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2013.4.19 TPP参加推奨派の考え方は、単純で無責任である。本当の原因を分析して問題解決するのが、本来のあり方だ。


 *1は、TPP推進派が農業及び農協に関して持っているイメージと、TPPを、それを打開する手段と位置付けている典型であるため、*1の主張を評価することにより、TPP推進派が、農業を、どの程度、理解して主張しているのかについて述べる。

(1)農協(農業協同組合、JA)とは何か
 農協は、日本で、農業者(農家及び小規模農業法人)によって組織された協同組合で、農業協同組合法に基づく法人であり、事業内容等がこの法律によって規定されている(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E5%8D%94%E5%90%8C%E7%B5%84%E5%90%88 参照)。これによれば、農協の目的は、農業生産力の増進及び農業者の経済的・社会的地位の向上を図ることだ。組合員資格は、正組合員と准組合員があり、正組合員は、①農業を自ら営む農業者に限定 ②組合員が一人一票の議決権を保有 ③組合員は役員や総代になる権利がある ④正組合員の5分の1以上の同意を得れば、臨時総代会を開くよう請求可能 ⑤組合員全員に組合の事業を利用する権利がある ということである。准組合員には、農協に加入手続きをして承諾され出資金の払込みをすれば、農家でない人でもなれ、農協のいろいろな事業を利用することができるが、役員の選挙権はない。

 *1の記事には、「農業を成長産業として再生していくためには、農地法などの規制緩和とともに、農家と密接な関係を持つ農業協同組合を変えていく必要がある」と書いてある。しかし、農家の人が自主的に入っている互助団体である農協が、現在、どういう形で農業の成長を阻害しているのかは書かれておらず、いつも通りの決まったフレーズを並べただけの記事だ。そして、「TPPに入ると農業を成長産業として再生できる」というのも、原因分析をしていないため、解決の処方箋も裏付けや論理的説明のない念仏のようなものとなっており、これは20年前ならまだ当てはまったかもしれないが、今では、かなり改善されているものだ。「大規模な農業法人や強い野菜農家はすでに農協を離れ、独自に販路開拓などに乗り出している」「肥料販売での大口割引の導入」「流通コストの引き下げ」などが、その改善の結果である。

 また、「小規模農家にはなお農協の助けが要る」というのが農協の必要性であり、その結果、地域での農産物のブランド化や転作が進んでおり、リーダーの意識の低いところがやっていないだけである。そして、「様々な方針が強力な中央組織から地域の農協へ伝達されていく仕組みは、農家が生活と事業の改善に向けて立ち上げる協同組合の原点からもかけ離れている」とも書かれているが、何でも分権すればよいと考えるのは馬鹿の一つ覚えだ。一般企業(日経新聞も!)も、中央集権で経営目的にあった場所に集中投資していることを忘れてはならない。問題は、その判断が正しいか否かである。

 さらに、「本来の目的である農業の強化に向け、地域の農協も大胆な自己改革を急いでほしい」というのは、何が農業の産業としての競争力を妨げているのかについて、原因分析もなく話が飛んでいる。問題解決するには、枠組みを壊すことが目的なのではなく、何をどう解決したいから、どこを変えるかの正確な判断が必要なのだ。

 最後に、「お金の流れを透明に」とは、自分に反対する者には不正を働いているようなイメージをつけており、いつものとおり卑怯な書き方である。

(2)それでは、農業を成長産業とするために必要なことは何か
 農業を成長産業とするために必要なことは、私が衆議院議員時代に、地元で聞いた要望や集めた情報からすぐ思いつくことは、下のとおりである。
  ① *2の福岡県開発の種なし柿のような優良品種への品種改良 
  ② 改良した品種を守る知的所有権の保護 
  ③ 地域でブランド化して付加価値をつけるなど、その地域独自のやり方の推進
  ④ 農業への安い国産エネルギーの供給
  ⑤ 安い国産家畜飼料の供給
  ⑥ 安い国産肥料の供給(特に有機肥料)
  ⑦ 安い国産資材の供給
  ⑧ ハウスや農機具など農業機器の進歩と安い価格での供給
  ⑨ 大型機械を使えるための区割りの規模拡大
  ⑩ 農業に魅力を感じる所得を得られるための経営規模の拡大

