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2013.1.22 金融緩和とインフレ政策の結果は、購買力平価が切り下がり、資産の移転が行われるということ。
 2013年に年間100万円の収入を得て、毎年、収入が変化しなかったとすれば、物価が年に2%上昇すると、2013年の購買力平価は100万円だが、2014年は100/1.02=98(万円)、2015年は98/1.02=96 (万円)、2016年は96/1.02=94(万円)、2017年は94/1.02=92(万円)、2018年は92/1.0291=91(万円)、2019年は91/1.02=88(万円)、2020年は88/1.02=87(万円)となる。つまり、17年後には、2013年の87%の財・サービスしか買うことができない。これがインフレの効果である。そして、年金受給者や労働者には、物価と連動した収入を得られない人が多く、年間400万円の収入のある人なら、4倍すれば物価上昇の影響がわかる。

 また、2013年に1000万円の預金資産がある人は、(金融緩和して金余りの状態であり、利子率は低いので)利子を無視すると、全く使わなくても、その預金資産の価値は2020年には870(万円)となる。500万円しか預金資産のない人であれば、0.5をかければよい。これが、インフレ(物価上昇)の効果である。一方、銀行から1000万円借りて事業を行っていた企業の借入金は、全く返さなくても2020年には870(万円)となり、差額130万円は、老後資金を銀行に貯蓄していた老人などから企業や現役世代に、本人の意思とはかかわりなく所得移転される。少子高齢化や不景気を言い訳としても、このような個人の財産権を無視する手法が許されるはずもない。

 そして、このようなことが続けば、「円」を信用することはできなくなり、土地などで資産を持ちたがる人が増える。これが行きすぎたのが1980年代のバブルであり、さまざまな社会的弊害が出て金融引き締めが行われ、最後にはバブルがはじけ、多大な犠牲を払って、最近、後始末が終わったばかりである。このようなことを防ぐのが、*1の中央銀行の独立性だ。

 その中央銀行の独立性を害してまで物価上昇させ、景気回復させて消費税増税を行えば、一般の人は二重苦になる。さらに社会保障を削減すると三重苦になり、「税と社会保障の一体改革」と銘打っていたものの本当の姿が明らかになる。その前哨戦として、孫への贈与税が免除されたり、株価が上がったりしたと喜ばれているが、これは、一般の人には殆ど関係のないことであり、この政策で喜ぶのは、相当の金持ちだ。つまり、財務官僚主導でこの政策が決定されており、国会議員にも一般人が少なく、世襲・官僚出身者・もともと金持ちだった男性が多いことで、どの政党が政権をとっても似たような「人間を幸福にしない政策(参照:「人間を幸福にしない日本というシステム」カレン・ヴァン・ウォルフレン著)」が通っていくのである。そのため、*2、*3のとおり、何でも決めさえすればよいというものではない。

PS:なお、物価上昇を宣言すれば、消費者が早めに買っておこうと考えて景気がよくなるなどと言っている人がいるが、最大限譲歩しても、それは耐久消費財だけであり、物価が上がるから食料品や衣料品などの通常の買い物を早めに行うような馬鹿な主婦はいないだろう。それどころか、頻繁に美容院にいかなくてもすむ髪型にしたり、安い衣料品や食料品にシフトしたり、耐久消費財の購入や買換えを我慢したり、レジャーを控えたりして、収入と支出のバランスを合わせるのが普通であり、これ以上、節約するところがない人は、生活ができないのである。そして、これらのことにより、品質も悪くはなく、安い輸入品が増えた現在では、日本の産業が打撃を受けることになる。

