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2013,05,04, Saturday
(1)雅子妃は、本当に“適応障害”という“病気”なのか? 東京大学法学部に学士入学した経歴が雅子妃と重なる*3の茂木氏も、雅子妃の“適応障害”という“病気”について、「適応というのは環境との相互関係なので、環境にも問題があるのではないか」と述べておられるが、私も全く同感である。何故なら、私は、東大卒のキャリアウーマンとして社会で働き続けていたため、同じ東大に在籍したことのあるキャリアウーマンだった雅子妃が、日本の皇室の新たな時代を開き、日本の新しい女性の象徴になることを期待して見ており、“適応障害”とされるまでの経過を知って、おかしいと感じていたからである。つまり、宮内庁や日本社会の空気は、雅子妃を雌鳥と同じ基準で評価し、ケージに閉じ込めて、その経験と資質を活かす形で敬意を払って接しては来なかったのだ。 その結果、雅子妃は資質を活かしてさらなるキャリアを積むことはできず、後退して“適応障害”と言われるまでになった。ここで敢えて「後退した」と書いたのは、雅子妃は、現在の姿よりもご成婚前の颯爽とした姿の方が、余程、素敵だったからである。上の写真の王族の中で最もやぼったい服装をしているのが雅子妃だが、「適応障害」などという病名をつけられ、皆からくさされて自信なくケージの中で過ごしていれば、颯爽とした気持ちにはなれず、おしゃれもしないため、そうなるのが当たり前だろう。おつきのデザイナーも、本人の長所を活かしておらず、悪いと思う。 なお、*1、*2では、雅子妃は笑顔だったり嬉しそうだったりしたそうだが、“適応した”というのは、何をされても笑顔でいることではない。心からの笑顔ではない無理な作り笑いは、見ている方でも痛々しいし、見苦しくもあるので、本物の笑顔が自然と出るような環境にすべきだということである。 また、“適応”には、環境に合わせるという行動だけではなく、次の時代に向けて毅然として環境を変えるという行動もあり、大正天皇の皇后である貞明皇后は、慣例を破って日本の一夫一婦制の確立に寄与されたそうだし、現在の美智子皇后も、明治以降初めての民間出身者で自分で子育てをした皇后であり、どちらも、その時代の皇室を変革した。私は、女性が社会進出する時代に、雅子妃という皇太子の選択は全く適格だったと思うが、雅子妃本人が反論できないのをいいことに、遅れたメディアによる後ろ向きのバッシングは大変なものだったと記憶している。しかし、私は、現在の皇室を次の時代に向けて変革できるのは、雅子妃であって、紀子妃ではないと思う。 (2)正常と異常の堺 精神病には、症状を聞けば、誰でも多少はそういうところがあると感じるものが多いが、問題は、正常と異常の堺である。そのような中、*4の朝日新聞記事は、「アスペルガー症候群(AS)」の分類が消え、重い自閉症からASまでを「自閉症スペクトラム障害」に一本化されるので、広義のASに適切な支援が受けられなくなる人が出るという不安が出たと残念そうに述べている。しかし、私は、やっと少しはまともになりつつあると思った。そもそも、言葉の遅れもなく、知的障害もほとんど見られない人を“病気”に仕立てて、何の“支援”をするつもりだろうか。人権侵害もはなはだしい。 もし、「表情や身ぶりで意思を示したり、視線を合わせたりといった行動が取れず、仲間が作りにくい」というような相対的な関係が、どちらか一方の“病気”というのであれば、誰でもいつでも病気に仕立て上げることができるということを忘れてなならない。 *1:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130430-00000144-jij-soci (時事通信2013年4月30日) 皇太子ご夫妻、新国王即位式に=雅子さまも笑顔で参列―レセプションも・オランダ オランダ公式訪問中の皇太子ご夫妻は30日午後(日本時間同日夜)、首都アムステルダムの新教会で行われたウィレム・アレクサンダー新国王(46)の即位式に参列された。10年4カ月ぶりの外国公式訪問となった雅子さまは、28日のオランダ入り後初めて同国の公式行事に臨んだ。 皇太子さまはえんび服にホワイトタイ(白いちょうネクタイ)、雅子さまは淡いクリーム色の帽子に丈の長いドレス姿。