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2013.1.20 苦しくとも、食品産業が有害な食品を販売したら、過去の信用まで失う。
  
       (出典:http://matome.naver.jp/odai/2131829810240813801より)

 *1は、①漁業者が操業できない ②海の「ホットスポット」がなぜ出現するかの原因は未解明 ③風評被害を抑え込むことが重要 などと、海に原因不明のホットスポットがあって、その他の場所は放射能汚染がなく、魚介類の汚染を心配する人は風評被害をまきちらす迷惑な人であり、自粛の長期化で苦しんでいる疲弊しきった漁業者に対する思いやりがないかのような記事だが、被害を過小評価して安全でないものを販売する食品業者は、過去に形成した信用までなくし、食品業者としての資格を失うのが常だ(私は、好きで、わざわざこういうことを書いているのではない)。

 上の左図(2012年10月2日更新)で明らかなように、爆発してメルトスル―した福島第一原発から出た放射性物質による海洋汚染は、直接海に流れ出た放射性物質や、山野に降り注いだ放射性物質が雨や除染によって河や下水をつたって海に注いでいるのであり、全体としては相当の量になるはずだ。しかし、環境に放出された放射性物質の総量は、わからないと言って発表されていない。

 そして、*2のように、海洋汚染はチェルノブイリの一桁上と言われており、東京電力福島第一原発取水口付近の海水から、国が定める濃度限度の最大240倍の放射性物質ストロンチウム89、90が検出されている。ストロンチウム90は、体内に取り込まれると骨に蓄積して、なかなか体外に排出されず、チェルノブイリの時には、癌や白血病など、大人に表れた健康被害のうちもっとも深刻なものだったということだが、日本では、ヨウ素、セシウムの濃度しか調べられていない。

 そのような中、上の右表のように、多くの魚から国の暫定基準値を上回るセシウムが検出された。そもそも放射能に安全な濃度というものはないが、500ベクレルというゆるい基準を使っても、これだけ多くの魚が暫定基準値を上回っているのであり、これは、左図の海洋汚染と比較すれば、ごく自然なことである。そして、山野に降った放射性物質が海に流れ出てくる2~3年目が、海洋の放射能汚染は最大になると言われている。これが、原発事故なのであり、その気になれば調べられるのだから、メディアは、「安全なのに風評被害だ」という念仏のような報道を繰り返すのではなく、正確な情報を調べて伝えるべきである。そうしなければ、正しい対処ができず、被害が拡大する。

*1:http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2013/01/20130120s01.htm 
(河北新報 2013年1月20日) 東日本大震災 海洋汚染/セシウム異常値の解明急げ
 震災から2年近く、福島の浜には無情の時が流れている。「目の前に広がる海で、もう一度思い切り網を手繰りたい」。切なる願いは、まだかなわない。見通しすら立たない。漁業者は焦燥感を深めている。福島第1原発事故後、水産庁が続けてきた魚のサンプル調査で、放射性セシウムの検出値は減少傾向にはある。だが、突然、異常に高い値が出る。海の「ホットスポット」はなぜ、出現するのか。その原因が未解明だ。この問題が漁再開の足かせになっている。福島沖では昨年8月、アイナメから国の新基準値(1キログラム当たり100ベクレル)の258倍、2万5800ベクレルの放射性セシウムが検出された。八戸沖でも昨年6月と8月、マダラから異常値が確認された。漁獲海域は原発から400キロも離れ、事故発生から1年以上も後のことだ。2回目の検出は出荷自粛解除からわずか2週間しか経過していないことも、地元漁業者に衝撃を与えた。ホットスポットの謎が風評被害の沈静化を遅らせている。安全な魚まで不安視され、適正な価格で取引されない。原因が分からない以上、安全性を訴えることがままならない。
 汚染の理由を合理的に証明する手法の確立が喫緊の課題である。官民挙げて知見を結集し、不安を早期に解消したい。放射性物質は食物連鎖を通じて広がることが分かっている。海の表層では、プランクトンを食べるコウナゴやシラスなどの小魚から中型・大型魚へと移行する。海底近くでは、底に沈んだ魚の死骸からゴカイなどが取り込み、それを食べるアイナメやエゾイソアイナメ(ドンコ)、ヒラメなどに広がる。こうした汚染の流れをさらに突き詰める取り組みを、独立行政法人水産総合研究センターなどが昨年秋に始めた。
 着目したのは、魚の平衡感覚をつかさどる「耳石」という器官にできる年輪のような輪だ。形成過程で体内に取り込んだ放射性物質が沈着するため、セシウムが付着した時期を把握できるという。原発事故後に一気に汚染されたのか、少しずつ蓄積されたのか。その過程と魚種が特定されれば、水揚げ制限をよりきめ細かく設定できよう。海底土の汚染度合いを広範囲に把握する調査も進めている。放射性物質を計測できるえい航型の装置が昨年夏に開発され、汚染状況が点から面で確認できるようになった。この技術が活用されている。福島沖で漁獲可能な魚種はイカ、キチジ、ミズダコなどに限られる。漁獲自粛は危険性を排除する水際対策として効果的だが、対症療法の域を出ない。自粛の長期化で、漁業者は苦しみ、疲弊しきっていることを忘れてはなるまい。汚染のメカニズムが科学的に解明されれば、消費者の不安を拭い去ることができよう。風評被害を抑え込む有効な手だてになるはずだ。

