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2014.6.13 “改革”の名に値しない邪魔者排除目的の提言を繰り返していては、(バブルではない)本当の経済成長率上昇や利益率上昇はできない
   
    2014.6.11日経新聞より               2014.6.13日経新聞より

(1)“農協改革”提言の裏側
 *1-1に書かれているように、「組合員を動員してTPPに反対したり、原発再稼動を阻止したり、気に入らないことをするから、その組織を廃止する」というのが、農協改革提言の裏側らしい。しかし、私がこのブログで何度も書いたとおり、TPP反対や原発再稼動阻止は、農協の方が的を得た指摘をしており、食料を生産する者として当然の態度であるとともに、他のTPP関連産業、食料の消費者、原発周辺住民にとっては心強い味方だった。

 また、*1-1の「旧食管制度のもとで政府に高値でコメを買いとらせるため米価闘争で圧力をかけた」というのは、2005年以前の農水省や国会議員が、それしか思いつかず、選挙にも利用していたためだ。そう言える理由は、①農地の集約 ②転作 ③農産物のブランド化 ④農産物の加工販売 などを骨子とする2007年改革は、私が最初の提案者であり、衆議院議員に当選した2005年から佐賀県の農協を廻ってそういう話をし、佐賀県では農協を中心として先頭きってそういう改革を進めていたが、自民党内の西川公也氏を始めとする旧来型の農林族に押し戻され、佐賀県内では「猫の目行政」と言われた経緯があるからだ。つまり、リーダーであるべき農水省や国会議員が、旧来型の延長ではなく、実態に即し時代に合った有意な農業政策を作ってアドバイスできていれば、農業が停滞することはなかったのだ。

 なお、*1-1には、「高齢化と農業就業人口減少で、日本の政治を揺さぶる農村票も、自民党の票田としてかつての勢いはなく、すでに虚像だ」とも書かれているが、このような見方は浅薄で冷酷である。規模を拡大する方法で豊かな農家や農業を作るためには、一定の農業就業人口の減少は必要であり、今は高齢化してこれまで農業に従事していた人がリタイアし、次世代の担い手に農地を集約していくチャンスであるため、それをやっているのだ。

 つまり、今回の“農協改革”の提言の裏側には、農業の産業としての発展やそれに伴う農家の幸せ、農業の発展によるわが国の振興を願うのとは異なる下心があるため、改革の名に値しない提言になっているのである。それについては、*1-2のように、実情に詳しい農業新聞がかなり正確な報道をしており、自民党内でも森山裕氏が誠実な対応をされて、軟着陸となった。ゲーム感覚の無責任で冷たい改革もどきに対応するのは、実業を行っている人にとって時間とエネルギーの無駄遣いになるため、“改革”もどきはもう終焉にすべきだ。

(2)あら探しをされたSTAP研究の“改革”提言の異常さ
 *2-1、*2-3のように、これからSTAP細胞の存在を証明しようという疑義の段階で、外部“識者”による“改革”委員会が、STAP研究の舞台である理研の再生医療拠点を廃止し(!)、小保方氏の指導役である笹井芳樹副センター長の辞任も必要だという提言をし、*2-2には、「不正が起きた主因に、iPS細胞研究を凌ぐ画期的な成果を獲得したいとの強い動機があった」と書かれているが、研究者は誰でも、よりよいものを作るために研究しているのであり、そうでなければその研究をする動機はない。これが、過去の判例や外国の模倣、他との同一性ばかりを重視する日本の文系人材と異なり、新しいものを作ってきた理系人材の力の源泉なのである。

 また、理研の再生医療拠点の廃止というのも極端で、*2-1には、「理研の発生・再生科学総合研究センターの廃止後は、理研の発生・再生科学総合研究センターに京都大学iPS細胞研究所と連携するよう求める」と書かれているが、これは、日本の再生医療はiPS細胞を中心とし、その他の方法はiPS細胞の劣後に置くという宣言になり、多くの独立した組織で自由に多様な研究を行うことにより、新技術開発の機会を増やすという理念に反する。(発電における原発に似てきたが、何故だろう)

