左のCATEGORIES欄の該当部分をクリックすると、カテゴリー毎に、広津もと子の見解を見ることができます。また、ARCHIVESの見たい月をクリックすると、その月のカレンダーが一番上に出てきますので、その日付をクリックすると、見たい日の記録が出てきます。ただし、投稿のなかった日付は、クリックすることができないようになっています。
2014,02,24, Monday
2014.2.24東京新聞 2014.2.20西日本新聞 (1)大切なものは何なのか 私は、今生きている人の命と健康を守ることが一番大切だと考えている。しかし、地域を継続させることが一番大切で、その為には、今生きている人の命や健康を犠牲にしてもよいという考え方の人も多いようだ。そして、それが原発被害や食品汚染に関し、私と政策が一致しない人との価値観の違いだろう。 (2)放射能汚染食品による内部被曝の軽視 「わが国の食品基準は、他国より厳しいので内部被曝の心配はない」と言う人がいるが、EUは、*1に書かれているように、汚染した食品1割に対し汚染されていない食品を9割食べるという希釈係数10%の前提で、内部被曝が年間1ミリシーベルト以下になるように設定しているものであり、EUの基準は、当然のことながら、食品からの内部被曝と同時に外部被曝を受けるという前提ではない。 しかし、わが国の政府やメディアは、そのことを国民に周知しておらず、国民の多くは希釈を前提としていることを知らずに、基準値以下の食品ならそればかり食べても安全だと考えている。そして、「食べて応援」をキャッチフレーズにして、それを否定する発言は風評被害と断定しているのだ。 (3)甲状腺癌発症率のデータを無視 *2に書かれているように、平時と比較しやすい福島の小児甲状腺癌の発症率は事故前の100倍以上で、チェルノブイリや広島原爆を超え、人類未踏の領域だそうである。これは、*3のように、伊藤病院の岩久建志医師らも日本甲状腺学会で、「東京の病院で3千人に行なった検査でも福島と同程度の膿胞が見つかった」と発表しており、*2が大げさすぎるわけではない。そして、フクシマ原発事故で外に放出された放射性物質の分量から考えれば、むしろこちらの方が納得できるのである。 この検査結果については、①検査の精度が上がったため ②検査した母集団が多かったため などの解釈(弁解)もある。しかし、真実は、京都市などフクシマの影響を受けていない地域の同年代の子どもを同じ方法で検査して比較すれば、すぐに明らかになることだ。 (4)旧警戒区域の避難指示解除や浜岡原発再稼働は、人の危険を無視 このような中、*4のように、フクシマ原発から20キロ圏の旧警戒区域が避難指示解除されることになった。住民から「早く自宅に戻りたい」という意見が出たとしても、それは、(2)(3)のような内部被曝情報を開示した上での意見ではなく、外部被曝も減っていない中での意見なのである。 また、*5で、菅元首相が、「浜岡原発の安全審査申請は根本的に間違いで、当時から怖さが知らされていない」と述べているように、あまりにも人の命を粗末にする判断が続いており、その結果は恐ろしいものになる。このような状況で、国が「客観的」「科学的」と言っても、それを信用する人は少ないだろう。 *1:http://approaches.blog135.fc2.com/blog-entry-26.html EU比較で食品基準安全は誤り-汚染食品から身を守るためにEUと日本の違い EUは、原発事故以前はセシウム1250ベクレルであり、事故後に日本からの汚染食品が実際に来ることを警戒し、国民の健康第一で基準を厳しくして500ベクレルにした。そのため、EUと比較して、日本の食品の旧基準(暫定基準)でも安全と思われがちだ。今まで政府はこの情報を積極的に利用してきたし、マスコミも垂れ流し続けてきた。しかし、これは間違っている。EU基準は食品の1割がその汚染レベルと想定しての輸入基準である。すなわち希釈係数10%としての基準である。汚染した食品1割に対して汚染されていない食品9割なら食品からの放射能の平均摂取量は10分の1になる。EUはその上で放射線被曝が年間で1ミリシーベルトを超えないように設定している。このことは下記JETRO資料に明記されている。そして実は日本の基準も一定の希釈を前提としている。しかし政府がその周知を怠っているので、多くの国民は食品の放射能基準が希釈を前提としていることさえ知らない。