月5日、自民党本部で開いた会合で省庁再々編の提言がまとまった。行政の効率化を議論する行政改革推進本部の総会だ。内閣府の担当領域の広さや、子育て政策を担う部署が分散していることなどが問題視された。
●苦肉の分割構想
 1府12省庁で最も批判を集め、再々編の目玉になったのは厚生労働省だ。甘利明本部長は「現状で問題ないと言った歴代厚労相はいない」と分割を提言した。記者団にも「国会の答弁回数が2000回を超え、法案作成が雑だ。データの扱いも粗末だ」と説明した。構想が動き始めたのは2017年夏だ。自民党の国会対策委員会が「厚労委員会の法案の渋滞がひどい。対応してほしい」と首相官邸に求めた。直前の17年通常国会では厚労省の労働基準法改正案が成立しなかった。既に17年秋の臨時国会では、同省の働き方改革法案を提出する予定が入っていた。臨時国会で2法案を成立させたいが「重要法案は1国会1本」が相場とされる。もっと迅速に法案を処理できないか――という訴えだ。国会の委員会は役所別に設置し、その所管法案を審議する。ある法案が審議入りしたらその採決まで別の法案は審議しない慣例がある。この2つのルールに従うと医療や年金、雇用などの重要政策が集中する厚労委では法案が渋滞する。官邸は水面下で検討チームをつくった。「厚労相の他に特命担当相を設ける」「副大臣に答弁させる」などの案があがった。党では厚労委を2つに分ける話もでた。だが国会の機能に直接踏み込む案は野党が反発し、実行は難しい。1年かけて出てきたのが厚労省分割案だ。厚労省を割れば政策の遂行能力が高まるほか、役所に応じて設置される厚労委も割れて法案審議の場が増える。官にメスを入れて政を変えるやり方だ。
●首相出席370時間
 学習院大教授の野中尚人氏は「国会の仕組みは55年体制から変わらない。世の変化についていけていない」と語る。日本と同様に議院内閣制をとる英国は提出法案ごとに委員会をつくるため、法案は渋滞しない。首相や閣僚も委員会での法案審議にほとんど出席することはない。16年、安倍晋三首相は国会に約370時間出席したがキャメロン首相の議会出席は約50時間。審議は進み、内閣は外交に時間を割ける。自民党もこうした国会改革に動く。日本は01年の省庁再編と同時に副大臣・政務官制度を導入した。英国がモデルだが役割は中途半端だ。経済産業官僚出身の斎藤健農相は「役所の局長の答弁がなくなり、ほとんど政治家が答弁している」と話す。「政治家が答弁するなら、官僚はより丁寧に準備しないといけない。役所は大変になった」と強調する。政治家の答弁を増やした結果、裏で支える官僚の負荷は予想以上に高まり現場がすり減る。官僚の仕事の精度が落ちた理由は政治の側にもある。5日の自民党行革本部では「行革をやるには、すさまじいことになる覚悟が必要だ」との声が出席議員から上がった。行革は政が官に斬り込むもの、とみられがちだ。だが政と官は表裏一体だ。官を斬るなら政も血を流す覚悟が求められる。

*7-1:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20180920&ng=DGKKZO35518800Z10C18A9PP8000 (日経新聞 2018.9.20) 農相への辞任圧力発言で応酬 、首相陣営「どーんと構えて」 石破氏「ウソ言う人でない」
 自民党石破派の斎藤健農相が党総裁選で安倍晋三首相(総裁)を支持する国会議員から辞任圧力を受けたと発言した問題で、首相と石破茂元幹事長の両陣営が応酬を繰り広げている。首相陣営の選挙対策本部の甘利明事務総長は19日「斎藤さんはどーんと構えて、それがどうしたというぐらいでやったほうが政治家としての格が上がる」と述べた。石破氏は「斎藤氏はウソを言う人ではない。昔はそういうことはよくあった、何が悪いんだという言い方は絶対間違っている」と強調した。斎藤氏は14日の千葉市での会合で、首相を支持する議員から「石破氏を応援するなら農相の辞表を書いてからやれと圧力を受けた」と発言した。首相は17日のテレビ番組で「陣営に聞いたらみんな『そんなことがあるはずがない』と怒っていた。そういう人がいるなら名前を言ってもらいたい」と反論した。

