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2015,01,26, Monday
2015.1.24、25西日本新聞 2014.12.18佐賀新聞 2015.1.26西日本新聞 (1)既に一般的抽象論の時期は終わりだ 佐賀県の山口知事は、支持者の相当の努力で知事に当選したが、*1-1、*1-2のように、「玄海原発を視察して正確な情報開示を要請し、互いの信頼関係を築くため、嘘はつかず、風通しのいい関係で、あらゆる事象に対する危機管理を考えていきたい」という程度の一般論を言っているようでは、原発やその関連団体を知らなすぎて心もとない。何故なら、その程度の一般論は、現在では原発地元でなくても日本中で常識であり、本当はフクシマ以前もそうあるべきだったからである。 また、オフサイトセンター(唐津市)や4号機原子炉格納容器内に入り、福島第1原発事故を受けて策定された新規制基準に基づく過酷事故対策などを確認したとのことだが、私は、①一見しただけで何がわかったか ②どれだけの問題点を指摘できたか ③九電の技術者が自分の予想と異なる答えをした時、自分の知識に照らして議論し正しい判断ができるか が重要な問題点だと考えている。 さらに、視察で移動式大容量ポンプ車、代替緊急時対策所、原子炉建屋の中央制御室・格納容器内の水素再結合装置などの説明を受けたそうだが、どうも反応がのんびりしている。 そして、*1-6のように、松浦火力も川内火力もダウンして停止するような九電の瓜生社長が、「ハード、ソフト両面から原発事故対策を講じている」と述べても、それをまともに信用できるわけがなく、過酷事故時は、どの範囲の住民が、どこへ、どれだけの期間避難し、誰がどう除染すれば元通りに農業・水産業・製造業・サービス業などを行えるのか、そのためのコストは誰がどう負担するのかを考えておかなければ、原発再稼働などという話には到底ならない筈である。 なお、*1-3に書かれているように、九電玄海原発の過酷事故を想定した佐賀、長崎、福岡3県合同の原子力防災訓練が5000人の参加で行われたものの、この参加者は原発30キロ圏に住む約27万人のごく一部であり、さらに30キロ圏内だけが被曝するわけではないことは、既にフクシマ原発事故で証明済だ。そして、そのギャップを新しい安全神話で埋めるのはやめるべきである。 一方、原発で利益を受けていない一般市民は、*1-4のように、原発再稼働に反対して国と九電に玄海原発全4基の操業停止を求めて佐賀地裁に提訴しており、水俣病被害者団体代表の大石さんが、「これ以上、公害被害者を出してはいけない」と訴えたそうだ。水俣病問題では、今でも国や企業が被害者救済の責任逃れを行っており、私もフクシマの現実は、ミナマタと同根の日本の政治・行政の問題点だと考えている。 さらに、*1-5のように、女優の吉永小百合さんは、福島支援で脱原発の詩を読むなど、自分のできる最大のことをしておられ、いまどきのアイドルとは異なる知性が感じられる。また、山本太郎さんはじめ沢田研二さんなど、芸能界からも脱原発に応援があるのは、世論形成のために頼もしい限りだ。 (2)避難の範囲 *2-1で、西日本新聞が、佐賀、長崎、福岡3県で九電玄海原発の重大事故を想定した原子力防災訓練が実施され、3県から約5千人が参加したと記載しているが、30キロ圏に居住する約27万人のうち5千人というのは1.8%にすぎず、30キロの同心円で不十分なことは、既にフクシマ原発事故で証明されている。 そのため、*2-2のように、原子力規制委員会が、「SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)」を使わない方針を決めたのは間違いであり、まずはSPEEDIの予測で避難した後に、実測してさらに避難範囲を増やしていく必要があるのは、誰が考えても明白だ。それにもかかわらず、「福島事故の教訓として、放射性物質の広がりを正確に予測するのは不可能と分かった」などとして、30キロの同心円内の人しか避難しなくてよいことにするような国を信頼してよいわけがないのである。 (3)行政と政治家の知識レベル *3には、原子力防災担当相の望月氏が、川内原発視察時に、ピンクや青の付箋の付いた資料を棒読みし、時折視線を上げながら、「しっかり対策が講じられていた」などと述べ、原子力防災の課題を問われると、ついに言葉に詰まり、同席した小里泰弘副大臣が代わりに答えたことで、「この人に県民の命を委ねて大丈夫だろうか」と書かれている。 暗記して自分の言葉で答えたから真実で、資料を見て答えたからあやふやで理解していないとは単純に言えないが、地元で原発の取材をしている記者には、わかっていないのも伝わるものだ。私も、適材適所の判断に関して安部政権に疑問を感じることはよくあるが、それが安部政権だけではないのが日本の政治・行政の重要な問題なのである。 (4)経産省の原発・火力びいき *4-1のように、経産省は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)で新たに始める出力規制ルールに対するパブリックコメントの結果をまとめ、3230件の中には反対意見も目立って、一部地域で新ルールの適用を見送るなどの対応が迫られたそうだが、いつまでも「再生可能エネルギーは不安定」として太陽光電力の受け入れを中断しつつ、*4-2、*4-3のように原発を推進するとは、経産省が第三の矢が放たれるのを妨害し、国民負担を増加させているわけである。 また、そのしわ寄せを高齢者に行い、高齢化社会のニーズである製品やサービスの発展を妨げ、もう一つの第三の矢を折っているのも政府であって、これらは馬鹿というほかない。 (5)電力自由化による新電力の参入を妨害 *5-1のように、電力自由化で電力会社以外の企業が電力小売りに参入し、新電力として経産省に届け出た企業が2014年末に468社と1年で3.7倍に増え、家庭向けの電力小売りも16年に自由化することを定めた法律が昨年6月に成立して一段と加速したのは安部内閣の功績である。また、「固定価格買い取り制度」は管内閣の実績だ。 