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2013.7.19 年金、医療、介護などの社会保障について
       

(1)世代間闘争にもっていくのは、運営責任者の責任逃れである
 *1の「今後の社会保障を支えるのは若者なので、若者の意見を政策に反映してほしい」とか、*2の「年金や医療は高齢者を優遇する世代間格差を内包している」というような記事をよく見かけるが、このような論調は、今まで私たちが支払ってきた保険料を、退職後の給付に必要なだけ積み立ててこなかった運営主体の無責任に関して、高齢者と現役世代である若者の世代間闘争に仕立て上げて曖昧にするものであり、決して許してはならない。
 また、*1では「高齢者は増えているのに、制度を支える現役世代は減る一方」、*2では、「保険料・税の大半を払っている現役世代」とも書かれているが、そもそも、年金、医療、介護などの保険制度は、健康で働ける時に積み立て、必要になったら給付を受ける仕組みであって、誰でも年をとったら給付される側になるため、このような世代間闘争の構図を作るのがおかしい。そして、現役世代は、正規雇用でなければ制度を支えることは難しく、女性、外国人労働者でも一向にかまわないことから、「制度を支える現役世代は減る一方」というのは、本当は別の解決策があるのである。

(2)あるべき改革
1)年金について
 このブログの2012.12.18に記載したとおり、年金制度に関しては、私も現在の「賦課方式」から「積立方式」に変更するのが、責任が明確になってよいと思う。年金制度は、私が厚生年金に加入した1982年には「積立方式」であり、1985年に専業主婦を3号被保険者にした時に「積立方式」では賄えなくなって「賦課方式」に改められたものである。そのため、私の事例では、契約時は自分のための積立だったのに、給付時には若者からの仕送りなどと言われるのは、そもそも契約違反であり、とんでもないのだ。
 そのため、もとの積立方式に戻すのがよいと思うが、積立方式への移行期に、現役時代に支払った保険料が賦課方式とされ自分の積立にまわらなかった人の年金財源については、年金保険料を二重負担させることは社会正義にもとるため、長期国債を財源に充てて数世代で返済すべきである。また、年金制度が不備だった敗戦後の焼け野が原から現在の日本の基礎を作り、核家族化の波を受けて生活に窮している世代に対し、最低保証年金を渡すのは当然である。いくら少子化でも、これに苦情を言うような道徳観の欠けた若者(馬鹿者)はいらないし、子どもをそういう自分中心の人間に育ててはいけない。
 もちろん、最初の年金制度の設計時よりも平均寿命が15~20年延びたという幸せな誤算もあったが、支給開始年齢は5~10年しか引き上げられていない。そのため、*2、*3に記載されているように、定年の延長又は廃止を事前に行い、生活できるだけの収入がある場合には支給開始年齢を70歳に引き上げるのは妥当だと思う。そもそも、人間は、働いていた方が健康でいられるものである。
 
2)医療について
 *2の「窓口負担は年齢で差をつけるのではなく収入に着目する」というのは、確かに公平の観点からよいと思う。しかし、「診療報酬を上げるという民主党は財源をどうするのか」というのは、診療報酬で病院は成り立っており、赤字経営の病院が多い実態を直視すべきなのであって、使命を終えた原発に交付金を出したり、公共工事に200兆円出したりするより、こちらに支出する方がよほど重要である。
 また、*2には、「従業員と事業主が拠出する健康保険料の約半分は、高齢者が使う医療費に召し上げられている」とも書かれているが、人間は、若い頃は病気をせず、年をとってから病気をするものであるため、本来は、その人が保険料を支払った健康保険組合で最期まで医療費を支払うべきなのである。しかし、現在はそうなっていないため、健康保険組合から国民健康保険に支出しているので当然だ。
 さらに、*2の「自由診療を併用する混合診療は私費でまかなう医療を増やし・・」などというのは、国民皆保険制度に反する。自由診療を認めるのは、薬や治療に関する承認ラグくらいにすべきである。

3)介護について
 介護は、*4でも述べられているとおり、個人や家族の負担とすれば耐えられないほど重いものだから、介護保険制度を作ったのである。そして、介護もまた、将来は自分も利用するサービスであるため、介護保険制度の支払対象者は所得のある人すべての応能負担とし、介護サービスは必要とする人全員に提供されるべきである。そのため、「柔軟な働き方を促す仕組み」などとして非正規雇用を増やし、介護保険の支え手からはずすのは本末転倒である。

