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2012.10.25 もっと正確にわかるのにSPEEDIを使わないのは、計算結果がすごすぎるからでは?(10月27日に追加あり)
 原子力規制委員会は、*1のように、「福島第1原発事故と同じ事故が起こったら、これまでの想定を超え、原発から最も遠いところで40kmの地点まで影響が及ぶ」とする結果を出した。しかし、これは逆に、40km以上離れていれば安全で、防災対策はいらないという言うメッセージにもなる。また、原子力規制委員会が計算した結果によれば、福島第2、柏崎刈羽、浜岡、大飯が廃炉になりそうだが、これらの原発の廃炉は、もともと強く求められていたものだ。つまり、廃炉する原発の結論があって、その理由付けのために、新しく「原発事故影響試算」が出されたように見える。

 一方、*2~*4のように、福島第1原発事故による放射性物質は、岩手県、山梨県、埼玉県など200km以上離れた地域にも降っており、農産物に影響を与えている。従って、その地域に住む人々にも内部被曝の影響が出るのは時間の問題であり、40km以上離れていれば安全とは決して言えない。

 それでは、どの範囲に放射性物質が降るのかと言えば、それを、風向きや地形まで加味して計算できるのがSPEEDIだ。何故、これを使わずに同心円を使い、暫定的な試算しかできないと言うのか? それを考えたところ、SPEEDIを使って正確な計算をすると、シミュレーション結果が目的に合わず、不都合だからだろうと思った。

*1:http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121024/k10015985771000.html
(NHK 10月24日)原発事故影響試算“説明不足”の声
 24日公表された原発事故の影響範囲の試算では、これまでの想定を超えて原発から40キロの地点まで影響が及ぶなどとする結果が出ましたが、NHKが関係の21の道府県に取材したところ、すべての自治体が「試算結果は先週、メールで受け取っただけで詳しい説明がなかった」と答えました。事故の影響範囲という住民にとって関心の高い情報の説明不足に自治体からは戸惑いの声が出ています。原発事故の影響範囲の試算は、原発の立地自治体などが来年3月までに作る地域防災計画の中で、避難などが必要となる防災を重点的に行う範囲を決める際に参考にするものです。24日、公表された試算では、全国の16の原発のうち、東京電力柏崎刈羽原発など4つの原発で、避難などの準備をしておく範囲の目安とされる30キロを超えて影響が及ぶという結果が出ました。特に新潟県の場合、最も遠いところで40キロまで影響が及ぶとなっています。試算結果について事前にどのような説明があったのか、関係の21の道府県にNHKが尋ねたところ、すべての自治体が「先週、メールが送られてきただけで詳しい説明はない」と答えました。原発から40キロの地点まで影響が及ぶとされた新潟県では「どのようにみてよいのか、説明を聞かなければ分からない。防災対策の範囲を決める際に参考にできるかは、今後検討する必要がある」と話しており、多くの自治体から説明不足や戸惑いの声が上がっています。これについて、原子力規制委員会の田中俊一委員長は「規制委員会の事務局の人員の数から、自治体への丁寧な説明は時間的に無理なところがあった。今後、各自治体が地域防災計画を作る段階でよく相談をしていきたい。今回の結果はあくまでシミュレーションで、新潟県を含めて防災を重点的に行う範囲については、半径30キロで問題ないと思っている」と弁明しました。

*2:http://mainichi.jp/select/news/20121023mog00m040011000c.html (毎日新聞 2012年10月23日) 放射性セシウム:ソバ、ナメコから基準値超 岩手県が出荷自粛要請
 岩手県は22日、一関市の旧興田村で生産されたソバから国の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る250ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。農産園芸課によると、ソバの基準値超過は初めて。県は今年産のソバについて、検査が終了するまで出荷を自粛するよう8月21日付で全県的に要請していたが、一関市と関連団体「いわい東農業協同組合」に対し22日、出荷自粛の継続を要請した。また、林業振興課も同日、陸前高田市で露地栽培された原木ナメコから基準値を超える280ベクレルの放射性セシウムが検出されたとして同市に出荷自粛を要請した。

