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2014.1.18 国民生活が貧しくなる脱デフレと称する「インフレ政策+消費税増税」の罪 (2014.1.19最終更新)
(1)脱デフレ(インフレ)はどれだけ進んだか
 *1で「2%の物価上昇を目指す」として始まった金融緩和と円安の影響で、消費者物価は20~30%上昇した。私が、それに気がついたのは、去年と全く同じ買い物をした年末のスーパーでの支払いが、去年より20~30%程度多かったため、変に思ってその理由を考えたからだ。そうすると、2012.11.30に円は82円台、同12.31には85円台だったのが、2013.12.31には105円台だった。そのため、輸入食材を多く使っていれば、仕入れ値が20~30%上がるため、消費者の支払いが去年より20~30%多かったのは自然だ(根拠:105/82=1.28《28%アップ》、105/85=1.24《24%アップ》)。

 そのため、*4で「年末年始の消費旺盛で、百貨店の売上高が2~8%増加した」というのは、輸入衣料品の単価は20~30%上がったが、消費者が購入数量を抑えて2~8%の増加に留まったと考えるのが妥当だろう。また、「4月の消費増税を控えた駆け込み需要も出始めた家電量販店は2ケタの伸びとなっている」というのは、単なる購入時期のずれであり、景気とは関係がない。また、そのほかに「景気が良くなった」としているものも、人の幸福を増す自然な景気のよさではないし、名目と実質を混同している。

(2)働く世代は、何%のベースアップなら同じ生活水準を守れるのか
 このような中、*1、*2、*3のように、「インフレ政策をとり、消費税率を10%まで引き上げよ」という声が、財務省を中心とする政府・経済界・メディアから出ている。

 一方で、「景気が良くなれば、賃金のベースアップがある」という理屈もあるが、仮に物価が25%上がり、消費税が8%になった場合、賃金は28%(25+8-5=28)ベースアップされなければ、以前と同じ水準の生活は維持できない。つまり、*5の「全ダイハツ労連、今春闘で、ベースアップに相当する1%以上の賃金改善を要求する方向で検討」では、全く足りないのだ。しかし、企業は、その人の生産性以上の賃金を支払うことはできないため、賃金をベースアップできるためには、カンフル剤ではない本当の生産性向上が必要なのである。

 さらに、*6のように、非正規雇用は最多更新が続き、その上、正規雇用減少の政策が進められようとしており、*7のように、「生活保護受給者は昨年10月に216万4000人となり、過去最多」となっているのだ。政府の政策はおかしい。

(3)「増えつつあるシニアの消費」という本物の需要を抑える政策は、ニーズに逆らう愚策である
 *8に書かれているように、現在は、「年280兆円規模の国内個人消費で、60歳以上の消費額が全体の5割近くを占め、社会保障分野を中心に潜在需要が多い」わけである。そのため、その自然のニーズにあった市場を伸ばすべきで、これは、今後、中国始め世界で増加するニーズであり、輸出も可能だ。

 しかし、インフレ、消費税増税、高齢者負担増、年金削減などの政府の政策は、そういう支出に備えて蓄えてきた高齢者のぎりぎりの蓄えを目減りさせ、それと同じだけ国や企業の借金を目減りさせる。そのため、これがよいことだと主張する人は、人間の道徳と経済学を勉強し直すべきだ。