*7-2:https://digital.asahi.com/articles/ASL9N7WH2L9NUTFK03Q.html?iref=comtop_8_02(朝日新聞2018年9月21日)投票前のカツカレー「4人が食い逃げ」 安倍陣営嘆く
 カツカレーを食い逃げしたのはだれだ?――。自民党総裁選で安倍晋三首相(党総裁)の陣営が投開票直前に振る舞ったカツカレーを食べながら、実際に首相には投票しなかった議員がいるのではないか。首相陣営がこんな話題で持ちきりになっている。首相陣営は20日昼、東京都内のホテルで「必勝出陣の会」を開催。首相も出席して結束を確認した。首相を支持する衆参議員用に験担ぎのカツカレーが333食分振る舞われ、完食された。業界団体関係者ら議員以外の出席者用には別途、カレーが準備されていたという。ところが、実際に首相が得た議員票は329票。少なくとも4人がカレーを食べながら首相には投票しなかった計算になる。陣営幹部は嘆く。「カレーを食べて首相に投票しなかった議員がいる。一体だれなんだ」

<激甚災害の指定と復興>
PS(2018年9月20日追加): *8-1のように、北海道地震の道路・橋などの土木インフラの被害額は少なくとも1000億円に上るそうだが、この規模なら、*8-2の激甚災害の指定を受けることがができる。激甚災害の指定を受けると、被災した自治体が行う復旧事業に対する国からの補助率が、①道路や堤防などインフラの復旧事業は8割から9割程度 ②農業施設の復旧事業は9割程度 と上がり、中小企業も経営再建の融資を受けやすくなる。
 しかし、この制度の欠点は、復旧に重点を置くため、津波が来たり、天井川の傍だったりする危険な地域にも住宅地を再建して、「賽の河原の石積み」という大きな無駄遣いの繰り返しを促してしまうことだ。そのため、次の災害を予防する観点から、復旧ではなく、適切な都市計画に基づいた復興に誘導するよう、激甚災害の指定を改正するのがよいと考える。

*8-1:http://qbiz.jp/article/141077/1/ (西日本新聞 2018年9月20日) 北海道地震、土木の被害1000億円 道路や橋など、損壊多発
 北海道の地震で、道路や橋など土木インフラの被害額が少なくとも1千億円に上ることが20日、道への取材で分かった。被害が大きかった地域では調査が終わっておらず、さらに額は膨らむ見通しだ。土砂崩れで36人が死亡した厚真町などで道路の損壊が多発し、札幌市でも道路が陥没した。河川への土砂流入などの被害もあった。これとは別に、道は農林水産業の被害額が推計約397億円に上ったとしている。土砂崩れによる林や農地の被害が大きかった。観光分野では宿泊予約のキャンセルが延べ94万2千人に上り、全体の損失額を推計約292億円としていた。加えて、地震後の停電や節電による製造業への影響も見込まれる。高橋はるみ知事は20日の道議会本会議で、土木や農林など直接的な被害額だけで約1500億円に上ったと答弁。復旧に向けて「産業への影響の実態を、幅広く把握することが重要だ」と述べた。