*3:http://www.sannichi.co.jp/local/news/2012/10/24/3.html  
(山梨日日新聞 2012年10月24日) 放射性セシウム 鳴沢のキノコ基準超す  県産食品初、村に出荷自粛要請
 山梨県は23日、鳴沢村内で採取した野生キノコ2検体から、国が定めた一般食品の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表した。食品の放射性セシウムの新基準値が適用された4月以降、県の検査で、基準値を超えたケースは初めて。県は鳴沢村に対し、同村内で採取された野生キノコの出荷などを自粛するよう要請した。同村産のキノコが販売できなくなる農産物販売所などからは「経営の痛手になるのは必至」との声が上がっている。

*4: http://www.news24.jp/articles/2012/10/23/07216380.html
(日テレニュース 2012年10月23日) 埼玉県の鹿肉から基準8倍のセシウム
 埼玉県は23日、東京都の県境に近い秩父市浦山で捕獲されたシカの肉から、基準の約8倍にあたる一キロあたり820ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。県は鹿肉を扱う事業者に対し、出荷と販売の自粛を要請するとともに、県内で捕獲されたシカの肉を食べないように注意喚起する予定。シカやイノシシについては、他にも県内の山間部10か所で検査を行っているが、他の場所では基準値を下回っているという。

PS:地元に玄海原発をかかえている*5の佐賀新聞記事の方が、大メディアよりも問題点の把握が進んでいるようだ。私は、そこまで金を使い、犠牲を払って原発で発電すべき理由はないと思っている。どうしても原発由来の電気を使いたい人は、その人が全コストを支払うべきだし、「低線量被曝は危険ではない」と信じて聞かない人は、その人が、速やかに福島第一原発の後処理をすればよいだろう。

                 
         今回の拡散予測             SPEEDIによる1時間後の拡散予測

*5:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2315343.article.html (佐賀新聞 2012年10月25日) 放射性物質の拡散、糸島まで 玄海有事の際
 原子力規制委員会は24日、全国16カ所の原子力発電所で福島第1原発事故のような過酷事故が起きた場合の放射性物質の拡散予測を公表した。玄海原発(東松浦郡玄海町)では、住民の避難基準となる事故後1週間の積算被ばく線量100ミリシーベルトに達する範囲は、福岡県糸島市方向の東北東が最も遠い27・5キロ地点まで達している。唐津市中心部方向の東南東は17・3キロ地点までと予測している。 試算は、(1)福島第1原発事故と同規模の77万テラベクレル(ヨウ素換算)の放射性物質が放出された場合(2)玄海原発4基全てが同時に、福島原発と同程度のメルトダウン(炉心溶融)事故を起こした場合-を想定。いずれも山や河川などの地形は考慮せず、全て平地という仮定で行った。 気象条件は昨年1年間の1時間ごとのデータ(8760時間分の風向、風速、降雨量など)を基に、放射性物質が拡散する方位(16方向)と距離を計算。風向きは常に一定という設定で、途中変化は考慮せず、国際原子力機関が、避難が必要としている「7日間で100ミリシーベルト(24時間屋外に滞在した場合の内部・外部被ばくの合計)」に達する地点がどこまで及ぶかを方位別に試算した。 事故の影響が大きい(2)のケースでは、糸島方面の東北東が27・5キロで、最も遠くまで達すると予測。島を含む陸側方位では馬渡島方面の北西が19・8キロ、加部島方面の北東が18・9キロと続いた。唐津市中心部方面の東南東は17・3キロで、同市のオフサイトセンターも含まれる。相知町方面は11・7キロ、伊万里市方面は9・9キロとなっている。 全体的にみれば、規制委が事故に事前に備える緊急時防護措置準備区域(UPZ)の設定目安とする30キロ圏内に収まっている。ただ、影響が大きい(2)のケースも福島事故程度の想定で、玄海原発4基にある使用済み核燃料を含む全ての放射性物質が放出されるという「最悪のケース」を想定した予測ではない。 また、急性外部被ばくの基準となる「10時間で1グレイ」に達する地点は東北東の1・1キロが最高で、規制委が放射性物質の拡散が始まる前に直ちに避難する区域(PAZ)の目安としている5キロ以内に収まっている。規制委は今回の予測について、各自治体が来年3月末までにまとめる地域防災計画の参考資料として作成。ただ、地形などは考慮しておらず、全ての気象条件もカバーできないとし、限界があることを踏まえた上で参考にしてほしいとしている。
■【記者解説】誤解招かぬ説明不可欠
 原子力規制委が公表した放射性物質の拡散予測は、佐賀県など関係自治体が策定する地域防災計画の参考資料として試算された。一定条件下での「拡散傾向」を知るという点では参考になるかもしれないが、地形条件を考慮していないなど精度には大きな問題が残る。住民に誤解を与える可能性もあり、行政側の丁寧な説明は不可欠だ。今回の試算の問題は、地形条件と風向きの変化を考慮していない点だ。日本の原発は全て海に面している。玄海原発も周囲は複雑に入り組んだ海岸線があり、後背地には山もあれば谷もある。原発を起点に一定方向に継続して風が吹くことはまずあり得ない。拡散途中では地形の影響を受け、飛散方向は大きく変化する。実際、福島第1原発事故でも30キロ以上離れた飯館村などで高線量を観測した。玄海原発の拡散予測では、避難基準地点は規制委が目安とする30キロ圏内に収まっている。しかし、これは30キロ圏外の安全を保証したものではない。規制委の田中俊一委員長は会見で「どこのサイトも30キロを超える事態は起こり得る」とした。今後、防災計画を策定する上では、拡散予測はあくまで一つの参考としてとどめ、地形など地域の実情を十分に分析、考慮した計画が求められる。

