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2014.2.28  メディアもジェンダー(社会的・文化的な性差別)とセックス(生物学的性別)を混同しているような状況で、202030を実現するのは大変な仕事であること、及び、日本で日本女性に求められる「らしさ」や「しなやかさ」はジェンダーであること
         

(1)NHK経営委員の長谷川三千子氏の発言について
 埼玉大学名誉教授でNHK経営委員になった長谷川氏の*1-1の発言には呆れる人が多いが、このようなことを言う人が重要な地位にいるのが日本の現況である。これまでも長谷川氏が埼玉大学教授等の地位にいたのは、同じような考えの人が彼女を引っ張り上げたからだろう。

 そして、*1-1で述べられた長谷川氏の計算は、明らかに科学的でない。何故なら、「西暦3000年に日本の人口がゼロになる」としているが、生物の繁殖行動は、そのような直線グラフではなく、なだらかな曲線を描くからだ。人(生物の一つ)は、人口密度が高く暮らしにくい時には、出生率の低下と死亡率の上昇が起こって人口を抑制し、人口密度が低く暮らしやすくなると、出生率の上昇と死亡率の低下が起こって人口減少が緩やかになり、次第に人口増加に転じる。つまり、生物は、個体が暮らしやすい場合に数が増えるのであり、家が狭く通勤距離が長くて周りから子育ての援助を得られない東京では、他地域より出生率が低くなっているのだ。

 さらに、*1-2では、長谷川氏の主張として、①男女共同参画社会に批判的で「女性が家で子を産み育て男性が妻と子を養うのが合理的」と主張 ②女性に社会進出を促す男女雇用機会均等法の思想は個人の生き方への干渉であるため、政府に「誤りを反省して方向を転ずべき」と求めている などとされている。しかし、男女雇用機会均等法は、働く女性が職場で差別されないための法律であり、すべての女性が外で働くべきだと法律で強制しているわけではない。そして、「女性が家で子を産み育て男性が妻と子を養うのが合理的」と決めつけることこそ、個人の生き方への干渉である。さらに、こういう考え方の人が多く、保育所や学童保育の整備が遅れたために、働く女性は子育てしにくく、仕事と子育ての二者択一を迫られて出生率の低下が加速されたのだということを忘れてはならない。そのため、長谷川氏は、「個人の生き方への干渉」「男女雇用機会均等法」「男女共同参画社会」の意味を正しく理解していない。

 なお、長谷川氏は「女は家で子を産み育て、男が妻子を養うもの」と断定しているが、人間の女性は乳牛や採卵鶏と異なり、子を作る以外にも多様な能力や価値を持つことを決して忘れて欲しくない。子を作るだけなら、上のイラストの中では、鮭が一番優秀なのである。

(2)女性の賃金・登用について
 *2-1のように、安倍首相は女性政策を成長戦略の柱の一つに位置づけ、「政府の成長戦略を、指導的地位にある女性の割合を2020年までに全体の30%にする」「全都道府県の公的機関や企業での女性の登用状況を点検し、課長級以上の指導的地位につく女性の割合を調べて女性登用をチェックする」とし、内閣府が、全上場企業の女性管理職の登用状況を来年1月から公表する予定で、経済団体を通じて役員のうち1人は女性を登用するよう要請したそうである。1980年代から男性と同じに働いてきた私たちから見れば遅すぎるが、日本としては、かなり進んだ。

 しかし、*2-2のように、現状として九州7県の59市町村で短期任用が原則の臨時・非常勤職員を10年以上雇い続け、任用期限が来る度に契約を繰り返して同じ非正規職員を約30年雇い続けた自治体もあったそうだ。非正規労働者は、仕事内容が正規職員と殆ど同じでも雇用条件が悪くて女性が多いが、その結果、*2-3のように、男女間の賃金水準は男性を100とした時に女性は71・3になっている。

 そのため、*2-4のように、女性は公的年金の支給額が少なく、年金不足分を補うには自分で年金不足分を貯蓄しておく必要があり、生涯独身のケースでは、「2600万円の自分年金」を目標にすべきだそうだ。2600万円の根拠は明確でないが、低賃金で働かされた女性が老後資金を溜めるのは困難で、*2-5のように、最多更新し続けている生活保護世帯の中には女性高齢者が多い。