しかし、まだ「販売先に安定して電気を供給するには太陽光など不安定な電源だけでは難しく、電力小売りを始めるハードルは高い」などと言っており、日本企業は工夫も技術進歩もないようだ。また、「家庭向け小売りは送電線や電柱をたくさん使う分、企業が電力会社に払う託送料が高い」などと言うのも、もう電柱の時代でもなく、私がいちいち書かなくてもやり方はいくらでもあるだろう。 そのような中、*5-2のように、大手電力会社でつくる電事連の八木会長(関西電力社長)が、電気事業法を改正して発送電分離を実施する条件として、①電力の安定供給を損なわない仕組みを整備すること ②原発再稼働が進み電力需給が改善していること などを挙げたそうだ。このように、原発という既得権益を岩盤として自然エネルギーや電力自由化を妨害し、国民に迷惑をかけるのは、いい加減にすべきである。 (6)火山のリスク *6-1のように、火山噴火予知連絡会の藤井会長(東京大名誉教授)は、「深層NEWS」で御嶽山の噴火などを例に挙げて火山活動の活発化を指摘し、「(日本列島が)火山の活動期に入ったかもしれない」と注意を呼びかけ、最近の桜島の火山活動については「大規模噴火の予兆とは言えないが、地下にマグマはたまっている。100年前と同じ大規模の噴火が起きる可能性はある」と話し、今の日本は「地震や噴火が相次いだ平安時代とよく似ている」と指摘した。 また、*6-2のように、阿蘇火山博物館(熊本県阿蘇市)学術顧問で火山学者の須藤氏が、薩摩川内市で講演し、火山灰堆積のリスクや噴火予測の困難さを具体的に指摘して「再稼働を進めるべきではない」と主張しているのだが、東日本大震災の津波高の予告を無視したのと同様、九電と国は、これらすべてを無視して川内原発を再稼働させるつもりだろうか。 <抽象論による判断は危険> *1-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/148605 (佐賀新聞 2015年1月23日) 正確な情報開示要請 山口知事、玄海原発視察 佐賀県の山口祥義(よしのり)知事は22日、再稼働の前提となる原子力規制委員会の適合性審査が進む九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)と県オフサイトセンター(唐津市)を視察した。4号機の原子炉格納容器内にも入り、福島第1原発事故を受けて策定された新規制基準に基づく過酷事故対策などを確認した。九電の瓜生道明社長とも面会し、正確な情報開示を求めた。冒頭の概要説明で、瓜生社長は「安全性の確保が経営の最重要課題。規制基準にとどまらず、自主的、継続的な安全性向上に取り組んでいく」との考えを伝えた。山口知事は「互いの信頼関係を築くため、うそはつかず、風通しのいい関係で、あらゆる事象に対する危機管理を考えていきたい」と応じた。視察では、非常時に原子炉に冷却水を注入する移動式大容量ポンプ車や指揮所となる代替緊急時対策所のほか、原子炉建屋では中央制御室や格納容器内での水素爆発を防ぐ水素再結合装置などの対策について説明を受けた。過酷事故の際に国と県の現地対策本部が入るオフサイトセンターでは、内閣府原子力防災担当の審議官が非常時の住民避難の考え方などを説明。政府や県、自衛隊など関係機関との連携や放射線のモニタリング態勢も確認した。視察を終えた山口知事は「現場を知ることは、災害対応では極めて重要。原発の見られる部分はすべて見た」としつつ、九電の対策の評価については「まだコメントできる段階ではない」と言及しなかった。その上で、「危機管理はハードはもちろんだが、運用などのソフト面が重要。県の体制を含めて、あらためてチェックしたい」と述べた。 *1-2:http://qbiz.jp/article/54261/1/ (西日本新聞 2015年1月22日) 佐賀新知事「互いにうそつかず」 玄海原発視察、九電に注文 佐賀県の山口祥義知事が22日、九州電力玄海原発(同県玄海町)を就任後初めて視察し=写真、原子力規制委員会の審査が大詰めを迎えている3、4号機の安全対策を確認した。山口知事は、出迎えた九電の瓜生道明社長に対し「これから信頼関係を築くために約束をしたい。互いにうそをつかず、どこからでも発言できる風通しのいい関係をお願いしたい」と注文した。瓜生社長は「原発は大きな危険性を内包し、安全を守るのが事業者の使命。ハード、ソフト両面から対策を講じている」と強調。知事は、新規制基準に合わせた対策などの説明を受けた後、移動式ポンプ車などを備えた保管エリアや、重大事故時の指揮所となる「代替緊急時対策所」を巡った。山口知事は玄海原発の再稼働について、安全確保と住民の理解を得ることを条件に容認する考えを示している。 *1-3:http://qbiz.jp/article/54437/1/ (西日本新聞 2015年1月25日) 甘い計画、命守れるか 玄海原発合同訓練、再稼働迫るも準備後手 24日にあった九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の重大事故を想定した佐賀、長崎、福岡3県合同の原子力防災訓練は滞りなく終わった。ただ、参加者は原発から30キロ圏に住む約27万人のごく一部。実際の事故では相当な混雑が予想されるが、計画は不十分な部分もある。「事故時にうまくいくのか」。参加者からは懸念の声も漏れた。年内の玄海原発再稼働も視野に入る中、残された課題は多い。原発から約3キロにある玄海町の特別養護老人ホーム「玄海園」。この日は入所者役の18人を30キロ圏外の佐賀県多久市と小城市にある高齢者施設に避難させる訓練を行った。車いす利用者には職員1人が付き添い、寝たきりの人には自衛隊員が協力した。古川伸子施設長(58)は「入居者100人のうち自力で歩けるのは10人。全員を避難させるには職員だけでは無理」と不安を語った。事故の発生時間によっては職員も手薄になる。原発から約6キロの同県唐津市の特養ホーム「潮荘」の梅崎充茂施設長(65)は「夜間は職員が4人だけ。呼び寄せても、家族を残して原発に近い施設に来てくれるだろうか」と表情を曇らせた。福祉施設などでの訓練は長崎県と福岡県でも行われたが、長崎県では病院や福祉施設の避難計画が30キロ圏内の全44施設のうち4施設しか策定されていない。