*8-2:http://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/h12/120324/120324.html (内閣府) 「激甚災害指定基準」、「局地激甚災害指定基準」及び「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律施行令」の一部改正について
1 改正の経緯
 激甚災害制度は、国民経済に著しい影響を与えるような激甚な災害が発生した場合に、公共土木施設や農地等の災害復旧に必要な費用の負担に関して国庫補助の嵩上げを行い、地方公共団体の財政負担を軽減することなどを目的として昭和37年に創設されました。公共土木施設災害復旧事業等に係る激甚災害の指定(全国的規模の本激の指定)については、制度発足当初は毎年1~2件指定されていましたが、市町村単位で行われるいわゆる「局激」を除けば、昭和59年以降の指定は阪神・淡路大震災の1件のみとなっています。このため、近年の地方公共団体における財政の逼迫状況等を踏まえ、被災した団体の財政負担の緩和を図るとともに、被災地域の円滑かつ早期の復旧を図ることを目的として、公共土木施設等に激甚な被害が発生した災害については、これを適切に激甚災害に指定できるよう、「激甚災害指定基準」(昭和37年中央防災会議決定)の一部、「局地激甚災害指定基準」(昭和43年中央防災会議決定)の一部及び「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律施行令」(昭和37年政令第403号。以下「施行令」といいます。)の一部を改正しました。
2 激甚災害指定基準(公共土木施設関係)
 激甚災害の指定には、
  ① 全国的に大きな被害をもたらした災害を指定する場合(いわゆる本激)と
  ② 局地的な災害によって大きな復旧費用が必要になった市町村を指定する場合
    (いわゆる局激)の二つがあり、さらに①の本激には、
    A. 全国的に大規模な災害が生じた場合の基準(本激A基準)と
    B. Aの災害ほど大規模でなくとも、特定の都道府県の区域に大きな被害が
      もたらされた場合の基準(本激B基準)があります。
3 改正の概要
1)本激A基準
 本激Aの指定基準は、全国の査定見込額が全国の地方公共団体の標準税収入の一定割合を超えることを要件としていますが、この割合を大幅に引き下げることにしました。平成11年度の標準税収入(約30兆円)をもとに計算すれば、従来は約1兆2,000億円でしたが、改正後は約1,500億円を超える被害があれば本激の指定が可能になります。
     4%      →   0.5%
  約1兆2,000億円      約1,500億円
2)本激B基準
 本激B基準は、次の2つの要件を満たす必要があります。第1の要件は、全国の査定見込額が全国の地方公共団体の標準税収入の一定割合を超えることですが、この割合についても大幅に引き下げることとしました。平成11年度の標準税収入(約30兆円)をもとに計算すれば、従来は約3,600億円でしたが、改正後は約600億円を超える被害があれば、これを満たすことになります。
    1.2%      →   0.2%
  約3,600億円         約600億円
第2の要件は、次のいずれかを満たすことですが、これも大幅に引き下げることとしました。
  <中略>
4 改正日及び適用期日
・激甚災害指定基準及び局地激甚災害指定基準の改正
  平成12年3月24日 中央防災会議決定。
・激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律施行令の一部を改正する政令
  平成12年3月24日 閣議決定。
  平成12年3月29日 公布、施行。
当該改正基準等は、平成12年1月1日以後に発生した災害から適用されます。

<教育を疎かにすると、こうなるということ>
PS(2018/9/22追加): *9-1のように、ヨーロッパでは、鉄道車両も環境シフトして独シーメンスや仏アルストムが蓄電池駆動や水素燃料の新型車両を投入している。にもかかわらず、(私が提案して)最初にEVや太陽光発電を開発した筈の日本では、*9-2のように、未だに①節電要請 ②太陽光発電は不安定だから火力発電の更新が不可欠 ③電力自由化と安定供給の両立を立ち止まって点検すべき ④電力の安定供給には電源の最適な組み合わせと適切な設備更新が欠かせない などと言っている。
 このうち①については、LEDや断熱材の使用等でヒトに不便な思いをさせずに節電するのが文明だ。また、②については、火力や原子力で熱を発生させなければエネルギーの安定供給ができないと考えている阿保さが情けない。さらに、③については、電力会社が地域独占していたから競争がなくいつまでも進歩しなかったので、市場経済の中で電力を自由化し、複数の電力会社が切磋琢磨して良いサービスを工夫することこそが、安い電力を安全に安定供給するためのKeyである。さらに、④については、「電源の最適な組み合わせ」とは、合理性のない発電方法も含めて少しずつ何でもやるように人為的に決めるものだと思っているところに呆れる。
 そのため、日経新聞の記者は、経済学や独禁法も知らず、原発や火力発電が環境に与える影響も考慮できないのかと、記者になる人の知性の劣化に驚かされる。従って、高校卒業までは、文系もしっかり理系の勉強をする教育システムにしておかなければならず、スポーツばかりやって単純なルールを(不合理でも)守ることしかできない人間を作ってはならない。身体だけ強くても頭で考えられなければ、最初に機械やAIにとって代わられる人材になるからだ。