(3)女性の教育と女子教育
 *3-1のように、小1で既に男女に将来就きたい職業に違いがあるのは、親や社会の意識に由来すると考える。例えば、男子の親は「医師」が希望で、女子の親は「看護師」がトップというように、女の子には賃金が安く、熟練度の低い仕事を奨める教育を行っているからである。

 なお、*3-2には、「女子のみの高校数は、20年前の1993年度から半減し324校で、男子のみの高校は20年前から6割減り、女子大も減って、近年は女性リーダー育成を目指す女子大が増えてきた」と書かれている。しかし、*3-3のように、埼玉県内最古の女子校である県立浦和第一女子高等学校は、公立であるにもかかわらず戦後も男女別学で、2007年まで附属幼稚園が存在し、校歌はメロディーが優しく女子高らしい雰囲気のもので、2007年まで良妻賢母を作る女子教育をしていたのである。

 また、*3-4に、「しなやかに駆ける女子校の魔法 役割縛られず自由育む」と題して記事が書かれているが、「しなやか」とは、①柔軟で弾力に富んでいるさま。 ②動作・態度がなよやか、たおやかで優美なさま。(http://kotobank.jp/word/%E3%81%97%E3%81%AA%E3%82%84%E3%81%8B 参照)である。そして、「思い込みを吹っ切り、楽になって女性の強みを生かす」とこうなるのが女性だとしているが、これがまさにジェンダーなのである。職場が男女別になっているわけではあるまいし、男女共学校で、女子生徒も堂々とすればよいのである。それでも、生物としてのセックスは、遺伝子に組み込まれているため、個体が無理に意識しなくても自然と出てくる。

 さらに、*3-4の「運針」して初めて集中力が養われるとは呆れた上に情けなく、男女共学の必要性を再確認した。数学でも物理でも、勉強はそれ自体に集中しなければできず、スポーツもそれ自体に集中しなければよい結果は出せないという基本的なことを学んでいないからである。

(4)メディアも女子差別撤廃条約の効力発生から30年遅れで、まだ足を引っ張っている
 *4では、九州大大学院で遺伝子解析の研究をしている井上麻美さんが、女子児童を対象に科学講座「ガールズサイエンスチャット」を開設し、「身近な暮らしと結び付けることで、理数系に苦手意識を持ちがちな女子にも興味を持ってほしい」と、初回は生理用ナプキンの構造を科学的に解説したそうだ。

 しかし、「理数系に苦手意識を持ちがちな女子」という決め付けは、そもそも失礼である。また、「みんな、生理って聞いたことあるよね。すてきな女子になるために大事なことなの」と切り出したのは、「素敵な女性=生理」としておりセクハラだ。このような経験からは、女子児童が生命科学に興味を持つことは期待できず、「今後は男児にも門戸を広げ、野菜を使った密度測定の実験などを検討中」とのことだが、教える側のテーマ選択に既にジェンダーが存在しており、女子児童には魅力のないものになっている。

 ただし、井上麻美さん自身がジェンダーを持っている人か否かは不明だ。何故なら、メディアの記者は文科系が多く、編集で内容の色あいが変更されるのは、私が衆議院議員時代、当然のことを言っても女性を一段低く見た歪みを持って報道したメディアが多かったことから明らかだからである。

★女子差別撤廃条約★1979年に国連総会で採択され、1981年に発効。1985年7月25日に日本において効力発生(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A5%B3%E5%AD%90%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%82%E3%82%89%E3%82%86%E3%82%8B%E5%BD%A2%E6%85%8B%E3%81%AE%E5%B7%AE%E5%88%A5%E3%81%AE%E6%92%A4%E5%BB%83%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%9D%A1%E7%B4%84参照)。

