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2014.6.21 女性の労働市場への参入促進に伴って起こった「産めよ増やせよ論」の稚拙さ (2014年6月24日追加あり)
   
        世界の出生率              日本の県別出生率

(1)「産めよ増やせよ」論が出てくる理由
 *1のように、新しい成長戦略に女性の活用が入ったのはよかったのだが、女性が働きやすい社会を作るため保育所や学童保育の受入拡充に取り組もうとして少子化を理由としたら、*3-1のように「16道府県が出生率・数で目標値を設定し、独自の少子化対策を作った」とか、*3-2のように「佐賀県が『企業子宝率』を調査し、従業員が育てる子どもの割合が高い事業所を『モデル企業』に認定する」など、「産めよ増やせよ」論が多くなり、最初に意図したのとは全く異なる政策になった。

 このような雰囲気の中で出たのが、*4-1の東京都議会で晩婚化・晩産化対策について質問した女性都議に対し、「お前が早く結婚すればいいじゃないか」「産めないのか」という男性都議からのヤジである。少し前に、柳沢厚労大臣が「女性は産む機械」と述べて批判を浴びたが、このような価値観が横行ししている限り、労働市場で女性が気持よく働き、男性と同様に管理職に昇進していくことはできない。そのため、これは、なくすべき女性差別の価値観であり、*4-3に書かれているとおり、うやむやにせず徹底して再発防止を行うべきである。

 なお、*4-2の西日本新聞の女性記者の記事には、「働く母親を増やしたいなら、乳幼児の急病やけがにも対応できる保育所を増やして、保育料も無料にすればいい。新聞社でも働くママが増えた。急に発熱した子どもを預ける先に苦労する先輩。保育所に入れず、母親に毎日赤ちゃんを預けて出勤する先輩。定期的に遠方の両親に泊まり込みの手伝いに来てもらう先輩。何とか家族や職場の協力を得て、必死に働いても、多額の保育料が家計を圧迫する」という事実が書かれており、そのとおりだ。

 しかし、「国や自治体は『それでも働け』というのなら、女性や家族、職場の努力に報いる何らかのメリットを提示すべきだ」としているのは、少し前までは「それがいやなら、さっさとやめろ」という態度だったので、国や自治体が「何とかするから、頑張って働け」と言う態度になったのは、相当の進歩なのである。

(2)リプロダクティブ・ヘルス・ライツは世界女性会議で採択された人権である
 *5-1に書かれているように、すべてのカップルや個人は、子どもを持つか持たないか、また子どもの数、出産間隔、出産時期を自由に決定できる権利を有し、これは、1995年に北京で開催された世界女性会議で、リプロダクティブ・ヘルス・ライツとして採択された。

 現在、*5-2のように、世界の国・地域別の合計特殊出生率(2005-2010年)を見ると、ニジェール 7.15人を1位として、46位のコモロ 4.00人までが、4人以上である。ここは、アフリカ、イスラム圏など、乳児死亡率が高く、女性の識字率や社会における地位が低く、女性には、安全で満ち足りた性生活を営み、子どもを持つか持たないか、何人持つかを決める選択権が与えられていない地域だ。日本で言えば、戦前・戦中の状況である。

 また、47位のサモア3.99人から100位のバングラデシュ 2.36人までの間も、女性の学歴や識字率が低く、子どもを持つか持たないか、また何人持つかを自分で決められる選択肢が与えられていない地域が多い。日本で言えば、戦後すぐくらいの状況だ。

 それ以降は、123位に先進国であるアメリカ合衆国 2.09人が現われるが、アメリカの出生率が高いのは移民の出生率が高いからだと言われている。そして、129位 ニュージーランド2.02人 、137位ノルウェー1.89人、138位フランス 1.89人、140位スウェーデン1.87人、144位イギリス1.84人、145位デンマーク 1.84人、146位オーストラリア1.83人と2人前後の先進国が出てくる。日本も、戦後しばらく、家族計画における産児制限で、子どもは2人を標準としていた。

 さらに下がって、179位イタリア1.38人、180位ロシア1.37人、184位ドイツ 1.32人がくる。そして、196カ国中の190位に日本1.27人、193位に韓国1.22人がある。つまり、女性の教育レベルが上がり、女性がいろいろな選択肢を持つようになったにもかかわらず、育児サポートが乏しく、選択肢を持つ女性に昔ながらの家事・育児を押し付ければ、婚姻率が下がったり、DINKSが増えたりして、少子化するということなのである。

(3)2020年までに女性管理職の比率を2倍にと言う世界企業アクセンチュアと女性課長30%で日本は滅ぶとする日本の経営者向け雑誌記事の違いがすべてを物語っている
 *2-1のように、多様性が大切だとして、世界企業のアクセンチュアは、2020年までに日本における女性管理職の比率を2倍にするとともに、女性従業員の比率を35%程度にまで上昇させるそうだ。日本は国際的にみて管理職従事者に占める女性の比率が低く、同社では、ジェンダー(性別)で区別する発想を排し、多様性を受容した組織作りを標榜する考え方をとるが、それでも日本は世界の他地域と比較して最下位だそうだ。そして、これは、ビッグ4で働いていた私の経験と一致している。