もし汚染食品だけを摂取するなら、大人の安全基準は50ベクレル/kgである。子供も場合はさらに低い必要がある。大人50ベクレル/kgの根拠については下記のブログ『子供に安全な食品とは』に示してある。簡単に言うと汚染食品を10分の1しか食べないのだから10倍汚染していてもいいという意味だ。だから日本の旧基準500ベクレルがEUとほぼ同様の基準だから安心だと言うなら、日本も汚染食品10%に対して汚染していない食品90%を食べる必要がある事を周知する必要がある。4月からの新基準で100ベクレルになったが、それでも50%の汚染されていない食品を食べることを前提としている。そのことを国民に周知すべきである。ところがそのことを政府は国民に周知しないため、多くの人は食品の放射能基準が一定の希釈を前提としていることを知らずに、政府の基準以下ならそればかり食べていても安全だと思っている。実際に国内で原発事故が起きてしまって放射能に汚染された食品の流通が日常化している状態で、暫定基準500ベクレルの時に政府の言うことを真に受けて積極的に食べて応援をしていたら、汚染食品1割に対して汚染していない食品9割なんて保証はどこにもない。もし積極的に汚染食品を食べていたら、10分の1に希釈しないどころか、放射能測定をまともにやっていない食品や基準超え食品も流通しているので、場合によっては濃縮だってある。 ●新基準の再見直しも必要 日本のように食品が広範囲に汚染している状況で、しかも日本では多くの国民が希釈を理解していないのに、希釈を想定とする食品基準は適切ではない。食べ続けても安全な数値に新基準を見直すことが必要だ。私は昨年から大人50ベクレル、子供はその5分の1以下だとずっと言っている。2011年11月の環境省地球環境戦略機関(IGES)の専門家会議でも、基準を下げろと農水省役人にも直接言った。それでも500ベクレルが1年続き、素直な国民は絆と食べて応援で騙された。そして勉強しないバカ学者はEUより安全と今も言い続けている。実際の被爆量は汚染食品と非汚染食品の摂取比率に密接に関係している。だから旧基準500ベクレルで汚染食品ばかり食べていたら安全でない。大人の場合は非汚染食品を90%食べて10分の1に薄めて50ベクレルにする必要がある。子供の場合は約5倍感受性高いので、50分の1に薄めて10ベクレルにする必要がある。すなわち子供は98%の非汚染食品を食べる必要がある。新基準は一般(乳児以外の子供を含む)100ベクレルなので、大人50ベクレルのためには非汚染食品を50%食べる必要がある。感受性の高い子供に対して5分の1の10ベクレルなので90%の非汚染食品が必要である。それなのに国民の命を軽視する日本政府は、乳児の新基準を許し難い50ベクレルとし、経過措置で4月以降も旧基準食品を流通させている。食品基準は国民一人一人がかなりの量の汚染されていない食品を食べることを前提としているのに、政府は国民にその周知を怠っている。それどころか、政府の基準は安全だ、流通している食品は安全だと国民に信じ込ませ、『食べて応援』キャンペーンをして汚染食品の摂取率を高めた。しかも民間の独自基準さえ妨害する。マスコミは知っていながら国民に伝えようともしない。国民が知らないのをいいことに政府は意図的に国民を危険にさらしている。政府とマスコミがしていることは国民への許し難い背信行為であり、世界の歴史にさえ永遠に残る犯罪行為である。今でも多くの人たちは食品基準の希釈という言葉も知らず、政府の基準以下ならそればかり食べていても安全だと思っている。政府が安全だと言った基準だから安心だと素直に信じて、積極的に東日本の食品ばかりを食べている人もいる。地域差もあるし個人の意識の差もあるので、国民が旧基準で10%、新基準で50%しか汚染食品を食べない保証などない。子供ならもっと事態は深刻だ。しかも食品基準は非汚染食品を一定比率食べることが前提なので、民間が実施している国より厳しい独自基準は必須なのに、事もあろうに政府は食品業界に独自基準をやめろと行政指導した。政府は今すぐ食品基準を再度見直し、大人50ベクレル、子供10ベクレル、幼児5ベクレル、乳児0ベクレルに改めるべきだ。さらに年内続ける予定の旧基準の経過措置をやめるべきである。ただちに食べて応援キャンペーンを中止して、国民に対して今ままで騙し続けてきたことを率直に謝罪すべきである。