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2014.12.11 それでは、原発交付金がなくなったら、原発立地自治体はどうすればよいのか?   ←  玄海町、唐津市、佐賀県のアジアでの位置と産業創出の事例から (2014年12月15日、16日、18日に追加あり)
  
日韓トンネルの進捗状況(日本政府が馬鹿なことばかりやってカネと時間を浪費している間に)

(1)アジア高速鉄道1万キロ計画に日本はどうかかわるか
 *1に書かれているように、アジアでは高速鉄道計画が実現に向かって動き始め、日本や中国からの売り込み合戦が熱を帯びているそうだ。

 日本が売り込みに成功すればよいと思っているのは私も同じだが、私がここで書きたいのは、日本を、そのアジア高速鉄道1万キロの出発地点にしたいということだ。韓国と北朝鮮の統一が視野に入ってきた現在、日本発のアジア高速鉄道はそれほど遠い夢ではなく、技術はドーバー海峡トンネルなどで既にある。私は、どうせカネを使うなら、このような次に向かって発展性のある投資に使った方が、原発にむやみと交付金をつぎこむよりも、生きたカネの使い方になると考えている。

 なお、韓国では、既に「韓日海底トンネル構想」としてルートの検討も行われており、日本から韓国への最短ルートは、日本側では豊臣秀吉が朝鮮出兵のための基地を作った名護屋(玄海町と唐津市の間に位置する)付近だ。そのため、この近くにアジア高速鉄道の駅ができれば、玄海町、唐津市、佐賀県とも、原発交付金に頼らずにユーラシア大陸と共存しながら産業を発展させることができるようになる。

(2)玄海町・唐津市付近の産業の育成と誘致
   
   *2-2より
     燃料電池車の進捗状況(日本政府は原発に比べて水素燃料に消極的だが)

 *2-1のように、現在、唐津市はコスメティック構想を持ってフランス企業と化粧品産業の拠点を創ろうとしている。この地域は高品質の原料植物を提供できるため、コスメティックバレーのジャメ会長が唐津市を訪れ、ビジネスマッチングに向けて商談を希望するフランス企業のリストを提示したそうで、ジャメ会長は「アメリカ、フランス、日本がリードしているが、中国も急成長を遂げている。日本とは企業だけでなく、大学も含めて専門的な交流を深めていきたい」と述べている。そのため、スピーディに対応して次のステージに繋げるべきである。

 また、*2-2のように、政府は、次世代エコカーの本命とされる燃料電池車の燃料を供給する水素ステーションの規制緩和を行い、その設置コストを半減して、2015年度中に全国100カ所の整備を目指すそうで、セブン―イレブン・ジャパンが来年度からステーションを併設したコンビニエンスストアを出すなど企業の動きも広がってきたそうだ。その上、*2-3のように、現在は水素社会の入り口となっているため、玄海町は、原発の電線を逆に使って自然エネルギーで作られた電力を集め、水素を生成するエネルギー産業を創るのが、このチャンスを活かす道だろう。

 なお、*2-4のように、読売新聞グループは、建設中の仙台工場(宮城県大和町)で、産経新聞社が東北地方で発行する4紙も印刷する合意をしたそうだが、印刷すべき原稿をデジタルデータ化してインターネットやイントラネットで容易に送付できる現在、新聞社の管理部や印刷工場が都市部にある必要はなく、玄海町か西九州自動車道のインターがある北波多に来てもらうべきである。

