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2013.5.9 日経新聞の堂々たるジェンダー記事には呆れた。
   *5より

 イギリスでは、*1のように、マーガレット・サッチャー氏が1979年に首相となり、何を言われても改革を貫徹して英国病を撲滅し、フォークランド紛争でも毅然として戦って領土を守った。先日、スペインの女性アナウンサーがサッチャーさんの死を悼んで「もし彼女がわが国の人だったら、フォークランド諸島はスペイン領になっていただろう」と言っていたのを聞き、そのウィットの効いた冗談に笑った。但し、現在の日本の福祉は1979年以前の英国より貧弱で、経済改革は30年遅れているにもかかわらず、後戻りしているため、現在の改革の方針については、単純に英国の真似をすればよいというものではない。

 そして、*3で、日経新聞は「『鉄』はいらない。リーダー、自然体で輝く」と書いている。私もサッチャー氏と同じタイプなのでわかるが、サッチャー氏の場合は、自然体で改革を断行した結果、周囲に「鉄の女」に見えたに過ぎず、本人が無理をして生きたわけではない。しかし、自分が周囲に流されて生きてきた結果、得をしたタイプらしいこの日経新聞記者には、それが理解できないということだ。

 また、*2のアメリカのケースを見て、日本人の中には、これが批判される理由がわからないという人も多いだろう。何故なら、日本は、*3のように、日経新聞という大メディアが、「鉄はいらない」「(女は)しなやかなのが良い」「男性ホルモンの時代は終わった」「レズビアンで、ありのままだ」「母性こそ力」「男と伍するのでなく自然体の指導者が受け入れられる時代」などと、性意識を前面に出し、まさに女性に対するジェンダー丸出しのメッセージを発しているレベルだからである。そして、日本では、このようなことが日常茶飯事であるため、これにクレームを言う女性の方が、逆に批判されることが多い。しかし、*2は、やはり評価における女性差別であり、アメリカには、それを直ちに指摘する土壌があって、オバマ米大統領は批判されたら本人に謝罪したのである。これが女性差別である理由は、女性の州司法長官に実力よりルックスでなったかのような発言をしたからであり、ハリス州司法長官が仕事の能力と実績で州司法長官になったことを軽視しているからである。つまり、アメリカでは、評価基準も男女平等であるべきだという価値観が、日本より浸透しているということである。

 *3の記事で、「母性こそが力」「もう(男の)まねしない」と主張した日経新聞は、女性は、どの職業でも「母性さえあれば、優秀な人材としてやっていける」とでも考えているのだろうか。また、毅然として自分の意思を貫くリーダーの姿を「男のまね」と考え、女は「しなやか(姿態などがなよなよして、たおやかなさま)」なのが自然体だと思っているのだろうか。これは、女性に対して失礼なイメージの押し付けである。女性であれ、男性であれ、自然体で鉄の意志を持ち、特定の誰かと張り合わなくても男女全員の中でトップとなる能力を磨いてきた人はいるし、また、そういう人でなければ、指導者となる資格はないだろう。

 なお、*4の記事では、「日本では政治家の登用進まず」と、例のごとく政治家の批判を行っている。しかし、*5のように、一般企業の女性登用は、部長級以上でも2.7%に留まり、取締役では2.6%あるものの、これには社外取締役で女性を登用してパーセンテージを上げているという現実がある。ちなみに、わが国の衆議院議員の女性比率は7.9%で、参議院議員の女性比率は14.0%である。

 そのため、*3のような記事を書き、かつ、*4のように政治批判している日経新聞は、自らの記者、管理職、取締役に占める女性割合を公表すべきだ。そして、日経新聞の女性記者は、男のまねはせず、ワークライフバランスを保って自分で子育てしながら、母性だけで何人取締役になっているのか知りたいものである。こう言うと、「憲法に定められた男女平等は公務員のみを縛るもので、一般人には関係がなく、メディアは憲法で言論の自由・表現の自由が保障されている」などと言って逃げる人がいる。しかし、そのようなご都合主義の憲法解釈は、して欲しくない。また、長くは書かないが、”母性”というのは、現在、種々の疑問がある概念でもある。