 独、seamens               トヨタ         中国     
 燃料電池電車    燃料電池船    燃料電池トラック     蓄電池特急

*9-1:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35640080R20C18A9EA6000/ (日経新聞2018/9/22)鉄道車両も環境シフト 独シーメンスや仏アルストム 蓄電池駆動や水素燃料
 自動車に続き鉄道車両でも環境負荷を減らす動きが広がってきた。独シーメンスは2019年に蓄電池で駆動する新型車両を投入する。仏アルストムは燃料電池で動く鉄道車両が営業運転を始めた。もともと環境に優しいとされる鉄道車両だが、欧州ではディーゼルエンジンで動く車両も多く、新技術を生かした環境対応が進む。ドイツ・ベルリンで21日まで開催した世界最大の鉄道ショー「イノトランス」。2年に1度のショーは、今後の鉄道業界の動向を占ううえで、関係者が最も関心を寄せる展示会だ。18年の今回、名だたる大手メーカーに共通したのはデジタル化と環境配慮の2本柱だ。独シーメンスはオーストリア連邦鉄道と共同で、蓄電池で駆動する試作車両「デジロML シティジェットエコ」を展示した。架線を通じ電気を受け取れる区間で列車の蓄電池を充電し、架線がない非電化区間では蓄電池から電気を取り出し走行する。ディーゼル駆動の旅客車両に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量を最大50%削減できる。ディーゼルエンジン特有の騒音もない。19年後半に営業運転を始める計画だという。18年内に独シーメンスと鉄道部門で事業統合する予定の仏アルストムも環境対応車を投入。燃料電池で走る世界初の「水素電車」が営業運転を始めたと発表した。車両の上に燃料電池と水素タンクを備える。燃料電池で水素と空気中の酸素を反応させて発電し、モーターを回して走る。世界最大手の中国中車は素材に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使った地下鉄向けのコンセプト車両を出展した。車体が軽くなり、エネルギー効率は13%向上するという。日本勢では東芝インフラシステムズが、鉄道車両向けのリチウムイオン電池として世界で初めて欧州規格を取得した製品を披露した。イノトランスの開幕イベントでは仏アルストムのアンリ・プパール=ラファルジュ最高経営責任者(CEO)が「もはや最高速度などは誰も口にしない。どれほどクリーンな電車を出せるかが重要だ」と強調した。広大な欧州大陸では郊外などで非電化路線が多いが、非電化路線はディーゼル機関車などが欠かせなかった。欧州鉄道産業連盟(UNIFE)は18日、世界の鉄道ビジネスが21~23年平均で1920億ユーロ(約25兆円)と、15~17年平均に比べ18%程度拡大すると発表した。「持続可能性のある移動手段としての利点が鉄道市場の成長に寄与する」と指摘した。自動車など他の交通システムと同様に、鉄道車両も環境性能が競争軸の一つになってきた。

