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2012.5.5 公的年金資産の運用方法への不信(わかりやすいように、4月4日の活動報告に書いたAIJ投資顧問に関する記事も、転載しました。)
 下のHPの記事を読んで、がっかりしたことは、①~⑦の点である。つまり、支払われた年金は、どう使ってもよく、外国に大判振る舞いして、そちらの得点を上げたいと思っている人が、年金資産を運用しているということだ。そして、こういう人が年金資産の運用を行ってきたこと自体が、多額の年金資産を失ってしまった大きな原因である。そして、今後も大きな損失を出し続け、最後に年金資産がなくなったら、定年間近のトップが引責辞任して謝罪し、年金資産の減少を少子高齢化だけのせいにして、消費税で年金を賄うつもりなのだろう。しょぼん

①年金積立金管理運用独立行政法人が6月にも、中国やインドなど新興国市場に上場する企業の株式に投資を始め、当初の投資額は1000億円程度とする見込みとのことだが、リスクの高いこれらの国に投資するにあたり、年金資産の何割を投資するつもりなのか。それより、災害にあった東北地方の県の公債や復興国債を買う方が、余程、安全で役に立つ。 
②「投資ノウハウを蓄積したうえで投資額を増やします。」ということは、現在、投資ノウハウのない人が投資をしていることを自白しているが、それがまさに、これまで、高度成長期に多くの働く世代が積みたててきた年金資産の運用で莫大な損失を出してきた原因なのである。よくしゃあしゃあと言えるものである。
③「年金財政の悪化に対応し、運用成績の底上げにつなげたい考えです。」というのは、まさに、2012年4月4日の活動報告に記載したAIJ投資顧問の企業年金連合会の年金資産運用と同じことを行おうとしているのであり、その事件からも何の学びもない。
④「新興国株投資やBRICs、南アフリカ、メキシコなどの株式市場に上場する企業を投資対象にする見込み」というのは、Country Riskが高く、その中で興ってくる会社のリスクも高いので、リスク評価が不可欠だが、その発想がない。
⑤「リスク運用の拡大に慎重論があるためで、今回の新興国株投資の解禁はノウハウ蓄積に向けた試行的な取り組みという側面もあります。」ということだが、やり直しのできない一生をかけて払い込まれた年金資産を慎重に運用するのは当たり前で、そういう発想やノウハウのない人には、そもそも年金資産の運用を行う資格がない。
⑥「厚労省が09年に示した公的年金の財政検証では、20年度以降の運用利回りを年4.1%に設定していますが、06~10年度の運用利回りは年平均マイナス0.32%と低迷しています。」ということだが、多くの国が不況で0金利政策をとっている金融市場の市場原理の中で、前に運用利回りを年4.1%に設定したから、それが実現すると思って変えないのがおかしい。0金利政策も変なのだが・・。
⑦「一方、高齢化進展による給付増と積立金の取り崩しが毎年続き、運用成績の底上げが急務になっています。」ということだが、①~⑥のような、年金資産の運用責任を無視した運用の結果、すった年金積立金が多額であり、こういうことをすれば、今後ますます損失が増加することが想定される。 

http://mlm.bookmarks.jp/news/?p=2816 (ネットワークビジネス最新ニュース)
公的年金、6月にも新興国株で運用 当初1000億円規模
公的年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は6月にも、中国やインドなど新興国市場に上場する企業の株式に投資を始めます。 当初の投資額は1000億円程度とする見込みです。 投資ノウハウを蓄積したうえで投資額を増やします。 年金財政の悪化に対応し、運用成績の底上げにつなげたい考えです。GPIFは年金福祉事業団を改組した年金資金運用基金から公的年金の積立金の運用・管理業務を引き継ぎました。 運用資産総額は2011年12月末で約108兆円です。 運用資産は、おおむね国内債券で7割、国内株式、外国債券、外国株式がそれぞれ1割程度で構成されています。現行の運用規則では、外国株式の運用対象を原則として約20カ国の先進国の企業に限定しています。 今回、規制を見直し、新興国の株式市場に上場する企業の株式にも投資できるようにします。民間の企業年金で新興国株への投資が広がっているほか、ゆうちょ銀行が10年から上場投資信託(ETF)を購入する形で中国、ブラジルなどの株式への投資を始めています。 公的年金の運用でも、資産の一部を成長市場に振り向けることにしました。ただし、1割程度の外国株への投資比率の大枠は変えずに先進国から新興国の株式に振り分けます。 リスク運用の拡大に慎重論があるためで、今回の新興国株投資の解禁はノウハウ蓄積に向けた試行的な取り組みという側面もあります。新興国株の値動きを示す「MSCI新興国市場指数」を上回る収益を目指します。 BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)や、南アフリカ、メキシコなどの株式市場に上場する企業を投資対象にする見込みです。厚労省が09年に示した公的年金の財政検証では、20年度以降の運用利回りを年4.1%に設定していますが、06~10年度の運用利回りは年平均マイナス0.32%と低迷しています。 一方、高齢化進展による給付増と積立金の取り崩しが毎年続き、運用成績の底上げが急務になっています。


