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2014,01,16, Thursday
*1より *2より *3より 地熱発電所 (1)燃料電池車・電気自動車の実用化について 自動車が全く排気ガスを出さないためには、①電気自動車にする ②燃料電池車にする という2つの方法がある。自動車の排気ガスは、CO2のみならず、NOx、SOxなども含み、環境に悪いだけでなく、人間に吹き付けられると気分が悪くなり、車酔いしやすい。私は、そう感じる人であるため、電気自動車や水素燃料による燃料電池車を20年ほど前に経産省に提案したが、その技術開発と普及は、*1、*2のとおり、あまりにも遅かった。 遅かった理由は、ガソリン車を前提としてできていた仕組み、つまり石油会社やガソリンスタンド、ガソリン車の部品や技術が使えなくなることとの兼ね合いがあったようだが、日本で時間がかかっている間に、日本で最初にできた技術も他国に先を越され、あわてて後追いしなければならない羽目になったりする。燃料電池車、電気自動車、太陽光発電などは、これにあたる。また、新しい技術を使った製品でも、あまりにも高い価格設定をしたために普及せず、そうこうしているうちに他の製品に置き換えられて敗退するものもある。その代表はプラズマテレビだが、燃料電池車・電気自動車、及びそれを走らせるためのインフラや太陽光発電設備も、現在、価格が高すぎたり、デザインがよくなかったりするので気がかりだ。 (2)燃料である水素ガスの供給と価格について 現在、*3のように、石油会社が「石油を売る」というコンセプトから「エネルギーを売る」というコンセプトに換えて、水素燃料の販売に進出している。しかし、石油会社の限界は、①水素燃料の価格を石油と同じまでにしか下げない ②既存の設備を使いたがる ということだろう。 しかし、水素燃料は、水を電気分解すれば作ることができ、化学工場では副産物としてできるところもある気体であるため、日本でもいくらでも作ることができる。従って、電気分解するための電気を、地熱や風力など、自然エネルギーで安価に作れれば、水素燃料の価格も安くすることが出来るのだ。そのため、水素燃料価格は、かなり安くて当然であるにもかかわらず、水素燃料価格を高止まりさせていることは、無公害車の普及を妨げている。 (3)新しい街づくりと新しいエネルギー体系 オリンピックを控えて、東京都は、高速道路や道路を新しく作り変えなければならない局面が多い。この時、燃料電池車と電気自動車を前提とする新しいエネルギー体系にしておけば、高速道路や道路がビルの中(3、4階など)を走ることもでき、川の上のカーブした古い高速道路を撤去して、直線の広い高速道路や道路を作ることも可能だ。そうすれば、東京に、美しく便利でわかりやすい街が出現するだろう。 もちろん、東京以外の都市が先にそれをやってもいいのだが、東京がその方向で街づくりを行い、オリンピックを開催すれば、世界へのインパクトが大きいと思う。 *1:http://qbiz.jp/article/30322/1/ (西日本新聞 2014年1月11日) 通学に燃料電池バス トヨタ九州が実証実験 九大伊都キャンパス トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)は10日、走行中に二酸化炭素(CO2)を排出しない燃料電池バスの導入に向け、九州大伊都キャンパス(福岡市西区、糸島市)とJR九大学研都市駅(福岡市西区)間の約6キロで走行実証実験を始めた。16日まで1日4往復し、CO2削減効果や採算性を検証する。バスはトヨタ自動車と日野自動車が共同開発し、2016年の発売を目指している。水素と酸素の化学反応で発生する電気を使って走る。CO2や窒素酸化物を排出しないため、「究極のエコカー」と呼ばれる。ディーゼル車と比べ、走行音や振動も少なく、1回の充填(てん)で200〜300キロ走ることができるという。実証実験は温室効果ガス削減を目指す環境省の委託事業。通学のため試乗した同大大学院博士課程4年の男性(27)は「揺れが少なく、集中して本を読むことができた。静かで快適なので、早く実用化してほしい」と話した。同社は18日から、福岡、熊本両市を結ぶ高速道路での実験も予定している。 *2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140115&ng=DGKDASDD140N0_U4A110C1EA2000 (日経新聞 2014.1.15) 燃料電池車 排出するのは水だけ ▽…水素と酸素を化学反応させて電気を作り出す「燃料電池」でモーターを回して走る自動車のこと。走行中に出すのは水だけで、二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスや有害物質を排出しない。1回の水素充填でガソリン車並みの約500キロメートルを走行できる。電気自動車よりも航続距離が長く、充電時間もかからないことから「究極のエコカー」とも呼ばれる。 ▽…昨年11月の「東京モーターショー」ではトヨタ自動車が2015年に市販予定の燃料電池車のコンセプト車を公開した。ホンダも同時期の市販を目指す。燃料電池車の価格はかつて「1台1億円」とされたが、トヨタは15年の市販時点で1千万円以下に抑え、量産段階では500万円台まで引き下げて需要を開拓する計画だ。 ▽…開発費や技術普及コストの低減のため、自動車業界では同分野の国際提携が相次いでいる。トヨタは独BMW、日産自動車は独ダイムラー、米フォード・モーターと組み、昨年7月にはホンダも米ゼネラル・モーターズ(GM)との提携を決めた。燃料電池車の普及には車両コストの削減と同時に、水素ステーションなどインフラコストの低減が欠かせない。関連企業でつくる「燃料電池実用化推進協議会」は25年に国内で200万台の普及を目指す。 *3:http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD100VI_U4A110C1MM8000/ (日経新聞 2014/1/15) JX 水素価格、ガソリン並みに 燃料電池車後押し 二酸化炭素(CO2)を排出しない燃料電池車はエコカーの本命とされ、トヨタ自動車やホンダが15年から量産・販売する。政府も15年度までにガソリンスタンドに相当する「水素ステーション」を国内100カ所に整備する計画。ただ、同じ走行距離に換算した価格がガソリンの2倍以上とされるコストと、1カ所あたり3億~5億円かかる水素ステーションの建設費が普及の課題になっていた。グループ中核のJX日鉱日石エネルギーが製油所で自社生産している水素をトルエンに溶かして液体化。常温・常圧の状態でトレーラーで水素ステーションに運ぶ技術を開発した。車に充填する時点で、独自開発した触媒を使って気体に戻す。現在は気体の水素を高圧で圧縮して専用トレーラーで輸送、貯蔵している。液化すれば高強度の炭素繊維製ボンベや爆発を防ぐ設備なども不要になり、ガソリン用のトレーラーやタンクを転用できる。ステーション建設費は2億円と現行よりほぼ半減する。液化で体積を小さくして輸送量も2倍に増やせる。現状の水素の生産・流通コストは1立方メートルあたり145円。今回開発した低コストの水素供給体制が整うと、燃料電池車の普及の目安とされる同100円以下が実現する。ステーション整備などで水素の生産量を増やすことでさらにコストを引き下げ、同じ走行距離でガソリン並みとなる同約60円に近づける計画。JXは国内の約3分の1に相当する1万1100店の系列ガソリンスタンドを持つ。すでに神奈川県海老名市など5カ所に水素ステーションを開設。15年度までに40カ所に増やす計画。この段階では従来技術を使うが、燃料電池車が普及期に入るとみられる20年から液体輸送を実用化。一気に供給網を広げる方針だ。燃料電池車は1回の燃料充填で走れる航続距離はガソリン車並みだが、15年時点の車両価格は500万円前後の見込み。水素の供給量が増えれば価格も下がる。それが車両の需要も喚起し、車両価格の一段の引き下げにつながる好循環が期待できる。トルエンで水素を液化する技術は千代田化工建設も開発を進めており、燃料電池車だけでなく、関連インフラの技術開発でも日本勢が世界をリードしている。
| まちづくりと地域振興::2011.8~2014.4 | 06:05 PM | comments (x) | trackback (x) |
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