*1:http://www.asahi.com/paper/editorial.html
(朝日新聞社説 2013年12月31日) アベノミクス1年―中長期の視点を忘れるな
 この1年、日本経済はアベノミクスを中心に回ってきたといえるだろう。安倍政権は「異次元」の金融緩和と大規模な財政出動を推し進めた。幸い、世界経済も落ち着きを取り戻した。これらが日本経済の沈滞したムードを一変させたのは間違いない。物価はプラスに転じ、政府は12月の月例経済報告で「デフレ」の文字を4年2カ月ぶりに削った。しかし、金融と財政が混然一体となった異例のデフレ脱却策は、財政破綻のリスクを膨らませてもいる。危惧するのは、安全保障の強化など「安倍カラー」の政策を進めるために支持率の維持が最優先となり、景気のわずかな停滞もなりふり構わず排除する姿勢が見えることだ。来春の消費増税への対策に5・5兆円もの国費を投入するのはその典型だ。目先の景気刺激を意識するあまり、構造的な財政悪化の是正という中長期の政策がおろそかになっては、手痛いしっぺ返しが来る。
■インフレ期待の逆流
 アベノミクスで、まず打ち出されたのは日銀による金融緩和である。正式には「量的・質的金融緩和」という。以前は、緩和策の終了に備えて満期3年までの国債を市場で買っていたが、現在は3年以上の国債も大量に買い込む。2年で日銀の資産を2倍に増やし、2%の物価上昇を目指す。金融緩和への強い姿勢を示すためだが、一方で金融政策のかじ取りは難しくなる。生命線は「インフレ期待」である。家計や企業が物価高を予想して早めに支出を増やし、それが経済を活性化させ、さらに物価上昇につながる好循環を想定している。現実に、物価は上がりつつある。だが、その相当部分は円安による輸入インフレで占める。値下げ競争でデフレの元凶だったパソコンや家電で価格低下が止まったのも、輸入依存度が高まったためだ。これだけでは家計を圧迫する「悪いインフレ」である。実質的な収入が増えなければ、日銀の想定とは逆に家計の財布のひもは固くなる。インフレ期待が「逆流」しかねない。先々のインフレ率の予想も伸び悩み、金融市場では追加緩和の催促が始まった。黒田日銀総裁は「緩和策の逐次投入はしない」というが、インフレ期待を維持するために追加緩和を続ける悪循環のリスクもちらつく。こうしたジレンマを覆い隠すのが、大盤振る舞いの財政出動だ。政権発足後、補正予算を含めると年間100兆円規模の大型歳出が続く。リーマン・ショック前の好況期に比べ15%ほど多く、国債依存率も上昇した。経済全体の財政依存は深まっている。消費増税対策の補正予算も、公共事業をはじめとするバラマキ型で、古い自民党時代の赤字膨張メカニズムさながらだ。
■劣化する財政規律
 そもそも消費増税は、社会保障を持続可能なものにするための第一歩である。国民に負担増を求める以上、中長期の歳出抑制につながる財政改革に力を注ぐべきだった。ところが、安倍政権では社会保障との「一体改革」という位置づけは遠景に退き、増税対策の名目で予算の分捕り合いが展開される。財政規律は「量的・質的」にむしばまれていると言わざるをえない。日銀の金融緩和が長期金利を抑え込んでいることが、政府与党の慢心を助長していることも否定できまい。結局、アベノミクスは金融と財政の「上げ底」ミックスに過ぎない―。いずれ、そんな疑念が深まるのを恐れる。それは、日銀の緩和策が財政赤字の穴埋めだという見方を広げ、国債暴落(金利急騰)の引き金になりかねない。安倍政権は、企業に対する賃上げ要請に力を入れている。9月から続いた政労使の協議は、合意文書で来年の春闘での「賃上げ」を明記した。インフレ期待の逆流を防ぐのに賃金上昇が重要であるのは事実だ。円安メリットを享受する主要企業が率先して労働者に還元すべきことも論を待たない。
■暮らしの底上げを
 ただ、賃上げやベアはあくまで労使の努力で主体的に生み出すものだ。成果を急ぐような政府介入は弊害が大きい。春闘の中心は製造業の大企業であり、対象は正社員だ。むしろ政府が果たすべき役割は、サービス業や非正規労働者、中小企業での賃上げに向けた環境整備である。例えば、巨大な潜在需要がありながら、低賃金労働が一般化している福祉・介護の分野だ。介護保険など制度に縛られた面が大きく、ここを社会保障の改革の中で相応の所得を生む仕事に変えていく。暮らしの底上げを目指す成長戦略に目を向けるときだ。