4)生活保護について
 *2に、「国民年金の保険料未払い問題にどう対処するのか。未納率は40%を超す。若い世代ほど高く、生活保護の予備軍を増やしている」と書かれているが、これは私がこのブログの2013.7.17に記載した非正規雇用の増加と関係している。雇用者は、正規雇用として社会保険も負担すべきなのであり、そのためには、需要のある財・サービスを生産して付加価値のある生産を行わなければならないのは、企業として当然のことである。

(3)「痛み分け」という発想の非論理性
 *2のように、財政について語る時、「痛みわけ」というような感情論をよく目にするが、こういうことを言う人は、大学時代に勉強をせず、マージャンばかりしていたのではないかと思う。本来は、①責任のある人が責任をとり、責任のない人は責任をとらない ②無駄遣いと必要な支出は明確に区別する ③契約違反はしない ④従って、誰もが平等に「痛み」を分担するのは不公正である というのが常識である。

(4)財政改革のあるべき姿について
 特に日経新聞は、財務省の主張そのものだが、年金・医療・介護など人権の本質をわきまえずに、他で大きな無駄遣いを許しながら人権をおろそかにするという質の悪さがある。また、社会保障費は、基本は保険料で支払うものであり、税金で支払うのはその保険設計時に想定外だった部分とするのが妥当である。そして、その税金は、消費税でなければならないという決まりはないため、消費税率引き上げのために福祉財源を主張するのは卑怯だ。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013071302000134.html
(東京新聞 2013年7月13日) <政策 もっと知りたい>社会保障 分かれる自助、公助
 「社会保障の先行きが全く不透明だ。われわれのような高齢者は預貯金をなかなか消費に回そうという気持ちになれない」(浜松市中区、無職奥村克彦さん、68歳)。年金、医療、介護など社会保障制度の給付費は毎年約三兆円のペースで増え、二〇二五年度には一三年度の三割増、約百四十九兆円に達する見通し。少子高齢化の中、社会保障制度をどうするかは待ったなしの課題だ。自民党は公約で「自助、自立を第一に」と家族や地域の負担を重くし、社会保障費を抑える「自助」を前面に打ち出した。しかし、具体的な施策には触れなかった。公明党も現行制度維持の立場から、患者の自己負担が一定額を超えた分を払い戻す高額療養費制度の拡充や無年金・低年金者対策などを挙げた。政府は六月に閣議決定した中長期の経済財政運営に関する「骨太の方針」で、社会保障について「聖域なく見直す」と明記した。自公にどこを見直すのか質問したが、今後の議論に委ねるとの回答だった。自助よりも、税金で賄う「公助」を重視したのが民主、生活、社民、共産の四党。公約に、全額を税で賄う最低保障年金の導入を明記した。原則としてすべての人に月額五万~八万円を給付する。問題は財源だ。民主は与党時代、最大月七万円の最低保障年金を導入すると、消費税を10%に引き上げた後、七五年度に6%分の追加増税が必要との試算を公表した。四党に財源をどう手当てするのか質問すると民主は消費税増税が必要と回答。生活は金融資産への税制措置や特別会計の活用、社民は所得税や法人税を挙げた。共産は「所得税の累進課税を強化する税制改革」が必要だとした。高齢者は増えているのに、制度を支える現役世代は減る一方。愛知県津島市の男性(22)は「国の借金を返済し、今後の社会保障を支えるのは若者。もっと若者の意見を政策に反映してほしい」と意見を寄せた。現役世代を意識したのがみんなと維新。年金制度に関し両党は現役世代から高齢者への「仕送り」の形を取る現在の「賦課方式」から、自分で老後に備えて蓄える「積み立て方式」への変更を提案した。維新は年金の支給開始年齢のさらなる引き上げや、医療保険の高齢者の自己負担率引き上げにつながる一律化も掲げた。積み立て方式への移行期、現役時代に十分な積み立てができなかった人たちの年金財源はどう賄うのか。両党に聞くと「超長期」の国債などを財源に充てるとの回答だった。 みどりは年金に関しサラリーマン世帯らの専業主婦「第三号被保険者」制度について、保険料を納めなくてもよいことなどを念頭に見直すべきだとした。

