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2013.2.28 「聖域なき関税撤廃」でなければ農業や日本の主権が守れるというわけではなく、TPP参加は日本の主権を失う可能性のある問題であるため、自民党の公約さえ守ればよいということはない
      
          稲作                りんご畑               梅畑
(1)何が聖域に当たるのか
 ここで言われる「聖域」とは米のことだろうが、農業は、米だけを生産しているわけではない。むしろ、米の自給率は100%以上で高く、他の農産物の自給率が非常に低いのである。そして、他の農産物では、*1のように経営規模が日本全体の平均より大きな北海道でさえ「無理だ」と言い、*3のように、もう一つの食料基地である九州でも「無理だから慎重に」と言っているのだから、本当に国益がないと考えるべきである。昨年12月の衆院選で自民党が「聖域なき関税撤廃が前提なら交渉に参加しない」と公約して総選挙に勝ったからと言って、それで農業や国益が守られるわけではなく、また、有権者は、その公約で充分だと積極的に評価して自民党に票を入れたわけでもないので、言葉遊びはやめるべきだ。

(2)「聖域なき関税撤廃」が行われなければ農業は守れるのか
 仮に、自動車の排ガス規制や自動車税と引き換えに米(コメ)の関税が維持されたとしても、その他の農産物が守れるわけではない。さらに、自動車の排ガス規制や自動車税も、環境によいエコカーを推進し、必需品としての軽自動車には負担をかけないという理由があって行っているものだから、これを非関税障壁などと言われても困る。さらに、遺伝子組換作物の禁止、BSEの全頭検査、農薬の規制など、食品の安全を守るために行っている規制を、非科学的な非関税障壁として他国に追及され、わが国の主権が奪われるようなことがあっても困るのである。

(3)交渉すれば、何が守れるのか
 私は、FTA交渉において1対1でも守れないものは、TPP交渉で多国を相手にすれば、さらに守れないと考える。特に、中国との関係で日米安保を維持してもらいたいアメリカに対し、わが国が強い条件を出せるわけがない。従って、TPPに参加するのは国益にならないため、さわらぬ神に祟りなしなのだ。

(4)規制をすべて他国に任せていいのか
 排ガス規制を強めることによって、わが国の自動車は世界に先んじてクリーン車になった。
 また、わが国では遺伝子組換作物を禁止しているが、その理由は、遺伝子工学はどうにでも応用できるし、遺伝子組換作物を栽培する時に自然界に花粉が飛べば、それが自然の植物と混ざって生態系を変えるからである。アメリカでは、遺伝子組換で害虫に強い大豆ができており、日本の規制は非科学的だと言われているが、この遺伝子組換大豆は害虫だけを殺して人間には全く悪影響がないか否かは保証の限りではない。さらに、害虫の方も次第にその大豆に適応してくるので、さらに強い殺虫性が必要になる。そうすると、他国に輸出する大豆であれば、人への安全性より栽培が簡単で収量が多い方がよいという動機付けが働いても少しもおかしくない。つまり、それぞれの規制を他国に任せることは、わが国の国益にはならないのだ。

(5)TPP参加は、日本の国益になるのか
 *1、*2、*3、*4に書かれているように、政府は、農業はじめ医療分野などに考えられるメリットとデメリットを金額で表示して議論を促すべきである。その結果は、全体としてマイナスが限りなく大きく、幕末の日米不平等条約と同じくらいどうしようもない悪条約になると、私は予想している。

      

*1:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/444814.html
(北海道新聞社説 2013年2月27日) TPPと農業 「参加ありき」は論外だ 
 これでは最初から「参加ありき」ではないか。農業関係者の多くはだまされたような思いだろう。安倍晋三首相は、先の日米首脳会談で「聖域なき関税撤廃が前提ではない」ことが確認できたとして、環太平洋連携協定(TPP)交渉に近く参加表明する意向を示した。両首脳の共同声明は「全ての物品が交渉の対象」とし、双方に重要品目があると認めた上で「最終的な結果は交渉で決まる」としている。要するに、やってみなければ分からないということだ。こんな当たり前のことを言質とは言わない。
 そもそも日米を除く10カ国が参加しているのに、2国間の合意が交渉全体の行方を縛ると考える方がおかしい。これで関税撤廃の例外品目が聖域として確保されたと解釈するなら、ごまかしである。日本がこれまで締結した経済連携協定(EPA)などでは、全品目の1割に当たる約840の農水産物を関税撤廃の例外としてきた。高い水準の自由化を目指すTPPでは、仮に例外が認められても、品目数は大幅に絞られる恐れがある。象徴的に扱われるコメさえ守れば済む話ではない。
 特に道内農業への影響は深刻だ。コメにとどまらず、小麦、ビートといった輪作体系に欠かせぬ作物や酪農などへの打撃は避けられまい。しかも道内の農業者は、政府が目指す大規模な耕作を行い、農業所得を主とする主業農家の割合も都府県に比べはるかに高い。道の試算では関連産業を含め影響額は2兆1千億円に上り、食料基地の根幹を揺るがす。対策抜きでは、農家は将来の展望を持てなくなる。その肝心な農業支援策や強化策の中身が不透明だ。政府・自民党は民主党政権時代の戸別所得補償に代わる制度の設計に着手したが、支援を担い手に集中するかどうか、方向が定まらない。政府の産業競争力会議は、農産物の輸出拡大、6次産業化の推進などを打ち出した。「攻めの農業政策」というかけ声は勇ましいが、具体策の検討は始まったばかりだ。どんな対策を講じても、関税撤廃に対応するには膨大な財源が必要になる。国民的議論もなく、巨額の支出に理解が得られるだろうか。
 首相は、参加の判断について自民党執行部から一任を取り付けた。自民党の「TPP参加の即時撤回を求める会」には、同党国会議員の過半数が名を連ねている。とりわけ、先の衆院選で参加の「断固阻止」を掲げた道内選出議員の責任は重い。このまま参加を容認するのは明らかに公約違反である。