(3)企業はどういう地域に立地したがるのか
 企業は、法人税が安いことを第一の条件にして、立地地域を選択するわけではない。では、どういう場所を好んで立地を検討するかについては、以下の要素がある。
1)需要のある地域に立地する
 企業は、財・サービスを販売して利益を出すために営業している組織であるため、需要の多い場所に立地するのが、最も合理的な選択となる。また、既存の製品を、販売地域の需要にあわせて進化させるためには、販売地域の近くで優秀な人材を雇用して研究開発を行うのが合理的な選択である。
2)生産コストの安い場所に立地する
 生産コストが販売単価より高ければ、企業は利益を出すことができないため、発展はおろか継続することすらできない。そのため、安価で良質な原材料や労働力を入手しやすい場所に工場を立地させる。
3)その他の経費が安い場所に立地する
 電力、ガスなど、生産に関わる他のコストやインフラの整備状況も考慮して、安価で安定的に入手できる場所を選択する。しかし、アジア諸国に立地した時は、他の要素がまさっていたため、インフラが整備されていなくても自家発電して工場を立地させている。
4)輸送に便利な場所に立地する
 1)~3)のように、販売地域と工場は必ずしも一致しないため、工場でできた製品を安価で確実に販売地域に輸送できる場所に、工場を立地する。
5)教育や生活環境がよい場所に立地する
 企業が立地するためには、他地域から移動してくる人材や現地雇用する労働者がいるため、その要求を満たす教育環境や生活環境が不可欠である。しかし、唐津・玄海地域は、教育に関しては、公立でも既に小中一貫・中高一貫教育となっており、早稲田佐賀中高一貫校も誘致して準備済である。また、生活環境(食品、住居費、海・山・川・田畑などの自然環境へのアクセス)は、都会よりよい。
6)政府が変な規制で制限したり、圧力をかけたりしない場所に立地する
 *2-2のように、政府は、今まで「水素ステーションで7台分の水素しか貯蔵してはいけない」などという規制をしていたわけだが、このように燃料電池車の普及を邪魔する規制があると、高額の研究開発費を使って最初に開発に成功しても、その利益は得られない。そのため、このような政府の妨害がなく、開発のための人材が豊富で、特許権の護られる国で開発することになる。
7)税制
 法人税が安いだけで立地場所を選択する企業はないが、法人税、事業税なども高すぎないことは必要であり、企業誘致したい地方自治体は地方税の優遇を行っている所が多い。
8)その他の要素
 「近くに原発がある」「地震・津波がいつ来るかわからない」などの事故や災害に巻き込まれるリスクも、企業立地には当然加味される。そのため、玄海町は、これを機会に原発をやめ、速やかに使用済核燃料を処分するのが次に繋がる道である。

*1:http://www.asahi.com/articles/ASG9B4HGTG9BUHBI012.html?iref=comtop_6_01 (朝日新聞 ) アジア高速鉄道1万キロ計画始動 日中、売り込みに熱
 アジアで高速鉄道計画が実現へ動き始めた。マレーシアとシンガポールを結ぶ路線は来年にも入札を予定。インドやタイなど、構想段階も含めると計画の総延長は約1万キロに上る。成長するアジアを舞台に、日本や中国などからの売り込み合戦が熱を帯びている。「日本の新幹線は安全なだけではない。時間に忠実に運行していることがすべての強みの原点にある」。マレーシアの首都クアラルンプールで先週開かれた鉄道展示会。講演したJR東日本の小県方樹副会長は、同国の鉄道当局幹部らを前に、こう訴えた。「絶対に落札したい」。小県氏が公言してはばからない、2020年の開業を目指すクアラルンプールとシンガポール間の高速鉄道計画が念頭にあった。約350キロを1時間半で結び、総事業費は400億リンギ(約1兆3千億円)と見込まれている。マレーシア陸上公共交通委員会のカマル最高経営責任者は「来年10~12月には入札ができるだろう」と話す。計画には、中国やフランス、スペインなども関心を寄せる。日本勢はJR東日本、住友商事、三菱重工業などが連携。8月中旬にトップセールスでマレーシアを訪れた太田昭宏国土交通相に各社幹部も同行した。アジアでは、タイ軍事政権が国内2路線の事業を承認。ベトナムではハノイとホーチミン間の一部で部分着工する案が議論されている。インドでも西部のアーメダバードとムンバイ間で着工に向けた調査が進む。米国やブラジルなどにも計画や構想はあるが、経済成長と人口増を背景にアジアに計画が最も集中。各国が売り込みに乗り出す。ただ、日本は07年に開業した台湾に新幹線車両を輸出した以外の実績に乏しい。受注競争を優位に進めるために、車両だけでなく、運行支援や保守・点検も含めてアピールする。アジアの高速鉄道計画をめぐって、攻勢を強めるのが中国だ。今年7月に完成したトルコの高速鉄道の建設に中国企業が参加。雲南省・昆明からラオス、タイを抜けてシンガポールに縦断する総延長3千キロの高速鉄道網を自国主導で建設する構想まで描く。その足がかりとして、財政難のラオスに、7千億円の建設費の融資を検討しているとされる。7月にあったタイ軍事政権との戦略対話でも、タイ国内の高速鉄道網に強い関心を示した。中国企業の建設費は日本の半分ほどとみられ、工期も短い。09年には武漢―広州間(1069キロ)を着工から4年半で開業させた。マレーシアの展示会でJR東日本よりも大きなブースを構えた大手鉄道車両メーカー、中国南車集団の関係者は「価格だけでなく、安全性でも負けない」と話した。
■カギ握る規格争い
 鉄道インフラの輸出で、カギを握るのが、事業の実現可能性などを調べる鉄道コンサルタントだ。日本や中国、欧州では信号や運行管理システムなどの規格が違う。欧州に多いコンサルタントは、欧州の規格に沿った調査をして事業計画を作りあげるため、「その規格で製品を提供する欧州メーカーが有利になる」(鉄道関係者)。先行する欧州勢に対抗して、JR東日本なども鉄道コンサルタント会社を設立。インドやインドネシアの高速鉄道計画で調査業務を受託した。東南アジア諸国連合(ASEAN)は15年に経済共同体の実現を目指す。国境をまたぐ鉄道整備も加速するとみられる。オーストラリア国立大のジェフリー・ウェイド客員研究員は「鉄道網が結ばれれば、規格や運行主体も各国間で統一される可能性がある。受注には各国の総合力が試される」と指摘する。