 一方、*2-2のPRESIDENTでは、安倍首相が「2020年までに、指導的地位にいる人の3割を、女性にする」と発言したが、ある住宅設備メーカーでは「①女性管理職30%を達成しようにも、女性社員が全体で2割もいない」とか、金融業で「②昇進審査では『女性枠』というものが存在しており、逆差別ではないか」「③現在、女性管理職の約7割に子どもがいない」「④子どもを産み育てる環境が不備なまま、性急に登用を促進すれば、少子化にますます拍車がかかる」等々、できない理由を列挙している。

 しかし、①については、そもそも住宅設備メーカーに女性社員が全体で2割もいないのがおかしく、これまで男性本位で男性に下駄を履かせた採用をしてきたことがわかるため、その突破口として「2020年までに指導的地位にいる人の3割を女性にする」という目標は有用だと考える。

 また、②についても、金融業で女性管理職が少ないのは、雇用で女性差別をしてきたからで、「2020年までに指導的地位にいる人の3割を女性にする」という目標は、その突破口になるため、これまでのやり方すべてを見直し、2020年までに指導的地位にいる人の3割を女性にすることを目標にすれば、多様性を維持して本当のニーズを把握し、本物の成長率や利益率を上げるためのKeyになると思われる。

 さらに、③については、だからこそ速やかに保育所や学童保育を整備すべきなのであり、④については、(2)に書いた理由で歴史を逆に回そうとする本末転倒の主張だ。

<成長戦略に入った女性労働力の活用>
*1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20140611&ng=DGKDZO72561700R10C14A6EA2000 (日経新聞 2014.6.11)女性や技術、生かす成長戦略 首相「日本経済を一変」
 政府の産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)は10日、新しい成長戦略の骨子案を発表した。重点を置いたのは、日本がまだ生かし切れていない潜在力の活用だ。重要な働き手として期待する女性が仕事しやすくなる環境を整えるほか、日本が強みを持つ技術開発をさらに促す仕組みをつくることなどを柱に据えた。政府は月末のとりまとめに向け最終調整に入る。女性が働きやすい仕組みづくりでは、育児の負担を軽くするため、放課後に学校などに児童を預けられる学童保育の受け入れ枠の拡充に取り組む。現在の受け入れ枠は全国で約90万人だが、2019年度末までに30万人分を増やす計画だ。女性が働く意欲をそぐと批判がある配偶者控除など、税・社会保障制度の見直しの検討も進める。首相は同会議のしめくくりで「日本経済が一変するとのメッセージを強力に打ち出していくためにも、骨太な政策に絞り込んでまとめていただきたい」と指示した。法人税の実効税率の引き下げなどを念頭に「残された論点は難しいものばかりが残っているが、大胆に決断し、実行に移していきたい」とも力説した。