*1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130410&ng=DGKDZO53803480Q3A410C1EA1000
(日経新聞社説 2013.4.9) サッチャー改革が日本に問い直すもの
(ポイント)歴史を転換させた為政者が死去した。1979年から11年にわたり英国の首相を務めたマーガレット・サッチャー氏である。国の長期衰退に歯止めをかけ経済を復活させた元首相の足跡から、日本が学ぶものは今なお多い。英国は18世紀の産業革命により「世界の工場」に上り詰めたが、20世紀に入ると米国やドイツの追い上げを受け、70年代は衰退の一途だった。その様子を世界は「英国病」と名づけた。自国の復活を期してサッチャー氏がとった基本的な政治姿勢は、国の富を生むのは政府ではなく、企業や個人の自由な活動であるという考えを貫くことだった。そうした哲学にもとづき、強すぎる労働組合の権利制限、減税、外資の導入、規制緩和などの具体策を矢継ぎ早に打ち出した。そのなかで特にサッチャー氏が重視したのが、国営企業の民営化だった。批判や周囲との摩擦を覚悟で多くの経済改革を進めたサッチャー氏だが、究極の目的は「魂を変えること」と述べている。自立心あふれる企業と個人がまじめに経済活動をし、正当に報われる社会が理想の姿だった。

*2:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2431923.article.html
(佐賀新聞 2013年4月6日) 米大統領、失言で謝罪 / 「彼女はルックス抜群」
 オバマ米大統領が、女性のカリフォルニア州司法長官を「全米でも抜群にルックスが良い司法長官」と形容したことで批判を浴び、本人への謝罪に追い込まれた。カーニー大統領報道官が5日明らかにした。大統領は4日に同州内で開かれた民主党のイベントで、カマラ・ハリス州司法長官を紹介。その際にハリス氏の容姿を褒めた上で、聴衆に「事実じゃないか。そうだろう」と同意を求めた。これに対し、女性の成功を容姿と関連づけるのは「男女差別的」ではないかとの批判がメディアなどから上がり、大統領は同日中にハリス氏に電話をかけて謝罪した。

*3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130509&ng=DGKDASGU01004_R00C13A5MM8000
(日経新聞 2013.5.9) 世界を動かす(1) 「鉄」はいらない リーダー、自然体で輝く
 女性(Woman)が政治、経済、社会などあらゆる分野で新たな扉を開こうとしている。未来へ向けたその動きを世界で追った。
●もうまねしない
 ニューヨークで今、ひときわ脚光を浴びる女性政治家。来年退任するブルームバーグ・ニューヨーク市長の後任争いで有力候補に浮上した市議会議長のクリスティン・クイン(46)だ。大きな身ぶり手ぶりに、大口を開けて快活に笑う。前国務長官のヒラリー・クリントンら従来の米女性政治家と比べ「肝っ玉母さん」のような親しみやすさ。低所得者への住宅供給など政策は市民目線で「中産階級の生活を守る」と訴える。自然な振る舞いが好感を呼ぶ。2011年には女性弁護士と同性婚。支持者はいう。「この街で誰よりも活力に満ち、女性でレズビアンで、ありのままだ」。4月に死去した英国初の女性首相マーガレット・サッチャーは「鉄の女」と呼ばれた。男性支配の政界でサッチャーが示した男と張り合う姿勢は女性政治家の一つのモデルになった。 そして今、女性首相・大統領は20カ国・地域(G20)で5人、さらに10人ほどが世界各地で国を率いる。指導者心理に詳しいダブリン大教授のイアン・ロバートソンは「女性指導者が少ない時代は不安から男性の手法を模倣しがちだった。今や不安は薄れ自然体で臨めるようになった」と分析。しなやかで、時に決然とした清廉さや母性が危機や紛争後に力を発揮する。北欧の島国アイスランド。客室乗務員から政界に転じた同国初の女性首相ヨハンナ・シグルザルドッティル(70)は「聖ヨハンナ」と国民の敬愛を集めた。
 「男性ホルモンの時代は終わった」。08年秋の金融バブル崩壊による経済破綻。シグルザルドッティルは国を危機に陥れた男性主導の政治との決別を掲げ、09年2月に首相に就いた。「人々の怒りが渦巻く中、ほかに国民の信任を取り付けられる人はいなかった」と元経済担当相のギルビ・マクノソンは振り返る。就任後、しきたりや特権層のなれ合いにくみせず、中央銀行総裁に転じていた元大物首相を更迭、失政の責任をとらせた。経済再建に向け与党すら反対した歳出削減や増税も断行。その副作用で4月27日の議会選で与党は敗北を喫したが、経済はプラス成長に転換した。政界引退を決めている彼女の「良薬」が効き始めているのは確かだ。
●母性こそが力
 03年まで長期の内戦が続いたリベリアの大統領エレナ・サーリーフ(74)も国民に「マー(おっかさん)」と親しみを込めて呼ばれる。内戦中は投獄や亡命を経験。内戦で傷ついた国民を「病気の子供」に例え「この国は献身的に面倒を見る母親を必要としている」と語り、06年にアフリカ初の公選による女性大統領になった。平和への貢献などが評価され、11年にノーベル平和賞を受賞した。世界銀行の総裁候補にもなったナイジェリア財務相のヌゴジ・オコンジョイウェアラ(58)はじめ、アフリカ各地の女性がサーリーフに続く。男と伍(ご)するのでなく自然体の指導者が受け入れられる時代。サーリーフは昨秋の訪日時、日本の女性を激励した。「あらゆる分野でリーダーを目指しなさい。日本で女性首相が誕生するように」。

