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2012.6.26 消費税増税は我が国のためにならないので、衆議院は全力で否決すべきだったのに
 「社会保障は消費税増税で賄わなければならない」と唱えている人たち(政党・メディア・その他)は、下の点で社会保障を軽視している人たちであることを国民は決して忘れてはなりません。なぜなら、国税収入は、法人税、所得税、相続税、その他の間接税などがあり、その上に消費税があるのであって、社会保障は消費税で賄わなければならないとは決まっていないからです。従って、下の検討をすべきであるにもかかわらず、それは全くなされずに「税と社会保障の一体改革」が唱えられていることからも、「社会保障のための消費税増税」という念仏のようなお題目は、「電気を人質にした原発再稼働」と同様、「社会保障を人質にした消費税増税」であることがわかります。

<検討も質問もされていない事項>
1)もし社会保障を消費税で賄うとすれば、他の税収は何に使うつもりか、まず、全体として税収と歳出の振り分け割合を検証すべきだがしていないこと。
2)何故、社会保障費用は他の税収から支出してはならないかの検討も説明もないこと。
3)それぞれの社会保障(年金、医療、介護など)は、使用目的を明確にして保険料の形で徴収しており、現在、徴収や運用において不完全かつ不公正な部分が多く、これを改善することにより収入が増えるとともに公正性・公平性が増すため、これを改善することこそが最初の課題であるが、それには手をつけずに消費税増税を主張しているのはおかしいが、不問に付されていること。
4)その保険料の徴収・運用における問題を曖昧にしたまま消費税増税を行えば、歪みが残ったまま無駄な支出が増えるばかりで本当の問題解決はできないが、国民にどうしても消費税増税を押し付けるのは、現状維持か利権拡大をしたい意図があること。
5)子ども子育てについても、幼保一体化もできず、本質的な改革はせずに、自民党時代からあった認定子ども園でさらに組織を3本化して歳出を増やしているだけであり、これで、母親が便利になって少子化に歯止めがかかるとは思えないが、その議論はかき消されたこと。

 このような中での下の野田首相の演説は、財源で国民を脅迫しながら「消費税増税をお願いします、お願いします」と言っているだけであり、官主主義にひれ伏した腰ぬけとしか言いようがありません。また、財務省が省を上げて推進している消費税増税などは、それに乗るのであれば野田首相の言う「命を懸ける」ほど難しいものではありませんし、命を懸けるなら世界の脱原発や行政改革のように抵抗勢力が強く、どうしても必要なものに懸けるのが首相の本分でしょう。野田首相の「命を懸ける」という言葉の軽さに唖然としますが、これはほんの一例であり、他の言葉も似たようなものなのです。

 そして、メディアもまた、「小沢グループは造反で離党すべきだ」というような政局の報道しかできないレベルにあるのが、我が国の主権在民を建前だけの内容なきものにし、主権在官を堅持させて国民の不幸を作っている根源になっているのです。なぜなら、主権在民を本当に機能させるためには、有権者である国民に、日頃からきちんと分析された真実の情報を提供し続けていなければ、主権を行使するにあたって正しい判断や選択はできないからです。我が国のメディアは、「人権」や「主権在民」など、憲法に基づく基本的な意識の上で、開発途上国の報道より遅れているように思います。 汗

http://www.asahi.com/politics/update/0625/TKY201206250441.html
(朝日新聞 2012年6月25日) 増税法案賛成「心からお願い」 首相、民主代議士会で
消費増税関連法案は26日の衆院本会議で民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決され、衆院を通過する。野田佳彦首相は25日夕、国会内で開かれた民主党臨時代議士会で挨拶し、「社会保障が待ったなしの状況の中で、先送りしたらこの国は持たない。一致結束してご支援、ご賛同を賜りますよう、心から、心から、心からお願い申し上げる」と述べ、法案に賛成するよう求めた。 首相は社会保障政策について「年金関連の2法案、子ども子育てに関わる3法案で、修正はあったが、私どもが勝ち取ろうとしていることはしっかりと勝ち取ってきている。今日、(国会で)最低保障年金も後期高齢者医療制度の廃止も旗は降ろしていないと明確に申し上げた」と強調。そのうえで「安定財源を確保し、経済の再生もやる。政治改革も行政改革もすべてやり抜いていく本格的な改革を、皆で結束して実現していこう」と訴えた。 民主党内では、小沢一郎元代表グループの議員らが反対票を投じると明言。54人以上が離党すれば、与党勢力は衆院で過半数割れする。内閣不信任決議案が可決される可能性が高まる一方、予算案や重要法案なども与党単独で可決できず、首相の政権運営は一気に厳しさを増すことになる。

PS:衆議院での採決が終わり、消費税増税法案が三党合意による圧倒的多数で衆議院を通過してしまいました。そして、メディアは、「反対した民主党議員57人は造反であるから処分せよ」とけしかけていますが、何を寝ぼけているのでしょう!議員は、一人一人が国民の代表であって、政策について執行部に白紙委任して執行部に忠誠を誓う党の部品ではありません。従って、マニフェスト違反で、かつ、一方的議論打ち切りによる党の決定に賛成しなかったからといって、「造反」などと言われる筋合いはないでしょう。もちろん、反対した民主党議員57人の方は、マニフェスト違反で消費税増税を行い、国民の声を無視して原発再稼働の決断を行った民主党から出て別の政党として行動した方が、選挙上は、立ち位置がはっきり見えてよいという選択もあるでしょうが、与党として行動しなければ自分の政策が実現できなくなるというディメリットもありますから、難しい判断でしょう。

| 消費税増税問題::2010.6~2012.7 | 09:49 AM | comments (x) | trackback (x) |

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