<労働市場における女性差別>
*2-1:http://japan.zdnet.com/cio/analysis/35045076/ (ZDNet Japan 大川淳 2014年3月11日) 多様性が大事--アクセンチュア、2020年までに女性管理職の比率を2倍に
 アクセンチュアは3月10日、“ジェンダー・ダイバーシティ”への取り組みを発表、2020年までに女性管理職の比率を現在の2倍にするとともに、将来は女性従業員の比率を35%程度にまで上昇させる。日本は国際的にみて管理的職業従事者に占める女性の比率が低く、同社では、この問題を日本社会全体の課題ととらえ、社内で積極的に女性が活躍する場を広げるとともに、対外的にもさまざまな提言や活動をしていく方針だ。ジェンダー・ダイバーシティは、ジェンダー(性別)で区別するという発想を排し、多様性を受容した組織作りを標榜する考え方であり、企業などでの女性従業員の数を増やし、管理職や役員にも女性を登用することなどを求めている。アクセンチュアの場合、女性従業員は約1000人であり、この10年ほどで2.5倍になったという。同社によれば、2007年の時点で既婚の女性従業員は約2割、子どもがいる女性従業員は10%未満、時短勤務利用者は6人、女性マネジングディレクター(部長相当職)は2人だったが、2014年には既婚の女性従業員は約4割、子どもがいる女性従業員は20%以上、時短勤務利用者は80人以上、女性のマネジングディレクターは10人以上になっている。同社は世界規模で事業展開しているが、日本オフィスの女性比率は年々増加しているとはいえ、他の地域と比較すると最下位という。1位は中国、2位は東南アジア諸国連合(ASEAN)、3位はカナダで、いずれも40%以上だ。ワースト3は、13位のドイツ、オーストリア、スイス、14位の韓国、20%で15位の日本となっており、全世界での平均は36%だった。管理的職業従事者に占める女性比率(出典:データブック国際労働比較2012)は、フィリピンが52.7%、米国が43%、フランスが38.7%、オーストラリアが36.7%、英国が35.7%などである一方、日本は11.9%、韓国は9.4%だ。アクセンチュアは2006年に「Japan Women's Initiatives」を立ち上げ、女性が働きやすい環境の構築に取り組んできた。代表取締役社長の程近智氏は「女性が活躍できる場を広げ深めるため、さまざま支援策を講じており、女性向けプロフェッショナル研修、子育てと仕事の両立を支援する制度などを設けている。この7年間ほどでかなり進化していると考えている。実際、女性従業員の数が増えているが、世界的にみれば当社でも日本は(女性進出の水準が)最下位という状況であり、早くワースト3から脱したい」と話す。同社は、ジェンダー・ダイバーシティ推進のため、日本を含む世界32カ国のビジネスパーソン4100人に2013年11月に独自に調査した(男女の比率は50%ずつで、日本人の回答者は100人)。その結果、日本は世界で最もダイバーシティについての意識が低いことが浮き彫りになった。「自分のキャリアを構築する上で最も重要なものは何か」との問いへの回答では、グローバルと日本とも「特定の職域で専門性や知識を深めること」(グローバル67%、日本52%)だったが、これに次ぐのは、グローバルでは「組織内でのネットワーキング」であったのに対し、日本では「政治的な調整・擦り合わせ」の41%だった(グローバルでは19%)。「2020年までに女性取締役メンバーの比率は増えると思うか減ると思うか」との問いに「増える」との回答は日本では35%で、米国の65%、ドイツの64%、中国の62%などに比べ極めて低い。「2020年までに女性のCEO(最高経営責任者)は増えると思うか減ると思うか」との質問に「増える」と回答したのは日本では29%。米国では66%、ドイツは64%、中国は62%だった。全従業員に占める女性の比率をみると日本は42.2%であり、フランスの47.5%、米国の47.2%、英国の46.5%、ドイツの46.1%、シンガポールの43.6%などと比較して、それほど大きな差があるわけではない。この状況について同社執行役員 インクルージョン&ダイバーシティ統括 兼 金融サービス本部マネジングディレクターの堀江章子氏は「女性の活用を積極化しようとの掛け声があっても、日本では単に人数だけ増えれば良しとするような風潮があるのでは。女性だけが従事するような仕事を作るのではなく、男性と同じ仕事を女性も担うようにしなければならない」と述べ、女性と仕事に対する旧弊の意識を変えるべきではないかと主張する。今回、女性の社会進出について日本は後進国であるとの実態を物語る数値を明らかにしたアクセンチュア自体、同社の世界各国の拠点と比べ女性従業員の比率は最下位であり、国内状況の一つの縮図ということになったわけだ。この問題で日本全体が諸外国の水準に近づくのには、相当の時間がかかりそうだ。