*2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130714&ng=DGKDZO57346830U3A710C1PE8000
(日経新聞社説 2013.7.14) 年金・医療と財政どう立て直すのか
 与野党とも積極的に語るのを避けているきらいがあるが、年金や医療制度をどう立て直し、財政再建にどうつなげるのか。未曽有の少子化、先進国で最速の高齢化という二重苦に直面する日本経済にとって、社会保障改革は国政選挙の普遍の課題である。
●高齢層にも「痛み」説け
 2013年度の国の予算をみると、年金と医療・介護、生活保護などに使う社会保障費は29兆円を上回り、地方交付税を除く政策経費の54%を占める。年金などにかかる社会保険料を含めた社会保障給付費は100兆円を優に超す。保険料・税の大半を払っている現役世代の人口減少は、今後さらに加速する。おまけに年金や医療費の一部は赤字国債に依存し、将来世代を苦しめている。自民、公明、民主3党の合意によって政府は消費税率を14年度から2段階で10%に上げる。年13兆5千億円の大型増税にもかかわらず、財政再建には力不足だ。年金や医療は高齢者を優遇する世代間格差を内包している。これをやわらげ、制度の持続性を高める改革を各党は前面に出してほしい。自民党の基本方針は、政府の社会保障制度改革国民会議の結論をふまえ改革するというもの。行政府の意向を尊重するだけでなく、政党色をもっと出してほしい。年金制度が根本からの改革が必要なのは論をまたない。積立金運用について年4.1%の「高利」を前提にした百年安心プランは砂上の楼閣だ。だが自民、公明の両与党は制度の刷新に距離をおく。たとえば国民年金の保険料未払い問題にどう対処するのか。未納率は40%を超す。若い世代ほど高く、生活保護の予備軍を増やしている。現行制度に問題はないと言うだけでは不信感は拭えまい。 民主党は最低保障年金の創設を公約した。これまでに何度も政権公約に盛りこんだ案だ。現役時代の所得が低い人に限って税財源の年金を支給する案は、未納問題の深刻さを考えれば理解できる。だがこの党に支給範囲を絞りこみ、必要額を示して増税に踏みこむ覚悟があるのか。鳩山、菅、野田の歴代政権はそれを怠った。理想型を漫然と公約に載せるだけでは有権者に愛想を尽かされよう。目を引くのは、加入者が掛け金を積み立て、現役を引退したときに自分のために取り崩す積み立て年金への衣替えを主張するみんなの党と日本維新の会だ。少子高齢化の時代に適した方式だが、移行時に生じる新たな負担をどの世代に担わせるのか。画餅に帰させないためにも、方法論と財源を示してほしい。医療制度は課題山積だ。しかし改革に正面から取り組む意志があまり伝わってこない。国民医療費はいまや年40兆円規模。保険財政を安定させるために70代前半の窓口負担を法の規定どおり20%にするのは当然だ。これは選挙の争点以前の問題である。10%への据え置きに政府は約1兆2千億円の借金をかさねた。この間、政権を担った自公両党と民主党はともに猛省してほしい。
●税財源を高齢者医療に
 そもそも窓口負担は年齢で差をつけるのではなく、収入や資産に着目したほうが、世代間公平の観点からもよいのではないか。自民党は国民健康保険の運営主体を市区町村から都道府県に広げる方針を出した。加入者が高齢化しており広域化は当を得ている。ただ保険料の徴収は市に、保険運営は県に、という股裂きは避けるべきだ。両機能を一体にしてこそ保険財政への規律がはたらく。診療報酬を上げるという民主党は財源をどうするのか。ここにもいいかげんさが見え隠れする。全般に各党とも企業の健康保険組合を軽視している印象だ。従業員と事業主が拠出する健康保険料の約半分は、高齢者が使う医療費に召し上げられている。14年度からの消費税の増税分を高齢者医療の一部に充てるなど、健保組合を支援する視点がほしい。保険診療と自由診療を併用する混合診療は私費でまかなう医療を増やし、医療技術のいっそうの革新を促す。みんなと維新は、その解禁や適用拡大を唱えている。財政再建を果たすには増税や保険料引き上げだけではなく、社会保障の給付切り詰めが不可欠だ。高齢層に一定の厳しい選択を迫らざるを得ない事実は、どの党が政権についても変わらないのだ。