<2012.4.4 の活動報告に書いたAIJ投資顧問に関する記事>
 年金や保険など、運用して収益を上げることによって成り立っている事業は、現在は、すべて苦戦している。そのような中、資料2、資料3のように、AIJ投資顧問が企業年金に1200億円超の損失を出し、顧客の年金基金に虚偽の運用結果を報告していたことで、詐欺であるとともに、顧客の年金資産に大きな打撃を与えた。
 しかし、これには、AIJ投資顧問の問題だけではなく、我が国で、間違ったことがキャンペーンされてきたことによる根深い問題が存在する。資料1のように、企業年金連合会の年金資産運用の考え方の中にも、「ある程度リスクをとって、年金資産の必要な運用利回りを目指していかなければならない」と書いてあるが、人生をやり直せない人々が老後のために貯蓄してきた年金資産運用の常識は、「低利率でも決して元本割れしない金融資産に80~90%投資し、残りの10~20%でリスクをとって運用利回りを稼ぐこと」だからである。つまり、年金資産の運用は、国債や社債など、元本が償還されることが確実な金融資産に、殆ど投資すべきなのである。
 それでは、何故、間違ったことがキャンペーンされてきたのかと言えば、それに関するリーダーが金融に無知だったのか、故意だったのかは知らないが、①年金資産で、リスクをとって新しい会社を育てるなど、いろいろなことをすればよいと考えたこと ②ゼロ金利政策で、金利や運用利回りが非常に低く抑えられたこと などがある。つまり、利益率の悪い会社を生き延びさせるために、運用系の会社が犠牲になったということだ。
 ならば、利益率の悪い会社はつぶせばいいのかと言えば、それでは、失業者が氾濫してかえって経済を悪くする。本当は、産業を効率化して、無駄を省き、利益率が世界標準である会社を多くすべきだったのだ。そして、それはできたはずだ。ただし、それには、①資源・エネルギー政策や産業政策を、早く現代にマッチしたものに改革しておくべきだった ②電力会社などの地域独占企業の独占をやめさせ、早くから公共料金が高止まりしないようにすべきだった ③そのためには、不合理な経営を守る天下りを早くやめるべきだった など、(私が改革を始めた時に抵抗せず)時間をかけずに改革しておかなければならないことが多々あったのである。そして、今も、同じようにして、公的年金資産も、時々刻々と食いつぶされていることを忘れてはならない。

資料1:http://www.pfa.or.jp/jigyo/shisan/shisan01.html
年金資産運用の基本的考え方 (企業年金連合会) 
(ポイント)将来の年金給付を確実に行うためには、年金原資を金融商品などで運用して年金債務を上回る年金資産を確保しなければなりませんが、必要な運用利回りを常に確保し続ける手段はなく、リスクと隣り合わせです。高い運用利回りが期待できる運用商品は、大きなリスクを伴い、損失を避けるために、リスクの低い運用商品に投資した場合は、低い運用利回りになります。
それでは、安全な運用のためリスクを落として低い運用利回りでいいのでしょうか。年金資産運用も、リスクを低くすれば良い運用ということにはなりません。運用利回りが低すぎては、将来必要となる年金資産を確保できないことになり、年金財政が不安定になってしまいますので、将来必要な年金資産を確保するためには、ある程度リスクをとって必要な運用利回りを目指していかなければなりません。そのためのキーワードは「分散」です。分散こそリスクを低減させることのできる、我々にとっての強い味方であり、連合会では、分散投資を資産運用の基本原則として、効率性の高い運用の追求を行っています。

資料2:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120323-00000166-jij-bus_all
企業年金、損失1200億円超=残余資産回収にハードル―AIJ問題 (時事通信 3月23日)
(ポイント)AIJ投資顧問(東京)による年金消失問題で、顧客の大半を占めた企業年金基金に少なくとも1200億円超の損失が発生することが23日、証券取引等監視委員会の検査結果で判明し、財務基盤の弱い中小規模の基金では、運営が維持できないケースが出る恐れがある。証券監視委員会によると、AIJは2003年3月期から11年3月期までに企業年金などの顧客から1458億円の資金運用を受託して、運用失敗や報酬・手数料名目で1221億円がすでに消失した。元本の約8割が消えた計算だ。残った資産の返還手続きは「AIJと顧客の話し合い」(金融庁監督局)で、行政が直接介入できない。

資料3:http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120403/crm12040311350002-n1.htm
蓮舫氏が浅川社長を追及 参議院参考人招致 (産経ニュース2012.4.3)
(ポイント)AIJ投資顧問(東京都中央区)による年金資産消失問題で、同社の浅川和彦社長(59)が3日、参院財政金融委員会に参考人招致され、顧客の年金基金に虚偽の運用結果を報告していたことについて、「人をだまして自分個人のカネを増やそうとか、もうけたいと思ってやったことは一切ない」と改めて犯意を否定し、「運用への不安を抱えながらお客さまにも社員にも本当の状況を告げられず、早く取り戻そうと必死だった」と釈明した。委員会には、年金基金との仲介役を務めた旧厚生省OBで「東京年金経済研究所」社長の石山勲氏(75)も出席した。

| 年金・社会保障::2012.4~2013.7 | 12:28 PM | comments (x) | trackback (x) |

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