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2013.7.17 非正規雇用・限定正社員という雇用形態の異常性について
 
      *1より                日経新聞より

(1)非正規雇用、限定正社員という身分による労働者の差別
 非正規雇用という労働者の身分は、正規雇用の社員には労働基準法・男女雇用機会均等法が適用され、役所や大企業では、終身雇用・年功序列も一般的であることから、企業のために生まれた労働基準法・男女雇用機会均等法の脱法のための雇用形態である。非正規雇用を自由な働き方として推奨する人も多く、それならば本人の希望で正規・非正規のどちらになるかを選べなくてはならない筈だが、実際にはそうではなく、*1のように、立場の弱い労働者を非正規社員として悪い労働条件で働かせているのである。これこそ、搾取であろう。

 つまり、非正規雇用という身分は、正規雇用の労働者に手厚い労働法をすっぱ抜くために考え出されたものであるし、限定正社員に近い制度は、最初の男女雇用機会均等法適用期(1985~97年)には、女性労働者を補助職にするという形で行われていた。そのため、1997年の改正男女雇用機会均等法施行後には同一企業内で補助職という形で女性労働者を差別することが禁止され、そのかわりに他企業からの派遣労働者という形の非正規雇用が普及したのであり、非正規雇用は男女平等に男性にも存在するものの、女性にすこぶる高い割合で存在するのである。

(2)非正規雇用という身分が労働者及び社会に与える影響
 非正規雇用という不安定な雇用形態は、①経験の継続性や教育・研修の機会が限られるため労働者の質が上がらないという本人及び社会の損失がある ②雇用の継続や昇進が保証されないため、労働者本人の自己実現の喜びがなく、本物のやる気が出ないため生産性が上がらないという本人及び社会の損失がある ③非正規雇用では生活が安定しないため、結婚や出産が躊躇され、人を幸福にしない上に少子化を加速するという本人及び社会の損失がある ④非正規雇用は、所得が低く社会保険も負担しないので、国にとっては税収や社会保険の支払者(支え手)が減る上、本人にとっても社会保障の恩恵を受けられない など、社会に対するマイナスの影響がある。そのため、非正規雇用や限定正社員という身分を作るのはやめるべきである。

(3)本当は、どうあるべきなのか
 そもそも、正規雇用であれば日本全国どこへでも赴任しなければならず、どんな分野の仕事でもしなければならず、解雇が大変難しいという日本の正規雇用の慣行がおかしい。例えば、極端な例だが、法務部に弁護士を採用した企業がその弁護士を工場に配置したり、経理部に採用した公認会計士や税理士を販売店に配置したりすれば、生産性が上がるわけがないのである。

 つまり、正規雇用の社員であっても、その人の専門性や特技を活かす配置をしなければ、雇用者にとっては人材を有効に使えず、被雇用者にとっては不幸なのである。また、男性か女性かを問わず、夫婦とも一生懸命に働いている時に、本人の承諾もなく日本全国に赴任することを義務づければ、自然と別居生活を強いることになり、子育てなどとてもおぼつかないため、出産すること自体がリスクになる。

 結局、限定正社員として実現しようとしていることは、普通の正社員でも行うべきことであり、それをうまくやるのが人事部の仕事だ。また、非正規社員のような搾取の形態をいつまでも許すべきではない。そのかわり、Fairに実力を測定して実績主義を貫くことにより、硬直した雇用慣行を変える必要があるし、労働慣行も見直すべきなのである。