訓練に先立つ準備が不十分で、県福祉保健課は「受け入れ先の調整中。策定を急ぎたい」という。道路の渋滞も懸念材料だ。訓練で唐津市鎮西町の住民約30人はバスで約40キロ離れた場所に移動したが、市の計画はマイカーでの避難が原則。車が避難ルートに殺到するのは必至だ。車を持たない人は他の住民との同乗や市や県が手配するバス、タクシーで移動する手はずだが、その人数も手順も定まっていない。車を持たない同市の坂井菊一さん(73)は「避難が遅れないか」と心配する。一方、唐津市の七つの離島では島内に整備した一時退避施設(シェルター)を使った。原発から最短約8・7キロの馬渡(まだら)島では、住民59人が体育館に設置された放射性物質除去フィルター付きのテントに避難する訓練をしたが、テントの収容力は66人分で島民396人の2割にも満たない。計画中の追加工事完成後も収容率は約5割にとどまる。地元区長の浦丸宏さん(73)は「誰が先に入るのか話し合いもできていない。混乱を避けるには、全員が収容できる施設しかない」。長崎県壱岐市の島民約3万人は事態によっては福岡県に全島避難する計画だが、具体的な受け入れ先がまだ決まっていないなど不確定要素もある。福岡県糸島市の離島・姫島から糸島市街地に来た吉田初音さん(62)は「訓練だから落ち着いてできたが、本番は何が何だか分からなくなるはず」と話した。 ◇ ◇ ●30キロ圏外の避難も考慮を 国の原子力災害対策指針に基づく3県の地域防災計画に沿った今回の訓練は、玄海原発から30キロ圏内を対象とし、その範囲外の被害は想定しなかった。より深刻な事態を考えればさらに広域の避難が必要になるが、取り組みには自治体間で温度差も見られる。福島第1原発事故で指摘されたように、高線量の放射性物質は広範囲に拡散する可能性がある。30キロ圏外にある福岡市はこうした状況を懸念し、市民の50キロ圏外への避難を想定した独自の避難計画を昨年4月に策定したが、今回の訓練には福岡市の計画を考慮した内容はうかがえなかった。事故の際、30キロ圏内の住民の受け入れ先にもなっている福岡市。50キロ圏内に住む約56万人が避難することになれば、混乱が予想される。佐賀県や長崎県の自治体でも、風向きによっては現在の計画が成り立たなくなる事態も起こり得る。全国の原発周辺では30キロ圏外の自治体が避難計画を作る動きが相次いでいるが、玄海原発周辺ではまだ福岡市だけだ。まずは福岡市と福岡県の連携が必要だが、福岡県防災企画課は「国の指針が変わらなければ30キロを超えた計画は考えにくい」という。「想定外」の被害をなくすため、踏み込んだ対策が求められる。 *1-4:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10102/149026 (佐賀新聞 2015年1月24日) 水俣病の被害者 原発訴訟で陳述 佐賀地裁 原発の再稼働に反対する市民が国と九州電力に玄海原発全4基の操業停止を求めている訴訟の第11回口頭弁論が23日、佐賀地裁(波多江真史裁判長)であった。新たに原告に加わった水俣病被害者団体代表の大石利生さん(74)が意見陳述、原発事故と公害とを重ね合わせながら「これ以上、被害者を生み出してはいけない」と訴えた。大石さんは、水俣病問題で国や企業が現在も被害者救済の責任逃れを図っている実態を示し、「原発事故も市民の安全を軽視して起こるべくして起こった人災。水俣病と同様に実態を隠して被害者を放置し続ける懸念もあり、裁判所は生活と命の重みを受け止めて判断してほしい」と訴えた。また、原告になった評論家の佐高信さんも意見陳述した。 *1-5:http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20150126-1426386.html (日刊スポーツ 2015.1.26) 吉永小百合、福島支援で脱原発の詩を読む 女優吉永小百合(69)が、東日本大震災と福島第1原発事故の復興支援のため、9年ぶり4枚目の朗読CD「第二楽章 福島への思い」を3月11日にリリースする。1986年(昭61)から広島、長崎原爆詩の朗読CDを出し続け、今作は、福島県民の「脱原発」への思いなどを読み上げている。取材では、経済優先の安倍政権に疑問を呈した。東日本大震災発生から約4年。福島を思い、吉永が「第二楽章」を作った。「『忘れないで』とメッセージを(世の中に)送り、(被災地に)寄り添って支えたい」という思いからだ。きっかけは、デザイナー三宅一生氏だった。11年7月、広島原爆の被爆者、三宅氏の依頼で原爆詩の朗読を行った際、東日本大震災の被災者、福島市の詩人和合亮一さんの詩を託され、読んだことだった。その後、福島第1原発事故で富岡町から避難した佐藤紫華子(しげこ)さんが、自費出版した詩集「原発難民」を知り、12年4月に福島市で朗読。13年3月に朗読CD制作を考え、昨年10月に制作を始めた。2人の詩に加え、和合さんが10年からプロデュースする福島の小中学生対象の「詩の寺子屋」から詩を選び、吉永の依頼を受けて尺八奏者の藤原道山が音楽を作曲した。終戦間近45年3月生まれの吉永にとって「-福島への思い」は、同じ時代の体験を基に作る初めての朗読CDだ。「(過去3作より)つらい。つらいだけじゃなく福島に戻れるといいという願いもある中、希望が見える詩を選びました」。吉永は「これだけ地震が多い国で原発はやめてほしい」と脱原発を訴える。昨年末には福島第1原発に近い帰還困難地域にマスクを着けて踏み込んだ。「4年で何も変わっていない。除染された土もシートをかけられ、あらゆるところに放置され…想像以上のショック」。その上で、安倍政権に厳しい言葉を並べた。「予算も経済最優先。政治家は福島の復興に対して、どう思っていらっしゃるのか。お金だけ避難している人にあげればいいのか。福島を住めるふるさとに戻すつもりがあるのか…私には見えない。世界でも大変なことが起こり、目を向けてしまえば忘れてしまう」。発売前日3月10日には東京・千駄ケ谷の津田ホールで完成記念朗読会を開く。「(朗読は)生きがい。でも、もう『第二楽章』を出すようなことは起きないでほしい。