*9-2:https://www.nikkei.com/article/DGKKZO35667860R20C18A9EA1000/ (日経新聞社説 2018/9/22) 北海道停電が示す安定供給の課題
 北海道電力は地震の影響で止まっていた苫東厚真火力発電所(厚真町)の1号機を再稼働させた。これに伴い、家庭や企業に求めていた1割の節電要請を解除した。電力需要が増える冬を控え、北海道の人々もまずは、ほっとしただろう。とはいえ、電源をかき集めた綱渡りの状態は変わらない。気を緩めるわけにはいかない。重要なのはなぜ、北海道全域が停電する「ブラックアウト」が起きたのか。その検証を急ぐことだ。そこから日本全体の安定供給への課題が見えてくるはずだ。
●自由化との両立点検を
 地震発生時、310万キロワットの需要のほぼ半分を、苫東厚真発電所が供給していた。一つの発電所に極端に集中した理由を考えるには、北海道電が置かれた経営の状況に目を向ける必要がある。北海道電の火力発電所は老朽化が進む。苫東厚真の4号機が2002年に稼働して以降、新設はない。最大の出力を持つ泊原子力発電所(泊村)は再稼働の前提となる安全審査の途中だ。泊原発の長期停止に伴い、北海道電は2度、値上げした。北海道電の電気料金は、沖縄電力を除く大手電力9社の中で最も高い。16年の電力小売りの全面自由化によって消費者は電力会社を選べるようになった。新規参入する事業者から見れば、電気料金の高い北海道は攻めどころだ。北海道では1割の家庭が北海道電から新電力に契約を変えた。この割合は東京電力や関西電力に次いで高い。中規模工場や商業施設向けの「高圧」と呼ぶ契約では約3割の顧客を失った。古くて小さな発電所は発電効率が悪い。北海道電は規模が大きく、コストが安い苫東厚真を最大限、活用せざるを得なかったのではないか。そんな無理が大停電であらわになったとすれば、電力自由化と安定供給の両立を立ち止まって点検すべきだろう。電力の安定供給には電源の最適な組み合わせと適切な設備更新が欠かせない。北海道で起きたことが、他の地域で起こらないとは言い切れない。電力システム改革の仕上げとして、20年には電力会社の発電部門と送電部門の経営を分ける発送電分離が実施される。分離後の供給責任を負うのは送配電会社だ。発電会社は新規参入する事業者を含め、自らの利益最大化のために動く。そうなると、投資が進まなかったり、特定の地域や発電方式に偏ったりする可能性がある。誰が日本全体の最適な供給のバランスを考え、長期的な視野で整備を促すのか。今回の大停電を受けて、その仕組みを再点検することが重要だ。電力改革の一環で、全国の送電網を一元管理するために設立された電力広域的運営推進機関の役割と責任は一段と大きくなるだろう。太陽光や風力など再生可能エネルギーの増加も、安定供給に課題を突きつけている。適地に恵まれる北海道の再エネ発電能力は約360万キロワット。そのうち170万キロワットを占める太陽光や風力は、停電からの復旧にあたり、送電網につながっていても全量を供給力として計算できなかった。時間や天候で発電量が変動する太陽光や風力は、過不足を補う別の電源が必要になるからだ。
●火力発電の更新不可欠
 平時でも同じ問題が立ちふさがる。夕刻になり日が陰ると太陽光発電の量は急に減る一方、夕食の準備や家路につく人々の電力消費が増える。需給バランスが崩れれば停電の引き金になりかねない。急減する太陽光を短時間で補う火力発電所や蓄電池が必要になる。温暖化ガスを出さない再エネは最大限伸ばしたい。そのためにも火力発電所の適切な更新が必要だが、太陽光の補完役だけでは稼働率が低く投資を回収できない。火力の更新投資を長期で促す制度を整えなければならない。太陽光や風力の適地は基幹送電線から離れた場所にあることも多い。基幹網につなげる送電線をつくるには多額の投資が必要だが、出力が変わる太陽光や風力は利用率が低い。結果的に消費者に過度の負担を強いる送電線の増強には慎重であるべきだ。北海道地震では本州からの電力融通も限られた。全国を10地域に分ける日本の電力供給体制の限界といえる。地域を越えて電力を効率的にやりとりする体制に変えていく必要がある。長期的には大型発電所の電気を送電線で運ぶ現行の仕組みから、地域ごとに電気をつくり、その場で使う分散電源へ電力インフラを再構築する発想も大切だろう。

| 経済・雇用::2018.1~ | 12:35 PM | comments (x) | trackback (x) |

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