午後1時ごろ、バスでホテルを出発したご夫妻は、新教会に到着すると、笑顔で手を振ったり、並んで撮影に応じたりしてから中に入った。会場では、他の招待客とにこやかに談笑する場面もあった。ご夫妻はその後、王宮で各国の王族とともに新国王夫妻を囲み、記念撮影。引き続き行われたお祝いのレセプションにも出席し、午後5時ごろにホテルに戻った。 *2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130504&ng=DGKDASDG03003_T00C13A5CR8000 (日経新聞 2013.5.4) 外国訪問、笑顔で終える 皇太子ご夫妻が帰国 宮内庁、雅子さま公務復帰に慎重姿勢影 オランダを公式訪問し新国王即位式に出席した皇太子ご夫妻は3日午前、東京・羽田空港に到着、帰国された。病気療養中の雅子さまの11年ぶりの外国公式訪問は無事に終了した。公務復帰への一歩とはなったが、今回はオランダ王室との親密な関係や配慮の積み重ねで実現。宮内庁は今後の完全復帰に慎重姿勢を崩していない。雅子さまはこの日、約11時間のフライトにもかかわらず、皇太子さまとにこやかに言葉を交わしながらタラップを降りられた。お住まいの東宮御所に着くと、長女の愛子さまにうれしそうに手を振り、ご一家で仲むつまじく会話をされた。 オランダ滞在中の雅子さまは、現地空港に着いた際に皇太子さまを呼び止め、お二人並んで報道陣に笑顔で手を振られるなどリラックスした様子。即位式ではアイボリー色のドレス姿で登場し、宿泊先のホテルで同国在住の両親と懇談した際には、ほっとした様子だったという。 2004年に「適応障害」と病名が公表されてから今年で10年目。今回の訪問でも曲折があり、オランダ側に正式に出席を伝えたのは出発6日前の4月22日。重要行事出席に伴う雅子さまの負担などが課題となった。オランダは06年に今回退位したベアトリックス元女王の招きを受け、ご一家で約2週間の静養に訪れるなど親交の深い国。王室側は負担軽減のため即位式などに絞った参加を提案し、各国の皇族・王族の宿泊先に日系のホテルを用意するなどの配慮もされた。宮内庁側も、雅子さまの主治医を同行させ、公式行事の前後に1日置いた余裕のある日程を組んで、訪問を支えた。ただ雅子さまは4月30日午後の即位式などへの出席以外はホテルから外出せず、ほとんどの日程を来客もなく静かに過ごされたという。体調の波が今もあるといい、宮内庁幹部は「一つできたからといってすべてできるわけではない」と話す。 *3:http://kenmogi.cocolog-nifty.com/qualia/2013/04/post-dbf5.html (茂木健一郎 クオリア日記 2013/04/14)皇太子妃雅子さまについて 皇太子妃の雅子さまに関する報道には、大変関心がある。雅子さまは、私にとってもちろん遠い存在だけれども、たまたま、東京大学法学部に学士入学したという経歴が重なっている。雅子さまは、私よりも一年後のご入学だった。当時お目にかかることはなかったけれども、秀才の誉れ高かった。その後、外務省に入られ、英国のオックスフォード大学に留学され、皇太子妃になられるまでの経緯は、よく知られているところである。ご成婚の際、多くの人が、雅子さまが、その経験と資質を活かされて、皇室外交とご公務にご活躍されると期待したのではないだろうか。後に、私がケンブリッジ大学に留学した時、友人の英国人が、雅子さまがハーバード、オックスフォードで学ばれたことを指して、「Ah, she has seen the world」と評したことを印象深く覚えている。雅子さまには、日本の皇室の新時代を開く、という期待が寄せられていた。 その雅子さまが適応障害でいらっしゃるという一連の報道には、心が痛む。ここで考えておかなければならないことは、適応というものは主体と環境の関数であって、その要因は、主体側にのみでなく、環境にもあるかもしれないということである。週刊誌などの報道を見ると、ともすれば、適応障害の要因を、雅子さまに帰そうという傾向があるように思うが、それではバランスを欠くように思う。皇太子さまが、雅子さまを大切にされていらっしゃることはもちろんであるし、東宮の方々も、また宮内庁も、いろいろとご配慮下さっていることは確かだと思うけれども、「適応障害」の要因の一端は、「環境」側にもあるのかもしれない、という視点は、必要なのではないだろうか。