*1-1:http://blogos.com/news/hasegawa_michiko/ (産経ニュース 2014.1.6 埼玉大学名誉教授 長谷川三千子) 年頭にあたり 「あたり前」を以て人口減を制す
 新年早々おめでたくない話--どころか、たいへん怖い話をいたします。このままでゆくと日本は確実に消滅する、という話です。日本の人口は昨年の10月1日で1億2730万人となりました。すでに8年前から減少に転じて、今のところ毎年20万人ほど減り続けています。
≪千年後の日本人口ゼロに≫
 だからといって何が怖いのか、と首をかしげる人も多いでしょう。戦後急に増えすぎた人口がもとに戻るだけではないか。毎年20万人減れば百年後には1億そこそこの人口になってちょうどよいのではないか--そう考える方もあるでしょう。しかし、そういう単純計算にならないというところが人口減少問題の怖さなのです。今の日本の人口減少は飢餓や疫病の流行などでもたらされたものではありません。出生率の低下により、生まれてくる子供の数が減ることによって生じている現象です。子供の数が減れば、出産可能な若い女性の数も減ってゆく。ちょうどネズミ算の逆で、出生率の低下による減少は、ひとたび始まると急カーブを描いて進んでゆくのです。学者たちの計算によると、百年後の日本の人口は現在の3分の1の4000万人になるといいます。そして西暦2900年には千人となり、3000年にはゼロになるというのです。

*1-2:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E4%B8%89%E5%8D%83%E5%AD%90
長谷川 三千子(1946年3月24日~)、日本の政治評論家、哲学者。埼玉大学名誉教授。保守系政治団体日本会議代表委員。NHK経営委員。
<主張>
選択的夫婦別姓制度に反対している。
男女共同参画社会に批判的で「女性が家で子を産み育て男性が妻と子を養うのが合理的」と主張している。また、女性に社会進出を促す男女雇用機会均等法の思想は個人の生き方への干渉だと批判し、政府に対し「誤りを反省して方向を転ずべき」と求めている。絶対天皇制を肯定。野村秋介の朝日新聞東京本社襲撃について「彼の行為によって我が国の今上陛下は人間宣言が何と言おうが憲法に何と書かれていようが再び現御神となられた」と追悼文集に寄せた。これらの発言に対して2月10日の夕方までに約800件の意見が寄せられ、大半が批判的な内容だった。

*2-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20131231&ng=DGKDASFS3002L_Q3A231C1PE8000 (日経新聞 2013.12.31)女性の活躍、全国で把握 政府、都道府県ごとの登用状況 支援体制を強化
 政府は来年度から、全都道府県の公的機関や企業での女性の登用状況を点検する。内閣府が中心となり半年ごとに実施。全職員のうちの女性の割合や、課長級以上の指導的地位につく女性の割合を調べ、女性登用への取り組みが地方に浸透しているかをチェックする。安倍晋三首相は女性政策を成長戦略の柱の一つに位置づける。地方に取り組みを強化するよう促すとともに、調査結果を支援策の検討につなげる。「女性の活躍」を全国に広げたい考えだ。政府は広報や啓発活動も強化する。働く女性支援に取り組む企業を紹介する専用のホームページを整備。家庭と仕事の両立に対する経営者の理解を促すためのセミナーも開催する。政府の成長戦略は全国の官庁や民間を含めて指導的地位にある女性の割合を2020年までに全体の30%にする目標を掲げている。人事院が10月に初めてまとめた21府省庁の課長・室長以上のポストに占める女性の比率(11年度)は2.6%にとどまる。安倍内閣は旗振り役として、厚生労働次官に村木厚子氏を起用したほか、11月には初めての女性の首相秘書官として総務省出身の山田真貴子氏を抜てきした。内閣府は全上場企業の女性管理職の登用状況を来年1月から公表する予定。経済団体を通じて役員のうち1人は女性を登用するよう要請しており、企業が競争意識を持って取り組むよう促す。政府は働く女性のために結婚や妊娠・出産、育児などに応じた支援策を打ち出す。国家公務員を対象に配偶者の転勤に伴う休職制度を来年度から導入。夫の転勤を機に離職しがちな女性の就業継続につなげ、将来は民間企業にも働きかける。