*2-2:http://president.jp/articles/-/12707
(PRESIDENT Online  2014年6月3日) 
●2020年、女性課長30%達成で日本は滅ぶのか
 女性社員を役員や管理職に登用する動きが企業に広がっている。三井住友銀行やみずほ銀行で初の女性執行役員が誕生したほか、野村信託銀行では初の女性社長、大和証券グループ本社でも生え抜きの女性取締役が誕生した。役員だけではない。イオングループは現在10%の女性管理職比率を2016年までに30%、2020年までに50%にする計画を発表。NKSJホールディングスもグループで3.4%の比率を2015年度末に10%、2020年度末に30%にする目標を掲げている。こうした女性登用ラッシュの背景にあるのは昨年4月、安倍首相が経済界に対して行った以下の要請だ。<「2020年30%」の政府目標の達成に向けて、全上場企業において積極的に役員・管理職に女性を登用する。まずは役員に1人は女性を登用する>つまり、2020年までに課長職以上の女性比率を30%にしなさいというものだ。そしてこの数値目標は昨年6月に閣議決定した成長戦略にも盛り込まれ、いわば国家目標になった。その趣旨は少子高齢化による労働力人口が減少する中で潜在的資源である女性の力を、経済成長を支える原動力にしようというものだ。それはそれで結構なことであるが、果たして30%達成は可能なのか。2013年の民間企業の課長相当職以上の女性比率は7.5%にすぎない。20年までの7年間に2.5倍以上に引き上げなければならない。客観的に見ても無理筋な数値としか思えない。それでも安倍首相はやる気なのだろう。今年1月の世界経済フォーラム会議(ダボス会議)でも「2020年までに、指導的地位にいる人の3割を、女性にします」と発言。世界に大見得を切った。そして昨年から今年にかけて全省庁を挙げて目標達成に向けた政策の実施や企業への働きかけを強化している。
●今春入社の女性が6年後、"全員"課長になれる会社
 それを受けて経団連や各企業はこぞって女性比率の計画数値を公表し、登用に力を入れている。だが、無理矢理、数合わせのために目標を達成しても必ず弊害が発生する。すでに企業の現場では問題も発生している。ある住宅設備メーカーの人事課長は「経営トップは女性管理職を増やせと言っているが、30%を達成しようにも女性社員が全体で2割もいない。課長手前の係長も5%しかおらず、全員を課長に上げても足りない。すでに女性の課長候補者のほとんどは昇進させたために、課長手前の女性社員の空洞化も発生している」と語る。また、職場では不穏な空気も流れていると語るのは金融業の人事課長だ。「昇進審査では『女性枠』というものが存在している。本来は課長にふさわしい経験と能力があるかを審査するが、女性に関しては『女性の割には優秀だよね』といった視点で昇進させる。本来なら選ばれないのに、下駄を履かせて昇進させていることが職場にも伝わり、逆差別ではないかという声もある」。これでは女性もいい迷惑である。本来、課長になるべき女性が昇進しても、同僚や部下から色眼鏡で見られることになり、仕事もやりにくいだろう。もともと女性社員が少ない建設業はもっと深刻だ。人事課長は「トップの意向で史上最年少の女性課長を誕生させたが、2段跳びの昇格だった。といっても部下を率いる課長ではなく、部下なしの専門職課長だ。正直言ってマネジメント能力はないが、部下なし課長に上げている女性は多い」と語る。このまま行けば今年入社した女性を2020年には課長にしなければ間に合わないという嘆く人事担当者もいる。経営トップの意向で数値目標が目的化した昇進が続くと上司と部下の信頼関係が崩れ、当然、業務に支障を来し、生産性が低下することになりかねない。現在、多くの企業は「名プレイヤーイコール名監督ならず」の考えのもとで、管理職にふさわしいリーダーシップや部下の育成など経験と能力を持つ「マネジメントのプロ」の育成に注力している最中だ。そんな矢先にたいした基準も設けず、促成で女性管理職を無理矢理増やすようなことをやっていると、企業の発展どころか成長を阻害することになってしまう。
●女性管理職“促成”で周囲のやる気↓少子化↑
 もう一つ、女性は男性に比べて課長以上に昇進したい人が少ないという事実も忘れてはならない。一般従業員に課長以上の昇進希望があるかを聞いたところ、男性は59.8%があると答えたが、女性は10.9%にすぎない(独立行政法人労働政策研究・研修機構調査)。その理由で最も多かったのは「仕事と家庭の両立が困難になる」というものだ。これに関して大手事務機器メーカーの女性人事課長は「女性社員は男性と同じようにバリバリ仕事をしたいという上昇志向の女性もいるが、給与があがらなくてもいいからほどほどの仕事をしたい人、管理職になりたいが出産・育児の両立は無理と諦めている3タイプがいる。管理職と育児の両立が無理と考えている女性に前を向いてもらうには、長時間労働慣行や男性社員の理解がないと進まない」と指摘する。女性の登用の前に企業が取り組むべき課題は、出産・子育てを機に辞めさせない環境整備と子育てによるキャリアのブランクをフォローすることだ。たとえば在宅勤務などの制度面の改善や多様な働き方ができる働く場のインフラの整備。そして最後に何より大事なことは、女性はもちろん男性の意識を含めたカルチャーを変えていくことが必要だ。こうした仕組みを地道に改善していくことなく、性急に女性登用を進めてしまうと、単に企業の生産性の低下だけではすまない事態になる可能性もある。現在、女性管理職の約7割に子どもがいないという事実をご存知だろうか。その理由は未婚であるとか、結婚しても子どもを産み育てにくいといった様々な事情もあるだろう。仕事か子どもかの選択を迫られて子どもを諦めた人も多いのではないか。子どもを産み育てる環境が不備なまま、性急に登用を促進すれば、少子化にますます拍車がかかることになりかねない。もちろん、安倍首相は仕事と子育ての両立支援の拡充も要請しているが、2つが同時に功を奏するかどうかはわからない。それにしても企業や経営者が一斉に女性登用に血道を上げている姿を見ると、お上の意向に逆らえない体質や業界横並びの行動が依然として続いていることに驚かざるを得ない。仮に2020年に女性の管理職比率30%を達成したとしても、経済成長どころか、促成登用のひずみや少子化の影響で取り返しのつかない事態になっていなければいいのだが。日本銀行の異次元緩和によるインフレ政策の帰結と同様に“女性管理職インフレ”政策もアベノミクスの帰趨に大きく影響することは間違いない。

<出生数目標から「産めよ増やせよ論」へ>
*3-1:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/67037 (佐賀新聞 2014年5月24日) 16道府県が出生率・数で目標値、16道府県が出生率・数で目標値、独自の少子化対策
 47都道府県のうち宮城、兵庫など約3分の1の16道府県が独自の少子化対策として、合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)や出生数の数値目標を設定していることが24日、共同通信の調べで分かった。いずれも期限を決め、少子化への危機感や取り組み効果を理由に挙げた。政府は「個人への押し付け」との世論の反発を懸念し、出生に関する数値目標の設定を見送っており、都道府県との温度差が浮かび上がった。目標達成のため婚活支援や若者向けセミナーなどの事業も行われている。このほか福島、新潟、富山は数値の上昇を目指すとしているが、具体的な値は示していない。三重は「何かしらの目標が必要」として夏にも県民を交え、数値目標の是非を検討する。16道府県のうち、出生率のみの目標を示しているのは山形(2016年度までに1・70)、静岡(17年度に2・0)、佐賀(17年に1・71)など12道県。このうち大分は「14年度中に全国5位以内」を掲げる。年間の出生数のみを目標にしたのは京都(14年から5年で2千人増加)など3府県。秋田は「17年に1・45、年間6100人」と出生率と出生数の両方だ。16道府県は、目標を設定した当時に判明していた実績を基準に、それを維持するか、あるいは上回る数値としている。設定の理由は「危機感から」(兵庫)、「取り組むなら今。数字には効果がある」(佐賀)、「緊張感を持てる」(宮崎)、「知事の選挙公約だった」(山形)など。一方、設定していない都府県は「結婚・出産は一人一人の価値観や人生観。社会が強制するものではない」(東京)、「施策の内容こそ深く議論すべきだ。『産めよ増やせよ』というメッセージにもつながりかねない」(和歌山)などの見解だった。調査は5月中旬、都道府県の少子化対策の担当課に電話で実施した。