さらに政府の食品基準で想定していた希釈、すなわち汚染食品の摂取率についての真実を、広く国民に分かりやすく周知する義務がある。 ●汚染食品から身を守るために 1)2012年3月末までの旧基準(暫定基準)では汚染食品を食べる量は、大人は10%以下、子供は2%以下にすることが必要です。すなわち大人は90%以上、子供は98%以上の汚染されていない食品を食べる必要があります。 2)2012年4月から実施の新基準でも、汚染食品を食べる量は大人は50%以下、子供は10%以下にすることが必要です。すなわち、大人は50%以上、子供は90%以上の汚染されていない食品を食べる必要があります。しかも新基準後も経過措置の名目で旧基準が継続する食品があるので注意が必要です。 3)政府は国民の健康より東電を助けることを優先させて、食べて応援キャンペーンを続けています。そして汚染食品の摂取率について、政府は責任逃れのためにこっそり情報公開だけして、国民への周知は怠り続けています。マスコミはこの事実を報道しません。 4)食品基準は非汚染食品を一定比率食べることを前提としているので、なおさら民間の独自基準は必須なのです。それなのに政府は、食品業界が国より厳しい独自基準で自主検査することやめろと行政指導しています。国民が知らないことをいいことに、政府は国の基準を超えてまで国民を危険にさらそうとしています。 5)上記での『汚染食品』とは、政府の基準値を超えた食品のことではなく、政府基準に従った食品のことです。もし政府基準値を超えた食品を摂取した場合には上記の比率でも安全ではなくなります。 (この記事でのベクレルの記述はベクレル/kgの意味です) *2:http://saigaijyouhou.com/blog-entry-1802.html 福島の小児甲状腺癌、チェルノブイリや広島原爆を超える!発症率は事故前の100倍以上!人類未踏の領域に突入へ! 2014年2月7日に福島県の甲状腺調査結果が公表され、甲状腺癌の疑いを含めて合計で75人も小児甲状腺癌の患者が居ることが判明しました。この検査は原発事故発生時に18歳以下だった22万5000人を対象としているため、発症率は22万5000分の75となります。小児甲状腺癌の発症率は日本臨床検査薬協会によると、100万人に1~3人です。これらの数字を当てはめて計算してみると、実に110倍から330倍というような値が出て来ます。つまり、政府が公式に発表している甲状腺検査の数値でも、福島県の小児甲状腺癌は福島原発事故前の100倍から300倍に増加しているということなのです! 政府の検査は「数秒で簡単に終わってしまう」と指摘されている手抜き検査なのに、ここまで途方も無いほど高い値が出ている事は大変恐ろしいと言えるでしょう。福島の「75人」という値は、広島原爆やチェルノブイリ事故を遥かに超えている値で、人類が未だかつて経験したことが無いほどの異常値です。 甲状腺癌の手術をした後がネックレスみたいになることから、ウクライナやベラルーシでは「チェルノブイリネックレス」という言葉がありましたが、その時のベラルーシですら、最初の3~4年間は10人程度の発症数で収まっていました。ちなみに、ベラルーシは国です。それに対して、福島県は日本の一地方に過ぎません。福島県だけで、一国の甲状腺癌発症数を超えたということです。ハッキリ言って、桁が一つ違うというようなレベルではなく、桁が2~3個違うという状態になっています。政府や原子力村の関係者らは、「機材が昔とは違うから・・・」とか言い訳をしていますが、ちょっと機械が変化したくらいで発症率が数百倍に変化した事例なんて見たことも聞いたこともありません。本当に機械の変化でそんなに発症率が変化するのならば、具体的な資料やデータを提示して頂きたいと思います。福島県も「被曝(ひばく)の影響とは考えにくい」とか言っていますし、国や行政を待っていては、全てが手遅れ状態になってしまうでしょう。最終的には全てを隠すのは不可能だと私は思います。アメリカですら手を出すことが出来なかったほどの陸軍や特殊部隊を持っていたあのソ連が、甲状腺癌と放射能の関係を渋々認めるような状況に追い込まれてしまったのです。特定秘密保護法だろうが何だろうが関係なく、被曝の影響が本格的になったら、最終的には放射能被曝を認めるしか無い状況になってしまうと予想しています。 ☆子どもの甲状腺検査 「甲状腺がん」と診断されたのは33人(福島14/2/7) URL http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0800P_Y4A200C1CR0000/ 東京電力福島第1原子力発電所の事故による放射線の影響を調べている福島県の「県民健康管理調査」の検討委員会が8日までに福島市で開かれ、甲状腺がんと診断が「確定」した子供は前回(昨年11月)の26人から7人増え、33人になった。「がんの疑い」は41人(前回は32人)。検討委の星北斗座長はチェルノブイリ原発事故後の甲状腺がんの発症経過や、今回見つかったがんの種類、大きさなどから「現時点では放射線の影響は考えにくい」と述べた。がんの発見率がこれまで考えられていたよりも高いことについては「症状がない人も含めた未知の調査で、比較できない」と説明した。しこりの大きさなどを調べる1次検査で約25万4千人の結果が判明し、1796人が2次検査の対象となった。 *3:http://inventsolitude.sblo.jp/article/63081238.html (2013年3月3日) 子どもの甲状腺がんは年を追って急増する 親御さんは覚悟が必要 2012/12/1付けの朝日新聞によると、東京の伊藤病院の岩久建志医師らが11/30、日本甲状腺学会で発表したところによれば,東京の病院で3千人に行なった検査でも福島と同程度ののう胞が見つかったという。2003年から2012/8まで同病院で甲状腺の超音波検査を受けた15歳以下の子ども2753人の結果を集計した結果、36%の子にのう胞が見つかった。経過観察中にがんなどの悪性の病気になる子どもはいなかった。一方、福島県が18歳以下の子どもに行っている甲状腺検査では、2011年度実施分の35%で、2012年度実施分では42%にのう胞が見つかっていた、と報じられている。東京で福島と同様な割合で甲状腺異常が見つかるのは、当然予測されるところだ。2011/3/15午前に強力なプルームが関東を襲っており、その後風向きの変化でプルームは福島県内陸に流れている。 伊藤病院の医師の発表は解せないところがある。竹野内真里氏が伊藤病院に照会したら事故前のデータは発表できないと回答があったという。「東京の甲状腺異常は実は36%より多いはずです!伊藤病院に電話したが、なぜか事故前のみのデータは今のところ発表できないと。そうすると、事故後は福島と変わらないくらい高いはずです。異常をもたらす閾値を超えて、東京も被曝したと考えるのが妥当!」。私も福島第一原発事故後の検査では36%を大きく超えるのう胞が発見されたのだろうと思う。それを引き下げるために、過去の検査データを混ぜて薄めたと見ている。竹野内氏のツイートでは、関西と東京の子どものエコー検査をした医師から、「事故時に関西にいた赤ん坊は全くのう胞がないが、東京にいた赤ん坊は、ほぼ全員に小さいのう胞が数多く出た」と聞かされたとのこと。 とにかく、子どもの甲状腺ののう胞を初めとする異常発生率は極めて高いと認識しておくべきだ。のう胞が見つかっても、すべてががんに進行するわけではないが、甲状腺がんになると転移が早いと山下俊一氏自身が述べているのだろから、危険は大きい。関東と南東北の9都県に15歳以下の子どもは575万人いる。上に書いた福島県の2012年度実施分のう胞検出率42%をこれに当てはめると、241万人。さらに甲状腺がんについては、福島県の健康管理調査の結果によると、検査対象者18万人のうち38,000人の結果がまとまり、甲状腺がんと確定した子どもが計3人、そして悪性腫瘍の疑いありとされる子どもが7人なので、3800人に1人が甲状腺がん発症かその疑いが強いという状況になっている。 チェルノブイリ事故被災地の甲状腺がん発症率は、いくつかデータがあるが、深川市立総合病院内科部長の松崎道幸医師による意見書のデータを引用すれば、1万4千人に一人となる。日本では、チェルノブイリ事故のときに比して、症状の出方が早いとされている。チェルノブイリ被災地の小児甲状腺がんの年次別発症数に関するデータは、いくつかあるが、どれが信頼に足りうるのか、判断がつかない。今中哲二氏の論文チェルノブイリ原発事故による小児甲状腺ガン、長崎大学大学院医歯学総合研究科原研細胞山下俊一氏のスライドチェルノブイリ原発事故と甲状腺がんのどちらでも、事故後の数年は少なくてもその後、10年、15年かけて増加している。