 現在は、農業に補助金をつけても、農機具やエネルギー代が高すぎるため、次世代の農業を作るのに支障をきたしているが、上の②④⑦⑧は農業関係者の責任よりも、経済産業省の責任の方が大きい。また、①はかなりできているが、さらにやった方がよいものだ。そして、③⑤⑥⑨⑩は、私が衆議員議員になってすぐに気がついたのでやり始めたものが多いが(そのため、佐賀県では進んでいる)、それまでの政治家や農林水産省も、当然、考えてやっておくべきことだった。

(3)解決策は?
 *1には、「農協が融資などで農家を縛ることは許されない」と書かれているが、農家が融資で縛られないためには、一般銀行や信用金庫が農業者に融資できるようにすべきであり、このためには、農業会計基準の導入で農業経営の正確な把握が必要である。そして、これは金融庁の仕事だった筈だ。農業者に選択の権利がなければ、有利な融資は受けられないのである。

 *3のように、JA全中の萬歳章会長は、「日本は自給率が低い。われわれも安定した食料供給をしていきたいが、TPPはそれとは相いれないものだ」と指摘し、これに対し、ニュージーランドのシンクレア大使は、「(日本が)重要品目をすぐに撤廃するのが難しい一面があることは承知している」と述べ、「関税撤廃に例外は設けず品目によって長期の猶予期間を設けた後に、関税撤廃をすれば対処できるのではないか」との考えを示したそうである。その期間が10年になるのか20年になるのか、その間にどういう対策をとるのか、それでも永久に無理な品目もあるのか、食の安全は守れるのか、しっかりと検証した上でなければ、日本の農業継続、食料自給率の向上、国土・環境の保全はおぼつかず、安易にTPPを進めることは、国民に対して無責任である。

*1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130407&ng=DGKDZO53691440X00C13A4PE8000
(日経新聞社説 2013年4月7日) 競争力強化へ農協も大胆な改革を
 農業を成長産業として再生していくためには、農地法などの規制緩和とともに、農家と密接な関係を持つ農業協同組合を変えていく必要がある。大規模な農業法人や強い野菜農家はすでに農協を離れ、独自に販路開拓などに乗り出している。小規模農家にはなお農協の助けが要るとしても、本来の目的である農業の強化に向け、地域の農協も大胆な自己改革を急いでほしい。
●農家支援の原点に帰れ
 日本の農協組織は、統制機関としての色彩が濃かった戦前の産業組合や戦時中の農業会を引き継いでいる。そのため全国農協中央会(JA全中)や全国農協連合会(JA全農)を頂点に都道府県ごとの組織があり、その下に全国約700の地域農協がぶら下がる中央集権型の構造を持つ。金融や生損保まで、幅広く手掛けるのも日本の農協の特徴だ。中央組織で目立つのは政治的な主張だ。安倍晋三首相が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を表明した3月15日も、全中は「全国の農業者とともに強い憤りをもって抗議する」との声明を発表した。全国一律のコメの生産調整見直しにも反対している。
 だが、これまでの枠組みを維持しようとすることが、農協の原点である農業生産力の増進や農家の経済的な地位の向上につながるのだろうか。企業との連携が求められる中で、中央組織が経済界と対立する構図も農業の強化のためには好ましくない。様々な方針が強力な中央組織から地域の農協へ伝達されていく仕組みは、農家が生活と事業の改善に向けて立ち上げる協同組合の原点からもかけ離れている。農協の体制のあり方を抜本的に見直すときだろう。個々の農協に求められるのは大胆な意識改革だ。政府は2001年から05年までに、全農に対して計7回の業務改善命令を出した。その過程で政府がまとめた報告書が課題を列挙している。(1)硬直的な販売手法を見直し、経営感覚を持つ(2)農協外部の人材を登用し、倫理を守る体質へ改善する(3)合理化に努め、その利益を組合員である農家に還元する――ことなどだ。農協に示された課題は、いずれも当たり前のものだ。あとは農協自身がどれだけ改革への意識を高め、実行するかにかかっている。肥料販売での大口割引の導入や、流通コストの引き下げといった改善策は評価できる。市場開拓に取り組み、商品開発に力を入れる農協も増えてきた。一方で、改革ぺースの遅い農協もある。まず、農協が競い合う体制が必要だ。政府は02年に農協法を改正し、農協が管轄地域を広げたり、新しい農協を設立したりすることで農家が複数の農協から「いい農協」を選べる仕組みをつくった。こうした制度改革を活用し、それぞれの農協が農家の利便性や負担軽減を競うようになれば、改革への意識は高まるはずだ。農協は、農産物の共同販売や資材の共同購入で独占禁止法の適用を除外されている。ただし、それは農家が農協に自由に参加し、脱退できる環境が前提だ。融資などで農家を縛ることは許されない。
●お金の流れを透明に
 公正取引委員会は07年に、農協にどのような行為が独禁法違反になるかの指針を示した。農協は改めてすべての職員に注意を喚起し、逸脱行為があれば公取委は速やかに是正を促してもらいたい。農協が手掛ける金融業務は、預金量で90兆円にのぼり、メガバンクと肩を並べる。だが、金融庁の加わる農協への検査は知事の要請が条件となり、実施は一部にとどまる。政府もお金が巨大な組織の中でどう管理され、流れているかを厳格にチェックし、透明性を高める体制を考えてほしい。農協の正組合員は農業人口の減少で減り続け、09年以降は農業者以外の人もなれる準組合員の数が上回っている。組織維持のために農家以外から預金を集め、それを運用する金融事業の姿も、農協の原点や農協に対する様々な優遇策からみれば疑問がある。全中は「農家が何を求めているかに応じ、農協は変わっていく」としている。6月には農業強化に向けた提言もまとめるという。農家の経営に役立ち、農業の強化に貢献する本来の目的に沿った組織に変わるべきである。