英国人がShe has seen the worldと評した雅子さまの資質が活かされるようなかたちで、皇室のご公務、外交が行われたら、すばらしいことだと思うし、日本の未来も、明るくなると思う。しばらく前、新国立劇場のオペラ上演の際に、皇太子さまがいらっしゃったのをお見かけした。その隣に、雅子さまがいらっしゃらなかったことを、とても寂しく感じた。私は、雅子さまが適応障害で苦しんでいらっしゃることを、私自身を含めた、日本の環境の問題であるとも感じている。自分自身の痛みとして、雅子さまの不在を受け止めたい。 日本は、雅子さまのような、国際的なキャリアを積まれた女性にとって、そのポテンシャルを活かしやすい国になっているだろうか。皇室という特別な環境の問題は、そのまま、私たちの意識、社会の空気の課題に、つながっているのではないだろうか。 *4:http://digital.asahi.com/articles/TKY201304290366.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201304290366 (朝日新聞 2013.4.29) アスペルガー、分類消える 発達障害の一種、自閉症に一本化 米の診断基準改訂紙面で読む 日本でも広く使われている米精神医学会の診断の手引(DSM)が5月に改訂され、発達障害の一種「アスペルガー症候群(AS)」の分類が消える見通しだ。「適切な支援が受けられなくなる人が出る」などの不安が米国で出ており、日本の臨床現場への影響も出そうだ。 ASは、言語発達の遅れや知的障害はないが、対人関係を築くのが苦手なのが特徴で、「アスペルガー障害」とも呼ばれる。「軽い自閉症」と見なされることもあり、19年ぶりに改訂されるDSM第5版では、重い自閉症からASまでを連続的に捉える「自閉症スペクトラム(連続体)障害」に一本化される。診断に使う項目も改訂版では、「社会コミュニケーションの障害」「限定した興味や反復行動」に絞る。改訂に関わったグループは「第4版の基準は医師によって診断名が違ってくる」などとし、「より正確な診断が可能になる」としている。だが、米エール大の研究グループが、第4版でASと診断される人のデータを第5版で診断し直したところ、4分の3の人が、自閉症スペクトラム障害に該当しなくなった。そのため、今後は同じような障害を抱えていても診断で除外され、コミュニケーション技術の支援教育などが受けられない可能性があるという。さらに、現在、ASと診断されている人の間でも、診断名がなくなることへの不安の声が出ている。 ■適切な支援、失う恐れ 日本の発達障害情報・支援センターによると、ASの人は約4千人に1人と言われている。ただ、障害が軽くて厳密には自閉症と診断されないが、ASと似た状態を含む広義のASは、数百人に1人とされる自閉症よりも多いという。「ニーズに合った適切な支援が望ましい」とされるが、日本自閉症協会会長で精神科医の山崎晃資さんは「臨床の現場でどのような影響が出るか注意深くみていく必要がある」と話す。発達障害は多様な障害を含み、何度も診察して診断する必要がある。山崎さんは今回の改訂で「よく診察されず、『自閉症スペクトラム障害』と診断される人が逆に増えるかもしれない」といい、適切な支援が遠のく可能性を危惧する。国立精神・神経医療研究センターの神尾陽子・児童・思春期精神保健研究部長は「診断基準を理解しやすくするため、学会が指針を作成したり、診断が難しい場合に評価、助言をする専門機関を整備したりするべきではないか」と話す。 ◆キーワード <自閉症とアスペルガー症候群> 自閉症は、他人への関心の薄さや、言葉の遅れ、興味や行動のパターン化などが特徴。幼児期に気づかれることが多く、しばしば知的障害を伴う。アスペルガー症候群は、自閉症と違って言葉の遅れはなく、知的障害もほとんど見られない。しかし、表情や身ぶりで意思を示したり、視線を合わせたりといった行動が取れず、仲間が作りにくいといった点は自閉症と共通。社会に出て仕事や対人関係がうまくいかないことがある。「自閉症スペクトラム障害」は、自閉症に近い状態を一連のものとして扱う考え方で、日本の専門家の間でも定着してきている。
| 男女平等::2011.12~2013.5 | 03:45 PM | comments (x) | trackback (x) |
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