*1:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/435303.html
(北海道新聞社説 1月21日) 日銀総裁選び 「独立性」を守れる人に 
政府は4月8日に任期が切れる日銀の白川方明総裁の後任選びを始めた。
 安倍晋三首相は先週、有識者らから意見を聴くという行動に出た。メンバーは内閣官房参与の浜田宏一・米エール大名誉教授ら首相が唱える強力な金融緩和の支持者ばかりだ。
 政府と日銀の協調は当然だが、首相の意向に忠実なだけのトップでは中央銀行の独立性は崩れ去る。「通貨の番人」と呼ばれる日銀の最大の使命は、物価の安定だ。政府は歴史的に金融緩和には積極的だが、引き締めにはブレーキをかけてきた。そのためにバブルを拡大した苦い過去もある。日銀の判断をゆがめるような政治圧力には「ノー」と言える人物こそふさわしい。
 日銀総裁選びは従来、水面下で財務省や日銀、経済界などが調整してきた。有識者らとの会合を開くこと自体、極めて異例で首相の思い入れの強さを物語る。総裁人事は衆参両院の同意が必要だ。参院では自民、公明両党が過半数を下回る「ねじれ国会」のため、首相は有識者らの意見を盾に、野党の協力を取り付けたい考えだ。日銀総裁の任期は5年で、かつては日銀生え抜きと旧大蔵省(現財務省)の事務次官経験者が交互に務めていた。だが、旧大蔵省の不祥事などで「たすきがけ」が崩れ、ここ3代は日銀出身者が続いている。2008年の前回人事も、ねじれ国会での選任だった。自公政権の提案した元財務事務次官の武藤敏郎氏(現大和総研理事長)について、民主党が財務省OBであることを理由に反対し、参院で否決された。結局、白川現総裁の選任まで20日間のトップ不在が生じた。同じ愚を繰り返してはならない。
 問題は選考の基準が金融緩和への積極性に偏っている点だ。会合では、有識者から「デフレ脱却には大胆な金融緩和が必要だ」などと首相に同調する発言が相次いだ。総裁候補として名前の挙がる武藤氏や岩田一政日本経済研究センター理事長らも金融緩和論者だ。政府は3月19日で任期が切れる副総裁2人の後任も含め、2月中に人事案を国会に提出する見通しだ。野党や異なる立場の専門家らにも耳を傾け、幅広く人選をすべきだ。
 日銀への政治的圧力も強まっている。先週末には麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相が白川総裁を呼び、政府と日銀が交わす共同文書の内容をあらためて協議した。甘利氏は、同文書の採否を決める今週の日銀の金融政策決定会合にも出席し、政府の意向を伝える。日銀の独立性をこれ以上、脅かすべきではない。

*2:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013011302000102.html
(東京新聞社説 2013年1月13日) 週のはじめに考える 政治家が議論する政治に
 昨年は「決める政治」が一種のはやり言葉のようになりました。しかし、この国に本当に求められているのは「議論する政治」ではないでしょうか。野田佳彦前首相が「決められない政治からの脱却」を掲げたのは、昨年一月二十四日の施政方針演説でした。以来「決める政治」こそが大事であるかのような論調が広がりました。国会の衆参各院で多数派が入れかわるねじれ状態が長く続いて物事が決まらなかったために、普通の国民から見れば「政治家は何をやっているんだ。さっさと話を前に進めてくれ」という気分が広がった面があるでしょう。
◆霞が関が作る首相演説
 ところがこれは、よく考えてみれば怖い話でもあります。決めさえすれば、それでいいのでしょうか。「決める政治」という言葉には途中のプロセスをすっ飛ばして、とにかく結論に達すればいいような響きがあります。そんなはずはありません。本来なら「何をどう決めるか」こそがもっとも大切なはずです。それが民主主義の価値であるからです。「決める政治」は良かったのか悪かったのか。野田政権がこのキャッチフレーズを使ったのは明確な思惑がありました。それは消費税率の引き上げです。首相の施政方針演説は普通、霞が関の役所が「これだけは入れてくれ」という注文を寄せ集めて作ります。霞が関とりわけ財務省にとっては、ここで首相の口から「オレは決めるぞ」と言ってくれれば国民に対する誓約になるのですから、これほど心強いものはなかったでしょう。その通り、増税は決まりました。でも議論は十分だったか。民主党の分裂騒ぎを見れば、そうとは言えないのはあきらかです。
◆最後は国民が「決める」
 合意を形成していくプロセスに無理があった。だから一つの政党が壊れていったのです。昨年末の総選挙で民主党が大敗したのも、その延長線上にあります。では、これからの政治は何を目指すべきか。それは「議論する政治」だと思います。なんでもいいから決めるのではなく、まず徹底的に議論を尽くす。そこが何にもまして重要なのです。結論が先にありきではなく、まず議論ありき。そのうえで時間をかけて一定の結論にたどり着く。そうしたプロセスが必要です。私たちの身の回りでも「結論が先にありき」という例がありませんか。他人の意見をよく聞いてみれば、自分が気が付かなかった論点に出合うこともあるのに、頭から結論を決めつけているので、他の話は耳に入らない。それは残念な話ですね。「三人寄れば文殊の知恵」というじゃありませんか。耳を傾けてみる価値はあるはずです。政治家や政党にとって重要なのは、実は「決める」ことではありません。議論で相手を「なるほどそうか」と納得させ、結果として自分の目指す方向に誘導する。現状認識と政策の長所・短所を明確にして、論理的に相手の同意を促す。それが政治の技術です。もちろん「テコでも動かない」といった場合もあるでしょう。それでも互いの違いがはっきりすれば、いずれ主権者たる国民が判断して選挙で決着をつけます。国民の立場から見れば「違いがわかる」ことが重要です。以上を前提に今度の国会勢力図をみると、ねじれ状況は相変わらず続いています。与党の自民党と公明党は衆院で圧倒的多数を握りましたが、参院では過半数に達していません。与党の法律案=政策を実現するには、どうしても野党の協力が必要です。そこに「議論する政治」が生まれる土壌があります。焦点の日銀総裁人事一つとっても、たとえば、みんなの党や日本維新の会などが賛成しなければ、いくら「2%の物価安定目標や大胆な金融緩和で意見が近いはず」といっても決まりません。同じことは与党についても言えます。たとえば、自民党が憲法改正に強い熱意があっても、まず公明党を説得しなければなりません。その公明党はどうかといえば、憲法改正や集団的自衛権をめぐる問題では、まさしく「慎重な議論が必要」と言っています。
◆国会こそ議論の模範に
 ねじれ国会になったのは二〇〇七年七月の参院選からでした。くしくも第一次安倍政権当時です。以来、国会は肝心の議論よりも結論だけをぶつけ合う対決機運が高まりました。増税は決まりましたが、政治への不信感は残りました。それは良くない。安倍政権も野党も「議論するとはこういうことだ」という模範になるような国会と政権運営を示してほしい。国民は政治の姿を見て学ぶ面もあるのですから。

