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2013.10.5「妥協が分別」とは質の悪い価値観だ。信念の貫徹こそ苦労を伴う勇気ある分別である。
          
2013.10.4朝日新聞 2013.9.30放射線量      2013.9.24東京新聞

(1)オバマ大統領の医療保険制度改革が間違っているのではない
 *1では、オバマ大統領の医療保険制度改革について、「妥協点を探る良識を失った政治」と書いているが、これは質の悪いメッセージだ。何故なら、妥協することは最も安易な方法で、これ以外には機会のない時に、是非とも志や理念を達成させようというオバマ氏の意志を理解していないからである。もちろん、大きな志を達成するために一時的に妥協することもあるが、このメッセージはそれではない。

 私は、アメリカの民主党政権が医療保険制度の改革を試みては失敗し、*4のように、オバマ氏がその推進を公約して2008年のアメリカ大統領選挙で当選し、翌年に上下両院で議会を通過し、2010年3月に大統領が署名して成立できたことは、アメリカ国民のために大変よいことだったと思う。この歴史的変革を貫徹すべく、あらゆる障害を乗り越えようとしているオバマ氏を励ましたい。

 また、*1では、「福祉を重んじ、財政再建に増税も組み入れる民主党は『大きな政府』」「国の支出減で赤字を減らし、減税もめざす野党共和党は『小さな政府』」としているが、これは「大きな政府」と「小さな政府」の間違った定義だ。「『大きな政府』の原因は福祉であり、これを削って『小さな政府』にすべきだ」というのもおかしい。福祉は人の命を助けるために必要なものであり、削るべきは、景気対策と称して誰かを儲けさせるために行う有効性・生産性の低い支出だからである。

 さらに、*1には、「問題は、その違いを認めつつ折衷策を築く政治の知恵が働かないことだ」と書かれているが、足して2で割るというのは、よく日本の官僚が使う最も簡単な政策調整方法であり、これにより本質が消え失せ、やるべきこともできなくなる。これを「知恵」と呼ぶのは、知恵も理念もない人間だ。

(2)それができる唯一の機会に万難を排して行うことは、勇気ある行為である
 *1のような「妥協が知恵」などという論調は、日本のメディアに多く、日本人の気質を劣化させてきた。しかし、*1のオバマ氏の場合や、*3の脱原発発言のように、強い反対を押し切って自分が不利益を被ってもやらなければならないことはある。そして、この判断の的確な人が、リーダーにふさわしい。

*1:http://digital.asahi.com/articles/TKY201310030550.html?ref=pcviewpage
(朝日新聞社説 2013.10.4) 米政治の混迷 妥協する分別を持て
 妥協点を探る良識を失った政治が国を無用な混乱に陥れる。そんな事態が民主主義大国を自任する米国で起きている。米国の会計年度は10月から始まる。だが、連邦議会は与野党の対立により予算が組めずにいる。そのため連邦政府の一部が1日から閉鎖された。クリントン政権時代以来、約17年ぶりの異常事態だ。長びけば米国の経済だけでなく、世界の安定も脅かしかねない。米議会は大局観に立った分別を取りもどし、政府機能を早く正常化させる責任がある。この閉鎖で自宅待機となった職員は80万人に及ぶ。国防や治安などの活動は維持されるが、国立の公園や博物館などが閉まった。中小企業への公的融資の事務なども滞りかねない。商務省や労働省は経済統計の発表を中止した。連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策にも影を落とす恐れがある。
 オバマ大統領は、来週のアジア太平洋経済協力会議(APEC)に併せてマレーシアとフィリピンを訪れるはずだったが、中止せざるを得なくなった。議会には別の難題も近づいている。政府債務の上限である。今月17日までにその引き上げに合意できなければ、国の資金繰りが限界を迎える。最悪の場合、米国債の利払いなどが滞る債務不履行(デフォルト)が起き、世界の金融動乱にも発展しかねない。これは何としても避けねばならない。
 近年の米国が陥った「分裂政治」の根底には、政府の役割をめぐる理念の対立がある。福祉を重んじ、財政再建に増税も組み入れる民主党は「大きな政府」派。国の支出減で赤字を減らし、減税もめざす野党共和党は「小さな政府」派。問題は、その違いを認めつつ折衷策を築く政治の知恵が働かないことだ。下院の共和党は、オバマ政権による医療保険制度の改革を標的とし、その予算を削ることを求めて譲らない。さらに混迷が深まったのは、シリアへの軍事介入を見送ったオバマ政権の求心力が落ちると読んだ共和党の保守派が、来年の中間選挙をにらんで強気の駆け引きに出たからでもある。だが、一つの政治課題にこだわって、国家予算全体を滞らせる頑迷さを国民が納得するはずはない。共和党の穏健派はただちに事態を収拾させる党内調整を急がねばならない。愚かな政治が国を人質にしている。米国ではそんな批判が高まっている。だが、最も迷惑を被る人質は、世界経済であることを忘れないでもらいたい。