<産業の育成と誘致>
*2-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10103/129723
(佐賀新聞 2014年11月27日) =ワイドスコープ= 動き出す唐津コスメ構想
■仏の会長県内視察 商談企業31社を提示
 化粧品産業の企業誘致課題
 唐津市に化粧品産業の拠点をつくろうと、フランスの協力を得て進む唐津コスメティック構想。世界最大の化粧品産業集積地コスメティックバレーのマーク・アントワーヌ・ジャメ会長が唐津市を訪れ、ビジネスマッチングに向け、商談を希望するフランス企業のリストを提示した。昨年4月に協力連携協定を結んで以来、初めての具体的な提案だけに、唐津側も「後れを取らないように、積極的に提案したい」と意欲を見せている。11月8日から3日間の日程で行われたジャメ会長の視察には、事務部門トップのジャン・リュック・アンセル事務局長も同行。ジャパン・コスメティックバレー(JCC、事務局・唐津市)の会員企業との意見交換のほか、フランス企業との取引も多い化粧品成分分析会社「ブルーム」(唐津市浜玉町)や東松浦郡玄海町の薬草研究所などを見学した。一番の収穫はコスメバレー側が提示した日本企業との商談を希望するフランス企業31社のリスト。アンセル事務局長はJCC会員企業に「私たちはスピード感のある連携を望んでいる。日本側もできるだけ早く、パートナーとなる企業を示してほしい」と訴えた。今年に入り、駐日フランス大使ら要人の唐津訪問が続いており、行政レベルでは関係を強化。ブルームの山崎信二社長は「フランスにとってコスメは国家プロジェクトだけに、動きが速い。この提案で、唐津の構想も大きな一歩が踏み出せる」と歓迎した。フランス側の言葉の端々から伝わってくるのは業界の競争の激しさ。世界2位LVMH(モエ・ヘネシー-ルイ・ヴィトン)グループ事務総長も務めるジャメ会長は「アメリカ、フランス、日本がリードしているが、中国も急成長を遂げている。日本とは企業だけでなく、大学も含め、専門的な交流を深めていきたい」と述べた。コスメバレーの強みは、世界のトップブランドから中小企業まで約350社が連携し、150の商品開発を進めているという研究部門の充実ぶり。ジャメ会長は、プロジェクトへのJCC会員企業の参加も呼び掛けた。天然原料で成功を収めてきただけに、新商品開発へ未知なる東洋の植物に関心は高く、アンセル事務局長は玄海町の薬草研究所で「ここの薬草は、アンチエイジングに使える研究は始まっているか」などと積極的に質問していた。一方、唐津コスメ構想の目標をアジア市場に向けた製造拠点づくりとすると、現在は浜玉町にブルームと、受託製造会社「トレミー」が並ぶだけで、化粧品産業の企業誘致はこれからの大きな課題。市コスメティック産業推進室の八島大三室長は「フランス側もこちらの対応を注視している。これを機にフランスの取引を増やし、アジアにおけるパートナーとして、ウエートを高めることが将来の企業誘致にもつながる」。信頼関係の構築が次のステージへの一歩となりそうだ。