今中論文によれば、ベラルーシでは9年目には2年目の9倍くらいに増えており、日本でもこの倍率で増えれば単年で0.237%の発症率となり、これが何年も継続する。仮に5年継続したとすれば発症率は1.185%、それ以前の発症分を含めれば、1.5%程度にいく可能性が高い。この推計によれば、10年、15年の間には累計で上の表のD欄にある数字の50倍程度の人数が甲状腺がんを発症し、全摘手術を受けなければならないだろうと恐れる。(中略) ※2013/3/2のラジオフォーラム第8回番組での小出裕章氏の発言 「チェルノブイリの事故で、4年後から甲状腺ガンが出たという主張は、まずそれ自体が誤りです。4年後には、もう明確に出て来たということなのであって、1年後から甲状腺ガンがもう発生していますので、経験から見ても、注意をしなければいけないということだと思います。そして、今回福島で検出された甲状腺ガンの発生率というのは、これまででは決してあり得ないような発生率になっています。それを見て、まあ山下さんとかですね、そういう方々は、いや、検査のやり方が向上しているから見つかっているのだということをおっしゃっているわけですけれども、言葉を変えて言えば、それより前は検査自身をしていなかったということなのです。ですから、前のことは分からないのですね、どうであったかということが。それで科学というものはですね、元々分からないものは分からないと言わなければいけないし、分かったことを分かったと言うのが本来の科学のあり方だと私は思います。今、山下さんを含めて、福島県で甲状腺ガンの発生を否定したがっている方々は、分からないものに関して、いやそうではないというような結論を出してしまっているわけで、元々科学的な態度とは言えないと私は思います。私自身も本当にこの甲状腺ガンが被ばくの影響かどうかということは、申し訳ありませんが、確信を持っては言えません。しかし、だからこそきちっと分からないので調べなければいけないと言わなければいけないのだと思います。 *4:http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/nucerror/list/CK2014022402100005.html (東京新聞 2014年2月24日) 【福島原発事故】旧警戒区域で避難指示、初の解除 4月、田村市都路地区 東京電力福島第一原発事故による旧警戒区域で、現在は避難指示解除準備区域となっている福島県田村市都路(みやこじ)地区の避難指示が四月一日に解除されることが二十三日、決まった。原発から二十キロ圏の旧警戒区域で初の避難指示解除となる。近く、政府の原子力災害対策本部で正式決定する。政府と市、住民が二十三日、田村市内で協議。住民からは「早く自宅に戻りたい」と避難指示解除を求める意見が出た一方、放射線量や健康への不安から反対の声も上がったが、原子力災害現地対策本部長を務める経済産業省の赤羽一嘉副大臣が「四月一日解除」を表明し、協議は終了した。協議の中で、政府は「除染で放射線量が下がった」とした上で「除染を繰り返しても効果は限定的なので、再度一律に面的に実施することはしない」と、事実上の打ち切りを表明。放射線量のモニタリングや、線量が高い場所の土壌の除去などは続けると説明した。避難指示解除準備区域は、日中しか滞在できず、夜は避難先に戻らなければならないが、都路地区は昨年八月から特例として夜間も過ごすことが認められている。政府と市は昨年十月に「十一月一日解除」を住民に提案したが、放射線への不安などから反発が強く、いったん取り下げていた。 *5:http://digital.asahi.com/articles/ASG2G4448G2GULFA00L.html?iref=comkiji_redirect&ref=rss (朝日新聞 2014年2月15日) 菅元首相「根本的に間違い」 浜岡原発の安全審査申請に 2011年5月に浜岡原発の停止を中部電力に求めた菅直人元首相は14日、朝日新聞の取材に応じ、浜岡原発の安全審査申請について「根本的に間違っている」と批判した。主なやりとりは以下の通り。 ●再稼働に向けた手続きが動き出しました。 「当時、30年以内にマグニチュード8程度の地震が発生する可能性が87%との数字があった。浜岡が事故を起こせば、100万人単位の避難が必要になる。東海道新幹線や東名高速など日本の大動脈、自動車産業も大打撃を受ける。その対策ができていなかったので止めた。