*3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130713&ng=DGKDASFS1202S_S3A710C1MM8000
(日経新聞 2013.7.13)国民会議、年金開始の引き上げ明記へ 社会保障、現役に手厚く
 政府の社会保障制度改革国民会議は12日、最終報告書のとりまとめに向けた調整に入った。高齢者に手厚く配慮する現行の制度から転換し、現役世代の支援に軸足を移していく方針を確認した。膨らむ給付の具体的な抑制策として、公的年金を受け取ることができる年齢の将来的な引き上げを盛り込むことがほぼ固まった。国民会議は最終報告書を8月上旬にまとめる。これを受けて政府は将来の改革のスケジュールを定める「プログラム法案」をつくり、秋の臨時国会に提出する。個別の政策はその都度法案化を目指す。医療・介護などの分野も含め、「痛みを伴う改革」をどの程度示せるかが焦点になる。12日は、昨年11月の初会合以降に出た指摘を事務方が整理して示した。報告書の「素案」に近い。効率化に向けた具体策は(1)年金の支給開始年齢の引き上げ(2)一部の薬の患者負担の見直し(3)全国どこでも自由に医療機関を利用できる仕組みの見直し(ゲートキーパーの導入)――を例示した。年金の支給開始年齢は現在の65歳から引き上げる方向で議論する。改革の道筋に関しては、いずれの政策も「5~10年先を見れば議論しておく(ことが)必要」との表現にとどめており、参院選後の最終報告でどこまで強められるかが課題だ。高齢者医療制度を支えるため、大企業の健康保険組合の負担を重くする「総報酬割」の全面導入の実施も報告書に盛り込む可能性が高まっている。

*4:http://www.nikkei.com/article/DGXDZO57374110W3A710C1PE8000/
(日経新聞 2013/7/16) 「仕事と介護」の両立がしやすい社会に
 仕事と子育ての両立は、少子化対策としても女性の活躍促進策としても、繰り返し語られてきた。加えて今後は「仕事と介護」の両立も、一段と重要な課題になる。高齢化が進み、特に介護が必要になりやすい75歳以上の人は2025年に12年の1.4倍となる。一方、子世代はきょうだいの数が少なく、未婚率も高い。親の介護に直面したとき、どう担っていくのか。待ったなしの課題として、行政も企業も一人ひとりも向き合い、備える必要がある。総務省がこのほどまとめた就業構造基本調査によると、働きながら介護をしている人は約290万人いた。うち働き盛りの40、50代の人は約170万人を占め、その4割は男性だ。子育てと異なり、介護の問題は表面化しにくい。「家庭内のこと」と周囲に相談しない人も多く、特に男性は抱え込みやすい傾向が指摘されている。両立に悩み、社員が仕事を辞めると職場にとっても損失だ。介護が必要になる前から広く社員に社内外の支援策を伝え、相談体制を拡充する企業もあるが、まだ少ない。介護の負担は、家庭の状況などにより大きく異なる。だが、柔軟な働き方や有給休暇などの取得がしやすければ、より両立しやすくなる。介護休暇を拡充したり、介護休業を分割取得しやすくしたりする企業もある。職場風土と働き方の見直しが大事だ。働く側も、事前に介護保険などの知識を持ち、家族で話し合うなど備えておく必要がある。介護保険外のサービスも組み合わせることで両立しやすくなることもある。自治体やNPOなどは、よりサービスを充実し、分かりやすく情報提供する工夫がいる。基本調査によると、介護による離職者は12年までの5年間の平均で約10万人にのぼる。離職に伴う経済的負担は大きく、再就職支援なども必要になるだろう。育児に比べ介護は、両立している人がどう工夫し、どう悩んでいるのかの情報が極めて乏しい。ケースを集め社会で共有していくことも欠かせない。介護する人をケアする場の拡大も必要だ。15年には育児・介護休業法の見直し論議が始まる。介護は先の見通しが立ちにくく、休業期間(家族1人につき93日)をいたずらに延長することは現実的ではない。柔軟な働き方を促す仕組みづくりこそが大事だろう。

| 年金・社会保障::2012.4~2013.7 | 08:18 PM | comments (x) | trackback (x) |

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