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2013.4.29 科学オンチばかりでは、こういう馬鹿なことをするという事例
      
    水素燃料電池車      エネファーム            屋根用太陽光発電
 「原発がほとんど稼働していないため、政府は2020年の温暖化ガス排出量を1990年比で25%削減する目標の撤回を、5月に国連に通知する方針を固めた」という*1の記事内容は、原発もしくは化石燃料を燃やして発電することしか考えられない人の言うことで、私は驚いた。さらに驚いたことは、そこには、CO2による地球温暖化よりも、原発事故による大規模な放射性物質の放出の方が環境によいという判断があったことだ。この記事は、「だから、原発が必要だ」という、前からある言い訳のようでもある。

 自動車を電気自動車や水素の燃料電池車にすれば、CO2は全く排出されず、地熱発電や汐潮発電を使えば、その水素もCO2排出なしで作ることができる。また、住宅に太陽光発電をつけ、水素による発電装置も併設しておけば、家庭もCO2を排出しないだけでなく、電力供給源となり、わが国のエネルギー自給率が上がる上、国民が支払うエネルギー代金は下がり、災害時の危機管理にもよい。つまり、エネルギーを得る仕組みを変える覚悟があれば、2020年の温暖化ガス排出量を1990年比で25%~30%削減する目標を達成した上、2030年には50~80%削減することさえ可能なのである。そして、これにより、意味のある雇用も生まれる。要は、やる気があるかないかの問題であり、私が首相だったら、世界にそう宣言してばく進するところだ。

 従って、*2の「『3本の矢』の最後の1つである成長戦略」には、エネルギーに関する上記目標も掲げ、そのためのあらゆる努力をすべきだ。そうすることによって初めて、わが国の技術が外国より先んじて開発されたことの成果を得ることができる。わが国の技術が最初に開発されたものでも、わが国が、その成果を得ることができないのは、科学オンチの利害関係者ばかりで政策を決め、外国で実現されたのを見てあわてて追随するという行動パターンをとってきたからである。

*1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130425&ng=DGKDASFS2403G_U3A420C1MM8000 (日経新聞 2013.4.25)
温暖化ガス「25%削減」撤回通知へ 政府、10月めど新目標
 政府は2020年の温暖化ガス排出量を1990年比で25%削減する目標の撤回を、5月に国連に通知する方針を固めた。原発がほとんど稼働していない現状を踏まえて10月をめどに達成可能な新たな目標を定め、11月にポーランドで開く第19回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP19)で表明する。温暖化対策に積極的な姿勢を示しながら、エネルギーの安定供給を図る。 25%の削減目標は09年9月に民主党の鳩山由紀夫首相(当時)が国連気候変動首脳会合(気候変動サミット)で表明した国際公約。10年1月に気候変動枠組み条約事務局に提出した。政府は5月をメドに同事務局に削減目標を「COP19までに見直し、新たな目標を提出する」という文書を出し、正式に撤回を通知する。同時に「削減目標を見直している間もこれまでと同等以上の地球温暖化対策を進める」方針も伝える。新しい削減目標では(1)13~20年の原発の稼働状況の見通し(2)20年以降の目標――なども検討対象だ。中央環境審議会(環境相の諮問機関)の地球環境部会で8月にも温暖化ガス排出量の試算を提示。10月中に地球温暖化対策推進本部(本部長・安倍晋三首相)で原案を了承し、意見公募を経て11月に閣議決定する。

*2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130428&ng=DGKDASFS2701X_X20C13A4PE8000 (日経新聞 2013.4.28)
成長戦略、集約に課題 会議乱立で議論拡散も  6月決定へ具体策づくり急ぐ
 政府は大型連休明けから、経済政策の「3本の矢」の最後の1つである成長戦略の取りまとめを本格的に始める。安倍晋三首相は夏の参院選を意識し、女性の活用や農業活性化策などを掲げる構えで、6月中旬に閣議決定する段取りを描く。ただ首相官邸には各分野の対策を検討する会議が乱立し、議論は拡散気味。首相がどう手綱を引くかが成果を左右する。「民間議員の提言を受けた成長戦略の具体策を出してほしい」。古谷一之官房副長官補は26日午後、内閣府の5階に経済産業省や厚生労働省などの幹部を集め、具体策づくりを急ぐよう求めた。
◆「連休返上しかない」
 成長戦略は大胆な金融緩和、積極的な財政出動に続く柱。産業競争力会議は23日で主な論点の議論が一巡し、次回から取りまとめに入る。古谷氏の指示は菅義偉官房長官らの意向を受けたとみられる。別の閣僚も関係省庁に「今までの焼き直しのようなものを出しても国民は満足しない」と迫った。経済官庁幹部は「連休返上で働くしかない」と話す。成長戦略への評価は、参院選の行方も左右しかねないだけに、首相自身も国民の関心を引きつけるのに躍起だ。19日には記者会見で、成長分野と位置付ける医療や女性に関する政策を自ら説明。5月中旬にも首相が会見を開いて新たな分野の目玉策を打ち出す。日銀の黒田東彦総裁が予想を超える大胆な金融緩和で市場を驚かせたように、成長戦略でも世論の関心を呼ぶ施策を並べたい思惑が透ける。とはいえ政治家の掛け声とは裏腹に、政府内には「小出しにしていれば6月に新しいタマを出すのは難しい」(経済産業省幹部)との声が出ている。
◆方向性の違い表面化
 それぞれの会議の方向性の違いも表面化している。産業競争力会議では竹中平蔵慶大教授ら民間議員が提言した東京・大阪・愛知の三大都市圏を中心に規制緩和や税制優遇に取り組む「国家戦略特区」を推進する方針を打ち出した。一方、経済財政諮問会議の民間議員は都道府県ごとの「47特区」の検討を提言した。18日の諮問会議では、ベンチャーキャピタル会社を経営する原丈人氏の提案を受け、企業が成長の恩恵を広く社会に還元する「日本型資本主義」を議論する専門調査会の設置を決定。規制改革の推進などを主張する竹中氏らと意見を異にする。意見集約は難航しそうだ。甘利明経済財政・再生相は成長戦略の調整にあたる事務局長代理に経済産業省の局長を招き、事務局をテコ入れした。「みんなが納得できる戦略は無理」(内閣官房幹部)との見方が強い中、経済成長につなげる戦略を打ち出せるのか。首相の指導力が問われそうだ。

| 資源・エネルギー::2013.4~2013.10 | 12:02 PM | comments (x) | trackback (x) |

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