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2014.4.24 TPPと尖閣諸島が日米安全保障条約の範囲内か否かは、交換条件になる話ではない (2014.4.26最終更新)
  
   TPPのISD条項       TPPで妥協を迫られる日本と他国の食品安全基準

(1)TPPと尖閣への安保適用は、もともと関係のない事項である
 *1-1の環太平洋経済連携協定(TPP)は、日本の農業とこれまで努力してきた農業従事者の生活がかかっているだけでなく、ISD条項でわが国の主権を脅かされる可能性もあるため、*1-2の「尖閣への安保適用」を引き出す“カード”として使うなど、とんでもないことである。

 また、「自動車産業を“カード”として農業の妥結を進める」というのも、それぞれの産業において損害を受ける当事者は異なるため、“カード”と言われて損害を受ける人はたまったものではないだろう。つまり、これらの産業の当事者の努力と営みを、“カード”に使って譲歩することしかできない人は、産業を語る資格も通商交渉をする資格もないということだ。

 さらに、経済産業省の古さは、いつまでも開発途上国型の輸出に固執している点だ。しかし、自動車産業などのグローバル企業は、経営上の見地から生産拠点を市場国に移しているため、関税が下がることによってわが国の輸出増加が見込めることはあまりなく、農業の方は輸入増加で打撃が大きくなるため、その差が、安全保障の“カード”として使えるくらいだということなのである。

 しかし、*1-2のように、オバマ大統領は共同声明を出す時に、しぶしぶ「今までと変わらず、アメリカは尖閣諸島の領有権に関しては中立だが、日米安全保障条約は日本の施政権の及ぶ範囲のすべてだ」と語ったにすぎず、それは、メディアが報じるほど日本有利ではないように聞こえたので、オバマ大統領のスピーチの全文を記載してもらいたい。

(2)TPPをめぐる関係者の行動
 *3のように、農業者を代表して、JA全中の萬歳会長は22日、内閣府を訪れ、西村康稔副大臣に、環太平洋連携協定(TPP)交渉で国会決議を順守することを要請したそうだが、国民主権の国でマニフェストを掲げて選挙を行い、その結果、国会決議を行ったのだから、当然のことである。

 また、TPPは、農業だけでなく、食品の安全基準や国民皆保険制度にも影響を与えるため、*4のように、子育て中のママがTPP反対を訴え、草の根で米国ルールの押し付けに抗議を続けている。

 そのような中、*2のように、経産省の応援団である日本経団連や経済同友会が全米商工会議所などと、TPP交渉の日米協議の早期決着を求める共同提言を発表したが、その内容は、「日本は全品目の関税撤廃を目標にすべきだ」として、「センシティブな分野の譲歩を念頭に、政治的に困難な決断を下すよう求めた」というのだから、これは合理的な根拠のない結果ありきの結論であり、確かに「どこの国の利益を代弁しているのか」と思われるほど無責任きわまりないので、私も呆れている。

*1-1:http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK24015_U4A420C1000000/
(日経新聞 2014/4/24) 「TPP交渉は日米協議を継続」安倍首相
 安倍晋三首相は24日のオバマ米大統領との首脳会談後の共同記者会見で、焦点となっている環太平洋経済連携協定(TPP)交渉について、「日米間の懸案を解決すべく精力的な協議を継続することになった」と述べた。「この後も閣僚間で交渉を続け、共同声明の発表はその結果をみてからになる」とも語った。

*1-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140424&ng=DGKDASFS2303Q_T20C14A4MM8000 (日経新聞 2014.4.24) 「尖閣に安保適用」 米大統領、表明へ
 オバマ米大統領は23日夜、大統領専用機で羽田空港に到着した。24日に安倍晋三首相との首脳会談に臨み、沖縄県の尖閣諸島について日米安全保障条約に基づく防衛義務の対象だと表明する方向。海洋進出を強める中国をけん制する狙いだ。米大統領が国賓待遇で来日するのは1996年のクリントン氏以来、18年ぶり。オバマ大統領就任後の来日は3度目で、今回は2泊3日。23日夜は都内のすし店で首相と非公式の夕食会に出席した。この後、首相は記者団に「日米同盟関係が揺るぎない強固なものであるとのメッセージを世界に発信する首脳会談にしたい」と語った。オバマ氏は来日前の一部メディアとのインタビューで、尖閣諸島について「日本の施政下にあり、日米安全保障条約5条の適用対象だ」と述べた。米ホワイトハウスが23日、発言内容を発表した。安保条約第5条は「日本の施政下にある領域での武力攻撃、共通の危険に(共同で)対処する」として、米国が日本を守る義務を負うと定めている。尖閣諸島の米国の防衛義務について米大統領が明言したのは初めて。オバマ氏は「尖閣諸島への日本の施政権を損なおうとするいかなる一方的な行為にも反対する」とも強調した。日本政府関係者は「米国の意思は固まっており、首脳会談でも言及する方向だ」と語った。日本側は首脳会談後に発表する共同声明への明記も求めている。

