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2012,07,25, Wednesday
消費税増税は不要だと言うと、必ず「それでは代替財源は?」と反論される。すでに、より公正な制度に改善しながら、増税なき財政再建を行う方法をいくつも提案しているが、消費税増税自体が目的となっている人には、念仏のようだ。
今日は、そのうちの介護保険制度について述べるが、この制度は未完成品である。つまり、下のように、介護保険制度に加入して保険料を支払う人は、40歳以上の全員であるが、介護保険制度による給付を受けられる人は、65歳以上では殆どの病気に対応しているにもかかわらず、40~65歳では、「初老期認知症、脳血管疾患、がん末期など老化に起因する一定の疾病により介護や支援が必要となった人」というように、ひどく制限されており、さらに40歳未満の人は対象外だからだ。そして、40歳未満が介護保険の対象外であることにより雇用主の負担が少ないため、40歳定年制まで言い出されている。 <介護保険制度の運営主体> 介護保険は、原則として市町村が運営し、諏訪地域、木曽地域、大北地域では「広域連合」である。 <介護保険制度の加入者 (被保険者)> 介護保険制度に加入し、被保険者となる方は、下のとおりである。 ・区分 第1号被保険者 第2号被保険者 ・加入する人 65歳以上の人 40歳以上65歳未満で、医療保険に加入している人 ・保険の給付 ・寝たきり、認知症などで ・初老期認知症、脳血管疾患、がん末期など、老化に 常に介護を必要とする人 起因する一定の疾病により介護や支援が必要な人 ・日常生活に支援が必要な人 しかし、介護を受ける状態になるリスクは40歳以下でも存在するし、祖父母や両親の介護負担が軽減されることを考えれば、介護保険制度を全世代に適用して給付の制限もなくす方が、公正で平等である。この場合、必要なことはするという原則にすれば障害者給付との調整は簡単だ。なお、「若い人に介護保険料を支払わせるのは厳しい」という論は、若い人を甘やかしすぎであり、高齢者には差別だ。 そもそも、社会保障というのは、弱い立場になった時に社会的に支えるシステムを作り、日頃は安心して全力で働けるようにする制度であるから、一人の人間が、若いうちは元気で支払いが多く、高齢になったら病気がちになって給付が多いのは当たり前なのである。給付を受けなくて済むのは幸せくらいに考えるべきだろう。そして保険制度というのは、リスクの高い人も低い人も入っていなければ成立しない。 また、これで苦情を言うようなわがままな若者を育ててはならないし、40歳以下が介護保険の対象外であることから40歳定年制を言いだすような企業を許してはならない。まして、社会保険料を支払わないために非正規雇用しか使わないような企業は論外であって、経費の節約は、他の方法で行うのが経営者の才覚である。
| 年金・社会保障::2012.4~2013.7 | 05:05 PM | comments (x) | trackback (x) |
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