 確かに、小保方氏が発見したSTAP細胞と笹井氏が作ったES細胞は、遺伝子を挿入していない分だけ、iPS細胞より優れた万能細胞である。そのため、提言の内容から見て、これだけあら探しをした目的は、iPS細胞より優れた万能細胞の開発を遅らせるかやめさせるという結論ありきだったのではないかと思う。しかし、このようなことをしていれば、せっかく世界の中でも進んでいた日本の再生医療分野で、有望な研究をつぶし、日本が遅れることは明らかだ。そのため、これも、“改革”の名を借りた利己主義の追及であり、このようなことに優秀な研究者の時間とエネルギーを空費させるのは、日本の損失にほかならず、これで(本物の)高い経済成長率や高い利益率など望めるわけがないのである。

(3)頑張った人にペナルティーを与える国は、発展しない
 *3の「年収1000万円以上を対象に労働時間の規制を外し、それも専門職に限定」「職種は職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者」というのは、日本を、頑張る人にはペナルティーを課す国にしてしまい、国を発展させない。

 ホワイトカラーの場合は、流れ作業で組み立てを行う工場労働者と異なり、労働時間と成果が比例しない。極端な例では、知識と経験が豊富なベテラン税理士が、顧客の質問に対して5分もかからずにその場で解答できることを、新人税理士が、税法や過去の税務調査事例を調べて税務署に確認し、途中でお茶も飲んで、5時間かかって解答したとすると、労働基準法により時間で残業手当をつければ、ベテラン税理士の答えの方が確かで喜ばれるにもかかわらず、新人税理士の方が60倍も報酬が高くなるというパラドックスが起こる。これは、営業職や一般事務職でも、程度の差こそあれ、起こっていることだ。

 そのため、このようなホワイトカラーの仕事における問題の解決策は、年収の下限を決めて「ホワイトカラー・エグゼンプション」を導入することではなく、工場労働者を念頭に作られた労働基準法を改正し、「残業代の請求の仕方は会社が決め、適切な残業代の請求を行うよう社員を指導することを就業規則に記載すれば、その就業規則が合理的で違法でない限り認める」とする条項を入れることである。なお、「少なくとも1000万円以上の収入」という下限は、1000万円以上の収入を得ている人は、管理職や裁量度の高い職種であって、今でも残業手当はもらっていないため、あまり意味がない。