*2:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=27304
(日本農業新聞 2014/4/23)  日本は全関税撤廃を TPPで経団連 米団体と提言
 日本経団連が全米商工会議所などと共に、TPP交渉の日米協議の早期決着を求める共同提言を発表した。だが、日本は全品目の関税撤廃を目標にすべきだとしており「自ら譲歩の姿勢を示す敗退的行為」と自民党内の反発を招いている。
●自民農林議員が苦言 どこの国の利益代弁?
 共同提言は21日付で発表し、日本に「農産物を含む全ての物品について、最終的な関税および非関税障壁の撤廃を目標として交渉のテーブルに乗せることが必要」としている。また農産物の重要品目など、センシティブ(慎重を要する)な問題についても「この原則に沿った形で対応すべきだ」と求める。これに対しある自民党農林幹部は「米国にみすみす首を差し出すようなもの」とあきれ顔。「農業団体は自動車で譲歩しろとは言わないのに、なぜ経団連が農産物で譲歩するようなことを言うのか」と苦言を呈する。別の同党農林幹部も「日本の経済界の代表という自覚がない」と指摘。全米商工会議所や米日経済協議会などとの共同提案であることを踏まえ、「どこの国の利益を代弁しているか」と、その姿勢を疑問視する。経済同友会も22日付で在日米国商工会議所と共同声明を出し、センシティブ分野の譲歩を念頭に「政治的に困難な決断」を下すよう求めた。日本を代表する両経済団体が同じような動きを見せている。

*3:http://image.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=27312
(日本農業新聞 2014/4/23) 国会決議の実現を 内閣府副大臣に要請 TPPで全中会長
 JA全中の萬歳章会長は22日、東京・永田町の内閣府を訪れ、西村康稔副大臣に、環太平洋連携協定(TPP)交渉で農業の重要品目を関税撤廃などの対象から除外することを求めた国会決議を順守することを要請した。西村副大臣は、決議を踏まえて交渉する考えを示した。要請では、日本とオーストラリアの経済連携協定(EPA)交渉で合意された牛肉関税の引き下げなどの影響が検証されないまま、TPPがヤマ場の交渉に入っていることに「生産現場では動揺と将来への不安、危機感が高まっている」と訴え、決議の実現を求めた。全中によれば、西村副大臣は「安倍晋三首相から米国のオバマ大統領に、農業が壊滅的な打撃を受けるような政治決断はできない、と伝えている」と答えた。日米の閣僚会談でも、甘利明TPP担当相が同様の主張をしているという。要請には、JA共済連の横井義則理事長、農林中央金庫の河野良雄理事長、全中の冨士重夫専務らが同行した。

*4:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=27335
(日本農業新聞 2014/4/24) TPP反対 子育てママ団結 草の根運動展開 東京都三鷹市
 環太平洋連携協定(TPP)から子どもの未来を守りたい――。東京都三鷹市在住の子育て中のママ6人が、TPP反対を訴えるチームを結成、草の根で抗議活動を続けている。インターネットで輪を広げ、毎週のように勉強会を開いてTPPの問題点を共有、「ママデモ」も展開する。24日の日米首脳会談に向けてオバマ大統領へのメッセージを書いた手作りの横断幕も作成、ママ目線で「反TPP」を訴える。
●子どもの未来 守りたい
 呼び掛けたのは、三鷹市在住のアロマセラピスト、魚住智恵子さん(49)と子育てママたち。TPPの問題は、昨年夏の参院選をきっかけに知り、勉強を始めた。「子どもに安心できる国産の米や肉、野菜を食べさせ続けることができるのか」「政府はなぜ、全て秘密交渉で進めるのか」。知れば知るほど、疑問が湧いてきた。メンバーの多くが子育て中ということもあり、食に関心が高く、「子どもの未来を思えば、無関心でいられない」と行動を起こした。「女性は出産を通して、命の重みを日々感じながら生きている。TPPは食や医療、雇用など命に直結する」と魚住さん。早速、インターネットで問題を発信。市民グループが主催する反TPPの官邸前デモなど抗議行動にも参加し、講師を呼んで勉強を重ねた。3月末には都内で初の「ママデモ」を開催。ネットなどを通じて女性を中心に500人が集まり、「政治は私たちの問題」「子どもを守ろう」などと訴えた。家事と子育て、仕事の合間を縫って行動するため、メンバーの睡眠時間は数時間。それでもめげない。2児の母親、杢大(もくだい)美根子さん(41)は「子どものことを考えたら、TPPを推進する政府に黙ってなんかいられない。寝る間なんて惜しくない。子どもの未来のためにという一点で女性は一つになれる」と思いは熱い。女性こそ、TPPにもっと関心を知ってほしいと呼び掛ける。日米首脳会談を控え、最大のヤマ場となる今週は、仕事を休んで東京・永田町の首相官邸前や議員会館前に集合、抗議行動を展開する。横断幕には、オバマ大統領のイラスト付きで「日本の母親の力でTPPを蹴散らしたい」と英文のメッセージを添えた。2児の母、廣岡彩さん(31)は「怖い顔で反対と訴えるだけでなく、生活のいろいろな問題にTPPが関わっている事実を思いを込めて伝えたい。米国ルールの押し付けは日本の母親が許さない」と声を張り上げる。


