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2013,12,06, Friday
大分合同新聞より
(1)昨夜、民主化のシンボル、マンデラ氏が死去した *4に書かれているように、アパルトヘイト撤廃に尽力して27年も獄中生活をし、出所後に南アフリカ大統領となり、ノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラ氏が、12月5日夜に死去した。マンデラ氏が迫害を受けながら、すべての人の平等と民主化のために闘ったことは論を待たないが、失われた27年を自由に過ごしていたら、もっといろいろなことができただろう。 (2)一方、日本では、歴史が逆戻りしつつある そして、マンデラ氏が死去した12月5日の夜、日本では、*1、*2のように、日本国憲法が骨抜きにされ日本の民主主義が逆戻りする法案が、参議院の特別委員会で乱暴に可決された。最初にマンデラ氏死去のニュースを知った時、私は、神の意志が働いているような嫌な気がしたが、救いは、日本では、上右の写真や*3のように、すでに民主主義を知っている多くの国民が日本中で抗議行動を起こしていることだった。これが、歴史の歯車が回転して次に進んでいる状態であることは、女性差別と闘ってきた私にはわかるが、最終的にどうなるかは予断を許さない。 (3)公安調査庁が国民の監視をしていた・・ このような中、*5に記載されているように、テロリストなどの治安情報を収集することを口実に、公安調査庁が、原発ゼロを求める抗議行動などを監視していたことが同庁発行の資料で明らかになったそうだ。脱原発官邸前デモは、違法性の判断が厳しかったり、障害を作られたりしたそうだが、テロを口実に国民の監視を行うのは、許されることではない。 *1:http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_gnavi (朝日新聞 2013年12月6日) 特定秘密保護法案―民主主義に禍根を残すな 特定秘密保護法案が、きのう参院の委員会で可決された。廃案や慎重審議を求める野党や多くの国民の声を押し切った採決強行だった。国家公務員法や自衛隊法など、国家機密を保護する法制度はすでにある。それなのに、なぜこれほどまでに無理を重ねて採決にひた走ったのか。単に秘密を守るという目的にとどまらず、それによって政府の権力を強めようという狙いがあるとしか思えない。 ■1強のおごり極まる 成立すれば、公布から1年以内に施行される。このままでは、民主主義の基盤である国民の知る権利に大きな影響が出る。将来に禍根を残すわけにはいかない。7月の参院選で衆参両院のねじれが解消したとき、私たちは社説で安倍首相に「民意とのねじれを恐れよ」と訴えた。自公両党に両院で過半数を与えた有権者の思いは、安定した政治のもと景気回復などに取り組んでほしいというものだった。日本の針路を白紙委任したわけではなく、数の力を振り回してはならないとの趣旨だ。懸念は、最悪の形で現実のものとなった。与党は地方公聴会の翌日に採決に踏み切るなど、なりふり構わぬ国会運営を繰り返した。この間、自民党の石破幹事長は国会周辺での反対活動を「テロ行為」になぞらえた。閣僚なら進退も問われる暴言だ。それでも何事もなかったかのように採決に向かった政権の姿勢は、1強のおごり以外の何物でもない。「丁寧な対話を心掛けながら、真摯(しんし)に国政運営にあたっていくことを誓います」。首相に返り咲いた安倍氏が初めての国会演説でこう語ってから1年もたっていない。この変わりようには驚くばかりだ。自民党に票を投じた有権者のなかには、裏切られた思いの人も多いはずだ。「しばらく選挙はないから」と高をくくったような傍若無人ぶりは、記憶にとどめられるべきだ。 ■行政府に突出した力 情報を制する行政府の力が三権の中で突出して強くなるのは間違いない。不思議でならないのは立法府の姿勢である。みずからの国政調査権を侵しかねない法案に対する異議申し立てが、与党からは聞こえてこなかった。首相ら50人を超える「行政機関の長」が、その裁量でいくらでも特定秘密を指定できる。