*2-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141210&ng=DGKKASDF09H0Y_Z01C14A2MM8000 (日経新聞 2014.12.10) 水素スタンド、設置費半減、 燃料電池車の普及へ規制緩和 セブン、コンビニ併設20店
 政府は次世代エコカーの本命とされる燃料電池車の燃料を供給する水素ステーションの規制緩和に乗り出す。建築基準や保安規制の緩和で設置コストを半減する。エネルギー各社などの設置計画を後押しし、2015年度中に全国100カ所の整備を目指す。セブン―イレブン・ジャパンが来年度からステーションを併設したコンビニエンスストアを出すなど、企業の動きも広がってきた。ガソリンスタンドに相当する水素ステーションは圧縮器で水素をタンクに詰め、充填機を通じて燃料電池車に供給する。爆発しやすい水素を取り扱う安全規制が足かせとなり、建設予定も含めて首都圏で26カ所、全国で45カ所にとどまっている。高圧ガス保安法や建築基準法の関連12省令を14~15年度中に見直す。タンクにためる水素を増やせるように、水素の圧縮率を高め、現在は燃料電池車7台分しかためられない1カ所当たりの水素の貯蔵量の上限をなくす。より多くの客を受け入れられ、採算がとりやすくなる。圧縮器の保安検査も簡素化する。安全を考慮して水素の充填機と公道との距離は現在8メートル以上が原則だが4メートル以上にする案が有力。太陽電池で発電した電力を使い、その場で水から水素を生成して充填する簡易版ステーションの建設も許可する方針だ。水素ステーションの建設費は1カ所4億~5億円と欧米の2倍の水準だが、規制緩和で20年ごろに半減を目指す。一般のガソリンスタンドの建設費(1億円程度)の2倍程度で済むようにする。規制緩和は水素ステーション建設を加速させそうだ。セブン―イレブン・ジャパンは岩谷産業と組み、水素ステーションを併設したコンビニを出店する。まず15年秋にも東京都と愛知県の2カ所で開業し、17年度までに20店に広げる。エコカーの利用拠点として集客力を高める。水素ステーションの設置費用は岩谷産業が負担し、同社が運営する。コンビニは24時間営業し、水素ステーションは平日の日中に営業する。岩谷産業はセブンの持つ不動産情報や店舗開発ノウハウを活用して立地条件の良い土地を効率よく探す。交通量の多い郊外の幹線道路沿いを中心に出店していく予定だ。JX日鉱日石エネルギーは15年度末までに全国で40カ所、岩谷産業は20カ所の設置を計画しているが、公道から8メートル離すなどの規制を満たす土地を探すことが難しい。「特に都市部で用地選定が難航している」(JXエネ幹部)という。建設条件の緩和でコストを抑制し適地を見つけやすくなり、計画を前倒しで達成できる可能性がある。燃料電池車はトヨタ自動車が15日に新型車「ミライ」を発売し、15年度中にホンダも商品化する予定。普及には水素インフラの整備が欠かせないため、経済産業省は規制緩和に加え、来年度予算で建設費の3分の2程度を補助する予算110億円を要求している。