*1: http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1203R_S3A710C1EA1000/
(日経新聞 2013/7/13) 非正規社員比率38.2%、男女とも過去最高に
 パートやアルバイトなど非正規社員として働く人が増えている。総務省が12日発表した就業構造基本調査では、役員を除く雇用者のうち非正規社員は全体で約2043万人となり、初めて2000万人を突破した。比率も38.2%と過去最大を更新した。産業構造がパート比率の高いサービス業に転換していることなどが背景にある。20年前の調査と比べると、非正規の比率は16.5ポイント上昇した。男性・女性ともに過去最大の比率となった。正社員の比率が大きい製造業は生産拠点の海外移転などで雇用が減り、パートの多い小売やサービス業で働く人の割合が高まったことが背景だ。なかでもパートやアルバイトとして働く人が多い女性は非正規の比率が57.5%と、半数を大きく上回る。正社員だった人が転職の時に非正規になる流れも強まっている。調査で過去5年の間に転職した人を見ると、転職前に正社員だった人のうち40.3%が非正規になった。2007年の前回調査と比べると3.7ポイント上がっている。逆に非正規社員が転職するケースでは、正社員になったのは4人に1人にあたる24.2%にとどまる。この比率も5年前より2.3ポイント下がった。仕事を変える時に、正社員を選ぶのは5年前よりも難しくなったといえる。
 50代~60代の有業率は5年前と比べ男性では下がる一方、女性は上昇した。家計を補おうとパートで働く女性が増えた可能性がある。一方で非正規で働く人の割合が高い若年層は男女とも雇用が不安定なことが結婚・出産をためらう一因との指摘が多い。仕事探しをあきらめた若者にあたる「ニート」も解消していない。15~34歳に占めるニートは5年前に比べて約1万5000人減ったものの、比率は2.3%と0.2ポイント上がった。働く意欲を失った若者が増えれば、経済の活力がそがれる。将来、低年金や生活保護の受給者になる可能性もある。
 産業別に見ると、「卸売業・小売業」では約282万人、「医療・福祉」では約176万人の女性がパートやアルバイトとして働いている。高齢化に伴い伸びる福祉分野やサービス産業ほど女性が働く機会が多く、非正規の比率拡大にもつながる形だ。過去5年間に介護や看護のために職を離れた人は約48万7000人。このうち女性は38万9000人で、8割に達する。高齢化に伴う介護や家事の負担が女性にしわ寄せされやすい状況も、女性が安定して質の高い働き方をするための壁になっている。調査では、介護をしている全国の557万人のうち、60歳以上が約5割を占めることも分かった。「老老介護」の問題が深刻になっている現状も浮き彫りになった。

*2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130717&ng=DGKDZO57421900X10C13A7EA1000
(日経新聞社説 2013.7.17) 「子を持てる社会」へ具体策競え
 「少子化」を一層、実感するときが近づいている。2012年までの10年間に、出生数は1割減った。推計によると22年までの10年間には減少幅は2割に拡大する。各党は公約で子育て支援拡充をうたうが、これまでの政策をあらためて掲げたものも多い。出産や子育てを阻む障壁をいかになくすか。限られた予算にどう優先順位をつけるのかを含め、実現への具体的な道筋を示してもらいたい。自民党、民主党ともに公約にあげたのが、仕事と子育ての両立支援や認可保育所に入れない待機児童の解消だ。自民党は「2年間で約20万人分、17年度末までに約40万人分の保育の受け皿を新たに確保」と数値目標を示した。4月に安倍晋三首相が成長戦略として打ち出したものを踏襲している。だが待機児童の解消は、長年にわたり実現しなかったテーマだ。保育士の確保や、整備促進に有効な民間企業の参入をどう促すかなど、課題は山積する。
 財源確保にも懸念がある。自民党は幼児教育の段階的無償化もうたう。無償化には総額7800億円が必要との試算もあり、保育の拡充とどう両立させていくのか。民主党は「子ども・子育て支援の予算を増額する」などとするが、より具体的な策を示してほしい。若い世代の将来への不安を和らげる政策も必要だ。少子化の大きな要因は、未婚率の上昇だ。非正規雇用が増え、結婚や出産を願っても家計の状況などから踏み切れない人も多い。就業支援や非正規労働者の処遇改善などの課題を、少子化対策としてしっかり位置付け、各党で競い合う必要がある。
 結婚するか、子どもを持つかは個人の選択の問題だ。だからといって社会が、結婚や出産を選択しやすい環境の整備を怠っていいということにはならない。国民が持つ結婚や出産の希望がかなえば合計特殊出生率は1.75程度になるとの試算もある。希望がかない子どもが増える政策が欠かせない。

| 人口動態・少子高齢化・雇用 | 08:11 PM | comments (x) | trackback (x) |

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