これで終わりにしたい」。印税は全て被災者のために寄付する。 ◆「第二楽章」 吉永が86年から被爆者の体験から生まれた詩の朗読を始め、「(悲劇を)忘れないためにも語り部としておだやかに語り、残す」スタンスから作った朗読CD。97年「第二楽章」(広島編)99年「-長崎から」を発売。06年には、沖縄戦を描いた野坂昭如氏の小説「ウミガメと少年」を朗読した「-沖縄から」をリリース。 *1-6:http://qbiz.jp/article/54161/1/ (西日本新聞 2015年1月21日) 九電、今度は川内火力が停止 松浦火力は復旧も 九州電力は21日午前、石油火力の川内発電所2号機(鹿児島県薩摩川内市、出力50万キロワット)のボイラーで蒸気漏れが見つかり、運転を停止したと発表した。配管の損傷が原因とみられるが、復旧の見通しは立っていない。26日以降の電力需給状況がやや厳しくなる可能性があり、九電は他電力からの融通の積み増しなどで供給力確保に努めるとしている。九電によると、運転中だった21日午前2時40分ごろ、社員が蒸気漏れを確認し停止。今後、ボイラーを冷却した上で復旧作業に入る。2号機は昨年9月にも、ボイラーの不具合で停止するトラブルが起きている。一方、ボイラー関連装置の不具合で19日に停止した石炭火力の松浦発電所1号機(長崎県松浦市、同70万キロワット)は、応急処置を施した上で20日に通常運転に復帰した。 <避難の範囲> *2-1:http://qbiz.jp/article/54431/1/ (西日本新聞 2015年1月24日) 玄海原発事故を想定、初の福祉・病院入所者移動も 北部3県訓練 佐賀、長崎、福岡3県は24日、九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の重大事故を想定した原子力防災訓練を実施した。合同訓練は2013年11月末以来2度目で、3県から約5千人が参加した。運転中の玄海原発3号機の全電源が喪失し、原子炉の炉心を冷却する機能が失われたとの想定。事故の一報を受けた3県と国は初めてテレビ会議を開き、情報の共有に努めた。課題だった福祉施設の入所者や病院の入院患者の移動訓練も初めて導入。3県それぞれが、原発から30キロ圏内にある施設から圏外の施設に移動する流れを確認した。長崎県壱岐市の住民約30人は海上自衛隊のエアクッション型揚陸艇(LCAC)で博多港を経由して福岡県太宰府市に、佐賀県唐津市の約30人は車で福岡県糸島市に向かった。玄海原発3、4号機は原子力規制委員会の審査が続く。原発から30キロ圏に居住するのは約27万人で、昨年4月に3県が発表した推計では、全員の避難が完了するのに最短で17時間5分かかるとしている。糸島市にバスで避難した唐津市の75歳の女性は「訓練はスムーズにいったが、実際の避難は渋滞や混乱もあるだろうからうまくいくか分からない」と不安そうに話した。 *2-2:http://digital.asahi.com/articles/ASH1M4417H1MUOHB006.html (朝日新聞 2015年1月22日) 新潟)「SPEEDI使わず避難」方針…住民に残る不安 原子力規制委員会が、原発で重大事故が起きた際の住民避難の判断に、放射性物質の広がりを予測する「SPEEDI(スピーディ)」(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を使わない方針を決めて4カ月たった。東京電力柏崎刈羽原発周辺地域で理解が深まったとは言い難く、国は放射線量の実測で避難を判断する態勢を強化するものの、不安視する住民は少なくない。 ■「予測の情報、大切」 「住民避難など防護措置の判断にはSPEEDIの計算結果を使いません」。14日夜、柏崎市内であった住民組織「地域の会」の月例会合。規制委の事務局である原子力規制庁の担当者が、規制委が昨年10月に決めた運用方針を改めて説明した。SPEEDIは、原発事故で放射性物質が放出された際、拡散範囲や濃度を気象条件や地形をもとに予測し、地図上に示すシステムだ。避難指示を判断する要として期待されたものの、原子炉建屋の爆発が相次いだ福島第一原発事故では有効に使えなかった。放射性物質がいつ、どの程度放出されるかを示す「放出源情報」が得られなかったためだ。風向きなどの気象条件は刻々と変化するため、あいまいな放出源情報で計算した拡散予測に基づく避難は、かえって住民の被曝(ひばく)リスクを高めかねない。「福島事故の教訓として、放射性物質の広がりを正確に予測するのは不可能と分かったのです」。国の検証データを示しながら、担当者はSPEEDIが使えない理由を解説した。2012年に策定された国の原子力災害対策指針は、住民の避難を二段階に分けた。被曝の危険が最も高い半径5キロ圏を即時避難区域(PAZ)とし、住民は放射性物質の放出前に先行避難する。一方、5~30キロ圏は避難準備区域(UPZ)とし、住民は屋内退避した後、モニタリングポストで実測した放射線量をもとに避難の判断をする。一斉避難で起こる混乱を避けるのが狙いだが、UPZの住民は屋内退避や避難中に被曝する恐れが高い。このため、SPEEDIの拡散予測を避難指示の判断材料にしたいとする自治体は少なくない。この日の会合でも、住民側から「福島事故時とは違い、大規模な安全対策が進んでいる。放出源情報の把握は可能ではないか」「緊張感の中で暮らす住民にとって、予測に基づく情報発信は大切だ」など運用継続を望む意見が相次いだ。出席した県の放射能対策課の担当者も「県としては、予測と実測の両方を使いたい。再度の活用を検討してほしい」と要望した。規制庁は、フィルター付きベントなどを使って計画的に放出する場合でも、原子炉の状況は刻々と変化するため、放出の数時間前に放出源情報を把握するのは難しいとする。放出直前なら可能だが、その時点でSPEEDIを使っても避難に間に合わないという。モニタリングポストの増設など緊急時のモニタリング態勢を強化しながら、実測に基づく避難の円滑化を図る考えだ。 <行政と政治家の知識レベル> *3:http://qbiz.jp/article/54222/1/ (西日本新聞 2015年1月22日) 原子力防災担当相の「棒読み」に思う 川内原発視察 万が一、原発事故が起きた場合、この人に県民の命を委ねて大丈夫だろうか。