その情報は数十万にのぼる。そして実務を担うのは官僚だ。膨大な特定秘密が放り込まれる「情報の闇」には、はっきりとした出口がない。米国の国立公文書館のように独立性の強い機関が監察権限を持つ。あるいは議会か裁判所がその役割を担う。そのうえで将来は必ず公開という「秘密の出口」を保証する――。これらは、民主主義の国の秘密保護法制に不可欠の原則である。ところが首相に言わせれば、日本では官僚が指定した秘密を官僚が検証する委員会が、「第三者機関」なのだという。秘密を扱う公務員はプライバシーまで調べ上げられる。相手がだれであっても「漏らせば懲役」のプレッシャーは大きい。罰則の網は、民間人にもかけられる。政府からの請負業務で知った秘密を知人にうっかりしゃべっても、原発や基地の情報を探ろうとしただけでも、処罰される可能性がある。チェック制度が整った米国でさえ、ドイツ首相への盗聴といった情報機関の行き過ぎが明るみに出た。首相は先の党首討論で、「情報保全の法律をつくるのだから、秘密にあたる情報を収集しなければ意味がない」と語った。その真意は何か。よもや米国流の「盗聴国家」になろうというわけではあるまい。 ■知る権利を取り戻せ このままでいいはずがない。きのうの審議で、菅官房長官はさらに新たなチェック機関の設置を表明した。形ばかりの組織にさせてはならない。それは国会の責任だ。情報公開法や公文書管理法の改正も急務だ。民主党は両法の改正案を衆院に出した。情報公開法改正案には、裁判官が文書を調べて開示の可否を判断する「インカメラ審理」が盛り込まれている。公文書管理法改正案は、政府に閣議などの議事録作成と30年後の原則公開を義務づける。さらに内容を高め、成立への努力を尽くすべきだ。自民党と足並みをそろえてきた公明党は、公文書管理法の改正には前向きだ。首相も国会で山口代表の質問に答え、改正の意向を示した。よもや忘れたとは言わせない。秘密保護だけ先行させては、日本は行政府の力ばかりが強いいびつな国になってしまう。そこを正せるかどうか、最終的には主権者である私たち一人ひとりにかかっている。 *2:http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=58328 (沖縄タイムス社説 2013年12月6日) [秘密保護法成立へ]巨大与党暴走の序章だ 国のかたちがいびつにゆがんでいく歴史の転換点に私たちは立っている。そんな悲観的な感慨をぬぐいきれない。特定秘密保護法は自民、公明両党の賛成で参院特別委員会を可決、参院本会議で成立する見通しとなった。野党や世論の批判を無視した強行採決は、巨大与党のおごりをまざまざと見せつけた。拙速さは覆いようもない。担当大臣である森雅子内閣府特命担当相の答弁は二転、三転した。安倍晋三首相は4日の党首討論で、特定秘密の指定・解除をチェックする機関として、「保全監視委員会(仮称)」を内閣官房に新設する方針などを初めて表明。5日午後になって今度は、菅義偉官房長官が特定秘密の指定の妥当性をチェックする「情報保全監察室(仮称)」を内閣府に設置する意向を参院特別委で表明した。 「重要法案」と強調しながら、中身は継ぎはぎだらけなのが実態だ。国会審議の混乱の元凶は、法案の粗雑さにあるといっても過言ではない。政府には当初、強引に採決に持ち込んでも世論やマスコミの反発は限定的との認識があったのではないか。こうした政府の思惑に反して、国民は「知る権利」にかかわる同法案を、暮らしに無関係とは受け取めていない。11月に実施された全国電話世論調査で、同法が成立した場合、国民の「知る権利」が守られるとは思わないとの回答は62・9%に上った。法案への賛成は45・9%、反対は41・1%と割れた。 主権者である国民を置き去りにして、安倍政権はこの国をどこへ導こうとしているのか。想起するのは、麻生太郎副総理兼財務相が7月の都内での講演でこぼした失言だ。麻生氏は、日本の憲法改正論議に関連し、「ドイツではある日気づいたら、ワイマール憲法がナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないで変わった。