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2013.8.5 集団的自衛権行使の容認拡大は、専守防衛の変更ではないということ
  

(1)日本国憲法は日本の財産である
 私は、基本的人権の尊重・国民主権・平和主義を三大基本原理とする日本国憲法を、太平洋戦争で得た唯一の財産だと思っている。何故なら、基本的人権の尊重・国民主権は、他国では革命や内戦で血を流して闘い取らなければならなかったが、日本では、終戦後、内戦や革命なく得られたからである。また、男女平等も日本国憲法で初めて定められたものだ。

(2)国際法で認められている防衛は、平和主義に反しない
 しかし、*3、*4のように、沖縄県尖閣諸島周辺の領海内に中国国旗の帆船が中国海警局の船3隻とともに侵入したり、中国海警局所属の船が領海外側にある接続水域で航行したりすることが頻繁に起こり、日本の巡視船が領海に近づかないよう警告すると、「中国の管轄海域である」という応答があるという事態が頻発している。私が、このHPの外交・防衛のカテゴリーで、2013年6月5日、同年3月5日、2012年12月24日に記載しているとおり、尖閣諸島はわが国の領土であり、自らの領土を守るのは国家主権であって、国際法で認められているものである。

(3)集団的自衛権行使の容認拡大は、防衛の域を出るのか
 外国の資源を奪うために集団的自衛権を行使するのであれば、それは防衛ではなく、侵略であって、日本国憲法違反である。しかしながら、上の写真のような日本の領土・領海・資源を守るために集団的自衛権を行使するのは防衛の範囲内である。侵略しているのは相手国であり、このような時に自らを守らない国を守ってくれるような国はないだろうし、尖閣諸島に関しては、アメリカは中立の立場をとりたがっているくらいだ。そのため、私は、外国での戦争に参加するのではなく、日本の領土を守る戦いで集団的自衛権を行使するのは、国際法で認められていることであり、適切だと思う。

(4)憲法9条の改正は必要か、解釈の変更だけで済ませるか
 私は、憲法9条についてはもっと明確に自衛隊や自衛権の範囲を定義した方がよいと思っていたが、自民党の憲法改正案を見ると、このほかに基本的人権の尊重や国民主権に関わる部分が国民にとって不利な方向に変えられようとしている。そのため、麻生財務大臣がうっかり本音を述べたように、「誰も気がつかないうちに、静かに現行憲法をすっかり変えられる」くらいなら、9条の解釈変更だけで済ませるのが無難だと思う次第である。

*1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20130805&ng=DGKDASFS04019_U3A800C1PE8000
(日経新聞 2013.8.5) 集団的自衛権行使の容認拡大へ議論 政府懇 年内にも報告書
 政府の「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」座長を務める柳井俊二元駐米大使は4日のNHK番組で、憲法解釈で禁じている集団的自衛権の行使を容認する報告書を年内にも取りまとめる考えを表明した。柳井氏は「国際法に従った解釈変更をし、日米同盟関係がきちんと運用できるようにすることが絶対必要だ」と述べ、国連憲章に沿って幅広く行使を認める方向で議論する意向を示した。懇談会は第1次安倍内閣で設置。福田内閣の2008年6月に報告書を公表し、(1)公海上で攻撃された米艦船の護衛(2)米国を狙った弾道ミサイルの迎撃――の2類型で行使を認めるべきだと提起した。安倍晋三首相は2月、当時と同じ有識者メンバーを集めて懇談会の議論を再開させている。これに関連し、小野寺五典防衛相はNHK番組で年内にまとめる防衛計画の大綱に懇談会の議論を反映させたい考えを示した。「様々な政府の方針がある程度出て、初めて大綱を作っていける。スケジュール感は共有している」と語った。

*2:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0200S_S3A800C1MM0000/?dg=1
(日経新聞 2013/8/2) 法制局長官に小松大使 集団的自衛権の解釈見直し派
 安倍晋三首相は2日、内閣法制局の山本庸幸長官を退任させ、後任に小松一郎駐仏大使を充てる方針を固めた。8日にも閣議を開き、正式に決める。首相は集団的自衛権を巡る憲法解釈の見直し議論を進めており、小松氏は見直しに前向きとされる。法制局長官は内閣法制次長が昇任するのが慣例で、異例の人事となる。小松氏は外務省出身で、条約課長や国際法局長を務めるなど国際公法に精通している。第1次安倍内閣が設置した、集団的自衛権の行使を可能にするための検討をする有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の実務に携わった。懇談会は日米が共同で活動する際、危険が及んだ公海上の米艦船の防護など4類型を検討し、解釈変更を求める報告書をまとめた。小松氏はこの立案にかかわった。首相は第2次安倍内閣の発足に伴い、懇談会を再始動させたが、2月に1度開いただけだった。8月後半から議論を再開する方針で、憲法解釈をつかさどる内閣法制局の人事の刷新と合わせて、懇談会の議論を加速させる。集団的自衛権の行使容認に向けた地ならしを進める狙いがあるとみられる。菅義偉官房長官は2日の閣議後の記者会見で「人事は白紙」と断ったうえで、政権の人事は「順送りでなく、適材適所で行っている」と強調した。小松一郎氏(1972年《昭47年》一橋大法中退、外務省へ。国際法局長、11年9月フランス大使。神奈川県出身、62歳)。