その前提はまったく変わっていない。再稼働に向けた審査を申請するのは根本的に間違っている」 ●首相としての要請は「超法規的措置」でした。 「あり得ないと言われていた原発事故が実際に起きた。あす大地震が起きるかもしれないのに、法律を整備してからやりますというのか。国民の安全と安心を考えて政治判断した。総理としてやらざるをえなかったし、やるべきだった」 ●中部電は防潮堤新設などの対策をとりました。 「原発の安全対策は大きく二つある。一つは地震や津波などで事故が起こらないようにするための技術的な対策。もう一つは事故が起きた場合に住民がどう避難するか、どう被害を防ぐかの対策だ。原子力規制委員会が判断するのは技術的な対策だけだ。住民避難にだれが責任を負うのかもあいまいだ」。「政府も中部電も、絶対に事故が起きないとは言っていない。たとえ100年に一度であっても、国がつぶれるようなリスクは負えない。浜岡は事故が起きた時の被害が特に大きい」 ●原発がほとんど動かない状態が続いています。 「天然ガスや石油代がかかっているのは事実だが、国民生活も経済活動も成り立っている。原発がなくてもなんとかなることを実証したといえる。事故のコストを考えれば経済的にも原発を止めた方が安い」 ●都知事選では「原発即ゼロ」を掲げた細川護熙元首相らが敗れました。 「当時の怖さが忘れられているのではなく、知らされていない。福島第一原発4号機の使用済み燃料プールに水が残っていたのは、まったく偶然だった。東京に人が住めなくなるリアルな恐怖感が、残念ながら国民に共有されていない。細川さんも小泉純一郎元首相も、総理経験者だからこそ『こんな事故が起きたら』と強く感じたのだろう」 ●安倍政権は原発を活用していく方針です。 「福島事故の前と基本的な考え方が同じだ。やっぱり事故は起きない、今度は大丈夫と。自然災害はコントロールが難しいが、原発はやめればいい。技術的には一番簡単だ」。 PS(2014.2.26追加):下のように、EUは、フクシマ後に行っている日本産食品の輸入規制を緩和するそうだが、日本の消費者にとって重要な情報は、EUで輸入規制が緩和されることではなく、①今まで輸入規制されていたこと ②一部地域の米・大豆・そば・きのこ類・山菜・水産物は従来通り検査証明書が必要で、福島県で生産されていない茶以外の全ての食品に産地証明書も必要となっていること である。 *6:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=26171 (日本農業新聞 2014/2/25) 日本産の野菜、果実、茶、畜産物 EUが輸入規制緩和 欧州連合(EU)は、東京電力福島第1原子力発電所事故後に行っている日本産食品の輸入規制を緩和することを決めた。3月の欧州委員会での議決後、4月1日から適用する。福島県以外の野菜や果実、茶、畜産物には放射性物質の検査証明書を要求せず、茶は産地証明書も要求しない。対象品目は、検査に掛かる費用や手間がなくなり輸出しやすくなる。日本茶をはじめ欧州で人気の日本産食品にとっては、需要拡大の追い風となる。 ●証明書の対象縮小 4月から適用へ EUの輸出規制をめぐっては、林芳正農相が1月のベルリン農相サミットに出席時、ボルジ欧州委員(保健・消費者政策担当)に緩和を要請していた。改正では、検査証明書を求める範囲を見直した。福島県以外の野菜や果実、茶、畜産物は検査証明書を求めず、東京都と神奈川県は、全ての食品で検査証明書を不要とした。福島県以外の茶は検査証明書、産地証明書の両方が不要となる。日本からEUに食品を輸出する場合、産地証明書が必要だが、茶は福島県内でほとんど生産がないことを考慮。例外的な扱いとして、産地証明書を求めないことにした。通関時のモニタリング検査も緩和した。現在、5%の検査を要求しているが、加盟国の判断で5%以下にできる。サンプル抽出後は検査結果を待たずに通関を許可する。これまでは検査が終わるまで品物が数週間取り置かれ、倉庫代などの費用がかさむケースもあったが、今回の措置で改善される見込みだ。一方、福島県産の全食品と飼料、一部県の米や大豆、そば、きのこ類、山菜、水産物は従来通り検査証明書が必要。茶以外の全ての食品には、産地証明書も必要となる。
| 内部被曝・低線量被曝::2012.9~2014.4 | 07:54 PM | comments (x) | trackback (x) |
|
PAGE TOP ↑