PS(2014.4.25追加):当然のことではあったが、*5のようにアメリカのオバマ大統領が、尖閣が条約適用の対象だと明言されたことで、尖閣に関する安堵感が大きくなった。現在、尖閣諸島は、沖縄県石垣市に所属するため、石垣市が、灯台や漁船・観光船の休憩地となる港を作ったらよいのではないかと思う。離島は風力発電に向いているため、船も電動船にすれば、燃油高騰を気にせず安価な燃料で漁に出ることができるし、尖閣諸島の住所は、南小島:沖縄県石垣市登野城2390、北小島:同2391、魚釣島:同2392、久場島:同2393、大正島:同2394(国有地)なのだから・・。

   
      尖閣諸島            電動船          離島の風力発電
*5:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014042502000137.html 【東京新聞社説 2014年4月25日】 <日米首脳会談>尖閣「安保」適用 対中信頼醸成に力点を
 日米首脳会談でオバマ大統領は、沖縄県の尖閣諸島を日米安全保障条約第五条の適用対象だと明言した。中国の海洋進出をけん制する狙いだろうが、対中関係は信頼醸成にこそ、力点を置くべきだ。大統領は首脳会談後の記者会見で「日本の施政下にある領土、尖閣も含めて安保条約第五条の適用対象となる」と述べた。尖閣が条約適用の対象だと明言した米大統領はオバマ氏が初めてだという。同条約第五条は「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃」に「共通の危険に対処するように行動する」ことを定める。尖閣諸島は日本が有効に支配しており、侵攻時に米軍が出動するのは条約上の義務だ。オバマ氏の発言は、当然の内容である。にもかかわらず、歴代の米大統領は安保条約の適用対象だと明言することを避けてきた。領有権をめぐる二国間対立には関与しないという米国の外交政策に加え、経済などで相互依存関係を強める中国との間で無用な摩擦を起こしたくなかったのだろう。オバマ氏はシリアやウクライナ問題で、外交姿勢が弱腰と批判されている。東シナ海や南シナ海での中国による「力による現状変更の試み」はこれ以上許さないと、尖閣問題では強い姿勢を示す必要があると判断したようだ。環太平洋連携協定(TPP)交渉で日本の譲歩を引き出すため、安全保障政策を重視する安倍晋三首相に配慮したのかもしれない。ただ中国は、尖閣対象発言への反発を強めている。日本と極東地域の平和と安全を守るための安保条約が逆に、地域の緊張を高めることになっては本末転倒だ。大統領は尖閣対象発言の一方、首相との会談で「事態がエスカレートし続けるのは正しくない。日中は信頼醸成措置をとるべきだ」との立場を鮮明にした。当然のことをあえて確認して中国の反発を招くよりも、どうやって信頼関係を築くのかに知恵を絞った方が建設的だ。首相は会談で「集団的自衛権の行使」の容認に向けた検討状況を説明し、大統領は「歓迎し、支持する」と述べたという。集団的自衛権の問題は国論を二分する大問題である。米大統領の支持という「外圧」を、憲法改正手続きを無視した「解釈改憲」の正当化に悪用してはならない。


