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2009,04,08, Wednesday
衆議院財務金融委員会にて、与謝野財務大臣ほかに、質問しました。 内容は、以下のとおりです。 ------------------------------------------------------------- 環境税の導入について 平成21年4月8日 衆議院議員 広津素子 本日は、いわゆるFRC報告が議題となっておりますが、せっかくの与謝野大臣 ご出席の機会ですので、わが国における環境税の導入について、ご質問させて いただきます。 (1)まず、平成21年度が終わった時の、わが国の財政状態はどうなっているかを、 考えたいと思います。(質問1:財務省) わが国は、最新の財務諸表である平成18年度の貸借対照表によれば、国単体 で、981兆円の債務があり、純債務は、277兆円になっております。これにより、老 人から子どもまで含めた国民一人当たり純債務は、約217万円となり、4人家族の ご家庭では、868万円の債務を持っていることになります。 これに加えて、昨年来、燃油価格の高騰によるコスト高とリーマン・ショックによる 売上高の減少により、わが国の経済は、不況に突入し、政府は、景気対策として 75兆円の経済対策を行い、さらに10兆円規模の補正予算を組もうとしております。 そこで、ご質問いたしますが、平成21年度末におけるわが国の債務、純債務及び 国民一人当たりの純債務の予測は、どうなるでしょうか? (2)次に、地球温暖化対策全体の中で、環境税を導入することの意味について、 お話します。(質問2:環境省) 国の財政状態を改善するためには、行政改革により、無駄を省くことはもちろん ですが、景気対策のための支出も必要です。そのため、歳入を図る必要もあります。 そして、私は、その一部を環境税で賄うと、グリーン・ニューディールによる補助金の 効果を、さらに高めることができると考えております。 つまり、道路特定財源が一般財源化され、どういう根拠でこの税金をいただくかに ついて議論があるわけですが、これを炭素税もしくは環境税としていただくのが妥当 であろうと思うわけです。もちろん、炭素税もしくは環境税として課税するにあたっては、 これを自動車のみに限るわけではなく、炭素を排出するものに対して、炭素に価格を つけて、原則としてFairに徴収することが必要となります。 参考資料としてお配りしております、「地球温暖化問題に関する懇談会」の中期目 標検討委員会が出している「温室効果ガス排出量の中期目標の選択肢」は、今後、 相当な量の温室効果ガスの削減が必要であることを踏まえ、2020年におけるCO2の 排出量を1990年比-15%のケース、-25%のケースなどの4つのケースを示しており、 先進国一律-25%くらいの目標でなければ、地球温暖化は止められないと思われます。 それを考えるとき、まず、地球温暖化対策の一環として、自主的取組や規制などの さまざまな地球温暖化対策に加えて、環境税を導入するのがよいと思うわけです。 その理由は、環境税は、日本に限らず、広く世界の意識や行動を変革するためのメッ セージ効果があり、エネルギーに関するパラダイム・シフトの契機になると思われるから です。これに、中国、インドやアメリカなどの他国も協調すれば、日本の国際競争力が 落ちることはなく、公平に、地球温暖化を止めることができると考えます。 さらに、環境税の導入により、CO2の排出コストの予測ができれば、社会がエネル ギーの転換を行うためのインセンティブにもなります。そのため、エネルギーを転換し てイノベーションを行う大きな動機付けになるとともに、これを地球的規模で行うことに より、かなりの効果があがると考えられます。 実際に、環境税を導入した場合の効果につきましては、昨年の燃油価格高騰の時 に、実証されております。 昨年の燃油価格高騰の折には、化石燃料の消費が減少し、代替エネルギーに転換 するための研究や政策が進みました。 その結果、CO2の排出削減が見られ、エネルギー価格の変化は、エネルギーの消費 に確実な影響を与えていることが、明らかになりました。 現在は、燃油価格の下落により、エネルギーの転換の動きが止まっておりますので、 環境税を導入して、化石燃料を適切な価格に維持すれば、CO2排出の削減のインセン ティブが働くことは、明らかです。 そして、現在行っているグリーン・ニューディール政策に、環境税の税収から充当すれ ば、二重の効果が見込めると思いますが、いかがでしょうか? 二重の効果と申しますのは、例えば、環境によい自動車に50万円の補助金をつけるの と、環境に悪い車に50万円の税金をかけるのは、環境によい車に買い換えるためのイン センティブとして同じですが、それを同時に行うと、財政に対して中立で、なおかつ二倍の 効果があるという意味です。 (3)国民経済や産業の国際競争力に与える影響につきましては、 (質問3:経済産業省、環境省) 私は、代替エネルギーへの転換を進めることにより、むしろ買い替え需要が発生すると ともに、環境技術の開発も進むと思います。わが国の自動車が、アメリカの自動車と異な り、省エネの技術にトップランナーと言われるほど優れているのは、まさにエネルギーの 値段が高く、環境に厳しい国で開発された車だからです。 そのため、国民経済や産業の国際競争力に与える影響は、プラスもあるし、マイナスも あると思いますが、国として硬い決意で政策を行えば、経済への影響を緩和し、また、脱 炭素社会の製法への転換を促すこともできます。 すでに、環境税を導入している諸外国では、産業によって、軽減措置なども見られ、環 境税の産業へのマイナスの影響をなくすことが可能です。さらに、産業におけるイノベー ションをむしろ後押しするということもあり、もし、国際的にその動きが広がれば、国際競 争力が落ちるという問題もなく、本当に地球温暖化を止めることができると思います。 (4)では、どういう方法で環境税の金額を決めるか及び既存エネルギー関係諸税や諸外 国における取組の状況との関係ですが・・、 (質問4:財務省、環境省) 私は、既存のエネルギー関係諸税を一般財源化するにあたっては、まず、炭素に価格を つけるという発想で、環境税の水準を決めるのがよいと思います。 また、環境を守り、エネルギーの転換を促すという観点からは、少なくとも現行の税率水準 を維持することが重要であり、他の先進諸外国との比較から考えれば、ガソリンであれば、 1リットルあたり200円程度の売価になるように環境税を設定するのがよいと思います。 ドイツ、イギリス、フランス、韓国などにおいては、すでに環境税が導入されており、環境 対策の役割も果たして、削減効果があったと指摘されておりますが、それぞれの国での 1リットルあたりのガソリン価格と税額は、だいたい以下のとおりです。 (2007年4~12月) //////イギリス: ドイツ : フランス: 韓国 : 日本 : アメリカ 価格 : 233円 : 229円 : 216円 : 193円 : 155円 : 94円 税額 : 150円 : 143円 : 134円 : 111円 : 61円 : 12円 今後は、わが国も、環境税を導入し、税制もグリーン化を図っていくことを、大きな方向に すべきだと思いますので、是非、よろしくお願い申し上げます。
| 主に衆議院議員時代の活動::東京での活動 | 10:20 AM | comments (x) | trackback (x) |
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