*2-3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20141211&ng=DGKKZO80756690Q4A211C1L83000
(日経新聞 2014.12.11) 水素社会実現へ意欲 舛添知事、五輪遺産で外部有識者と意見交換
 東京都の舛添要一知事は10日、2020年の東京五輪のレガシー(遺産)について検討する「レガシー委員会」で外部有識者と意見交換した。水素社会の実現や選手村を中心とした街づくりに関し、内閣府や東京ガス、三井不動産グループの担当者と約1時間にわたって話し合った。舛添知事は冒頭、「東京の街づくりと一体となって五輪を考えないといけない。民間の力と知恵を借りながら、地域の声を集め、街づくりを進める」とあいさつした。同委の次回会合は未定だが、今後も外部有識者を招き、意見交換する計画だ。これに先立ち、舛添知事は同日、東京ガスの千住テクノステーション(東京・荒川)を視察した。都市ガスから水素を作り出す実証試験を見学し、「大会のレガシーとして残れば、大きなエネルギー革命になる」と評価。水素エネルギーの選手村への導入については「夢じゃないなという感じがしている」と述べた。

*2-4:http://qbiz.jp/article/51277/1/
(西日本新聞 2014年12月5日) 読売、産経新聞の印刷受託 来年3月、宮城の工場で
 読売新聞グループ本社は5日、建設中の仙台工場(宮城県大和町)で、産経新聞社が東北地方で発行している4紙を印刷することで合意したと発表した。工場が全面稼働する来年3月から開始する。両社は共同輸送も検討する。印刷を受託するのは産経新聞、サンケイスポーツ、フジサンケイビジネスアイ、競馬エイトの計4紙。仙台工場では、岩手、宮城、山形各県内に配達する読売新聞朝刊やスポーツ報知を印刷する予定で、産経新聞社の分も含めて約20万部となる。読売新聞の仙台工場は東日本大震災で被災し、ことし1月に新工場の建設を始めた。


PS(2014.12.15追加):*3の趣旨には同意するが、今回の衆議院議員選挙は原発が主テーマではなかったため、例えば川内原発再稼働についても、30km圏内の住民や過酷事故で被害が及ぶ範囲の住民が、その地域の同意を不要とした鹿児島県知事をリコールする方法などもあり、このまま再稼働が進むとは限らない。

*3:http://senkyo.mainichi.jp/news/20141215k0000e010417000c.html
(毎日新聞 2014年12月15日) 衆院選:「反原発派の敗北」と独有力誌
 衆院選で自民党が勝利したことについて、ドイツ有力誌シュピーゲル電子版は14日、「反原発派の敗北」として大きく伝えた。ドイツは東京電力福島第1原発事故を受け、2022年末までの「脱原発」を決めている。シュピーゲルは「衆院選での大勝を受け、安倍晋三首相は原発の再稼働をちゅうちょなく進めることができる」と指摘した。一方、世論調査では再稼働に日本の国民の多くが反対しているとして、首相の「原発回帰」の方針は論議を呼んでいると報じた。


PS(2014.12.16追加):西日本新聞の*4の記事は、「①九電は1990年代から地元や国と慎重に調整しながら調査や同意手続きを進めてきた」「②国は、既存原発は新しい基準や審査に基づいて再稼動を認める方針だが、新・増設については依然として定まっていない」などとしているが、①は、慎重に進めた結果、火山や過酷事故の対応も考慮していたとでも言うのだろうか。福島第一原発事故がなくても、立地適正や過酷事故を検討していなければ、「慎重に進めた」という表現は当たらない。また、②は、「新・増設を早くやれ」とでも言いたいのだろうか。それならば、西日本新聞社は、原発立地自治体に移転すればよい。そうでなければ、自分たちは嫌だが、人口の少ない地域の人は原発の被害にあってもよいというメッセージになる。しかし、我が国は、そういう地域で食料生産を行っていることを忘れてはならない。この記事の筆者は、指摘されなければ(されても?)、そのようなことも気がつかないのがレベルが低い。