*2-2:http://qbiz.jp/article/32618/1/
(西日本新聞 2014年2月22日) 非正規公務員の長期雇用常態化 九州59市町村、10年以上
 九州7県の59市町村で、本来は半年や1年の短期任用が原則の臨時・非常勤職員を、10年以上雇い続けていることが西日本新聞の取材で分かった。任用期限が来るたびに契約を繰り返し、同じ非正規職員を約30年雇い続けた自治体もあった。非正規は長年働いても退職金が支払われず、急な雇い止めで生活の糧を奪われることもあり、トラブルは後を絶たない。総務省による全自治体の臨時・非常勤職員調査(2012年4月1日時点)で各自治体から同省へ提出された資料を、本紙が情報公開請求で入手し集計した。それによると、調査は各自治体の事務補助や保育士、給食調理員、看護師、消費生活相談員、清掃作業員が対象。九州で非正規を20年以上雇い続けているのは、熊本県菊陽町のほか熊本市、佐賀県唐津市、大分県国東市、熊本県南小国町、熊本県荒尾市など11市町。保育士を29年雇っている同県菊陽町が最も長かった。同じ人を雇い続ける理由として、自治体側は「新しく任用した人に業務を最初から教える余裕がない」(福岡県桂川町)と説明する。ただ、非正規の給与水準は正職員より大幅に低く、諸手当や休暇制度も整っていない。仕事内容が正職員とほぼ変わらなくても、退職金は支払われない。専門家や労働組合からは待遇改善を求める声が相次いでおり、雇い止めされた長期の非正規職員が自治体に退職金を求めて提訴し、裁判所が支払いを命じるケースも出ている。

*2-3:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140221-00000104-san-bus_all
(産経新聞 2014年2月21日)  昨年の平均給与は4年ぶり前年割れ 厚労省調査
 厚生労働省が20日発表した平成25年の全国賃金構造基本統計調査で、同年6月時点の一般労働者の平均給与(残業代など除く)は前年比0・7%減の29万5700円となり、21年以来4年ぶりに前年を下回った。男女とも前年を割り込んだのは、比較可能な昭和51年以降初めて。賃金が低い中小企業の雇用やパートタイム労働者が増え、賃金水準全体が押し下げられた。男女間の賃金水準は男性を100とした場合、女性は71・3となり、前年の70・9から0・4ポイント上昇し男女の格差は縮小した。女性の社会進出が進み、勤続年数が伸びたためとみられる。パートタイム労働者の1時間あたりの賃金は、男性が1095円、女性が1007円でともに過去最高だった。昨年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法で、60~64歳の再雇用が増えたのが要因。