*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140612&ng=DGKDASFS0401R_Z00C14A6EA1000 (日経新聞 2014.6.12) JA全中、衰える「政治力」 、政府・与党、権限縮小を決定 TPP反対で政権と溝
 政府・与党が検討している農協改革で、全国農業協同組合中央会(JA全中)の見直しが焦点になっている。この組織にメスを入れることで、農業はどう変わるのか。コメや野菜を売り、農家に肥料を提供する現場の農協は全国に約700ある。こうした農協の経営を指導する役割を担っているのが中央会だ。県ごとの組織と、全国団体のJA全中がある。政府・与党はJA全中の役割を縮小するが、組織を残す方針は固めている。新たな組織の役割をどうするかは未定だ。これに先立ち、規制改革会議は中央会制度の廃止を提言していた。農協が独自性を発揮できるようにするのが目的だ。その背景には「画一的に指導している」とのイメージがある。結論から言えばこれは“虚像”だ。「飼料米を大幅に増産するよう各農協に頼んだが、ダメだった」。関東地方のある県の中央会の担当者はため息をつく。主食用のコメの生産を減らして米価を維持しようとしたが、まともに協力する農協はなかった。こうした状況はほかの地域でもほぼ共通だ。
●組合員を動員
 ではなぜ、規制改革会議は「中央会が現場の独自性を抑えている」と思ったのか。JA全中の幹部は「政策要求のために組合員を大量に動員する姿が、実態以上に力を強く見せているのではないか」と話す。ここに問題の核心がある。農協経営に強引に口出しする力はない。だが数を頼りに政治に働きかけるときは力をふるう。その象徴が、旧食糧管理制度のもとで政府に高値でコメを買いとらせるために圧力をかけた「米価闘争」。最近では安倍政権が重要課題とする環太平洋経済連携協定(TPP)への反対運動だ。5月18日、羽田空港。「JAは文句ばかりで礼の一つも言えないのか」。シンガポールでのTPP閣僚会合に向かう自民党の西川公也TPP対策委員長は、偶然会ったJA全中の万歳章会長に怒りをぶつけた。市場開放と農業保護のはざまでぎりぎりの交渉を続ける政府・与党に、反対ばかりを唱えるJA全中へのいら立ちが広がった。そして出した答えが「TPP交渉と農協改革をセットで進める」。標的となったのが、TPP反対の旗をふり続けるJA全中だった。この対立の構図をさかのぼると、コメ市場の部分開放を決めた1993年のガット・ウルグアイ・ラウンドにたどり着く。「あのころから農政と農協の方針がずれるようになった」。JA全中からこんな声が漏れる。ウルグアイ・ラウンドをきっかけに政府がつくったのが、有望な農家に政策の助成を集中する制度だ。国際競争力のある農家を育てるのが目的だったが、規模の小さい兼業農家を組合員に抱える農協は抵抗し続けた。
●高齢化など響く
 両者の対立はときに激しい形で表面化する。農林水産省は小規模農家を助成対象から外す制度を2007年に始めた。だが農協と農林関係議員の猛烈な巻き返しで、規模で選別する仕組みはすぐに姿を消した。零細農家を守るあまり、農業の衰退を招く皮肉な結果だ。一方、綱引きのカゲで政治と農協の関係も変化した。その転機は1996年の小選挙区制の導入だ。同じ選挙区に複数の議員がいた中選挙区制とは違い、農協の後押しだけで当選することは難しくなった。民主党政権下では農家の戸別所得補償になびき、自民党との関係はさらに悪化した。高齢化による農家の引退も影響した。農業就業人口は240万人と、ピークの6分の1。自民党の票田としてかつての勢いはない。「日本の政治を揺さぶる農村票」も、すでに虚像だ。中央会の見直しが、ついに論議の対象になった背景にはこうした事情がある。政府・与党の方針により、JA全中は役割を変えて存続はできる。だが政治を動かす力は今後ますます弱まるだろう。自民党ベテラン議員は「これから農相を務めるひとは楽になる」と話す。