*3-2:http://qbiz.jp/article/40135/1/
(佐賀新聞 2014年6月19日) 佐賀県が「企業子宝率」調査へ 従業員が育てる子どもの平均数
 佐賀県は本年度、従業員やその配偶者が、在職中に恵まれる子宝の数を示す「企業子宝率」の調査に乗り出す。子どもの割合が高い事業所を「モデル企業」に認定し、子育て支援の取り組みを紹介する。子育て環境の改善を促すのが目的で、識者からは「民間の支援充実を後押しする」と評価する声や「出産への圧力になる」と危ぶむ意見など、賛否両論が上がっている。こども未来課によると、企業子宝率は、男女を問わず、従業員が在職中に育てる子どもの平均数。1人の女性が生涯に産む子どもの平均数「合計特殊出生率」とほぼ同じ計算方法を使い、事業所ごとに割り出す。従業員の年齢と子どもの人数、年齢を尋ね、5歳刻みの年齢構成を基に将来の子ども数も見込む。内閣府男女共同参画会議の前専門委員の渥美由喜氏が考案し、福井県が渥美氏と2011年度に調査を始めた際に「企業子宝率」と打ち出した。その後、静岡県も採用、三重県や鳥取県も導入予定という。佐賀県は本年度の一般会計予算案に関連経費648万円を盛り込み、開会中の6月県議会に提案。県の子育て施策などに関わった経験がある事業所を中心に、従業員10人以上の約1200事業所に9月にもアンケート用紙を郵送し、任意で回答を求める。子宝率が高かった企業には子育て支援の取り組みをさらに調査し、県の広報誌で紹介する。ただ、支援制度が充実している事業所に子どもが多いとは限らず、出産を望まない家庭や、望んでも子どもを授からない家庭もある。和田光平・中央大教授(人口学)は「企業の社会的責任を問う指標ではあるが、人権の観点で『出産の押し付けになる』という批判は免れない。支援制度の充実度を数値化した方がいいのでは」と指摘。増田雅暢・岡山県立大教授(社会保障論)は「企業の子育て支援へのインセンティブ(動機づけ)になる」と一定の評価をしつつも「子育て環境は、両親の協力があるかや保育所が整備されているかなど幅広く測る必要があり、企業の取り組みだけで評価するのは一面的だ」と疑問視する。県の事業は少子化対策「418(しあわせいっぱい)プロジェクト」の一環。17年の出生見込み数が418人増えれば、県内の合計特殊出生率(12年は1・61)が0・1上がるという。

<東京都議会での「産めないのか」発言>
*4-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11199494.html
(朝日新聞 2014年6月20日) 都議会に批判1000件超 女性議員へ「産めないのか」発言
 東京都議会で晩婚化や晩産化の対策について質問した塩村文夏(あやか)都議(35)が、「自分が早く結婚すればいい」と男性都議からヤジを飛ばされた。ウェブ上で「セクハラだ」と議論が高まり、都議会には1千件を超す批判が殺到した。最大会派の自民は、発言者を特定せず幕引きを図ろうとしている。
■ヤジの議場、知事も笑み
 「議会の品位をおとしめるヤジは無いよう注意して欲しい」。各会派の全女性都議25人は19日、吉野利明議長に申し入れた。塩村氏が所属するみんなの党は19日、発言者の処分を求める申入書を議長あてに出す方針を決定。発言者が不明のままの場合、録画映像の音声から声紋分析する準備も進めている。問題のヤジがあったのは18日の都議会。晩産化について質問した塩村氏に「お前が早く結婚すればいいじゃないか」「産めないのか」とヤジが相次いだ。議場に笑い声が広がるなか、働く女性の支援を掲げる舛添要一知事も笑みを浮かべ、塩村氏は議席に戻ってハンカチで涙をぬぐった。塩村氏は自身のツイッターに「心ない野次の連続」と投稿。翌19日までに約2万回のリツイート(転載)が広がり、「企業なら懲戒処分だ」「都議会は、女性の社会進出と言っているが、結局は建前だけ」などの声が相次いだ。19日、塩村氏は「同調するように面白おかしく取る方たちがいた。不妊で悩む人の顔も浮かんだ」と声を落とした。みんなの党は、ヤジが「自民の席から聞こえた」と抗議。自民の吉原修幹事長は「自民の議員が述べた確証はない。会派で不規則発言は慎むように話す」と述べるにとどまり、発言者を特定しない意向を明らかにした。ツイッターで「うやむやにするつもりか」と批判した都教育委員で作家の乙武洋匡さんは「今回のヤジはおもてなしと正反対。本当にこの街で五輪を開催できるのか」と述べた。
■女性蔑視発言で国政選挙落選も
 都議会での議員の発言については、会議規則で「騒ぎその他議事の妨害となる言動をしてはならない」と定めているが、セクハラ発言については「罰則はない」(議会事務局)という。一方、傍聴人がヤジを飛ばすことは規則で禁じられ、違反すれば議長の命令で議場外に連れ出される。政治家の女性蔑視発言では、2003年に太田誠一衆院議員が早大サークルの強姦(ごうかん)事件で「集団レイプする人は元気があるからいい」と発言し、07年には柳沢伯夫厚生労働相が「女性は産む機械」と述べて批判を浴びた。いずれも次の国政選挙で落選した。
■18日の一般質問の経緯
 塩村氏は18日の一般質問で、割り当てられた時間の半分を出産や不妊に悩む女性の問題にあてた。「不妊治療を受ける女性のサポートを都は手厚くすべきだ」。そう訴えると、左前方の自民都議らが座る一角から、「お前が早く結婚すればいいじゃないか」「産めないのか」などとヤジが相次いだ。塩村氏が声を詰まらせながら質問を続けると、「おい、動揺しちゃったじゃねえか」と別のヤジも飛んだ。