*4:http://qbiz.jp/article/51891/1/
(西日本新聞 2014年12月16日) 【12月16日】川内原発増設、“幻の決定”(2010年)
 【経済産業省は16日、九州電力の川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)3号機の増設計画について、国の重要電源開発地点に指定した。これにより、出力159万キロワットと国内最大の川内原発3号機増設が決定した。九電は2013年度着工、19年度運転開始を目指す。都内で大畠章宏経産相から指定の通知書を受け取った真部利応九電社長は、記者団に「ようやく増設が決まり感無量。安全第一に工事も運転もやっていく」と話した(2010年12月17日付・西日本新聞朝刊3面から)】
 川内原発3号機増設計画について、九電は1990年代から地元や国と慎重に調整しながら調査や同意手続きを進めてきたが、国が正式に「重要電源開発地点」に指定したことで増設が本決まり。当時の社長が「感無量」と安どした節目だった。あとは原子炉設置変更許可など具体的な建設手続きを進めるだけだったが、翌2011年3月、状況は一変する。東日本大震災と福島第一原発事故を受け、「原発推進」のエネルギー政策は揺らぎ、それまでの決定は事実上白紙となった。国は、既存原発は新しい基準や審査に基づいて再稼動を認める方針だが、新・増設については依然として定まっていない。電力会社が国に毎年提出する「供給計画」でも、九電は川内増設の着工時期や稼働時期を「未定」としたままだ。


PS(2014/12/18追加):*5に、「地方への本社移転に税優遇」という記事があるが、税優遇だけでなく、地方は高齢化先進地域であり、地方の生活や自然環境は都会からでは推測できない。そのため、時代にあった新製品を現場で肌で感じて開発するためには、霞が関等に対応する人員だけを東京営業所に残し、本社・研究開発部・製造部を地方に移転するのが有効な産業は多い。

*5:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS17H6A_X11C14A2MM8000/?dg=1
(日経新聞 2014/12/18) 地方に本社移転、税優遇 社屋投資や転勤で控除、政府・与党 
 政府・与党は17日、企業が本社機能を地方に移転する際、社屋などへの投資額の最大7%を法人税額から差し引けるようにする調整に入った。管理部門など本社機能の移転に伴う社員の転勤などで地方拠点の雇用が増えた場合も、1人あたり最大140万円を税額控除できる。安倍晋三首相が重要政策に掲げる地方創生の目玉として、30日にまとめる来年度の与党税制改正大綱に盛り込む。本社機能の地方移転を進めて雇用を創出するとともに、東京への税収の偏りを修正する。地方からの人口流出を抑え、地方経済の底上げにつなげる狙いだ。国は本社が集中している東京23区などを「移転促進地域」に指定する。三大都市圏などは移転しても税優遇の対象としない「除外地域」とする。移転すれば税優遇を受けられる地域は国や地方自治体が今後、詰める。都道府県は企業誘致をてこ入れする対象地域を決め、市町村とともにどんな業種を誘致するかなどの計画をつくる。計画は国が審査する。新たな税制は移転先のオフィス投資への減税と、移転先での雇用増に合わせた減税措置の2本立てだ。企業が減税の対象となるには、本社拠点を都心から地方に移したり、すでにある地方の拠点を拡充したりするための設備投資や雇用増の計画について、2017年度末までに都道府県から承認を得る必要がある。投資減税では、移転促進地域から本社機能を地方に移す場合、設備投資額の25%を前倒し償却(特別償却)するか、投資額の最大7%の税額控除を受けるかを選べる。移転でなく、地方にある既存の本社機能を拡張する場合も、15%の特別償却か最大4%の税額控除を選べるようにする。控除の上限は法人税額の2割とする。雇用面では、本社機能の地方移転の場合でも、既存の拠点の拡張の場合でも、地方拠点の雇用を増やせば1人あたり50万円を1年限りで法人税額から差し引ける。移転する場合にはさらに、地方拠点で増やした社員1人あたり年30万円の控除を最長3年間受けられる。雇用面の税優遇では、企業は法人全体の雇用者数が前年より5人以上かつ10%以上増えるという条件を満たす必要がある。大企業などが10%増の条件を満たせない場合は、50万円の控除を20万円に減額する。減税の上限は投資減税と雇用減税を合わせて法人税額の3割までとする。例えば、企業が本社機能を移すため、地方の拠点に10億円を投資した場合、税額控除を選べば法人税負担は7000万円軽くなる。地方移転に伴い20人が転勤し、地方拠点で20人を新規雇用すれば、3年間で最大5600万円の控除が得られる。合計で約1億3千万円の税負担軽減となる。

| 原発::2014.10~2015.3 | 10:33 AM | comments (x) | trackback (x) |

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