*2:http://kaleido11.blog111.fc2.com/blog-entry-613.html 
福島第一原発の海洋汚染はチェルノブイリの一桁上
<福島第2原発>放射性汚染水の海への放出検討 批判の声も
ポイント:「海水から240倍のストロンチウム→薄まるから心配ない。」と・・。
 今年はイワシが豊漁だそうです。読売の日テレは、ニュース番組にも関わらず、この話題に長い時間を取ってイワシ料理の数々を紹介。「今年はマグロは半額だよ」と、まるで旅行番組のグルメ紀行のようです。海洋生物への汚染が、いよいよ現実的になってきた今、マスコミや政府は、野菜のときと同じように正しい情報を出さず、「安心して魚を食べろ」と言い出しそうです。
 2011年4月の段階で、オランダの環境調査団体・グリーンピースから、福島第一原発沖の海洋調査を許可して欲しい旨の要望が入っていましたが、日本の政府はこれを拒否。日本の政府がグリーンピースを拒否したことが、どうのこうのではなく、「拒否した後も何もやっていない」ことが問題なのです。世界から日本の政府への風当たりが強くなりそうだと考えたのか、この後、文部科学省は、今までの怠慢な調査を改め、多少は本腰を入れるのかと思ったのですが、あいかわらずヨウ素とセシウムの検査しかやっていないのです。その海洋サンプリング調査も独立行政法人海洋研究開発機構という官僚の在庫処分団体に丸投げで、その結果を形式的にネットで公表しているだけです。この最新のモニタリング結果を見れば分かるように、海の表面と深度100mをモニタリングしているだけで、この検査結果も信用に足るものなのか疑わしい。もちろん、ストロンチウムという文字は見つかりません。計測してないのですから。今では、文部科学省が地上何十メートルに設置したモニタリング・ポストの数値を信じることなく、各自治体が独自に地表面の数値を図っています。これと似たようなことが海洋汚染についても起きるはずです。第一、海の表面から300mまでの深さを混合層といって海水が上下に入れ替わったり、混じりあったりしている層があるのですが、ここをモニタリングしなければ意味がないでしょうに。すで100mより下の部分に放射性核種が沈殿し始めているはずですから。2011年5月9日には、とうとう福島第一原発の海から、出てはならないもの-ストロンチウム89と90が初検出されました。そして6月12日には、東京電力福島第一原子力発電所取水口付近の海水から、国が定める濃度限度の最大240倍の放射性物質ストロンチウム89、90が検出。特にストロンチウム90は半減期が29年と長く、体内に取り込まれると骨に蓄積してしまって、なかなか体外に排出されません。チェルノブイリのとき、大人に表れた健康被害のうちもっとも深刻なものは、このストロンチウム90によるものだと考えている専門家が多いのです。今度こそストロンチウムの検査に本腰を入れると思ったら、原子力安全・保安院はなんと言ったか。西山英彦・保安院審議官は12日の記者会見で「海で希釈されて大きな影響はないと思うが、監視を続けたい」と。プールで泳ぎながらオシッコをした子供とは、わけが違うのですよ。
 枝野が「直ちに・・」「今すぐに・・」と言うなら、西山審議官は「薄まるまで待とう」です。これでは、ますます消費者の買い控えは広がっていくでしょう。

| 内部被曝・低線量被曝::2012.9~2014.4 | 11:31 PM | comments (x) | trackback (x) |

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