あの手口、学んだらどうか」などと述べた。「ナチス憲法」の表現は、麻生氏の事実誤認だ。実際には、ワイマール憲法の機能を事実上停止させ、ナチス独裁体制を確立させた「全権委任法」と呼ばれる法律の成立過程を指したとみられる。麻生氏は発言後、「喧騒(けんそう)にまぎれて十分な国民的議論のないまま進んでしまったあしき例として挙げた」と弁明した。であれば、麻生氏は「誰も気づかないうちに変わった手口」を日本の政治状況になぞらえ、安倍政権にそうした手段を取らないよう警鐘を鳴らした、とも受け取れる。 特定秘密保護法は、今国会で既に成立した「国家安全保障会議(日本版NSC)創設関連法」と一体運用するための法律だ。これに加え、安倍政権は来年の通常国会で集団的自衛権の行使を可能とする法案成立をもくろんでいる。これらがセットとなれば改憲手続きを経ず、平和憲法は骨抜きにされる。特定秘密保護法は「戦争ができる国」へ改変する安倍政権の基幹政策の序章と捉えるべきだろう。民意は特定秘密保護法の慎重審議を求め続けた。報道、映画関係者や作家、大学教員などのグループが次々と反対の声を上げた。市民が連日、「人間の鎖」をつくり、国会議事堂を取り囲んだ。決して「誰も気づかないうちに変わった」のではなく、与党の横暴が際立つ結果を招いた。 私たちは今、どこに立っているのか。沖縄を舞台にした動きが安倍政権の安保政策の鍵を握る事実に留意したい。ターニングポイントは、米軍普天間飛行場の県外・国外移設に挫折した鳩山政権の退陣だ。民主党政権への不信が保守色を強めた自民を中心とする巨大与党の誕生につながった。尖閣問題の過熱は、安倍政権の日米同盟強化路線と中国包囲政策に国内世論のお墨付きを与えた。こうした流れの中で、県選出・出身の自民党国会議員や自民党県連は、普天間飛行場の名護市辺野古沿岸への移設容認を働き掛けた中央の圧力に屈するかたちになった。沖縄からは安倍政権の本質と危うさがよく見える。なぜか。安倍政権の政策の帰結として、沖縄が紛争の最前線に巻き込まれるリスクを抱えているからだ。沖縄の切実な声が、かき消されることがあってはならない。 *3:http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/list/CK2013120602000154.html (東京新聞 2013年12月6日) 【特定秘密保護法案】民意無視 怒りの声 国会周辺 全国から集結 北海道から駆けつけた料理人がいた。原発事故で故郷を追われた人がいた。特定秘密保護法案が参院の委員会で強行採決された五日、国会周辺には朝から廃案を求める人々が集まり、終日、声を上げ続けた。「軍事国家への第一歩」。識者からはそんな懸念の声が出る。良識の府はこのまま、暗い時代への扉を開けてしまうのか。 (大平樹、加藤文、上條憲也) ◆TPP情報も指定? 札幌のシェフ・山田さん(39) 午前八時四十五分ごろ、三十人ほど集まっていた参院議員会館前で、札幌市でイタリア料理店を営む山田賢三さん(39)はマイクを握り「強行採決だけはやめてください」と訴えた。地元選出の国会議員に廃案を要望するため四日に上京した。遺伝子組み換え作物や放射性物質の危険性について、シェフ仲間と勉強会を重ねてきた。「法案が可決されれば、環太平洋連携協定(TPP)や原発が秘密に指定され、情報が出てこなくなるのでは」。地元議員には面会を断られ、せめてデモで思いを伝えようと一泊した。訴えを終えると「店の仕込みを従業員に任せてきた」と、帰路を急いだ。 ◆福島苦しめないで 双葉町から避難・亀屋さん(69) 「福島の人をこれ以上苦しめるのはやめて」。午前十一時五十分ごろ、東京電力福島第一原発事故で福島県双葉町から東京都港区に避難している亀屋幸子さん(69)は、参院議員会館前で訴えた。事故直後、一家九人は財布も持たずにワゴン車二台で避難。今年九月に一時帰宅すると、自宅は荒れ果てていた。四日で避難からちょうど千日。「放射能の拡散予測などの情報隠しは許せない」と憤る。毎週金曜日には、官邸前での脱原発デモに通う。「私たちは放射能で苦しめられたのに、また秘密保護法で苦しめられるのだろうか。