本当に不安になった。 九州電力川内原発の過酷事故に供えた防災体制を視察するため、望月義夫原子力防災担当相が19日、鹿児島県を訪れた。伊藤祐一郎知事との会談を終え報道陣の前に現れた望月氏の手には、ピンクや青の付箋の付いた資料が。時折視線を上げながら、「しっかり対策が講じられていた」などと述べたが、ほぼ資料をそのまま読んでいた。その後も報道陣が質問するたび資料に目を落とす。原子力防災の課題を問われると、ついに言葉に詰まり、同席した小里泰弘副大臣が代わりに答えた。小里氏が資料を手にせず詳しく説明したため、望月氏の「棒読み」が一層際立った。原発再稼働には今なお国民の反対が根強い。その要因の一つが、避難計画の実効性への不安だろう。国は再稼働を推進する以上、こうした国民の不安を取り除く責任がある。その作業の先頭に立つのが原子力防災担当相だ。いくら環境相との兼任とはいえ、原発を抱える鹿児島県民の一人としては、もう少し自分の言葉で答えてほしかった。望月氏は「安全神話に基づいてはいけない」とも言った。その意味を自ら重く受け止めてほしい。 <経産省の原発・火力びいき> *4-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11555207.html (朝日新聞 2015年1月17日) 固定買い取り、抑制に異論も 再生エネ、パブコメ3千件 新ルール、一部見送り 再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)で、経済産業省は16日、新たに始める再生エネの出力抑制ルールに対する意見募集(パブリックコメント)の結果をまとめた。3230件の中には反対意見も目立ち、経産省は一部地域で新ルールの適用を見送るなど対応を迫られた。出力抑制は、火力発電を最大限減らしても、電気があまる時に、太陽光や風力の発電を一時的に止めてもらう仕組みだ。経産省は昨年、太陽光の申し込みが増えすぎて受け入れを中断する電力会社が相次いだため、抑制をしやすくする新ルールを決め、今月9日まで意見募集をしていた。公表された意見には、新たに住宅用の太陽光発電が出力抑制の対象になることに対し、「送電網への負担が小さい家庭用の出力抑制は不要」との指摘があった。経産省は、まだ再生エネの受け入れに余裕のある東京、関西、中部の3電力管内では当分の間、住宅用など50キロワット未満を対象外とすることにした。経産省が専門家と検証した電力各社の接続可能量についても480件の意見が集まり、「すべての原発の再稼働を前提とするのは問題だ」などの疑問が示された。政府がベースロード電源と位置づける原発は太陽光や風力の給電より優先されるため、原発の稼働を見込むと、再生エネの接続可能量が少なくなるからだ。電力会社間で電気の融通に使う地域間連系線の増強などを求める意見も108件あった。 ■全原発再稼働が前提 今回の運用見直しで突出しているのは、原発の優遇ぶりだ。再生可能エネルギーの「接続可能量」は電力需要から原子力、火力、水力など旧来型の発電方式の割り当て分を引いた残り。原発の割り当てが増えれば、その分、接続可能量は減る。接続可能量を公表した電力7社のうち、原発をもつ6社は各自の全原発の再稼働を前提にする。廃炉が見込まれる原発の発電分も、もれなく盛り込んだ。東北電力は、電源開発が青森県大間町に建設中の大間原発からの受電分を盛り込んだうえで、接続可能量を算出した。電源開発は「2021年度の稼働を目指す」とするが、工事が計画通りに進んでも、運転開始は7年後。それまで「空押さえ」状況が続く。福島県エネルギー課の佐々木秀三課長は「空押さえが再生可能エネルギー導入拡大の入り口を塞いでいる」と批判する。中国電力も島根原発1~3号機の発電分をすべて盛り込んだ。しかし、1号機は運転40年を超えて廃炉がとりざたされ、3号機は建設中で運転開始時期は「未定」(中国電)だ。太陽光発電などの事業者には不安が広がる。見直しで、「接続可能量」を超えた事業者には、どれだけ出力抑制を頼んでも、電力会社は補償金を払う必要がなくなるからだ。大分県内で太陽光を手掛ける「ECOW(エコー)」(東京都港区)は、出力抑制されない小水力事業への移行を考えている。橋場崇顕社長は「どれだけ出力抑制されるのか分からないと、事業計画が立てられない」という。会津電力(福島県喜多方市)は、計画中の約1千キロワットの太陽光発電が無補償の対象になる。「東北電力で出力抑制がどれくらいになるかの見通しを示してくれないと、銀行融資が厳しくなる」と折笠哲也常務はこぼす。「出力抑制が無制限になったら、もはやFITと呼べないのではないか」 ■FITの見直し案への主な意見と経済産業省の対応 ◇論点 a:主な意見 b:経産省の対応 * ◇再生エネの受け入れ可能量 a:全原発の稼働を前提にした試算は問題だ b:電源構成の見通しなどを踏まえ、継続的に再検証する ◇電力会社間の融通 a:地域間の連系線をもっと活用し、増強もすべきだ b:早急に検討していく ◇住宅用太陽光の出力抑制 a:対象外にすべきだ b:東京、中部、関西の3電力管内は当面、対象外にする ◇出力抑制時の補償の撤廃 a:30日を超えた場合は補償すべきだ b:補償費用で国民負担が増えるため、適切ではない ◇監視・情報開示 a:抑制見込みの事前公表や電力会社に対する監視が必要 b:事前公表を義務づけ、監視の仕組みを早急に整備する *4-2:http://www.yomiuri.co.jp/politics/20150116-OYT1T50175.html (読売新聞 2015年1月17日) 原発比率20%軸に検討…再生可能エネと同程度 政府が、2030年の国内の発電量に占める原子力発電の割合について、太陽光など再生可能エネルギーと同程度の約20%を軸に検討を進める見通しになった。原発を可能な限り減らすとの方針に沿って、東日本大震災前(10年度)の28・6%から引き下げることになる。今月末から経済産業省に新設する有識者会議で、発電方法ごとにどの程度の割合にするかを示す最適な電源構成(ベストミックス)の議論に着手する。