PS(10月27日追加):*6は、10月27日(土)に掲載された原発事故被災地の地方紙による社説ですが、もっともです。

*6:http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2012/10/20121027s01.htm
(河北新報社説 2012年10月27日)放射能拡散予測/もっと精密に試算すべきだ
 原発事故によって大量に放出された放射性物質は一体、どこまで飛んで重大な被ばくをもたらすのか。国の原子力規制委員会が初めて、全国の16原発を対象にした試算結果を公表した。「1週間の積算で100ミリシーベルトの被ばく線量」になる地点を調べたところ、東京電力柏崎刈羽(新潟県)では原発から約40キロの魚沼市で100ミリシーベルトに達するという結果になった。東電福島第2(福島県富岡、楢葉町)と関西電力大飯(福井県)でも方角によって30キロを超えた。東北電力の女川(宮城県女川町、石巻市)と東通(青森県東通村)では、いずれも十数キロ程度だった。試算は周辺自治体を対象にした原子力防災計画策定の際の参考資料となるが、今回のデータだけで効果的な防災計画を作ることは無理だろう。拡散予測をするなら、地形や風向きを最大限考慮した内容にすべきだ。その上で、確実な避難などが果たして可能かどうか、しっかり検証しなければならない。それが福島第1原発事故の教訓を踏まえた対応になる。規制委は、福島と同程度の事故が各原発の全原子炉で起きたという想定で試算した。当然、多くの原子炉を抱える原発は放出量も増え、100ミリシーベルト圏が広がることになる。だが、これでは大まかすぎる。放出量はむしろ何段階かに分けた方が分かりやすい。原子炉3基の女川原発なら、同時多発と単独の両方の事故について想定すればいい。
 さらに地形情報を加味していないのは、今回の試算の致命的な欠陥だ。福島では原発からの直線距離より風向きと地形、天候が放射性物質の拡散と汚染に決定的な影響を及ぼした。SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)のように地形のデータを入れ、風向きは仮定した方が現実的だ。つまり女川の場合、「北東の風なら石巻市で○ミリシーベルト。降雨があれば△ミリシーベルト。南西なら…」といった内容だ。
 また、一般の人の年間線量限度が1ミリシーベルトなのに、たった1週間でその100倍になるという線引きの基準は高すぎる。「100ミリシーベルト圏外だから避難計画を作らなくともいい」と誤解する自治体が出てきたら、それこそおかしな話になる。もっと低い何種類かの線量も示すべきだ。
 福島の事故後、規制委はこれまで原発から10キロ圏内だった防災の重点地域を30キロに拡大する考えだが、それでも到底十分とは言えない。女川原発から約50キロの仙台市が地域防災計画に原子力災害対策を盛り込むことを決めるなど、自治体側の危機感は強い。ただ、福島の教訓をくみ取って住民の避難にまで備えるのは、とりわけ都市部にとって負担の多い大変な作業だろう。自治体も規制委もこれから、本当に住民を守る防災対策を実行できるのかどうか、見極めなければならない。それが不可能に近いのなら、原発の存廃そのものを議論するのが筋だ。

| 原発::2012.10~12 | 01:25 AM | comments (x) | trackback (x) |

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