*2:http://qbiz.jp/article/15912/1/
(西日本新聞 2013年4月19日) 福岡県開発の種なし柿、畑で盗難 久留米で苗木19本
 福岡県は18日、県が開発し、県内の農家に限って栽培を許可している世界初の種なし甘柿「秋王」の苗木19本が同県久留米市田主丸町の畑から盗まれた、と発表した。県によると、盗まれた苗木は高さ60〜70センチ。同市の農家が2月に苗木125本を植え、今月10日から3日ほど留守にした間に畑から抜かれていた。農家は13日に気付き、県警に盗難届を出した。
 福岡県は出荷量全国3位の柿産地。秋王は従来の柿よりも大玉で甘いのが特徴で、県が2012年に品種登録。16年度から本格的な販売を目指す。県は11年度からJAを通じ、県内農家に限って苗木を有償で譲渡しており、現在140戸が約7千本を育成している。県は「盗んだ苗木の実を別名で流通させてもDNA鑑定で判別できる。違法な流通と分かれば損害賠償請求などの対応をとる」としている。

*3:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=20351
(日本農業新聞 2013年4月12日) 全中会長 断固反対伝える NZ大使「例外なし」示唆
 JA全中の萬歳章会長は11日、東京都内のニュージーランド(NZ)大使館を訪れ、同国のマーク・シンクレア駐日大使と会談しTPPをめぐって意見を交わした。萬歳会長は「全ての品目の関税撤廃を目指 すTPP交渉には断固として反対している」と強調。全中によると同大使は、米など日本の農産物の重要品目について関税撤廃までの猶予を設けることで対処できるのではないかとの考えを示した。これは、「関税撤廃の例外は認められない」との認識を示唆したものといえる。JAグループによるTPP交渉参加国への働き掛けの一環。交渉参加国の駐日大使との会談は9日のオーストラリアに次ぎ2カ国目となる。萬歳会長は「日本は自給率が低い。われわれも安定した食料供給をしていきたいが、TPPはそれとは相いれないものだ」と指摘した。これに対してシンクレア大使は「(日本が)重要品目をすぐに撤廃するのが難しい一面があることは承知している」と述べた。その上で、品目によっては長期の猶予期間を設けた後に、関税撤廃をすれば対処できるのではないかとの考えを示した。また、JAグループの考えは政府に伝えると述べた。会談には、全中の冨士重夫専務が同席した。

| 環太平洋連携協定(TPP)::2012.11~ | 01:58 PM | comments (x) | trackback (x) |

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