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2013.11.12 遺産相続における婚外子の取り分は、本当に憲法の法の下の平等に反するのか?
   

(1)私が、この最高裁判決に反対である理由
 *1に書かれているように、最高裁は2013年9月に、婚外子の相続格差について、(1)日本社会に法律婚制度は定着しているが、家族の形態は多様化している (2)父母が婚姻関係にないという子にとって選択の余地がない理由で不利益を及ぼすことは許されないとの判断を示し、婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定を、憲法14条が保障する法の下の平等に反するため、違憲とした。

 しかし、私は、この判決は家族の定義を変更し、法律婚の意義を弱めさせるものであるため、その家族の定義の変更が妥当か否かについて、先に議論すべきだと考える。

 私が、リベラルであるにもかかわらず、こういうことを書く理由は、婚外子差別をなくすことを歓迎しているのは、「多様な家族を認めることによる少子化対策」を建前として掲げながら、本音は愛人を持ちたいおじさんたちであり、被害者は、まさに、そこに生まれてくる子どもとその母親であるため、そういう人を増やしたくないからだ。

 子どもを主体として考えれば、子どもは少子化対策のために生まれてくるわけではなく、生まれてきた以上は、両親や祖父母に愛されて育まれる権利がある。それにもかかわらず、法律を無視して子をもうけるカップルは、双方の子に対して無責任である。そうしてできた婚外子が相続のみを平等とされても、両親や祖父母に愛されて育まれることができない宿命の子を増やす結果となり、それはどうかと思うのだ。また、子育ては夫婦で行っても大変なものであるため、子育てを、婚外子を持った母親だけに託すのも、子とその母の両方に対して無責任である。

(2)現行憲法では、立法、行政、司法は三権分立であり上下関係はない
 *1に、「行政に当たる政府は『立法的な手当ては当然。可能な限り早く対応すべきだ(菅官房長官)』として、今国会での民法改正を目指している」と書かれているが、立法府が司法判断に従って法改正の義務を負っているとすれば、立法より司法の方が上であるということになり、おかしい。

 しかし、現行憲法では、立法、行政、司法は三権分立で上下関係はないため、司法判断の妥当性も議論して、法改正に組み込むべきだろう。

(3)民法の相続規定は、本当に現行憲法違反なのか
 最高裁は、相続分を法律婚の子(嫡出子)の半分とする*4の民法900条4項最終部分の規定を憲法14条違反で違憲と判断したが、*3のように、憲法14条は「すべて国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない」と書かれており、これは、誰であっても、現存する法律が平等に適用され、人種、信条、性別等によって差別されないと定めているにすぎない。

 その現存する法律が民法900条4項であり、「ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする」という部分なのだ。しかし、これを読めばわかるように、父母(法律上の妻)の双方を同じくしない子(連れ子など)の相続分が、父母の双方を同じくする子の相続分の二分の一とされているのであって、婚外子のみを差別しているのではない。そのかわり、婚外子の実母の財産を、法律婚の子が相続することもできないのである。

 また、被相続人にその意思があれば、婚外子でも、民法902条の遺言や903条の特別受益者として被相続人から遺贈を受けたり、養子縁組して受贈することもできる。そのため、複雑な家族が増えた現在、民法の相続関係については、こうするしかなく、婚外子についても、父母の双方を同じくしていないという意味で平等だと思う。

(4)それでは、どう改正すればよいか
 私は、共働き夫婦を中心とした現在の核家族においては、むしろ民法900条の配偶者と直系尊属、兄弟姉妹が同順位の相続人であることに違和感を覚える。何故なら、夫婦の財産は、先祖から受け継いだものではなく、夫婦で築き上げたものである場合が多いからだ。

 そのため、改正するのであれば、全額を法律上の配偶者が相続することを原則とし、被相続人を介護をした人に、特別の配慮をするのが公正だと考える。その配偶者も亡くなった後には、再度、その配偶者を介護した人に特別の配慮をした上で、残りを子どもに相続させればよいだろう。このやり方で異議のある家族は、遺言により、あらかじめ遺産の分け方を指定しておけばよい筈だ。