PS(2014.4.26追加):*6の「聖域守れねば脱退が筋」という主張はもっともで、北海道新聞は堂々と正論を書く点が評価できる。

*6:http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/535710.html
(北海道新聞社説 4月26日) TPP合意せず 聖域守れねば脱退が筋だ
 環太平洋連携協定(TPP)交渉をめぐる日米協議は、安倍晋三首相とオバマ米大統領との首脳会談後も続行する異例の展開となったが、結局、大筋合意には至らなかった。米国は牛肉と豚肉の関税を撤廃か大幅削減することを求めていたもようだ。牛肉・豚肉は、衆参両院の農林水産委員会が段階的な関税撤廃も認めないと決議した聖域の重要5農産物に含まれる。わずかでも関税を残せば守ったことになるといった言い訳は通らない。拒否して当然だ。国会決議は聖域が確保できない場合、脱退も辞さないとしている。交渉の出発点となった約束を忘れてはならない。安全保障を人質に強硬に譲歩を迫る米国との交渉は困難さを増している。政府は妥結ありきではなく、毅然(きぜん)たる態度を貫くべきだ。両国が合意を見送ったことで、交渉全体の遅延を懸念する声も上がっているが、国民にとって、むしろ停滞は望ましい。TPPの交渉内容は秘密にされている。国民に中身を伝えずに、首脳会談などの節目をとらえて妥結を急ぐやり方は、目隠しをして前進を促すようなものだ。この機会にいったん立ち止まり、交渉の経緯を振り返って、TPPが抱える問題点をじっくり検証する必要がある。
◇あまりに強引な米国
 そもそも、日本政府の見通しは甘かった。最初から、米国には聖域に配慮する考えなどなかったと言わざるを得ない。昨年2月の日米首脳会談で「聖域なき関税撤廃が前提ではない」ことが確認できたとして、首相はTPP交渉参加を決断した。ところが、米国の対応はあまりに強硬だった。関連業界が安易な妥協を認めず、11月に中間選挙を控えた米議会もオバマ大統領に通商交渉権限を与えようとしない。議会などを説得するため、米政府は目に見える成果をなりふり構わず追求した。要求の中には、一定台数の米国車をそのまま日本に輸出できるように、日本の安全基準を緩和するものまであったという。これでは、もはや通商交渉とは呼べず、ほとんど米国車の押し売りに等しい。日米共同声明には「2国間の重要な課題について前進する道筋を特定した」と記された。筋違いの要求をのまされ、聖域を危うくするような道筋だとしたら、断じて容認できない。
◇秘密主義は通らない
 通商交渉のたびに、日本の農産物が焦点とされ、自由化に抵抗する過保護でわがままな農家や農協といった批判が繰り返される。だが、このような紋切り型の見方は、TPPの問題を矮小(わいしょう)化してしまう。TPPは経済に限らず、環境、医療、労働などさまざまな分野にかかわり、社会や暮らしのありようを変える可能性をはらむ。例えば、医療関係者は、米製薬会社が医薬品を高く売ることができるように、米国が日本の薬価算定ルールの変更を要求してくることを懸念している。医薬品が高騰すれば、健康保険財政を圧迫し、国民皆保険を弱体化させる要因となりかねない。政府は守秘義務を盾に、根拠も示さず、ただ「国民皆保険を守る」と言うだけだ。聖域さえ守り通す保証がないのに、こんな言い分をうのみにはできない。
◇不公平の疑念拭えぬ
 TPPの目的は、関税を原則として全廃した上で、企業活動や投資をしやすくする統一ルールを設定することにある。国有企業への優遇策は撤廃を目指す。投資先の国の政策変更で損害を被った企業が、相手国を訴えることができるISDS条項も用意されている。これは大企業、とりわけ国境を越えて事業を展開する米国などの多国籍企業に好都合な仕組みと言える。多国間で貿易・通商の共通ルールをつくる試みは重要だとしても、当然ながら、その中身と決め方は公平であるべきだ。米国の基準に合わせ、各国・各地域の文化、伝統に根ざした制度や慣行を「非関税障壁」と決めつけて踏みにじるものであってはならない。こうした弊害を避け、公正さを担保する前提は、情報の公開と民主的な合意形成だ。TPPにはこれが決定的に欠けている。生活全般に影響を及ぼす協定の内容が、批准の時まで国民に隠されるというのは異常だ。日米同盟強化の名の下に、国民の未来に不安をもたらすならば、受け入れるわけにはいかない。

| 環太平洋連携協定(TPP)::2012.11~ | 08:18 PM | comments (x) | trackback (x) |

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