*2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140107&ng=DGKDASFS06029_W4A100C1PP8000
(日経新聞 2014.1.7) 財務相「消費税10%達成を」 7~9月が重要と指摘
 麻生太郎財務相は6日、職員向けの年頭挨拶で「(消費税率10%に)到達しなければ我々の本来の目的は達成できない」と述べ、税率上げに意欲を示した。政府は税率を4月に8%にした後、2015年10月に10%へ上げる予定。経済状況を慎重に見極めたうえで、年内をメドに安倍晋三首相が10%に上げるかどうかを最終判断する。麻生財務相は「4~6月、7~9月の結果がすべてを語る」とも指摘。今年4月の増税後に減速するとみられる景気が、7月以降に回復に向かうかが判断の分かれ目になるとの考えをにじませた。7~9月期の経済状況が重要なのは、首相判断の直前とみられる今年12月に、この時期の国内総生産(GDP)の改定値が発表になるためだ。日本経済研究センターがまとめた民間エコノミスト41人の経済予測の平均をみると、実質成長率は前期比年率で4~6月期がマイナス4.62%、7~9月期がプラス1.89%になる見通しだ。

*3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140108&ng=DGKDASFS0704D_X00C14A1PP8000
(日経新聞 2014.1.8) 「消費税10%必ず実現を」 経済3団体トップが年頭会見で一致
 経団連、日本商工会議所、経済同友会の経済3団体トップは7日、新年の合同記者会見を都内で開いた。政府が2015年10月に予定する消費税率10%への再引き上げについて、社会保障の充実や財政再建の観点から「必ず実現すべきだ」(米倉弘昌経団連会長)との意見で一致した。安倍晋三首相は今年4月の消費税率8%への引き上げが日本経済に与える影響を慎重に見極めた上で、10%に上げるかどうかを年内をめどに最終判断する方針。米倉会長は「消費税を社会保障目的の税として手当てすることで財政健全化につながり、国際的な信認が強まる」と再引き上げの必要性を強調した。日商の三村明夫会頭も「8%への引き上げだけでは、社会保障と税の一体改革は達成されない」と指摘した。デフレ脱却に向けた賃上げの必要性でも足並みをそろえた。同友会の長谷川閑史代表幹事は「この機を逃すと、日本が成長軌道に戻るのは難しくなる。経済にプラスになることは協力する」と賃上げに前向きな考えを示した。米倉会長も「景気の好循環を目指して、会員企業に賃上げをお願いする」と語った。会見に先立つ3団体の新年祝賀パーティーには過去最高の1850人の経営者らが集まり、安倍首相も出席した。首相は「賃金と消費を拡大し、企業が収益を増やして設備投資するという好循環を実現したい」と強調した。

*4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140107&ng=DGKDASGF0606O_W4A100C1EA2000 (日経新聞 2014.1.7) 年末年始の消費旺盛 百貨店の売上高2~8%増
 小売り各社の店頭がにぎわっている。ボーナス商戦から初売りまでの百貨店の売上高は前年同期比2~8%増え、4月の消費増税を控えた駆け込み需要も出始めた家電量販店は2ケタの伸びとなっている。個人消費の好調は増税直前の3月末まで続く見通しだ。百貨店では宝飾品などの高額品に加え、主力の衣料品も伸びた。株高の資産効果に加え、冬のボーナス支給額の増加も押し上げ要因になった。大手5社が6日発表した12月の既存店売上高(速報値)は全社が2カ月連続プラス。年明け以降は伸びが大きくなっている。三越伊勢丹の12月の売上高は6.6%増。旗艦店の伊勢丹新宿本店(東京・新宿)では宝飾・時計が30%増、婦人服が26%増だった。大丸松坂屋百貨店も12月は3.6%増。年明けの2~5日は冬物衣料のセールの効果もあり、プラス幅は5.7%に拡大している。家電量販店ではエアコンや冷蔵庫など白物家電が好調。ケーズホールディングスの12月1日~1月5日の売上高は10%増え、「高単価・高性能商品の売れ行きがよい」。ビックカメラでは1月に入り、20万円程度する白物家電に人気が集中。販売額はエアコンや冷蔵庫が70%増、洗濯乾燥機は60%増となっている。インターネット通販でも単価の高い商品が人気を集めた。12月の取扱高が過去最高となったヤフーの通販サイト「ヤフーショッピング」では家電や自転車などの取り扱いが30~40%増えた。SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは12月の個人消費を前年同月比3%増の27兆1000億円と試算。先行きも1~3月は2%前後の伸びとなる一方、駆け込み需要の反動減などが見込まれる4~6月は3%台のマイナスになるという。ただ、景気回復による賃上げの期待感が高まるなか、百貨店業界では「前回の増税時より影響は軽微」(J・フロントリテイリング)といった見方も広がっている。