*2:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E7%99%82%E4%BF%9D%E9%99%BA%E5%88%B6%E5%BA%A6%E6%94%B9%E9%9D%A9_(%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB)
 医療保険制度改革は、アメリカ合衆国で試みられている国民皆保険制度の取り組み。バラク・オバマが制度の推進を公約して2008年アメリカ大統領選挙を戦い当選。オバマ大統領の強いリーダーシップのもと、翌年、上下両院で民主党が優位となった議会を通過し、2010年3月に大統領が署名して成立(完全実施は2014年以降)したことから、オバマケアとも呼ばれる。主に二つの法律からなる。 アメリカ議会予算局の試算では、以後10年間で、加入率は83%から95%に上昇するが、費用も9400億ドルになる。(以下略)

*3:http://mainichi.jp/opinion/news/20131005k0000m070141000c.html
(毎日新聞社説 2013年10月05日)小泉氏のゼロ論 原発問題の核心ついた
 核心をついた指摘である。政界を引退している小泉純一郎元首相が原発・エネルギー政策に関連して「原発ゼロ」方針を政府が打ち出すよう主張、注目を浴びている。使用済み核燃料問題などを正面から提起し、政治が目標を指し示すことの重みを説いた小泉氏の議論にはもっともな点がある。安倍内閣が原発再稼働や輸出に前のめりな中だけに、原発からの撤退を迫る忠告に政界は耳を傾けるべきだ。かつて「改革の本丸」と郵政民営化に照準を合わせたことを思い出させるポイントを突いた論法だ。小泉氏は1日、名古屋市での講演で「放射性廃棄物の最終処分のあてもなく、原発を進めるのは無責任」と指摘、福島第1原発事故の被害の深刻さにもふれ「原発ほどコストの高いものはない」と政府・自民党に原発ゼロにかじを切るよう求めた。原発をめぐる小泉氏の主張は毎日新聞のコラム「風知草」(8月26日付)が取り上げ、強い関心を集めるようになった。東日本大震災後、原発政策に疑問を深めた小泉氏は8月中旬、フィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」を視察、使用済み核燃料を10万年も地中に保存するという処理策に「核のゴミ」は管理不可能だと確信したのだという。小泉氏が今後、何らかの政治的な行動を取るかは不明である。しかし、指摘は真剣に受け止めるべきだ。
 まず「トイレのないマンション」と言われる核廃棄物問題について、小泉氏が言うように、政府は責任ある答えを示していない。使用済み核燃料からプルトニウムを取り出し再利用する核燃料サイクルは、その要とされた高速増殖原型炉「もんじゅ」実用化のめどが全くたたない。再処理工場(青森)の稼働を急いでも、余剰プルトニウムがたまるばかりだ。私たちはこの点からも原発推進の無責任さをかねて主張してきた。もうひとつは国策にかかわる問題はなし崩しに対応せず、旗印を掲げることが重要だと再認識させたことだ。小泉氏は「今、ゼロ方針を打ち出さないと将来も難しくなる」という考えだ。原発は日本の経済、社会に組み込まれ、これを変えるのは容易ではない。現実には政治が大きな方向を示さなくては代案も作りにくく、状況は動かないのではないか。解せないのは、なお侮れぬ発信力があるはずの元首相の発言に対し、「原発ゼロ」路線をことあるごとに批判してきた勢力から、正面きった反論があまり聞かれないことだ。よもや嵐が過ぎ去るのを待ち、黙殺しようとしているわけでもあるまい。とりわけ、小泉氏を政治の師としていた安倍晋三首相にはぜひ、見解を聞かせてもらいたい。

| 報道の問題点::2012.11~ | 01:09 PM | comments (x) | trackback (x) |

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