*4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130509&ng=DGKDASGG0100B_R00C13A5EE8000
(日経新聞 2013.5.9) 日本では 政治家の登用進まず 閣僚、小泉内閣5人が最多
 日本では女性首相は誕生していない。歴代内閣で女性閣僚が最も多かったのは2001年4月に発足した第1次小泉内閣の5人。目玉人事として田中真紀子氏を外相に起用した。昨年12月に誕生した第2次安倍内閣は、稲田朋美行政改革相と森雅子少子化相の2人だ。初の女性閣僚は1960年の池田内閣で厚相に起用された中山マサ氏。池田内閣で近藤鶴代氏も科学技術庁長官に就いたが、84年に中曽根内閣で石本茂氏が環境庁長官に就任するまで途絶えた。国会では93年に土井たか子氏が衆院議長に就任。衆参両院で初の女性議長となり、参院では扇千景氏が04年に議長に選ばれた。全国初の女性知事は、00年に大阪府知事に就いた元通商産業省審議官の太田房江氏。その2カ月後に熊本県、翌年に千葉県で女性知事が誕生した。北海道と山形、滋賀両県の現職3人を含め、計6人だ。

*5:http://news.mynavi.jp/news/2012/10/17/039/index.html
(マイナビニュース 2012/10/17)日本企業の役員・管理職における女性の割合、"部長級以上"女性はわずか2.7%
 経済同友会は16日、同法人所属企業を対象に実施した女性管理職・役員の登用および活用状況に関するアンケート調査の結果を発表した。同調査は、7月~8月の期間にFAXにて行われ、219社から有効回答を得た。同調査で女性従業員の登用について調べたところ、日本国内では従業員の41.0%が女性であることが分かった。業種別に見た場合、製造業では24.1%だったのに対し、非製造業では48.4%と倍以上の差が見られた。一方、海外拠点について見ると、製造業では37.9%、非製造業では32.3%となり、製造業の方が女性従業員の割合が高かった。
 役員・管理職における女性の割合を尋ねてみると、OECD(経済協力開発機構)加盟国の多くが30%を超える中、日本企業では課長級以上で4.6%、部長級以上では2.7%にとどまることが判明。取締役では2.6%となり、このうち社外取締役については4.5%と女性登用を進めている状況がうかがえる。また、課長級では非製造業が6.9%、製造業が3.6%と、非製造業が製造業の倍近い割合となった。
 女性役員の比率の推移はどのような傾向にあるか聞いたところ、13.0%が「増加傾向」にあると回答。それに対して、「女性役員はいない」は58.6%、「横ばい」は27.4%、「減少傾向」は0.9%だった。一方、女性管理職の比率の推移については、52.6%が「増加傾向」にあると答え、「女性管理職はいない」は8%、「横ばい」は37.6%、「減少傾向」は1.9%だった。女性管理職登用の具体的数値目標を設定していない企業は半数以上の58.0%。反対に、具体的数値目標を設定している企業は15.1%となった。これらの企業では現状の登用率も高く、管理職7.7%、意思決定ボード(部長、役員<取締役・執行役・執行役員>)4.3%、数値目標の平均は2016年までに女性管理職登用15.0%だった。また、数値目標を設定している企業のうち54.5%はCSRレポートを中心に対外的に公表していた。
 2011年度総合職の新卒の女性採用実績は28.1%で、全従業員数に占める女性の割合と比べると12.9ポイント低い。業種別では、製造業が23.5%、非製造業が30.7%となっている。男性の育児休暇取得率は3.5%。中でも従業員5,000人以上の大企業は5.4%と取得率が高い傾向にある。業種別では、製造業が5.1%と、非製造業の2.7%より2.4ポイント多かった。また、男性育児休暇取得率を回答した企業の女性管理職登用は4.7%と全体平均より高くなっていた。女性の登用・活用のために必要と思う施策については、「行政による育児支援インフラの整備・強化を図る」が最も多く14.5%。以下、「仕事の継続を支援する両立支援施策を充実させる」が11.5%、「職務の明確化、男女差のない公正な評価・処遇制度を確立する」が9.8%と続いた。

| 男女平等::2013.5~2013.11 | 12:59 PM | comments (x) | trackback (x) |

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