*5:http://qbiz.jp/article/30135/1/
(西日本新聞 2014年1月8日) 全ダイハツ労連、1%以上ベア要求へ 他労組に影響も
 ダイハツ工業グループの労働組合で構成する全ダイハツ労働組合連合会(約2万5千人)が、今春闘で、ベースアップ(ベア)に相当する1%以上の賃金改善を要求する方向で検討していることが8日、分かった。14日の中央委員会で正式決定する。自動車メーカーの労組では、全トヨタ労働組合連合会が具体的な金額を盛り込まずベアを要求する方向で調整している。具体的な賃上げ要求の数字が明らかになったのは全ダイハツ労連が初めて。今春闘での他労組の動きに影響を与えそうだ。ダイハツ工業は2013年9月中間連結決算で過去最高の売上高を計上。業績が上向いているため「目安を示した方が、春闘に臨みやすい」(労組関係者)と判断した。前年と比べて平均月給を1%以上増やすよう求めていく方針。年齢が上がるごとに賃金も上がる「定期昇給」に加え、賃金体系を底上げするベアにより、組合員の生活水準を向上させる。一律の賃上げか、若い世代に手厚く配分するかなど、具体的な要求内容は組合ごとに決めるという。上部組織の自動車総連はベアを要求する方針案を確認したが、「各社の業績にばらつきがある」などとして具体的な賃上げ額を示していない。ダイハツ工業はトヨタ自動車の子会社だが、全ダイハツ労連と全トヨタ労連は別組織として活動している。

*6:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014010902000153.html
(東京新聞 2014年1月9日) 非正規 最多更新続く 安倍政権 正規減少の政策推進
 派遣社員やパートなど非正規労働者の数が過去最多を更新し続け、四割に近づいている。安倍晋三首相は経済政策の成果として、雇用の改善を挙げるが、実態は非正規労働者の急増に支えられ、正社員など正規雇用は減っている。安倍政権は企業の競争力を強化するため、正社員のさらなる減少につながる政策も推し進めようとしている。首相は年明け後も景気の回復を強調し、七日の会合では「今年も経済最優先で日本経済をしかるべく成長させていく」と述べた。だが、少なくともその恩恵は国民全体にまで広がっていない。総務省の労働力調査によると、非正規雇用者は昨年十一月時点で、千九百六十四万人と過去最多になった。雇用者全体に占める割合も増加傾向が続き、政権発足直後の昨年一月と比較して1・9ポイント増の37・2%。働く人の三人に一人が非正規雇用という水準を大きく超えている。
 雇用改善を主張する首相の根拠は、全体の雇用者数が昨年一月から十一月までの間に百六万人も増え、五千二百七十四万人となった点だ。しかし、それは非正規にあたるパートやアルバイトが百十一万人増えたためで、正規雇用は逆に二十六万人減少した。厚生労働省がまとめた有効求人倍率にも同じ傾向が見られる。昨年一月に〇・八五倍だった有効求人倍率は、十一月には一・〇〇倍に回復。ただ、正社員に限れば〇・六三倍にとどまる半面、パートは一・三〇倍に上る。ここでも非正規雇用の求人が全体の倍率を押し上げている。安倍政権はさらに、正規雇用の減少につながりかねない政策に意欲を示す。昨秋の臨時国会で成立した国家戦略特区法では、規制緩和の一つとして、有期雇用期間の延長を検討している。現在は契約社員などの有期雇用者は、五年勤めれば正社員となれるように要求できるが、それを十年程度に延長する。政府は「期間を区切ったプロジェクトがやりやすくなり、専門家を集めやすくなる」というが、正規雇用になる道を狭めかねない。