発電方法別のコストなどを検証し、今夏までに結論を出したい考えだ。政府は、14年4月に決めた新しいエネルギー基本計画で、将来の再生エネの割合を「約2割を上回る水準」と決めた。一方、原子力などは決定を先送りしていた。政府内では、「原発を減らしすぎると電力供給に支障が出るが、脱原発の世論を考えると再生エネ以上の活用は難しい」(政府関係者)などの見方が強まっている。宮沢経産相は、原発の割合を30%未満にする意向を昨年10月に表明している。 *4-3:http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/62359.html (福井新聞 2015年1月21日) 原発建て替え必要と関西電力副社長 豊松氏「国の方針待ち具体化」 関西電力の豊松秀己副社長(原子力事業本部長)は20日、年頭のあいさつのため福井新聞社を訪れ、吉田真士社長らと懇談した。古い原発を廃炉にして敷地内に新しい原子炉を設置する建て替え(リプレース)に関して「関電としてリプレースをする必要があると思っているが、国の方針が出た後に具体的に動きだすことになる」と述べた。関電は、運転開始から40年を超える美浜原発1号機(福井県美浜町)の後継機設置の検討に向けた地質調査を2011年1月から着手したが、東京電力福島第1原発事故後に中断している。豊松副社長は「(運転期間の原則40年制限で)原発は減っていき、いずれゼロになってしまう。国の方針として原子力の比率をある程度維持するならば、リプレースは必要」としたが、「国の方向性が明らかにならないと、打って出ることはできない」と話した。原子力規制委員会の安全審査が進む高浜3、4号機(福井県高浜町)の再稼働時期については「電気料金の値上げの申請時に11月ごろと設定したが、できる限り早く動かしたい」と述べた。一方で大飯3、4号機は想定する地震の揺れが安全審査で大幅に引き上げられたため耐震補強工事に時間が掛かるとし、15年度中の再稼働は厳しいとの見通しを示した。立地自治体などと結ぶ安全協定に関しては、福島の事故を踏まえ「災害対策の30キロ圏外も当然情報は知りたいということはあり、覚書を結ぶケースはある」としつつ、「安全協定は立地市町や県が住民の安全を守るために積み重ねてきた歴史や信頼関係の上に立つので、基本的にはその延長上で考えなければならない」と強調した。八嶋康博・取締役常務執行役員、岡田雅彦・常務執行役員地域共生本部長、森中郁雄・常務執行役員原子力事業本部長代理、保田亨・広報室長らも同席した。 <電力自由化による新電力の参入には妨害> *5-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150120&ng=DGKKASFS19H84_Z10C15A1EE8000 (日経新聞 2015.1.20) 電力小売り参入 500社迫る、日立造船など自由化にらむ 電気料金上げ、商機 料金徴収などハードル 電力会社以外の企業が電力小売りに参入する動きが広がってきた。新電力として経済産業省に届け出た企業は2014年末に468社と1年で3.7倍に増えた。日立造船がごみ焼却施設で発電した電気を4月から販売するなど電気の調達方法も広がっている。電力会社の料金引き上げで相対的に価格が割安になるとみて参入意欲を高めているようだ。新電力の仕組みは00年から始まった。企業が発電所から仕入れた電気を、電力会社の送電線を通じて工場やオフィスに供給する。低コストを生かし、電力会社よりも電気料金を数%安く販売するケースもある。参入は11年の東日本大震災後に増加が目立ち始めたが、家庭向けの電力小売りを16年に自由化することを定めた法律が昨年6月に成立してから一段と加速。月30社のペースで参入が続く。太陽光など再生可能エネルギーで発電した電気の買い取りを電力会社に義務づける「固定価格買い取り制度」も参入を後押ししている。東京商工リサーチの昨年8月の調査では、新電力のほぼ半分が電気や電気機械、設備を扱う業種だった。「太陽光発電などを手がける中小企業の参入が圧倒的に多い」(経産省関係者)。日立造船は4月から、地方自治体が運営する最大50カ所のごみ焼却施設で発電した電気を販売する。ごみ処理で出た熱を活用するごみ発電は、再生エネの買い取り制度の対象。日立造船はもともとごみ発電の施工や運営を手がけており、ノウハウを電力小売りに生かせると判断した。電力会社の再値上げも新電力に参入するきっかけになっている。昨年11月に震災後で2度目の値上げに踏み切った北海道電力の管内では、異業種の参入が目立つ。北海道ガスは4月から自社グループの発電所などを活用して約50施設に電力の供給を始める。北海道電の再値上げ以降は「オール電化をガスに乗り換える動きが増えている」(同社)といい、電気とガスのセット販売も視野に入れる。コープさっぽろ(札幌市)も16年度から再生エネで調達した電気を組合員に販売する。ただ新電力のうち、実際に電気を売る企業は届け出数の1割強、60社程度にとどまる。1年で4割ほど増えたものの、電力小売りを始めるハードルは高い。販売先に安定して電気を供給するには太陽光など発電量が日によって不安定な電源だけでは難しいからだ。参入急増の背景には16年4月に家庭向けの小売りが自由化されることもある。ただ家庭向け小売りは送電線や電柱をたくさん使う分、企業が電力会社に払う託送料が高い。工場など大口向け電気料金のうち託送料が占める割合は1~2割だが、家庭向けでは4割程度に達する場合もある。「各家庭から料金を徴収するのは大変な作業」(大手電力関係者)との指摘もあり、実際にすべての参入企業が販売までこぎつけられるか不透明な部分もある。 *5-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11567257.html?_requesturl=articles%2FDA3S11567257.