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2013,08,17, Saturday
フランス気象庁2011.3.19測定 *3より (1)比較する地域の偏りについて - 青森、山梨、長崎の3県は、真に汚染のない地域ではない 福島第一原発の爆発により、上図及び*2のように、関東、東北も少からず汚染されている。特に山梨県は福島第一原発事故現場に近く、土壌が汚染されているため、食べ物や呼吸からの内部被曝も考慮した時、真に汚染のない地域とは言えない。また、青森県には原発施設が多く、福島第一原発からも距離があるとはいえ風下だ。さらに、長崎県は被爆地であるため、68年経過した現在でも癌になる人が多いのであり、西日本ではあっても真に被曝の影響のない地域とは言えない。従って、正しい比較を行うために選択すべき地域は、九州なら、熊本県、大分県など、原爆や既存の原発の影響を受けていない地域である。 (2)サンプル数の少なさについて *1に、「青森県弘前市、甲府市、長崎市の3~18歳の計4365人の甲状腺について、昨年11月から調べた結果を発表した」と記載されているが、合計が4365人であれば、各地域、年代別のサンプル数は非常に少なく、統計上の分散が大きくなるため、有意な疫学調査とならない。環境省が行うのであれば、汚染地域として関東、東北の各県、クリーンな地域として西日本の各地域の調査を福島県と同レベルで行うべきである。 (3)調査した疾患、調査する年代の少なさについて 放射性物質による健康被害は、甲状腺癌だけではなく、白血病、その他の癌、心疾患など多岐にわたる。また、健康被害を受ける年代は、3~18歳のみではない。そのため、福島県も含めて、それらの全ての項目を検査すべきであり、一人の人には一日の検査で、それらすべてを検査することが可能だ。 (4)調査結果の世界への影響 もし、既存の原発立地地域も含め、しっかりした疫学調査を行い、有意の差があることが証明されれば、世界の原発のみならず、核兵器も止めることができるだろう。そして、原発立地地域では、シビアアクシデントがなくても、白血病や甲状腺癌が増えることが、事故前から囁かれているのである。 PS(2013.8.18追加):右写真の被曝牛は、継続的にその健康状態を調べれば、放射性物質による汚染が哺乳類にどういう影響を与えるかを調べる格好の研究材料になる。それをやらずに*3のように抹殺しようとしていることや放射性物質を含んだ牧草を焼却して放射性物質を空気中にばら撒こうとしていることは、あまりにも非科学的な意思決定だ。 *1: http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1503H_V10C13A8CR8000/ (日経新聞 2013/8/15) 甲状腺調査、青森など3県で継続 原発事故の影響探る 東京電力福島第1原発事故による子どもの健康への影響を調べるため、環境省は15日までに、青森、山梨、長崎3県での甲状腺調査を継続することを決めた。福島県では事故後の調査で甲状腺がんと確定した子どもが12人に上るが、事故の影響がない3県で甲状腺がんの発生頻度を調べ、福島県での割合が高いかどうかの判断材料にする。福島県の「県民健康管理調査」では、従来考えられていたよりも高い割合で甲状腺がんが見つかっている。小さいしこりの発症割合は3県と比較して差がなかったため、大きなしこりが見つかった3県の子どもの細胞や血液を継続して調べる。 環境省は今年3月、青森県弘前市、甲府市、長崎市の3~18歳の計4365人の甲状腺について、昨年11月から調べた結果を発表した。5ミリ以下のしこりや、20ミリ以下の嚢胞(液体がたまった袋)が見つかった割合は、3県全体で56.5%。県別では、弘前市で57.6%、甲府市で69.3%、長崎市で42.5%だった。福島県の約13万3千人を調べた結果(2月公表時点)は41.2%で、環境省は「福島と3県は、ほぼ同様」としている。新たな調査は、5.1ミリ以上のしこりや、20.1ミリ以上の嚢胞が見つかった3県の44人(1%)が対象となる。福島県の健康管理調査で、甲状腺検査の対象は約36万人。6月時点で約17万4千人の1次検査の結果が確定し、1140人が、2次検査が必要とされた。このうち甲状腺がんと「確定」したのは12人、「がんの疑い」は15人だった。 *2:http://blog.livedoor.jp/home_make-toaru/archives/6783140.html (朝日新聞 2012.12.1より) 東京の子どもたち36%の甲状腺にものう胞が見つかった! 東京の伊藤病院の岩久建志医師らが2012年11月30日、日本甲状腺学会で発表した情報によれば,東京の病院で3千人に行なった検査でも福島と同程度ののう胞が見つかったということです。 *3:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013081802000110.html (東京新聞 2013年8月18日) 被ばく牛 細るエサ 汚染牧草、国が焼却処分 <写真は、福島県内外からもらってきた放射性物質で汚染された牧草を食べる「希望の牧場・ふくしま」の牛@同県浪江町> 東京電力福島第一原発二十キロ圏内で被ばくした牛を飼う畜産農家らが、エサの入手に困っている。放射性物質に汚染された牧草の焼却処分を国が始め、農家に回ってこなくなっている。事故後に農家の収入は途絶え、牛の命をつなぐには、無償でもらってくる汚染牧草に頼らざるを得なかった。窮状を訴えても国は耳を貸さず、農家は途方に暮れている。福島県浪江町の「希望の牧場・ふくしま」では、ほかの農家から預かった牛を含め約三百五十頭を飼っている。被ばくして家畜としての価値はない。それでも「原発事故が起きたからといって、簡単に命を奪うわけにいかない」と、国が求める殺処分を断ってきた。 今年七月、同県鮫川村に汚染牧草五十トンの提供を求め、断られた。事故後に刈り取られた汚染牧草を村は保管しており、昨夏は百三十五トンをもらえた。今年は当てが外れた。理由は国の方針だった。環境省は村に汚染ゴミを燃やす焼却炉を設置し、その運転が十九日に始まる。環境省の担当者は「村から相談があった。牛に与えると放射性物質を含むふんが出て、回収できなくなる。焼却するよう村に伝えた」と説明。焼却して灰にすることでかさを減らし、一時保管場所で保管するのが狙い。ただ、放射性物質は減らない。窮状を訴え、ほかの農家などから牧草をもらったが、残りは一週間分ほどしかない。ほかに多量の牧草が手に入るめどもない。牧場スタッフの針谷(はりがや)勉さん(38)は「被ばくした牛は原発事故の生き証人。支援を国は考えてほしい」と訴えた。ほかでも事情は同じ。同県富岡町で動物の保護をするNPO法人「がんばる福島」は五十頭の牛を飼っている。他県からも牧草を集めようと試みたが、焼却を理由に断られた。牧場の牧草も秋にはなくなる。代表の松村直登(なおと)さん(54)は「このままでは冬は越せない。どうやって生かしていけばいいのか」と頭を抱えている。 <牛の殺処分と汚染牧草の焼却> 政府は福島第一原発から20キロ圏内の家畜は、所有者の同意を得て殺処分を進めている。また、汚染牧草など1キロ当たり8000ベクレルを超える放射性セシウムを含む廃棄物は国が処分する。汚染ゴミ減量の実証実験として環境省が福島県鮫川村に焼却炉を造り、牧草や牛ふん、除染ゴミを燃やす。
| 環境::2012.10~11 | 02:23 PM | comments (x) | trackback (x) |
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