*2-4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140226&ng=DGKDZO67368830V20C14A2PPF000 (日経新聞 2014.2.26) 独身なら「自分年金」 、2600万円を目標に
 女性が生涯独身でいることを決めたら、早めに老後資金の見通しを確認しよう。一般に女性は男性より長生きなうえ、公的年金の支給額が少ない。そのため年金の不足分を補う「自分年金」づくりを強く意識する必要がある。漠然とした不安を抱えるより、備えるべき額を把握してすぐに動き出した方が賢明だ。「私の年金、これだけしかないの?」。都内に住むシングルの会社員、山田涼子さん(41、仮名)は初めて日本年金機構の「ねんきんネット」で見込み額を調べてショックを受けた。このまま働き続けると65歳から受け取る年金は月14万円程度。マンション購入の相談で訪れたファイナンシャルプランナー(FP)に老後への備え不足を指摘され、慌てて家計の見直しと積み立てを始めた。山田さんの年金額は女性にしては少なくない。厚生労働省によると女性の厚生年金の平均月額は10万2千円。現役時代の給与と加入期間で決まるため、女性は男性より少ない傾向が顕著だ(グラフA)。女性が7割を占める非正規雇用では厚生年金の受給資格が得られないケースもある。その場合もらえるのは基礎年金だけになり、額はさらに少なくなる。ではシングル女性は自分年金をいくら用意すればいいのか。求める生活水準や死亡年齢、年金額、企業年金の有無などによって変わるが、FPの氏家祥美氏は60歳から平均寿命の87歳までに必要な資金として2000万円が目安になるという。
●賃貸なら余分に
 総務省の家計調査によると、60歳以上の女性単身世帯の平均消費支出は月15万円程度。年金がもらえない60~64歳分の約900万円は自分で用意する必要がある。加えて年金受給が始まっても65歳以上の単身無職世帯では月2万8000円程度不足するため、65~87歳に約740万円が必要で、これに入院などの予備費300万円を入れると2000万円程度になる。ただこれはあくまでも平均値を使った試算。例えば家計調査で住居費は月1万5千円程度と低く「賃貸住宅に住む場合は余分に準備しなければならない」。米運用大手アライアンス・バーンスタイン(AB)の後藤順一郎・未来総研ディレクターは「豊かな生活に必要な資金」として月額26万円を想定。この場合、自分で賄わなければならない老後の不足額は2611万円とシングル男性(674万円)の4倍近くに達する。「現役時代の賃金の低さと寿命の長さが大きな要因」(後藤氏)だ。後藤氏は「支出の合計額」から「収入の合計額」を引く方法で試算。65歳まで働き続け、65歳時点の平均余命(23.82歳)より余裕を見て30年間、つまり95歳まで生きる前提とした。65歳まで働いたことを考慮するため、収入は厚労省の賃金構造基本統計調査をもとに年金が月14万円、退職一時金1709万円と算出している(図B)。老後の生活費は見通しにくいが「現在の8掛け程度で考えるといい」(FPの山本節子氏)。親からの贈与や相続もありうる人は早めに話し合い、老後資金に織り込んでおいた方がいいだろう。ただ、こうして割り出した自分年金額も年金の支給開始年齢引き上げや平均余命の延びを考慮に入れると「さらに増える可能性がある」(後藤氏)ことは頭に入れておきたい。
●早めに積み立て
 シングル女性の中には「節約志向は強いが、普通預金や定期預金にそのまま置いている人を見かける」と氏家氏は指摘する。扶養控除などがある子持ち世帯に比べ「独身者は税負担が相対的に重くなりやすい」(同)面も見逃せない。マイホームを購入しても単身用の50平方メートル未満であれば、住宅ローン控除は受けられない。後藤氏は「資産形成では確定拠出年金や少額投資非課税制度(NISA)といった税制メリットのある制度を活用するのが一案」と助言する。「2000万円ためるのは無理と思う人も多い」(氏家氏)が、諦めるのは早計だ。後藤氏が示した自分年金額2600万円程度を40歳から積み立て投資で備える場合、年2%の利回りで月6万7千円弱、年3%では5万8千円でたどり着く。積み立て開始は早いほどいい(表C)。投資にリスクは付きものだが「長生きする可能性、今後の物価上昇リスクを考えると、運用である程度リスクを取ることを考える必要はある」(後藤氏)。しかし実際に準備を始めている人は多くない。年金シニアプラン総合研究機構が40、50代の独身女性を中心に調査したところ「老後の生活費が不安」と答えた割合が9割近くだったが「老後の生活設計をまだ考えていない」との割合が未婚者全体の46%を占めた。氏家氏は「結婚するかどうかは未定で、老後を真剣に考えることも先送りしている人は多い」と指摘する。まず年金額や企業年金の見込み額、保険の満期金などをチェックすることから始めてはどうだろうか。

*2-5:http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014020502000237.html (東京新聞 2014年2月5日) 生活保護最多更新 昨年11月 人数・世帯とも増加
 厚生労働省は五日、全国で生活保護を受けている人が昨年十一月時点で二百十六万四千八百五十七人(前月比五百十九人増)となり、過去最多を二カ月連続で更新したと発表した。受給世帯数も百五十九万五千五百九十六世帯(同八百六十七世帯増)で、過去最多だった。厚労省は「働ける世代は、就職などで保護を抜け出した人もいて減少しているが、高齢受給者の増加が上回り、全体の増加につながった」と分析している。世帯別では、六十五歳以上の高齢者世帯が七十二万六百十六世帯(同千二百十八世帯増)で、全体の45%を占める。働ける世代を含む「その他の世帯」は前月より六百十一世帯減って、二十八万八千十九世帯だった。生活保護をめぐっては、昨年十二月に不正受給対策を強化した改正生活保護法が成立。政府は、消費税増税などに対応するため、保護費のうち食費や光熱水費に充てる「生活扶助」の基準額を四月から約0・4%引き上げる。