*4-2:http://qbiz.jp/article/40199/1/
(西日本新聞 2014年6月20日) 産めよ増やせよ預けよ働けよ納税せよ
 ついでに「年金はあてにするな」というところか。注文の多い国だなあ、とつくづく思う。政府が配偶者控除の廃止・縮小を議論している。働く女性を増やして労働力を確保し、経済活性化につなげようという狙いだが、一緒に法人税減税なども推し進めているものだから、違和感がぬぐえない。経済成長は確かに重要だろうが、その恩恵が国民に等しく降り注ぐのは、一体いつになるのか。そもそも恩恵自体あるのか。分かりやすい成果や規制緩和を求めて急ぎすぎているのではないか。そもそも働く母親を増やしたいなら、乳幼児の急病やけがにも対応できる保育所を増やして、保育料も無料にすればいい。新聞社でも働くママが増えた。急に発熱した子どもを預ける先に苦労する先輩。保育所に入れず、母親に毎日赤ちゃんを預けて出勤する先輩。定期的に遠方の両親に泊まり込みの手伝いに来てもらう先輩。何とか家族や職場の協力を得て、必死に働いても、多額の保育料が家計を圧迫する。お金がすべてを解決するわけではないが、国や自治体は「それでも働け」というのならば、女性や家族、職場の努力に報いる何らかのメリットを提示すべきだ。18日の東京都議会で、女性議員が妊娠、出産や妊娠、不妊治療への支援について一般質問をしていた際に、男性議員から「早く結婚しろ」「子供もいないのに」などのヤジが飛んだとしてニュースになった。少子化問題をちゃかすだけの議員がいて、子どもを抱えて働く女性がいる。未婚で子どももいない私が言うとまたヤジが飛ぶのかもしれないが、それでもまだ、女性にもっと努力しろって言うんですかね?

*4-3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11201315.html
(朝日新聞社説 2014年6月21日) 都議会の暴言 うやむやは許されぬ
 議場が公の場であることをわきまえず、汚いヤジを飛ばして恥じることがない。名乗り出る潔さすら、持ち合わせない。そんな人が首都の議会にいるとは情けない。東京都議会の本会議。塩村文夏(あやか)議員が、東京は全国でとびぬけて晩婚晩産だと指摘し、妊娠・出産・育児に悩む女性への支援の充実を訴えていた。そこへ、男の声で「早く結婚した方がいいんじゃないか」などとヤジが飛んだ。塩村氏が絶句すると、議場に冷笑が広がった。暴言の出どころと疑われた会派の幹部は「臆測で言われても困る」と、発言者を特定せずに幕を引こうとしている。発言そのものも、事後の対応も、二重三重に罪深い。まず、少子化は、子どもを産み育てることを難しくしている社会構造の問題だ。それを、ヤジの主は「あなたが産めば解決する」と個人の問題にすりかえた。世の女性ひとりひとりに「あなたが産まないのが悪い」とメッセージを送ったに等しい。晩婚や晩産は男女双方の問題であるのは当然だが、そういう認識もまるで感じられない。この無理解こそ、既婚の女性に仕事か子どもかの二者択一を迫り、未婚の女性に結婚をためらわせる元凶ではないか。このまま発言者を特定もせずにうやむやにすれば、議会として暴言を許容したことになる。不心得な議員が一部にいたという話にとどまらなくなる。議員たちは選挙を通じて住民らに選ばれた代表である。その姿勢は、世の中の空気を映していると受け取られる。妊娠や出産の悩みを語ったり支援を求めたりすると、こんな仕打ちにあうのか――。職場や家庭で悩みを抱えている女性たちを、そんなふうに萎縮させる。そして、社会の難題の解決をますます遅れさせる。それがなにより罪深い。猪瀬直樹前知事のカネの疑惑の際は、あれほど厳しく「都民をなめるな」「自らえりをただせ」と迫った都議会である。自浄作用を働かせることを強く求めたい。塩村氏のツイッターへの投稿は、1日のうちに約2万回もリツイート(転載)され、全国に怒りが燃え広がった。ふつうの生活者の怒りが目に見える時代になった。あっという間に議員たちを取り囲んだ。救いはそこにある。これを教訓に、公に発言する責任の重さを全国の一人でも多くの議員にかみしめてもらいたい。