*1-2:http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=28194
(日本農業新聞 2014/6/11) JA、農委、農業生産法人 与党改革案を決定
 自民党と公明党は10日、JAや農業委員会、農業生産法人の改革案「農協・農業委員会等に関する改革の推進について」を決めた。自民党案に公明党の考えを盛り込んだ。11日の政府の規制改革会議農業ワーキンググループ(WG)に与党案として示し、同会議が13日にまとめる答申に反映させる。自民党は10日、「新農政における農協の役割に関する検討プロジェクトチーム(PT)」(森山裕座長)と「農業委員会・農業生産法人に関する検討PT」(西川公也座長)の合同会議を9日に引き続いて開き、改革案を検討した。全議員が参加できる議論の機会が少なかったことなどから「反対」の声も上がったが、齋藤健農林部会長が「明日のWGでわれわれの意見をぶつけないと、(WGの)提案がそのまま答申になる」として了承を求め、農林幹部への対応一任を取り付けた。これを受け、森山、西川両PT座長は公明党の石田祝稔農林水産部会長、稲津久同部会長代理と協議。改革案について与党間で合意した。与党のJA改革案は、規制改革会議が求めた急進的な案に対し、JAグループの自主的な判断を尊重したことが特徴。最大の焦点だった農協法上の中央会制度については「新たな制度に移行する」としたが、具体的な在り方はJAグループ内の組織討議も踏まえて結論を得ることにした。ただ森山氏は10日の会合後、新たな組織について「農協法上で位置付けていく」との考えを記者団にあらためて示した。同会議は、与党案を踏まえて13日にJAなどの改革を含む規制改革案を決め、安倍晋三首相に答申。政府が月内にまとめる新たな成長戦略にも盛り込む段取りだ。
[解説] 自主的な判断尊重
 自民・公明両党が決めたJA改革案は、規制改革会議の急進的な案を押し戻し、JAグループの自主的な判断を尊重したのが最大の特徴だ。それだけに、JAグループにはこれまで以上に踏み込んだ抜本的な自主改革が求められる。また改革案には「玉虫色」(自民党農林幹部)の部分もある。農協法の改正案提出に向け、中央会制度の廃止などの議論が再燃する可能性もあり、予断を許さない状況が続く。与党の改革案は、規制改革会議が廃止を求めた農協法上の中央会制度について、JAグループの組織討議も踏まえて「新たな制度に移行する」とした。JAが民間団体であることを考慮し、自ら改革を進めるよう促した格好だ。同会議が提起した「農林中金への信用事業の移管」については、各JAで判断できる「選択制」とした。JA全農の株式会社化や、JA厚生連の病院の社会医療法人への転換なども「可能」としたが、あくまで自主的に判断する。ここが、画一的・強制的な同会議の案と大きく異なる点だ。JAグループは3月に自己改革案「営農・経済革新プラン」を発表したが、政府・与党内には「踏み込み不足」「具体性に欠ける」との指摘がある。「今回の与党案はJAにとってラストチャンス。これでも自己改革できなければ、強制するしかない」(別の自民党農林幹部)との声もある。与党案は、来年1月の次期通常国会に関連法案を提出する考えも明記した。現行の農協法上の中央会制度から移行する「新たな制度」の具体的な在り方を含め、JAグループは組織討議を急ぐことも求められる。ただ今回の与党案には「いかようにも読める」(政府関係者)曖昧な部分がある。安倍晋三首相は9日の参院決算委員会でJA改革について「抜本的見直しを図っていく」と語るなど強い意欲を見せる。農協法改正に向けた議論の中では、あらためて急進的なJA改革を求める声が高まる可能性もある。政府には、実態を踏まえてまとめた与党案を尊重し、与党と一体で改革を進めることが求められる。自民党内には、少数の農林幹部だけで改革案を決めたとの批判がくすぶる。改革案の実効性を確保するには、今後の丁寧な説明で幅広い理解を得る必要もある。
●女性や青年積極登用を 公明党
 公明党は10日、与党としてまとめた改革案を政調全体会議で報告し、党内の了承を得た。最終的な案には、同党が求めた農業委員会への女性や青年の積極的な登用を盛り込んだ。政府の規制改革会議が13日に行う答申の素案が示された段階で、自民・公明両党は再び対応を協議する方針だ。
●変更なく政府案に 自民農林幹部 農相に要請
 自民党農林幹部は10日、東京・霞が関の農水省で林芳正農相に対し、農業改革に関する要請を行った。同日取りまとめた与党案に沿った内容で、政府が農業改革を決定するよう求めた。要請に訪れたのは、同党の中谷元農林水産戦略調査会長、齋藤健農林部会長、農業基本政策検討PTの宮腰光寛座長、新農政における農協の役割に関する検討PTの森山裕座長の4人。与党の改革案「農協・農業委員会等に関する改革の推進について」を林農相に手渡した。森山座長らは「(与党案から)変更がないように、その精神がきちんと生かされる形に、政府でまとめてほしい」と要請した。林農相は、与党案を踏まえ農業の成長産業化に対応していく意向を示したという。中谷会長は「農協も時代の流れに対応していかなければならない」と指摘。与党案について「今の時代に必要な変革という観点で非常に良い提言」と語り、政府の最終決定への反映を求めた。
●自己改革まとめ急ぐ 全中会長
 JA全中は10日、与党がJAなどの改革案をまとめたことを受け「組合員・組織の自らの意思に基づく農協改革の考え方を早急に取りまとめ、責任を持って事業を展開していく覚悟である」とする萬歳章会長の談話を発表した。萬歳会長は改革案について、JAグループの要請を踏まえ与党議員らが取りまとめたものとして評価。自己改革を後押しするものと受け止め、営農・経済事業の革新や新たな中央会制度の在り方などを検討、実行する考えを示した。