*3-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140222&ng=DGKDASGG1302M_Z10C14A2EE8000 (日経新聞 2014.2.22) 小1の夢 男女に違い 役割意識 TVで薄まる
 子供たちの将来の夢は男女で違う。クラレが2013年入学の小学1年生に将来就きたい職業を聞いた調査によると、1位は男子が「スポーツ選手」、女子は「パン・ケーキ屋・お菓子屋」。それぞれ調査を始めた1999年以降15年連続してトップを占めている。子供に就かせたい職業を親に聞いたところ、男子の親は「公務員」が1位で、「スポーツ選手」「医師」と続くのに対し、女子の親は「看護師」が90年代以降トップを占める。公務員、薬剤師も人気だ。かつて放送中止となった「私作る人、僕食べる人」という即席ラーメンのテレビCMは、女性が料理を作り男性が食べる、と性別によって役割を固定しているという批判を受けた。最近は白物家電や衣料洗剤の広告に男性タレントが相次ぎ登場。NHKは50年以上続く親子向け番組「おかあさんといっしょ」に加え、13年から「おとうさんといっしょ」の放送を始めた。一方で男女差の科学的分析も関心が高い。00年発売の「話を聞かない男、地図が読めない女」(アラン・ピーズ、バーバラ・ピーズ著、藤井留美訳)は行動や思考の違いを探り、ベストセラーになった。

*3-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140220&ng=DGKDASGG12001_S4A210C1EE8000 (日経新聞 2014.2.20) 女子高 20年で半減 大学ではリーダー育成
 男女別の高校は、全体から見れば数が少ない上に減少傾向が続いている。文部科学省の「学校基本調査」によると2013年度の女子のみの高校数は、20年前の1993年度から半減し324校。男子のみの高校は20年前から6割減った。98年度に99校あった女子のみの大学も13年度には79校にまで減り、近年は女性リーダー育成を目指す女子大が増えてきている。文科省によると、日本の女子中等教育のはしりは1872年(明治5年)に東京で開校した官立の女学校。1882年(明治15年)に東京女子師範学校付属高等女学校となり、この頃から小学校の他は男女別学が原則となった。帝国大学も当初は男性のみで、女性初の学生は1913年に東北帝国大学に入学した3人の「リケジョ(理系の女子学生)」だ。今や女性の大学進学率は45%を超えるが、女子大学生が増え始めた60年代には結婚前の教養として大学に行く女性がはばをきかせていると「女子学生亡国論」が世を騒がせた。80年代の「女子大生ブーム」では経済的に恵まれ、おしゃれな女子大生のファッションなどが注目を集め1つの社会現象になった。

*3-3:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BC%E7%8E%89%E7%9C%8C%E7%AB%8B%E6%B5%A6%E5%92%8C%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%A5%B3%E5%AD%90%E9%AB%98%E7%AD%89%E5%AD%A6%E6%A0%A1#.E6.A0.A1.E6.AD.8C (フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
埼玉県立浦和第一女子高等学校
●埼玉県立浦和第一高等女学校
●公立学校
●男女別学:男子校である埼玉県立浦和高等学校と同じように、県内最古の女子校
●2007年 附属幼稚園廃止。
●校歌:野上彰作詞、高田三郎作曲で、メロディーは優しく、女子高らしい雰囲気