好きでデモをしている人なんていない」 ◆窮屈な社会はイヤ 脱原発デモも・折原さん(24) 午後一時、太鼓などをたたいて抗議する「ドラムデモ」が始まった国会正門前で、東京都八王子市のアルバイト折原麻美(まみ)さん(24)は、法案反対のプラカードを高く掲げた。仙台市出身。東日本大震災の際は大学生で、八王子で暮らしていた。「何もできない自分がもどかしかった」。官邸前などでの脱原発デモに参加するようになった。秘密保護法に反対するようになったのはごく最近。「頭を押さえ付けられ、誰も声を上げない社会は、静かだけど窮屈。そんな社会に絶対にしたくない」。数十人ほどだったデモの参加者は一時間で百人以上に膨らんだ。 ◇ ◇ <<午後4時7分ごろ参院委で可決>> ◆慎重審議なく失望 公聴会にも参加・大畑さん(50) 参院特別委での強行採決の報が伝わった午後四時十分すぎ、参院議員会館前にいた人々からは「なぜだ」と落胆の声が上がった。埼玉県志木市のアルバイト大畑豊さん(50)は「きょうは採決をせず、慎重に審議してくれるのでは、と少し期待していた」と肩を落とした。前日には国会周辺で人々が手をつないで廃案を訴えるヒューマンチェーン(人間の鎖)に参加。さいたま市で開かれた参院の公聴会の会場にも足を運んだ。「この法律が成立したら、東電や原発に関する情報が、今まで以上に出てこなくなる。暗黒の法律といってもいいぐらいだ」と語気を強めた。 ◆テロと言わせない 静かな抗議・河野さん(42) 午後八時四十分、参院議員会館周辺の歩道は、強行採決に抗議する人波で埋め尽くされた。そこから少し離れた地下鉄永田町駅の出入り口では、喪服を着た千葉県柏市の会社員河野(かわの)敦さん(42)が、「民主主義」と書いた黒ぶちの紙を持って、ひっそりとたたずんでいた。「石破さんが『大声を上げるのはテロ』と言った。じゃあ逆にサイレント(静か)に抗議をしてやろうと思った」と皮肉を込めた。自身のブログに政治や社会問題のことを書いている。「この法で国民の口がふさがれてしまう」と懸念する。河野さんの姿を見るや、両手を合わせる人の姿もあった。 ◇学者の会 法成立でも反対続ける 特定秘密保護法案の廃案を求める声明を出した団体の関係者らは五日、参院国家安全保障特別委員会で特定秘密保護法案が強行採決されたことを批判。法が成立しても、廃止に向けて長期的に運動を続けていく考えだ。「特定秘密保護法案に反対する学者の会」呼び掛け人の一人、小沢弘明・千葉大教授(歴史学)は「学問の基本は資料の公開と相互批判。これに真っ向から反する秘密保護法は認められない」と、あらためて批判した。学者の会の賛同者は、十一月下旬の結成から一週間で二千六人に。その後二日間で三千人を超えた。ノーベル賞受賞者や芥川賞受賞者、国立大学長ら文系、理系を問わず幅広い学者が名を連ねている。小沢教授は「若手研究者も多くいて、新たな状況が生まれている。どうやって法を実行できないようにしていくか、中長期的に取り組まなくては」と話した。先月二十五日に亡くなった作家の辻井喬(たかし)(本名・堤清二)さんも参加していた「世界平和アピール七人委員会」のメンバーで、写真家の大石芳野さんは「本当に暴力的なやり方だ」と憤る。戦争や内乱状態にある世界各国を取材している大石さんは「不穏な状況の国というのは写真を撮るのが難しくなる。撮ってはいけない場所を知らずに撮影すれば、スパイの疑いをかけられ投獄される」と指摘。「法が成立して今日明日に逮捕されることはなくても、徐々にそういう社会が広がることが怖い」と懸念を示す。「民主主義の国を取り戻すため、長く声を上げ続けなくては」 *4:http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013120600091 (時事ドットコム 2013/12/6)マンデラ氏死去、95歳=アパルトヘイト撤廃に尽力-ノーベル平和賞・南ア 「マンデラ氏 死去」の記事をお探しですか?最新関連記事が 9 件 あります。 【ヨハネスブルク時事】南アフリカで白人が黒人を差別したアパルトヘイト(人種隔離)政策と闘い、27年もの獄中生活を経て、人種間の融和に尽くしたノーベル平和賞受賞者ネルソン・マンデラ元大統領が5日夜、ヨハネスブルクの自宅で死去した。