<出生率と文化度>
*5-1:http://fathering.jp/repro/about_repro.html
<要点のみ>
 リプロダクティブ・ヘルスは、安全で満ち足りた性生活を営み、子どもを持つか持たないか、いつ持つか、何人持つかを決める自由を持つことである。また、リプロダクティブ・ライツとは、すべてのカップルや個人が、自分たちの子どもの数、出産間隔、出産時期を自由に決定でき、そのための情報と手段を得ることができる人権であり、1995年、北京で開催された第4回世界女性会議で採択文章に明記された。

*5-2:http://ja.wikipedia.org/wiki/ (国及び地域別合計特殊出生率順位 2005-2010年)
順位 国及び地域 特殊出生率   世界の平均 2.56
1 ニジェール 7.15 、2 アフガニスタン 6.63 、3 東ティモール 6.53 、4 ソマリア 6.40 、5 ウガンダ 6.38 、6 チャド 6.20 、7 コンゴ民主共和国 6.07 、8 ブルキナファソ 5.94 、9 ザンビア 5.87 、10 アンゴラ 5.79 、11 ギニアビサウ 5.73 、12 マラウイ 5.59 、13 タンザニア 5.58 、14 マリ 5.49 、15 ベナン 5.48 、16 ギニア 5.45 、17 ルワンダ 5.43 、18 エチオピア 5.38 、19 赤道ギニア 5.36 、20 ナイジェリア 5.32 、21 イエメン 5.30 、22 シエラレオネ 5.22 、23 リベリア 5.14 、24 モザンビーク 5.11 、25 ガンビア 5.10 、26 パレスチナ 5.09 、27 セネガル 5.04 、28 ケニア 4.96 、29 中央アフリカ 4.85 、30 マダガスカル 4.78 、31 エリトリア 4.68 、32 カメルーン 4.67 、33 ブルンジ 4.66 、34 コートジボワール 4.65 、35 モーリタニア 4.52 、36 コンゴ共和国 4.41 、37 ガーナ 4.31 、38 トーゴ 4.30 、39 スーダン 4.23 、40 グアテマラ 4.15 、41 イラク 4.11 、42 パプアニューギニア 4.10 、43 トンガ 4.05 、44 パキスタン 4.00 、45 バヌアツ 4.00 、46 コモロ 4.00 、
47 サモア 3.99 、48 ジブチ 3.95 、49 ソロモン諸島 3.92 、50 サントメ・プリンシペ 3.85 、51 ミクロネシア連邦 3.62 、52 スワジランド 3.57 、53 ハイチ 3.55 、54 ラオス 3.54 、55 ボリビア 3.50 、56 ジンバブエ 3.47 、57 タジキスタン 3.45 、58 ナミビア 3.40 、59 レソト 3.37 、60 ガボン 3.35 、61 ホンジュラス 3.31 、62 シリア 3.29 、63 フランス領ギアナ 3.27 、64 サウジアラビア 3.17 、65 マヨット(フランス) 3.15 、66 ヨルダン 3.13 、67 フィリピン 3.11 、68 オマーン 3.09 、69 パラグアイ 3.08 、70 カンボジア 2.96 、71 ネパール 2.94 、72 ベリーズ 2.94 、73 ボツワナ 2.90 、74 エジプト 2.89 、75 イスラエル 2.81 、76 カーボベルデ 2.76 、77 インド 2.76 、78 ニカラグア 2.76 、79 フィジー 2.75 、80 リビア 2.72 、81 西サハラ 2.70 、82 ブータン 2.68 、83 ドミニカ共和国 2.67 、84 ペルー 2.60 、85 マレーシア 2.58 、86 エクアドル 2.58 、87 キルギス 2.56 、88 パナマ 2.56 、89 南アフリカ共和国 2.55 、90 ベネズエラ 2.55 、91 グアム 2.54 、92 トルクメニスタン 2.50 、93 コロンビア 2.45 、94 レユニオン(フランス) 2.44 、95 カタール 2.43 、96 スリナム 2.42 、97 ジャマイカ 2.40 、98 アルジェリア 2.38 、99 モロッコ 2.38 、100 バングラデシュ 2.36 、
101 エルサルバドル 2.35 、102 ガイアナ 2.33 、103 スリランカ 2.33 、104 ミャンマー 2.32 、105 カザフスタン 2.31 、106 グレナダ 2.30 、107 バーレーン 2.29 、108 ウズベキスタン 2.29 、109 アルゼンチン 2.25 、110 メキシコ 2.21 、111 フランス領ポリネシア 2.21 、112 インドネシア 2.19 、113 クウェート 2.18 、114 アゼルバイジャン 2.16 、115 アメリカ領ヴァージン諸島 2.15 、116 セントビンセント・グレナディーン 2.13 117 トルコ 2.13 、118 ウルグアイ 2.12 、119 グアドループ(フランス) 2.11 、120 ブルネイ 2.11 、121 アイスランド 2.10 、122 ニューカレドニア(フランス) 2.10 、123 アメリカ合衆国 2.09 、124 ベトナム 2.08 、125 モルディブ 2.06 、126 セントルシア 2.05 、127 バハマ 2.02 、128、 モンゴル 2.02 、129 ニュージーランド 2.02 、130 アンティル 1.98 、131 コスタリカ 1.96 、132 アイルランド 1.96 、133 アラブ首長国連邦 1.95 134 チリ 1.94 、135 マルティニーク(フランス) 1.91 、136 ブラジル 1.90 、137 ノルウェー 1.89 、138 フランス 1.89 、139 アルバニア 1.87 、140 スウェーデン 1.87 、141 北朝鮮 1.86 、142 レバノン 1.86 、143 チュニジア 1.86 、144 イギリス 1.84 、145 デンマーク 1.84 、146 オーストラリア 1.83 、147 イラン 1.83 、148 プエルトリコ(アメリカ) 1.83 、149 フィンランド 1.83 、150 タイ 1.81 、151 モーリシャス 1.78 、152 ベルギー 1.77 、153 中華人民共和国 1.77 、154 アルバ(オランダ) 1.74 155 オランダ 1.74 、156 アルメニア 1.74 、157 ルクセンブルク 1.66 、158 エストニア 1.64 、159 モンテネグロ 1.64 、160 トリニダード・トバゴ 1.64 、161 セルビア 1.62 、162 グルジア 1.58 、163 カナダ 1.57 、164 バルバドス 1.53 、165 キプロス 1.52 、166 モルドバ 1.50 、167 キューバ 1.50 、168 スイス 1.45 、169 マケドニア 1.44 、170 スペイン 1.43 、171 クロアチア 1.42 、172 チャンネル諸島[3](英王室領) 1.42 、173 チェコ 1.41 、174 ブルガリア 1.40 、175 ラトビア 1.40 、176 オーストリア 1.38 、177 ポルトガル 1.38 、178 ギリシャ 1.38 、179 イタリア 1.38 、180 ロシア 1.37 、181 スロベニア 1.36 、182 ハンガリー 1.35 、183 リトアニア 1.34 、184 ドイツ 1.32 、185 ルーマニア 1.32 、186 ウクライナ 1.31 、187 ベラルーシ 1.28 、188 スロバキア 1.28 、189 シンガポール 1.27 、190 日本 1.27 、191 ポーランド 1.27 、192 マルタ 1.26 、193 大韓民国 1.22 、194 ボスニア・ヘルツェゴビナ 1.21 、195 香港(中華人民共和国) 1.02 、196 マカオ(中華人民共和国) 0.95