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11567257 (朝日新聞 2015年1月24日) 発送電分離法案、延期規定が必要 電事連会長が認識 大手電力会社でつくる電気事業連合会の八木誠会長(関西電力社長)は23日の記者会見で、政府が2018~20年をめどに、電力会社の送配電部門を別会社にする「発送電分離」をめざしていることについて、「問題が生じる場合は、実施時期の見直しを含め、柔軟に改革を進める必要がある」と語った。経済産業省は、電気事業法改正案を来週から始まる通常国会に提出する方針で、八木氏の発言は、法案に発送電分離の実施時期を延期できる規定を盛り込む必要がある、との認識を示したものだ。八木氏は、発送電分離を実施する条件として、電力の安定供給を損なわない仕組みを整備することや、原発再稼働が進み、電力需給が改善していることなどを挙げた。その上で、国に対し、こうした課題が「解消したのか確認・検証する必要がある」と注文をつけた。 <火山のリスク> *6-1:http://www.yomiuri.co.jp/science/20150116-OYT1T50172.html?from=tw (読売新聞 2015年1月16日) 「列島、活動期に入ったかも」…噴火予知連会長 国の火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長(東京大名誉教授)が16日夜、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、「(日本列島が)火山の活動期に入ったかもしれない」と注意を呼びかけた。藤井会長は、御嶽(おんたけ)山(長野・岐阜県境)の噴火などを例に挙げ、火山活動が活発化していることを指摘。最近の桜島(鹿児島県)の火山活動について「大規模噴火の予兆とは言えないが、地下にマグマはたまっている。100年前と同じ大規模の噴火が起きる可能性はある」と話した。更に伊豆大島や三宅島でも「噴火の準備はできている」と説明。今の日本は「地震や噴火が相次いだ平安時代とよく似ている」と指摘した。 *6-2:http://qbiz.jp/article/54448/1/ (西日本新聞 2015年1月26日) 再稼働「進めるべきでない」 火山学者須藤氏 薩摩川内で講演 噴火のリスクを訴え 火山学者の立場で川内原発再稼働の危険性を訴えている阿蘇火山博物館(熊本県阿蘇市)学術顧問、須藤靖明氏の講演会が24日、鹿児島県薩摩川内市であった。火山灰堆積のリスクや噴火予測の困難さを指摘し「再稼働を進めるべきではない」と主張した。須藤氏は、1万3千年前と同規模の噴火で九州電力が最大15センチと想定している川内原発敷地内の火山灰堆積について「15センチ積もる事態になれば、鹿児島市など周辺地域の堆積量は何メートルにもなる可能性がある。原発につながる道路は使えなくなり、原発事故に備えた機材や人員を派遣することは難しくなる」と指摘した。また、巨大噴火の予測について「『前兆現象だった』と噴火後に分かるケースが多く、事前に前兆を捉えて原発を止めるのは難しい」と述べた。講演は、鹿児島市の天文館などで毎週金曜日に再稼働阻止を呼び掛けている市民団体「かごしま反原発連合」が主催。全国で金曜日に反原発集会を続ける100人が聴講した。 PS(2015年1月30日追加):私は、衆議院議員をしていた2006~2009年の間に、佐賀県の7つの離島のすべてを3回以上廻り、国の最前線の資料を配布して農業・漁業・食品・エネルギーなどの産業や医療・介護などについて島の人と懇談会をしたのでアドバイスできるのだが、離島は、高齢化が本土より早く進んでいるため、離島を見れば10年後に本土で必要になるものがわかるくらいである。なお、*7にも書かれているように、離島の要望は、島毎に老人のケア・ハウスや診療所、小学校を作り、人口が少ないため島毎に整備することができないものについては、呼子、名護屋、星賀、湊、千代田町などの本土側連絡船(離島の交通機関)発着場所近くに病院・スーパー・学校などを作って、舟で本土の港に着けばすぐ問題解決できるようにして欲しいということだった。つまり、連絡船と本土の交通機関や主要施設とのアクセスをよくすべきなのだ。なお、救急医療については、ドクターヘリを作ったので既に問題解決できており、イノシシは、困ってばかりいないで資源として使うべきである。 1)松島:主な特産品はオリーブとウニだが、島が小さいため生産量が少ない。そのため、ブランド化 するには、他の島でもオリーブやウニを生産してまとまった数量の出荷ができるようにすべきだ。 2)馬渡島:特産品は特にないが、「野生化した山羊が困りものだ」と言われている。しかし、それなら 山羊を飼って山羊皮はじめ山羊産物をコスメ構想に利用したり、草取り用に山羊のリースをしたり してはどうかと思う。また、野生のてんぐさも減ったとはいえ獲れるため、養殖すればかんてんの 産地になれると思う。そのため、それらをやる人を公募して育てる必要があろう。 3)向島:漁港施設は必要だが、本土と近くて人口が少ない島なので、舟で本土に行けば港の近くに小 中学校があるという形にすればよいだろう。産業はウニがとれたり民宿があったりするので、これを 伸ばしたいが、オリーブやアーモンド(花は桜に似ており、実がなるので桜より良い)もできそうだ。 4)離島の住民が目の前にある玄海原発の事故を不安視するのは当然で、海が汚されれば漁業は 壊滅し、日本海は狭いため太平洋よりも深刻になる。 5)「一番の心配は原発事故。どこの港からどういう船に乗ってどこに逃げるのか分かっていない」と 女性が玄海原発への不安を口にすると、山口知事は「この島は目の前に原発がある。気持ちは 分かります」と言われたそうだが、「気持ちはわかるけど、無用な心配だから無視する」とでも言う つもりだろうか?「屋内テントに3日も4日もいられない」と男性が訴えると、「そこは大丈夫」と応じ、 対策を講じる考えを示したというのも、どういう対策を講じれば大丈夫になると言うのか見もので はあるが、無駄遣いはせず、離島に本当に必要なことをして欲しい。 6)さらに、離島は風力・潮流などの自然エネルギーが豊富であるため、原発をやめて燃料を水素に 変えれば、離島は資源の宝庫であり、イノベーションが可能だ。