95歳だった。成人後は、武装闘争に従事し逮捕され、刑務所内でも反アパルトヘイト闘争を指導する戦いの年月。釈放後の晩年は一転して政治家として国家を率い、民族和解を推進した。起伏と波乱に満ちた一生だった。ズマ大統領はテレビを通じてマンデラ氏の死去を発表し、「わが国は偉大な父を失った」と述べた。家族に見守られながら穏やかに息を引き取ったという。 1918年、南ア東部のトランスカイで有力民族テンブ人の名門に生まれた。60年、黒人解放組織「アフリカ民族会議」(ANC)非合法化を受け、ANC軍事部門「民族のやり」を創設し武装闘争を開始。64年、終身刑を宣告された。ケープタウン沖の監獄島ロベン島刑務所で服役中も、ANC合法化などを訴え続けた。90年に当時のデクラーク大統領の黒人融和政策で釈放。黒人支援と南ア民主化を訴え各国を歴訪、この年秋に訪日も果たした。91年にアパルトヘイト終結が宣言されると、ANC議長に就任。黒人と白人の共存を図る交渉をデクラーク大統領と進め、その功績で93年、同大統領と共にノーベル平和賞を受賞した。94年、初の全人種参加の制憲議会選挙でANCが勝利。大統領に選ばれ、99年まで務めた。 *5:http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-05/2013120514_02_1.html (赤旗 2013年12月5日) 公安調査庁 原発ゼロ・消費税反対も監視 秘密保護法案への抗議行動をテロ行為と同一視した自民党の石破茂幹事長の発言が批判を呼んでいます。こうしたなか、テロリストなどの治安情報を収集することを口実に活動している公安調査庁が、原発ゼロを求める抗議行動などを監視していたことが同庁発行の資料で明らかになりました。市民による抗議運動を監視して記録していたのは、公安調査庁の「内外情勢の回顧と展望」と題する一連の文書です。文書は同庁が毎年、収集した膨大な国内外の情報に分析を加えて発行しています。 公安調査庁は2012年12月発表の文書で、首相官邸前での抗議行動を取り上げました。「原発をめぐる諸団体の動向」と題する項に、「4月以降は、毎週金曜日に大飯原発3、4号機の再稼働に反対する総理官邸前抗議行動が行われ、再稼働決定(6月)後の1か月間に行われた抗議行動(計4回)には延べ約6万人が集まった」などと書いています。同文書ではほかに、12年6月に消費税増税などに抗議して2万4千人が参加した「怒りの国民大集会」(主催・全労連などでつくる同実行委員会)を取り上げています。巻末資料の一覧表「国内関係主要公安動向」に掲載し、デモ行進の様子を写真で紹介しています。同庁はさらに、こうした市民による政府への抗議運動と日本共産党の共同を問題視。12年10月に官邸前抗議行動に参加した志位和夫委員長、笠井亮衆院議員の写真を載せ、「志位委員長が参加し、大飯原発の再稼働や大間原発の建設再開を『原発ゼロを求める多数の国民の声を無視している』などと批判した」と記録しています。同庁の調査活動をめぐり2000年7月に内部告発で、日本ペンクラブや全国市民オンブズマン連絡会議など広範な市民団体を調査対象としていたことが発覚しました。日本弁護士連合会が違法な調査だと指摘して即時中止を求める警告書を出しましたが、同庁は受け取りを拒否しました。 *公安調査庁 破壊活動防止法の制定に応じて1952年に設置された法務省の外局。人員は約1500人。過去に組織的犯罪をした団体に限らず、合法的に活動していても政府に批判的な政党や労働組合、市民団体などを対象に違法な諜報活動をしています。1988年には、日本共産党本部前のマンション一室に同庁職員がビデオカメラを設置して、党本部に出入りする人を盗撮していたことが発覚しています。
| 民主主義・選挙・その他::2013.12~2014.11 | 07:43 PM | comments (x) | trackback (x) |
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