*7:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014010802000232.html
(東京新聞 2014年1月8日) 生活保護受給216万4000人 昨年10月、過去最多
 厚生労働省は八日、全国で生活保護を受けている人が昨年十月時点で二百十六万四千三百三十八人(前月比四千五百三十人増)となり、過去最多だったと発表した。これまで最も多かった昨年三月の二百十六万一千五十三人を七カ月ぶりに更新。受給世帯数も百五十九万四千七百二十九世帯(同三千八百十八世帯増)で、過去最多だった。厚労省は、低年金や無年金で生活保護に頼らざるを得ない高齢者が増えていると分析している。世帯別では、六十五歳以上の高齢者世帯が全体の約45%を占め、七十一万九千三百九十八世帯(前月比二千三百九十九世帯増)。働ける世代を含む「その他の世帯」は二十八万八千六百三十世帯(同四十五世帯増)だった。受給者は二〇一二年十二月に二百十五万人を突破し、その後も高水準で推移している。政府は生活保護費のうち食費や光熱水費に充てる「生活扶助」の基準額を今年四月に0・4%引き上げる。物価下落などに伴い実施する基準額引き下げ分と、消費税増税に伴う引き上げ分を相殺し、決定した。

*8:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140109&ng=DGKDASDC0800I_Y4A100C1EA1000 (日経新聞 2014.1.9)
シニア消費 伸び鮮明 60歳以上の世帯46%占める 企業、市場発掘急ぐ
 年280兆円規模の国内個人消費で、60歳以上の高齢者を世帯主とする家計の存在感が一段と高まっている。政府の家計調査によると、2013年11月の2人以上の世帯では65~69歳の消費額が前年同月比8.3%増え、全世帯の伸び率(2.1%)を上回った。60歳以上の消費額は全体の5割近くを占めるようになり、企業も生活支援サービスなど有望市場の発掘を急ぐ。社会保障分野を中心に潜在需要も多く、規制緩和も重要になる。11月の65~69歳以上の世帯の消費額は28万7807円。全世帯の平均額27万9546円を約1万円上回った。株式などの有価証券の約7割を60歳以上の世帯が保有しており、足元の株高効果でシニア消費の伸びが大きくなっている面がある。シニア消費は高齢者人口の伸びを上回っている。総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は00年の17.4%から13年には25.2%に上昇。一方、国内消費全体に占める65歳以上の世帯の比率は18.4%から34.2%(11月時点)まで上がった。60歳以上の世帯で見ると消費額は全体の46.6%を占め、従来の主力だった40~59歳の世帯の消費(40.8%)と比率が逆転した。晩婚化で60歳を過ぎても子供と同居する高齢者が増加。定年延長の影響で、2000年代後半に60歳以上になった「団塊の世代」を中心に働く人も増えている。シニア消費の存在感の高まりは企業データからも浮かぶ。イオンは12年秋に55歳以上向けの電子マネー「G・Gワオン」の発行を始めた。会員数は200万人を超え、平均利用回数は月10回とイオンの電子マネー全体(6~7回)を大幅に上回る。今後の有望市場は、一歩踏み込んだ生活支援サービスだ。「最も力を入れていくのは宅配サービスだ。潜在ニーズはすごく大きい」。セブン―イレブン・ジャパンの井阪隆一社長はこう語る。同社は現在、全国約1万6000店の8割近くで日替わり弁当や総菜などを届ける「セブンミール」を展開。受注が多い店舗には13年度中に超小型電気自動車「コムス」を1200台も配備。15年度をめどに宅配の売上高を12年度実績の5倍の1000億円に伸ばす。居酒屋チェーンのワタミは、高齢者向けの弁当宅配を居酒屋に代わる主力事業と位置付ける。同事業の14年3月期の売上高は456億円と前期比18%伸びる見通し。同じように考える企業は多く「新規参入が増え、競争は激化している」(同社)という。介護大手のセントケア・ホールディング(HD)は1月から、高齢者の買い物や通院などの外出を支援するサービスを開始。訪問入浴サービス大手のアースサポート(東京・渋谷)も家事代行業に参入した。外出支援や一部の家事代行には介護保険が適用されず自費負担になるが、単身の高齢者を中心に身の回りの世話を手伝ってほしいという需要は多い。民間企業の創意工夫が生きるように規制を緩和するなど、政府側の取り組みも不可欠だ。

| 経済・雇用::2013.7~2014.6 | 06:43 PM | comments (x) | trackback (x) |

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