*1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013103102000120.html
(東京新聞 2013年10月31日) 婚外子、民法改正に異論続出 自民、司法判断軽視
 結婚していない男女の間に生まれた子(婚外子)と結婚している夫婦の子(嫡出子)の遺産相続を同等にする民法改正案に、自民党内で反対意見が相次いでいる。最高裁は婚外子の遺産相続分を嫡出子の半分とする民法の規定を違憲と判断している。立法府の一員として、法改正の義務を負っているにもかかわらず、自民党保守派議員の司法を軽んずる姿勢が目立っている。
 最高裁は九月、親が結婚しているかどうかで遺産相続の取り分が異なる民法の規定を「憲法一四条が保障する法の下の平等に反する」と判断した。
 政府は「立法的な手当ては当然。可能な限り早く対応すべきだ」(菅義偉(すがよしひで)官房長官)として、今国会での民法改正を目指している。
 ところが、自民党の保守派が政府に「待った」をかけた。民法改正は「家族制度を崩壊させる」というのが大きな理由だ。三十日の参院政策審議会では、出席者から「婚外子をどんどん認めていくと、法律婚の割合が減る」との懸念が相次いだ。「最高裁の決定は踏み込みすぎだ。民法の規定は国民感情に沿ったものだ」と、司法判断に異を唱える意見さえ飛び出した。自民党は改憲草案に「家族の尊重」を明記。党内の保守派は、現行憲法より、党の改憲案の方が正しいとの思いが強い。西田昌司参院議員は会合で「最高裁はわれわれの常識とは違うが、現行憲法を結びつけると今回の決定になる。現行憲法が間違っている」と言い切った。保守派の高市早苗政調会長も最高裁決定について「私個人の主張とは相いれない」と疑問を示す。一方で「違憲とされた民法の条文を放置すると、世の中が混乱する」と指摘。改正案の了承手続きを速やかに終えたい考えだが、「もっと議論に時間をかけるべきだ」との声を無視できないでいる。
 公明党は早期の法改正を強く訴えている。石井啓一政調会長は三十日の記者会見で「最高裁決定を重く受け止め、法的措置を取ることが国会本来の在り方だ」と述べた。

*2:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS12001_S3A111C1MM0000/?dg=1
(日経新聞 2013/11/12) 婚外子の相続格差なくす 民法改正案を閣議決定
 政府は12日の閣議で、結婚していない男女間に生まれた婚外子(非嫡出子)の遺産相続に関する格差規定を削除する民法改正案を決定した。最高裁が相続分を法律婚の子(嫡出子)の半分とする民法の規定を違憲と判断したのを受けた措置。改正案は与野党の賛成で、今国会中に成立する見通しだ。改正案は民法900条の「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の2分の1とする」との規定を削除する内容。改正案が成立すれば、婚外子と嫡出子の相続分は原則として同じになる。
 法務省は当初、民法改正案と併せ、出生届に嫡出子か婚外子かを記載するよう義務付けた規定を削除する戸籍法改正案も提出する方針だった。しかし自民党法務部会で一部の保守系議員が「家族制度が崩壊する」などと反発。民法改正案は了承されたが、戸籍法改正案の提出は見送られた。
最高裁は9月、婚外子の相続格差について(1)日本社会に法律婚制度は定着しているが、家族の形態は多様化している(2)父母が婚姻関係にないという子にとって選択の余地がない理由で不利益を及ぼすことは許されない――との判断を示した。

*3:http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html  (憲法)
第十四条  すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

*4:http://www.ron.gr.jp/law/law/minpo_sz.htm (民法)
第二節 相続分
(法定相続分)
第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。
第九百一条 (略)
(遺言による相続分の指定)
第九百二条 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。
2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。
(特別受益者の相続分)
第九百三条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。
3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。

| 日本国憲法::2013.4~2016.5 | 01:50 PM | comments (x) | trackback (x) |

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