*2-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140612&ng=DGKDASGG1101H_R10C14A6MM8000
(日経新聞 2014.6.12) 理研の再生医療拠点を廃止、提言へ 改革委 STAP研究の舞台
 STAP細胞の論文を巡る問題で、理化学研究所が設置した外部識者による改革委員会(岸輝雄委員長)が、小保方晴子研究ユニットリーダーの所属する理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市、CDB)の廃止を提言に盛り込むことが11日、分かった。研究内容を一新し、再生医療の研究を続ける場合は京都大学iPS細胞研究所(山中伸弥所長)と連携するよう求める。提言は12日午後発表する。提言を受け、理研は同センターの廃止を含めた組織改革を検討する。同センターは2000年に設立。所属する研究者らは約500人で、あらゆる臓器になる万能細胞など再生医療の研究を主に手がける。研究者の多くが任期付きで雇用され、小保方氏は11年4月から所属している。STAP細胞の研究は小保方氏ら同センターが中心となって進めた。改革委は論文の不正が起きた原因について、小保方氏だけの責任ではなく同センターの組織的な問題があると指摘。廃止を含めた組織の大幅な見直しが欠かせないと結論付けた。廃止に伴って、竹市雅俊センター長や小保方氏の指導役である笹井芳樹副センター長の辞任も必要だとした。同センターの廃止後は研究内容を見直したうえで、新しいセンターの設立を求める。新センターが再生医療を続ける場合は、名称の変更や理研の他のセンターと合併することなどが欠かせないとした。ただし、世界初のiPS細胞による臨床研究を進める同センターの高橋政代プロジェクトリーダーらが研究を継続できるよう雇用の維持を提言する。提言では理研本部の責任も指摘。現在、研究やコンプライアンスを担当する理事を交代するなど責任を明確にするよう要求する。

*2-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140613&ng=DGKDASGG1201Z_S4A610C1EA2000
(日経新聞 2014.6.13) STAP拠点、年内解体 理研改革委提言、 笹井氏ら4人辞任を
 STAP細胞論文の研究不正を受け、外部有識者による理化学研究所の改革委員会(岸輝雄委員長)は12日、再発防止策を盛り込んだ提言を発表した。STAP研究の舞台になった理研発生・再生科学総合研究センター(神戸市、CDB)を遅くとも年内までに解体するよう求めた。竹市雅俊センター長、笹井芳樹副センター長、西川伸一顧問、相沢慎一顧問の4人の辞任も促した。小保方晴子研究ユニットリーダーについては、「研究不正行為は重大で極めて厳しい処分がなされるべきだ」と批判したが、理研の懲戒委員会が現在協議しており、処分内容まで踏み込まなかった。野依良治理事長の責任問題には触れなかったが、岸委員長は12日の記者会見で「理事長は(進退について)十分考えるだろう」と語った。今回の提言では理研に「構造的な欠陥」があり、STAP論文の不正を誘発して抑止できなかったと指摘した。不正が起きた主因に「iPS細胞研究をしのぐ画期的な成果を獲得したいとの強い動機があった」をあげた。京都大学の山中伸弥教授が世界で初めてiPS細胞を作製して以降、再生医療を巡る予算の獲得競争は激しい。日本の再生医療を引っ張ってきたCDBは「組織ぐるみ」で未熟な研究者の成果に疑いの目を向けず、論文として世に送り出したとみている。改革委の責任追及はCDBだけにとどまらない。科学技術立国のもとに加速器やスーパーコンピューター、遺伝子解析装置などあらゆる最新鋭機器を備え「肥大化した」理研本体にも向けられた。改革委は「責任の自覚の欠如と、希薄さがうかがえる」として、理研の管理体制の変更を求めた。今後は企業経営者らで構成する経営会議を理研内に立ち上げ、予算の執行や教育で理事会に助言をしていくべきだと提言。理事の人選にも関与させることを求めた。STAP細胞の有無を明らかにする再現実験にも注文をつけた。理研が4月から実施している検証手法ではなく、小保方氏の作製法に沿って実験をすべきだとしている。改革委は論文不正認定後の4月、理研の野依理事長の指示で発足した。研究不正の専門家や弁護士ら6人で構成し、不正再発防止策を計11回にわたって議論してきた。改革委の提言をどこまで理研が早急に実行していくかが今後の焦点になる。野依理事長は12日、「研究不正を抑止するために実効性あるアクションプランを策定し、具体的な実行に移していく」とのコメントを発表した。