*3-4: http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140220&ng=DGKDASGG1302N_U4A210C1MM8000
(日経新聞 2014.2.20) しなやかに駆ける(1)女子校の魔法 役割縛られず自由育む
 思い込みを吹っ切り、楽になりませんか? しなやかに駆け出し、あなたの強みを生かしませんか。
●本音の付き合い
 冬の三陸沖で30キログラムを超す機材と酸素ボンベをかつぎ潜る水中写真家の尾崎たまき(43)。東日本大震災後、魚の群れが戻って来る姿を撮り続ける尾崎は、ふと「女子高に通ったのが幸いした」と思うことがある。地元の漁師に撮影地点を教えてもらったり、漁に同行させてもらったりするには信頼を築くのが大切だ。「海の男」と「女の園」。別世界のようで共通点がある。懐に飛び込み自分をさらけ出すのに、「九州女学院(現ルーテル学院)高校時代に『女』を売りにせず『人』として腹を割る本音の付き合いをしたことが生きる」という。東京大学大学院助教の坂井南美(33)は星ができる過程を研究する宇宙物理学者。中高6年間を過ごした女子校、桜蔭学園で医者や研究者を目指す多くの同級生に恵まれた。「女子は文系、男子は理系という発想とは無縁でいられ、自分の可能性を狭めずに済んだ」。文部科学省によると、大学の人文系学部は女子が6割を超える半面、理系は3割。ただ「女子高の中には理系進学者の方が多いところもある」(教育ジャーナリスト、おおたとしまさ)。「良妻賢母を育てる」と始まった女子校も多いが、力仕事やまとめ役もすべて女子でこなし、男子の反応も気にならない。一歩外は男性主導の社会で、世間知らずとの指摘もある中、知らぬ間に染みつく「男女の役割意識」と距離を置けたことが道を開く。見渡せば元国連難民高等弁務官の緒方貞子や前米国務長官のヒラリー・クリントン、レディー・ガガも女子校出身だ。米国では男女別学の方が能力が伸びると見直され、別学が増えている。翻って日本の大学、高校に占める女子校の割合は年々減少。少子化や働く女性の増加という現実に、女子校自身も変わろうと道を探る。「良妻賢母だけでは時代に対応できない。社会に必要とされる力を身につけないと」。内閣府男女共同参画局長も務めた坂東真理子(67)は2007年に昭和女子大学長となり、キャリア教育にカジを切った。今は「就職率が90%と女子大トップ」を売り物にする。
●「運針」で集中力
 昨春、グローバルビジネス学部を新設。全員を米ボストンキャンパスに留学させる。3月にボストンにたつ杉下明直美(19)は「働き続ける武器に、まず語学力をつける」と意気込む。東京・池袋の進学校、豊島岡女子学園。旧加賀藩士夫人が1892年に開いた女子裁縫専門学校が前身で、毎朝、静まりかえった教室で生徒が一斉に白い布に赤い糸を走らせる。戦後から続く朝5分間の「運針」は時代も変わり、集中力を養う鍛錬になった。受験前の精神統一に役立てる生徒もいるという。「お嬢様学校」とも呼ばれた女子校。世に言う「女性らしい」人材を育てているように見えて、実は世界に羽ばたく強さも育んでいる。女性(Woman)を勇気づける魔法は気付けば社会の様々なところに息づいている。

*4:http://qbiz.jp/article/32352/1/
(西日本新聞 2014年2月18日) 育て!“リケジョ”の卵 26歳九大院生、女子児童の科学講座開設
 九州大大学院で遺伝子解析の研究をしている井上麻美さん(26)=福岡県久留米市北野町=が、地元の女子児童を対象にした科学講座「ガールズサイエンスチャット」を開設した。「身近な暮らしと結び付けることで、理数系に苦手意識を持ちがちな女子にも興味を持ってほしい」と、初回は、生理用ナプキンの構造を科学的に解説。「リケジョ」(理系女子)の卵を育てようと奮闘している。「みんな、生理って聞いたことあるよね。すてきな女子になるために大事なことなの」。今月1日、北野町の大城ますかげセンター。白衣をまとった井上さんが、3〜5年の女子児童7人に向かって切り出した。初回のテーマは「ナプキンのふしぎ」。児童らの年頃に抱きやすい、体の変化への不安を解消しようと選んだ。女性の体の仕組みを紹介した後、実験開始。各自がナプキンを切って細かくし、顕微鏡で観察した。初めは照れから消極的だった児童も「糸みたいなものがくっついてる」「こっちはつぶつぶが見える」と次第に真剣な表情に。つぶつぶの正体「高吸水性ポリマー」に水を加える実験では「水が一瞬で固まった」と驚きの声が上がった。井上さんは久留米高専を卒業し、現在、九州大大学院システム生命科学専攻に在籍する3年生。昨年から大学院の仲間とショッピングモールなどを回り、子ども向けの科学講座を開いている。自然豊かな北野町で生まれ育ち、虫や魚を取って遊ぶうちに理科好きになったという井上さん。今回の企画は地元への恩返しの思いを込めた。「科学を教えるだけでなく、何でも相談できる地域のお姉ちゃんになりたい」と話す。今後は男児にも門戸を広げ、野菜を使った密度測定の実験などを検討中。科学者を育む土壌を、こつこつ耕していくつもりだ。

| 男女平等::2013.12~2014.6 | 10:58 AM | comments (x) | trackback (x) |

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