そのために電動軽トラが開発さ れたのだが、このほか居住性のよい電動船や電動農機具の開発も望まれる。 アーモンドの花と並木 オリーブ畑 *7:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/151182 (佐賀新聞 2015年1月30日) 山口知事、離島3島視察 住民、原発事故への不安訴え ■「避難所整備進める」 唐津市 山口祥義(よしのり)知事は29日、唐津市の馬渡島など離島3島を訪問した。少子高齢が進む現状や特産品による地域活性化の取り組みなどを視察。3島は玄海原発から10キロ以内と近く、住民との意見交換では原発事故を不安視する声が相次いだ。訪問したのは向島、馬渡島、松島。馬渡島では24日の原子力防災訓練で収容人数や避難環境の問題が指摘された小中学校体育館の屋内テントに入り、「ここで何日も避難するのは厳しい」と感想を述べた。同島では約1時間、住民約30人と意見交換。「一番の心配は原発事故。どこの港からどういう船に乗ってどこに逃げるのか分かっていない」。女性が玄海原発への不安を口にすると、ほかの住民も「訓練では防災無線もよく聞こえなかった」「事故が起きるともう島には戻れないと思う」と率直な思いを話した。山口知事は「この島は目の前に原発がある。気持ちは分かります」と住民の不安に理解を示した。「屋内テントに3日も4日もいられない」と男性が訴えると、「そこは大丈夫」と応じ、対策を講じる考えを示した。3島では休校となっている小学校や漁港施設(向島)、診療所(馬渡島)、特産品化を目指しているオリーブ畑や水産品加工所(松島)なども視察した。住民からは少子化や若年者の流出、救急医療の現状やイノシシによる農作物被害などが報告された。原発再稼働容認の立場を取っている山口知事は、原発事故への不安が相次いだことについて「避難所の整備を進めなければならない。待避所に長くはいられないので、(避難後の)次のアクションの必要性を感じた。声を聞くことができ、しっかりやらなければという思いを強くした」と述べた上で、「4年間の任期でしっかり取り組む覚悟を持つことができた」と視察を総括した。 PS(2015年2月3日追加):*8及び左のグラフのように、佐賀県内の商工会経営指導員1人当たりの巡回指導件数が5年連続で全国一となり、頑張っているため、ここで、今後拡大する市場と経営アドバイスする人材についてコメントする。 *8より 人口ピラミッドの変化 2015.2.2日経新聞より 1)拡大する市場が、成長できる市場である。 ①真中のグラフのように、高齢者の割合が増え、その高齢者も戦後生まれの人の割合が次第に多く なっていくが、この人たちのニーズに合った財やサービスは、未だ十分ではないため、ここは今後 伸びる市場であり、フロンティアである。そして、これから人口が増える市場をターゲットにすれば 必ず成長できる。 ②右の図のように、今後、エネルギーのイノベーションが起こって水素や電力が主体となり、ここでは 誰もが0からの出発であるため、成長するフロンティア市場になる。 ③世界では人口増加で食品需要が伸びるため、世界を視野に展開すれば、農漁業は、これから 成長するフロンティア市場になる。 2)経営アドバイスに必要な人材は、補助金の提案、資金繰りの相談、信用保証など国の支援策をアドバイスする人も大切だが、以下の人も重要であり加えるべきだ。 ①会計を通してその主体の強みと弱みを把握した上で、改革や改善のアドバイスができる人 ②市場の視点を持っている人(例えば、地元の人ではなく購入サイドに立つ都会の人や高齢者向けの 財・サービスの開発が得意な人など) *8:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10103/152576 (佐賀新聞 2015年2月3日) 経営指導員1人当たり巡回数、5年連続全国一 県内商工会 ■負担重く、質向上課題 13年度 佐賀県内の商工会の経営指導員1人当たりの巡回指導件数(2013年度)は1097件で、5年連続で全国一となった。総件数は4年連続で5万件を超えた。会員企業の経営課題を把握し、改善を指導する貴重な機会になっている一方、指導員が減少しているため、職員の負担は重い。巡回の回数を確保するだけでなく、質の向上が課題になっている。県内17商工会の経営指導員は47人で、13年度の巡回指導の総件数は5万1586件。12年度と比べ約1割減ったものの、1人当たりの件数は全国平均403件の2・7倍と高水準を維持している。約7200の全会員を年に2回巡回するほか、重点会員はさらに4回追加。「全ての経営支援は巡回から」をスローガンに、全県を挙げて取り組んでいる。唐津市鎮西町、肥前町、呼子町と東松浦郡玄海町をエリアとする唐津上場商工会では、経営指導員4人と支援員7人で巡回。毎月第1、第3週に定例巡回を行い、それ以外の週も要望に応じて訪問する。ニーズに合った補助金などを提案するほか、窓口では切り出しにくい資金繰りの相談にも応じている。1月下旬には経営指導員と支援員のペアで、マリンパル呼子を訪問。省エネ設備の導入などを支援する国の補正予算メニューを説明した。中道清成社長(60)は「経営面に限らず、いろいろな情報交換ができる」と巡回指導を評価する。巡回指導の強化は、商工会合併によるエリア拡大が背景にある。「平成の大合併」に伴って商工会数は39から半分以下に減り、商工会との“距離”が広がることを心配する会員の声に応えた。一方で、経営指導員の数は合併前から約3割減り、業務負担は増大。県商工会連合会は本年度の事業計画で、「テーマを持った巡回を実施して質の向上を図る」と方針を掲げた。中道社長は「商工会にあまり足を運ばない会員は、役場のような堅いイメージを持っている。商工会の必要性を理解してもらうには、巡回指導が欠かせない」と訴える。連合会の陣内一博専務理事は「時間があれば巡回するのが商工会の原点。地域密着を貫きたい」と話す。
| 原発::2014.10~2015.3 | 05:01 PM | comments (x) | trackback (x) |
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