*2:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130227-00000002-okinawat-oki
(沖縄タイムス社説 2月27日)  [TPP交渉参加]功罪明示し議論尽くせ
 安倍晋三首相とオバマ米大統領は23日、環太平洋連携協定(TPP)交渉について関税撤廃の例外を認める内容の共同声明を発表した。首相は近く交渉参加を正式表明する見通しで、TPP問題は大きな転換点を迎えた。共同声明は「一方的にすべての関税を撤廃する約束を求められるものではない」と明記し、日本の農産品や米国の工業製品など「敏感な問題」の存在を挙げている。首相はこれをとらえ、「聖域なき関税撤廃が前提ではなくなった」として、自民党から交渉入りの判断について一任を取り付けるなど、表明に向けて一気に環境整備を進めている。
 共同通信社が実施した全国世論調査によると、TPP交渉参加への賛成は1月の53%から63%へと10ポイント上昇した。反対は25%にとどまり、容認の方向に傾いている。農業団体などの支持を受ける自民党内の慎重派も、内閣支持率の高さや、夏の参院選を前に党内対立を避けたい思惑から、強硬に反対を貫けない事情がある。ただし共同声明は、「すべての物品が対象になる」ことや、「包括的で高い水準の協定を達成していく」ことも盛り込んでいる。つまり例外が認められるかどうかも含め、全て今後の交渉で決まっていくと確認したにすぎない。デフレ脱却への掛け声と呼応するようにTPP参加のメリットが前面に出がちだが、政府は農業をはじめ医療分野などに予想されるデメリットも明示した上で、徹底した国内論議を促すべきだ。
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 沖縄経済にとっては、サトウキビと畜産への影響が最も懸念される。JA沖縄中央会の小那覇安優会長は「関税撤廃に例外があるというのは言葉のあや、ごまかしだ」と厳しく批判し、あらためてTPP交渉参加に反対を表明した。例えば、サトウキビを原料とする粗糖には、コメや小麦などとともに高い関税を課すことで国内の産地を守ってきた。生産量とともに生産額のシェアも年々減少してきたサトウキビだが、製糖工場など製造業への波及効果や、地域・離島経済における重要度は依然として高い。医療や福祉分野からも反対の声が上がっている。一方、メリットがあるとされる第2次産業は、全産業の総売上高に占める比率が全国平均の3分の1以下で輸出額も少ない。そのため、沖縄県工業連合会はメリットを見極められないでいる。
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 首相は26日の日本経済再生本部会合で、交渉参加をにらんだ農林水産業の具体的な強化策を図るよう指示した。農地集約や若い世代を呼び込み、担い手を重点的に支援する方向だ。また「美しいふるさとを守る」とも述べ、中山間部の農業を維持することも求めた。しかし、これらは約20年前から掲げてきた農政の課題と何ら変わりはない。米国に限らず、各国はそれぞれの思惑を持っている。日本は拙速に交渉参加へ踏み込んではならない。今こそ慎重かつ徹底的な論議を必要としている。

*3:http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2407746.article.html
(佐賀新聞 2013年2月27日) 「両院総会で承認を」TPP参加首相一任で
 環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加をめぐり、安倍晋三首相が自民党役員会で一任を取りつけ、交渉参加に前向きな姿勢を見せていることについて、佐賀県選出の同党国会議員は、農業団体など党内外への丁寧な説明や詳細な情報を開示した上で、慎重に判断するよう求めていく考えを強調した。自民党は昨年12月の衆院選で「聖域なき関税撤廃が前提なら交渉参加しない」という公約を掲げ、県内3小選挙区を独占した。
 佐賀1区で初当選した岩田和親衆院議員は「聖域なきTPPは反対ということで選挙を戦った。日米共同声明では、どの程度聖域が守られ、日本にどれほどのメリットがあるか分からず、細かな情報開示がなければ判断できない」と困惑。「首相の口から直接、説明する場を設けてほしい」と要望する。
 今村雅弘衆院議員は「関税撤廃の例外があるとの確認を取ることはできたが、TPP全体ではまだ問題点が多い。政府には農業団体など関係者の意見も聞き、慎重に対応するよう求めていく」とした。
 保利耕輔衆院議員は26日に党内の慎重派議員でつくる議連会合で「(今夏の)参院選前に大きな決定をするなら、両院議員総会を開いて承認を得るべき」と発言。役員会での一任という形ではなく、党内をまとめる丁寧な手続きが必要との考えを示した。
 同党県連会長の福岡資麿参院議員は「共同声明で例外があり得ると示されたのは一つの成果」としながらも、「農業関係者など不安を持つ団体には丁寧に状況を説明していくことが重要」との認識を示した。

*4:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2405872.article.html
(佐賀新聞 2013年2月23日) JA全中会長、TPPで「反対」 / 交渉参加は「信頼を裏切る」
 全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長は23日、日米首脳会談を受け、環太平洋連携協定(TPP)に関して「今のような状況で交渉に参加するのは反対であり、政府・与党はわれわれの信頼を裏切るような判断を絶対にすべきではない」とのコメントを発表した。万歳会長は、日米の共同声明に対し「TPPの特徴である聖域なき関税撤廃を前提にしたものとしか理解できない」と指摘。TPPの影響の政府統一試算がなく、政権公約で示した6項目の判断基準も満たされたと確認できないとして「交渉参加を判断すれば、国益を毀損」と主張した。

| 環太平洋連携協定(TPP)::2012.11~ | 01:35 AM | comments (x) | trackback (x) |

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