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2012.7.6 原発事故の人間(生物)に対する影響
(1)癌による死亡率の上昇 

 2011.9.29に、このブログで述べたように、どうしても原発を続けるべきだという論拠の中には、原発を持っていれば原爆もすぐに作れるから、抑止力になるという意見もある。

 しかし、年齢や生活習慣病の影響を最も受けない乳児死亡率で見ると、本来であれば滑らかな曲線で下降するはずの乳児死亡率が、始めは年ごとに下降していくが、途中で急に下降が止まり、それはネバダの核実験が始まった時である。そして、それ以降、核実験のたびに乳児死亡率も合わせて上昇する。これは、米ソ英による大気核実験停止条約が締結される1963年まで続き、*1の斜線部分と*2の黒の部分が、放射能のために余計に亡くなった乳児の数となる。原爆どころか核実験でさえこうなるのだから、人類に、武器として原爆を使うという選択肢はない。
         
 *1:ニューハンプシャー乳児死亡率(1945~75)  *2:米乳児死亡率(1935~1999)

 それでは、子どもだけが影響を受け、大人は影響を受けないのかと言えば、癌(悪性新生物)による死亡率は年々上昇し(*3の黒の折れ線グラフ)、1980年に脳血管疾患(点線)を抜いて一位となり、その後も増え続けて、現在、日本人の2人に1人は癌で亡くなると言われ始めた。つまり、大人の方が癌にかかる人が多く、癌による死亡率も高いのである。これについて、癌は高齢になってから発症する病気であるため、年齢修正後の死因別死亡率の推移では、癌による死亡率は低下しているのだという主張及びデータもあるが、それは、放射線などの影響がなかった場合の話であり、*4のように放射性物質がばら撒かれたフクシマ原発事故以降は、その曲線が不自然な急カーブで上昇することが予想される。その余分に亡くなった人が、原発事故による死亡者である。なお、癌だけでなく、心疾患も急カーブで上昇することが予想される。

         
 *3:人口10万人あたりの死因別死亡率の推移  *4:フクシマとチェルノブイリの放射能汚染地図

(2)内部被曝の怖さ 

 また、放射性物質を含む食品を食べると、それが消化管から体内に取り込まれ、至近距離から体細胞が被曝し続けることになる。さらに、空気中に飛んでいる放射性物質を含むチリを吸い込むと、鼻、気管支、肺に放射性物質が入り、同様に至近距離から体細胞が被曝し続けることになる。そして、体細胞が至近距離から長時間被曝し続けると、細胞分裂の際にDNAの複製が多数失敗し、免疫機構による身体の抵抗力にも限界があるため、癌細胞が増え始めるから、この内部被曝は怖いのである。従って、「放射性物質を含む食品を、協力して買え」「協力して瓦礫の広域処理を行え」というキャンペーンは、人の命や健康を無視した間違った行為である。さらに、このようなことをして日本全国で癌の発生率が高まると、後に*1、*2のような疫学調査をした時に、「癌による死亡率の上昇は、フクシマだけでなく日本全国で起こっているのだから、生活習慣病のせいであって福島原発事故由来の放射性物質のせいではない」という結論を導きやすいわけだ。

(3)フクシマ以降は複合的な犯罪であるということ

 そのような中、フクシマでは、大気中にも水中にも放射性物質が垂れ流されているままであり、その事実が報道されることはあまりない。そして、大飯原発が再稼働してから、国会事故調は、福島第一原発事故を人災と断定した。しかし、国会事故調も結果ありきの判定をしており、「脱原発依存(脱原発とは似て非なるもの)」「SPEEDIの活用は困難だった」「原子力規制庁を作れば問題は解決する」「菅首相の対応に問題があったのであり、他の首相ならうまくいった」「対策を行えば原発事故は起こらない」というような結論を導き出しているようだ。今後は、御用メディア、御用学者、原子力ムラ、癒着議員の知識・経験・判断とその背景を含む複合的な人災による癌や心疾患の死亡率上昇が起こってくるが、それは、人の命や健康を何とも思わない行為であって、故意・重過失のいずれにしても犯罪である。

http://www.asahi.com/politics/update/0705/TKY201207050175.html (朝日デジタル 2012年7月5日)
 国会事故調が最終報告で、原発事故は「人災」と断定
 東京電力福島第一原発事故を検証する国会事故調査委員会(黒川清委員長)は5日、最終報告書を決定し、衆参両院議長に提出した。東電や規制当局が地震、津波対策を先送りしたことを「事故の根源的原因」と指摘し、「自然災害でなく人災」と断定。首相官邸の「過剰介入で混乱を招いた」として、菅直人前首相の初動対応を批判した。東電が否定している地震による重要機器損傷の可能性も認め、今後も第三者による検証作業を求めた。 報告書は641ページ。事故調は延べ1167人に900時間以上の聴取を行い、関係先から約2千件の資料提供を得た。東電や電気事業連合会、文部科学省、原子力安全委員会などから入手した13点は非公開の前提で提供され、公表を見送った。
■地震・津波対策「意図的な先送り」
 報告書は地震、津波対策について、東電や経済産業省原子力安全・保安院などの規制官庁が「意図的な先送りを行った」と踏み込み、「何度も事前に対策を立てるチャンスがあったことに鑑みれば、事故は明らかに人災」と断じた。

| 内部被曝・低線量被曝::2011.7~2012.8 | 08:21 PM | comments (x) | trackback (x) |

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