PS(2014年6月24日追加):東京都議会のセクハラやじのうち、「早く結婚した方がいい」と言った鈴木都議は、「結婚できない人への配慮が足りなかった」と謝罪しているが、結婚するか否か、また、いつするかは個人の自由であるため謝罪の仕方が不十分だ。つまり、大きなお世話なのである。独身の国会議員は防衛大臣、環境大臣などを歴任された小池百合子さんはじめ、自民党の女性国会議員にも多い。
 また、「まずは自分が産めよ」「子どもを産めないのか」「子どももいないのに」というやじには、誰も名乗り出ていないが、該当するのは、安倍首相夫妻はじめ、自民党政調会長の高市早苗さんなど多数おり、総務会長の野田聖子さんも少しひっかかる。つまり、「子どもがいない」「子どもを産めない」から半人前などということはないのに、頬かむりしていればそれで通ると考えているところが始末が悪いのである。

*6:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10202/77098
(佐賀新聞 2014年6月24日) 都議のやじ声紋分析、音源精査へ、別の発言者、特定難航も
 東京都議会のセクハラやじ問題で、被害に遭った塩村文夏都議(35)が所属するみんなの党の会派は24日までに、鈴木章浩都議(51)以外のやじ発言者を声紋分析で特定するため、業者と相談しながら音源を精査する意向を固めた。ただ、発言に不明瞭なところもあり、分析には難航も予想されるという。同会派の両角穣幹事長は「自ら名乗り出てほしいと思う。それが難しいなら各会派がしっかり調査してほしい」と話している。同会派によると、議会局から提供を受けた一般質問の映像・音声データには、鈴木都議の「早く結婚した方がいい」という声は明瞭に残っていたが、ほかの「産めないのか」などのやじは、一部だけ聞こえたり、ほかの音でかき消されたりしていた。塩村都議が20日に議長宛てに提出を試み、不受理になった処分要求書では、鈴木都議が発言した結婚に関するやじのほか「まずは自分が産めよ」「子どもを産めないのか」「子どももいないのに」といった言葉もあったという。

| 男女平等::2013.12~2014.6 | 06:37 PM | comments (x) | trackback (x) |

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