*3:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2521759.article.html
(佐賀新聞 2013年7月30日) 尖閣周辺、14日連続で中国船 / 海保の巡視船が確認
 沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で30日、中国海警局所属の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。中国当局の船が尖閣周辺で確認されたのは14日連続。 第11管区海上保安本部(那覇)によると、4隻は「海警2101」「海警2166」「海警2350」「海警2506」。領海に近づかないよう巡視船が無線で警告すると、海警2350から「中国の管轄海域で定例のパトロールを実施している」と日本語と中国語で応答があった。

*4:http://www.saga-s.co.jp/news/global/corenews.0.2525084.article.html
(佐賀新聞 2013年8月4日) 中国国旗の帆船、尖閣周辺領海に / 当局船も
 3日午後5時15分ごろ、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に中国国旗を掲揚した帆船が侵入し、約5時間半後に魚釣島の西北西から領海外に退去した。同じ時間帯には、中国海警局の船3隻も相次いで侵入し、約5時間半、領海内を航行した後、領海外側の接続水域に出るのを海上保安庁の巡視船が確認した。第11管区海上保安本部(那覇)によると、帆船は領海内を航行している間、赤色の旗が付いたブイ10個を海に投入するのが確認された。海保は巡視船から領海外に出るよう警告したが応答はなく、目的は不明。複数の乗員がいたという。

*5:http://kumanichi.com/syasetsu/kiji/20130729001.shtml
(熊日コム社説 2013年7月29日) 新防衛大綱 「専守」変更につながるのか
 敵国の基地を攻撃する能力の保有を念頭に置いたミサイル抑止力の強化や、離島防衛のための海兵隊機能の充実、無人偵察機の導入-。防衛省が公表した新たな「防衛計画の大綱」に関する中間報告は、これまでの「専守防衛」を旨とする安全保障政策の根本的な変更につながる可能性がある検討項目を列挙した。政府はこれを踏まえ、年内の新大綱策定と2014年度予算編成に向けた作業を加速させる。安倍晋三首相は新大綱策定と並行して、これまで憲法解釈上認められていなかった集団的自衛権の行使を容認する解釈変更に向けた議論も進める構えだ。27日には訪問先のフィリピンで「検討を進めていく」と明言した。参院選で圧勝した安倍首相が、いわゆる「右傾化」の外交・安保政策に踏み込むのか、内外が注視している。新大綱がいたずらに近隣諸国を刺激しないよう、慎重な検討と外交努力を求めたい。国民に対しても丁寧な説明が必要だ。
 現在凍結されている防衛大綱は、10年に当時の民主党政権が策定したものだ。沖縄・南西諸島などの離島防衛で機動性、即応性を重視して自衛隊を運用する「動的防衛力構想」を打ち出した。だが安倍首相は就任直後に見直しを表明。今年1月に大綱の凍結を決定し、年末に新大綱を策定する方針を決めた。前大綱は財政事情を理由に人件費の抑制を盛り込んでいたが、首相は13年度予算で11年ぶりに防衛関係費も増額した。確かに、北朝鮮の核・ミサイル開発や中国の軍備強化、海洋活動の活発化など日本を取り巻く安保環境は悪化している。13年版防衛白書は初めて「一層厳しさを増している」と明記した。こうした情勢を受け、今回の中間報告には首相の意向に沿った装備や能力の検討項目が並ぶ。武器の国際共同開発に向けて武器輸出三原則を見直す方向も打ち出した。敵基地攻撃に関して、首相は5月の国会答弁で「相手に思いとどまらせる抑止力の議論はしっかりしていく必要がある」と積極姿勢を示した。だが、攻撃は他国内での活動であり、海兵隊能力も他国侵攻に活用可能な装備を持つことになる。また、実際に敵基地攻撃能力を保持するには大きなハードルがある。防衛省内部では「予算、周辺国の理解、米国側との役割分担という複雑な要素をクリアしなければならず、難しい問題」との見方が多いという。
 「憲法9条の下で許容される実力の行使の範囲を超える」として政府が禁ずる見解をとってきた集団的自衛権の行使についても、首相は有識者懇談会を再開し、報告書を受けて新大綱に反映させる意向という。公海上での自衛隊による米艦船防護や、米国を狙った弾道ミサイルの迎撃などを行えるようにする方向だ。首相は「他の国々が当然行い得るものの一部を日本でも可能にしようとするものだ」と、右傾化の指摘は当たらないとの認識を示した。緊張が想定される地域で警戒態勢や事態対処の能力を高めるのは当然だ。だが、憲法の制約に縛られた政策判断と、制約を外したそれとは全く異なる。新大綱の下で何を行うのか。歯止めはどう担保するのか。国民の理解が得られる議論が必要だ。

| 日本国憲法::2013.4~2016.5 | 11:02 AM | comments (x) | trackback (x) |

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