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2013.1.10 物事を論理的に考え、ディスカッションできる人材を作ることは、大学だけではできない。「文化」を作っているので、メディアも重要な役割を果たしているのだが・・。
 これまで、このブログの記事で理由を説明してきたとおり、私は、電力自由化と脱原発が、わが国の未来を拓くと考えているので、その意味では、*1の意見に賛成である。しかし、物事に利害関係や反対意見がある時に、論理的に筋の通ったディスカッションをして決着するという態度は、子どもの頃から自然と吸収できるようにすべきであり、その中で、メディアは重要な役割を担っているため、(江戸時代ならともかく)現在のメディアが「ならぬことはならぬ」という言葉を繰り返すのは、考えることを中止して誰かの命令や従来のやり方に従うことを推奨しており、感心しない。

 一般の人や子どもは、メディアから情報を得て学んでいる部分が多い。そのため、メディアは、物事は論理的に説明しなければならないという文化のシャワーを浴びせる必要があるのに、テレビドラマでも、誰かがディスカッションしようとすると、「○○ちゃん」と名前を呼んで、ディスカッションすることを辞めさせるシーンをよく見かける。しかし、それでは、ディスカッションを通じて生きた知識を吸収し、論理的に思考して物事を決めていく力を育むことはできない。

 そのような中、それまで「ディスカッション(議論)してはならない」「考えてはならない」と言わんばかりの教育をされてきた人々に、*2のように、「大学の数年間だけで、考える力やディスカッションする力を身につけよ」と要求すること自体、無理があるだろう。本当は、子どもの頃から、「いけないことは、何故いけないのか(もし説明できないのであれば、それは思い込みにすぎないかも知れない)」「知識は暗記するものではなく、理解して記憶するものである」「論理的にディスカッションせよ」という教育を、先生も親もメディアもしていなければならないのである。しかし、現在は、そのような基本行動を身に付けた大人の裾野が狭いため、メディアからブレーク・スル―してもらいたい。

 なお、知識がなければ意味のある思考はできないため、知識は重要である。そして、知識は試験があったり、仕事で必要になったりして、必死で勉強して得る場合が多い。そのため、入試では、思考力だけでなく、その時点で必要とされる知識量は、当然、計らなければならない。何故なら、その知識量がなければ次の段階の教育はできないし、入試を動機づけとして勉強させることもできるからである。しかし、最終的には、合理的に問題解決することが目的であるため、問題解決できない知識をいくら持っていても意味がない。これは、グローバル化しようとしまいと、どの時代の、どの社会でも同じだろう。

*1:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/342351 (西日本新聞 2013年1月9日) 
「脱原発」はひとときの流行語に終わるのか
 「脱原発」はひとときの流行語に終わるのか。あの震災を首都圏で経験し、放射線の数値を気にして暮らした一人として、新政権には強い不安を抱いている。でも、昨年末、一つの音楽祭が少しの勇気をくれた。東京・日本武道館で見た「ソーラー武道館」。奥田民生さんや斉藤和義さんら約20組のミュージシャンが参加し、4時間に及んだライブは、エレキギターなどの楽器や照明、空調を、太陽光発電の電気だけで賄った。専門家も実現を疑ったという試みは、「やればできる」ことを証明してくれた。昨年の流行語になぞらえれば、脱原発方針を「新設容認」に大転換するのは「ワイルド」過ぎやしないか。少々気は早いが、今年の流行語大賞を競うであろう、福島が舞台の大河ドラマ「八重の桜」の言葉を前のめりな新総理に申し上げたい。「ならぬことはならぬ」でいきませんか?