*3:http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013012290141922.html
(東京新聞 2013年1月22日) 給与増えず景気悪化の恐れ 日銀物価目標2%を決定
 日銀は二十二日、金融政策決定会合を開き、消費者物価で前年比2%の上昇率を目指す物価目標の導入を決めた。デフレからの早期脱却を目指す政府との共同声明として発表。日銀は政府との連携強化に大きくかじを切り、金融政策は転換点を迎えた。麻生太郎財務相や白川方明日銀総裁らが二十二日午後、安倍晋三首相に報告し、その後の記者会見で詳細を説明する。
 会合で日銀は昨年十二月の会合に続き、九年八カ月ぶりとなる二回連続の金融緩和も決定。二〇一四年から、緩和を続ける期限を定めない「無期限」の緩和方式を導入する。毎月十三兆円、短期国債などの資産を買い入れる。金融緩和を続ける時期は「必要と判断される時点まで」とした。
 政府・日銀は2%の物価上昇で企業の売り上げが増加、社員の給与も増えて景気が回復することを期待する。だが、海外との価格競争が起きにくい医療費や電気料金、食料品の価格の高騰を不安視する専門家は多い。経団連は一三年の春闘で賃金水準を上げる「ベースアップ(ベア)」を「実施する余地はない」と拒否する姿勢。給与増を伴わない物価上昇が暮らしを直撃し、景気が一段と悪化する恐れもある。
 2%の物価目標の導入には政策委員九人のうち民間エコノミスト出身の二人が反対した。共同声明では、物価目標を達成する時期について「できるだけ早期に実現する」と明記した。日銀は政府の経済財政諮問会議で、実行の状況を定期的に報告する責任を負う。声明には、政府も規制緩和などの成長戦略や財政健全化に取り組むことも盛り込んだ。
 デフレ脱却を最優先課題に掲げる安倍首相の就任後、初めての会合には、政府側から甘利明経済再生担当相が出席。日銀はこれまで目指すべき物価の水準のめどを「当面1%」としてきたが、安倍首相の求めに応じ引き上げた。目標の表現方法もあいまいな「めど」から、明確な「目標」に変えた。

| 経済・雇用::2012.9~2013.6 | 01:40 PM | comments (x) | trackback (x) |

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