*2-3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140612&ng=DGKDASDG1104R_R10C14A6CR8000 (日経新聞 2014.6.12) ES細胞の遺伝子か STAP論文、新たな疑義
 理化学研究所が発表したSTAP細胞の論文で、新たな疑義が生じていることが11日、分かった。論文に掲載されたSTAP細胞の遺伝子情報を理研に所属する別の研究者が調べたところ、胚性幹細胞(ES細胞)という別の万能細胞の遺伝子である可能性が高いという。論文自体は撤回される見込みだが、STAP細胞の存在を疑う新たな結果といえそうだ。調べたのは、理研統合生命医科学研究センター(横浜市)の遠藤高帆上級研究員ら。インターネット上に公開しているSTAP細胞の遺伝子情報を分析したところ、細胞に含まれる8番目の染色体が通常は2本のはずだが、「トリソミー」という3本になる異常な状態だった。トリソミーになると、受精卵が成長してマウスの子として生まれてくるのは難しい。論文ではSTAP細胞は生後間もないマウスから作製したとしている。トリソミーはES細胞を長期間培養すると起きやすく、ES細胞をSTAP細胞と間違えた可能性もあるという。理研広報室は「把握していない。今後についても(調査するかどうか)コメントできない」としている。

*3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140612&ng=DGKDASDF1100V_R10C14A6MM8000 (日経新聞 2014.6.12) 年収 最低1000万円以上を対象に 労働時間の規制外す 専門職限定、関係閣僚が合意
 政府は11日、労働時間規制の適用を外し、働いた時間ではなく成果に応じた給与をもらう働き方の対象者について、年収基準を「少なくとも1000万円以上」とし、専門職に限定することを決めた。改革が進まなかった労働規制に風穴があくが、今後の具体策しだいで対象者が極めて限られる可能性もある。甘利明経済財政・再生相や田村憲久厚生労働相ら関係4閣僚が月末にまとめる成長戦略に明記することで合意した。2015年の通常国会に労働基準法の改正案を提出。16年春の施行を目指す。1日8時間、週40時間という労働時間規制を外す「ホワイトカラー・エグゼンプション」と呼ぶ仕組みを導入する。長時間働いても給与は変わらないので効率的に働く効果を期待している。4閣僚の協議では対象を高収入の専門職に限ることで一致したが、年収の下限は「少なくとも1000万円以上」という表現にとどめ、具体的な金額設定は先送りした。職種は「職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者」とした。年収額を含む具体的な制度設計は労働政策審議会(厚労相の諮問機関)に委ねる。

| 経済・雇用::2013.7~2014.6 | 12:16 PM | comments (x) | trackback (x) |

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