*2:http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/342228 (西日本新聞社説 2013年1月8日)  
大学改革を考える 主体的に学ぶ姿勢を育てよう
■2013確かな明日へ■
 参加した大学人ら教育関係者は、よほど頭を悩ませているのだろう。「グローバル時代の人材育成」を主要テーマに昨年12月、九州大が福岡県教育委員会と福岡市内で開いたシンポジウムでのことだ。「そんな能力を身に付けるには、どうしたらいいのか」と会場から質問が相次いだ。質問を受けたのは九大の卒業生で、国際ビジネス界に身を置く立場からパネリストを務めたパソコン販売大手レノボ・ジャパンの渡辺朱美社長だ。人や物、金、情報が地球規模で往来するいま、渡辺社長はシンポで「自律的に自分で考え、行動できる能力」と「価値観や考え方が異なる多様な世界を受け入れ、自分の考えを伝えるコミュニケーション能力」を持つ人材が求められている、と力説したからだ。質問に対し、渡辺社長は「(自らの意見を論理的に述べ合う)ディスカッション中心の授業」を教育界に求めたうえで「やはり練習であり、慣れだと思う。教えてできるものではない。何度も経験することだ」と説いた。考え行動する力も、コミュニケーション能力も近年、日本人に必要とされる資質であり特段、目新しい指摘ではない。しかも、その課題を解消する方策が「訓練」だというのである。小難しく考えることはない。もちろん、それだけではなかろうが、小中学校から高校、大学と各段階で「経験」を地道に積み重ねることこそ、難題を解く近道だ‐ということだろう。
▼グローバル時代に
 21世紀に入り、すでに10年以上が過ぎた。大学の定員と志願者数がほぼ一致し、望めば誰でもどこかの大学に入れる大学全入時代を迎え、あらためて大学教育のあり方が問われている。中央教育審議会の大学教育部会が「大学生にもっと勉強させよう」と提言したのは、昨年春だった。全入時代で学生の質の低下が懸念される一方、グローバル社会に対応できる能力育成が懸案となっている背景がある。提言は現代を、グローバル化や少子高齢化などで社会が激変し、将来予測が困難な時代と定義し、大学の役割に「生涯学び続け、主体的に考える力の育成」を掲げたのが最大の特徴だ。具体的に重視したのが勉強時間である。東京大などの調査によると日本人学生は授業を含め1日平均4・6時間で、欧米の学生の半分程度という。大学教育部会は、その要因について学生は授業には出るものの自主的な予習・復習が少ないため‐と分析し、授業の前後に予習・復習をしっかりするなど「主体的な学び」を提唱した。入学さえすれば、自分から学ばなくても卒業できる。かつてはそうだったとしても、これからはそうはいくまい。社会がどう変わるか予測が難しい時代であり、学生には自ら未来を切り開く努力が求められ、大学にはそうした主体性ある人材を育てる責任がある。九大シンポで渡辺社長が唱えた能力を若者が獲得し、今後の社会を生き抜くためには、一方的に講義を聴く従来型の受動的学習から、自ら課題を発見して答えを見いだす課題解決型の能動的学習への転換が必要だろう。無論、最低限の基礎学力は欠かせない。しかし、習得した知識の量を誇る時代は過ぎた。知識を活用して課題を解決する力こそが求められている。中教審は、その後の答申で、双方向形式の講義や実習などのほか、インターンシップ(就業体験)、ボランティア活動、留学など、幅広い学びの場を提供するよう、大学に要望した。これまた広い意味で、価値観が異なる多様な世界を前提に対話を重ね、課題に立ち向かう「ディスカッション中心の授業」に通じるといえよう。大学は「学生は自分で勉強するものだ」とする固定観念に甘え、人材を育てる使命を軽視しがちではなかったか。研究と教育が大学の両輪だが、教育の側面が弱かったという声もある。文部科学省が全国の国公私立大の学長に聞いたところ、「授業が退屈」と認めた学長が3割を超えた。本当に学生本位の授業をしているのか。大学は真摯(しんし)に反省すべきときであろう。
▼入試も一体改善を
 いまの学生は「学ばない」といわれるが、「学び方を知らない」といった方がより正確である。知識を得る以外、学び方を習って来なかったのだ。小中学校では、学習指導要領の趣旨である「考える力」育成に力を入れている。だが、まだまだ高校までに主体的に学ぶ習慣は定着していない。この断絶をどうしたらいいのか。九大シンポでは、そんな問題提起もあった。一方通行の授業を見直すなら、大学入試も一体的に変える必要がある。知識量よりも思考力を測るよう、手間をかけてほしい。一発勝負、1点刻みの選抜も排除したい。そうした入試が浸透すれば、小中学校はもちろん、高校の教育も変容せざるを得まい。九大の有川節夫学長は「課題を与えて考えさせれば、学生はついてくる。学生の力を信じる」とシンポジウムを締めくくった。学校教育の頂点に立つ大学が変わらなければならない。大学改革は待ったなしである。

| 教育・研究開発::2012.4~2013.10 | 02:44 PM | comments (x) | trackback (x) |

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