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2015.2.28 日本人の謝り方のおかしさと政治家が政治資金規正法違反事件であるかのように挙げられるケースの多さ ← これが民主主義の限界になっているため、ここを解決すべきである
     
  西川前農相       下村文科相       望月環境相  その他の大臣

(1)西川農水相の事例 ← 謝るのは、本当に悪い場合のみにすべきである
 *1-1、*1-3に、「①西川氏の政党支部が、国の補助金の交付決定通知を受けた木材加工会社からの献金を受領した」「②西川前農相は、補助金交付を知らなかった上、違法状態が続いたわけではない」「③西川前農相が自らの政治資金問題で辞任した」、「④首相は違法性について否定したが、任命責任を認めて陳謝した」「⑤野党側が早期の幕引きに応じる気配は薄い」「⑥今後は安倍晋三首相の任命責任に的を絞る」と書かれており、*1-2に、「⑦後任には前農相で自民党農林水産戦略調査会長の林芳正氏が就任し、農水省は『農政への影響はほとんどない』とする」とされ、*1-4に、「⑧西川前農相と党農林水産戦略調査会長だった林氏が入れ替わる」と書かれている。

 私は、農政の現況を理解している人がやる必要があるため、⑦⑧は尤もだと思うが、④のように安部首相が任命責任を認めて陳謝すれば、西川前農相の違法性を認めたことになり、②と矛盾するため、安部首相が「よくわからないが、とりあえず謝っておく」という日本人独特の謝り方をしたのは、よくないと思う。何故なら、ターゲットにしてシュートされている場合は、謝ってもそれで終わることはなく、⑤⑥や*4-1、*4-2のような展開になるため、変に謝ると、後で首尾一貫した説明ができなくなるからだ。

 しかし、*1-5のように、政治資金規正法は第22条の3で、国から補助金を受け取っている会社が交付決定の通知から1年以内に政治家に寄付することを禁じているが、寄付の受け手が補助金交付を知らなければ違法とはみなさないとしている。また、この法律の立法趣旨は、補助金を交付されるように政治家に口利きを頼み、交付された補助金の一部を口利きした政治家にキックバックするのを防ぐことであるため、違法行為があったか否かは、法治国家である限り、立法趣旨と違法行為の成立要件を明確に事実認定して判断しなければならないと考える。

(2)下村文科相の事例 ← 安部政権がターゲットにされているようだ
 西川前農相の件だけでは安部政権に対するダメージが小さかったためか、*2-1のように、週刊文春が、題名で大きく下村文科相が「違法献金」を受けていると報じた。しかし、その内容は題名とは異なり、「政治資金規正法に抵触する可能性がある」というものだ。

 そもそも後援会は、広く政治資金や票を集める目的で普通に設立されるもので、元の職場の人が応援するのも、ごく普通だ。また、そういう後援者がいなければ資金のない人は議員になることができず、それでは庶民のニーズがわかる政治家はいなくなるだろう。

 そして、*2-2は、「政治団体として届け出ないまま特定の政治家を支える金銭の収受をすれば、政治資金規正法に違反する可能性がある」と“違反の可能性”を強調しているが、政治団体として届け出ずに特定の政治家に寄付をすれば、政治資金規正法に違反するという法律的根拠はない。もちろん、政治団体として選挙管理委員会に届け出ていなければ、寄付者は税務申告時に寄付金控除ができないというディメリットはあるが、政治家でない個人が寄付者として名前を公表されたくないので任意団体のままでいるというニーズはあるだろうし、日本国憲法では“結社の自由”が保障されている。

 従って、「違法性がある」と言うのなら、どの法律のどの部分にその根拠があるのかを明確にすべきであり、それもないのに、「違法行為」という人格を否定する言葉をみだりに使うのは、法治国家の論理に反するとともに、人格権の侵害である。なお、*4-2のように、自民党の谷垣幹事長も、記者会見で「法律に照らして全く問題がない」としている。

(3)佐賀県の事例 ← 佐賀県は、ささいなことで政治家に警察の手入れが多い
 一方、佐賀県では、*3-1のように、唐津市発注の公共工事が不正入札だったとして、坂井市長が絞られているが、坂井市長は市民に出前講座をしたり、唐津コスメティック構想を行ったりして頑張っている市長だ。そのため、私は、このような“事件”で唐津市の街づくりやコスメティック構想などが頓挫するのはもったいないと考えている。

 また、坂井市長は、建設会社とゴルフコンペを開催して市職員も数多く参加していたそうだが、それは坂井市長の名前を冠した大会だったそうだ。そして、市長が熱心な後援会員である徳島氏の「古希を祝う会」の発起人に名を貸したことも問題視されているが、それはとりわけ異常なことではない。そのため、市長もそこまで因縁をつけられては、たまったものではないだろう。

 さらに、*3-2のように、佐賀県警は、統一地方選の違反取締本部を設置して、本部と県内10署の1160人態勢で取り締まりに当たるそうだが、選挙になると、このように警察が総出で公職選挙法違反として文書頒布や文書掲示を厳しく摘発するのは、警察権力が憲法の言論の自由・表現の自由・民主主義を阻んでいるものであるため、公職選挙法の妥当性を見直し、運用を点検することが、重要である。

(4)何が変なのか ← メディアと国民の問題である
 *4-1のように、朝日新聞は社説で「政治とカネ 疑惑の連鎖を断ち切れ」という記事を書いている。しかし、その根拠となっているのは、①西川前農水相、望月環境相、上川法相が、補助金交付対象企業から禁止された期間内に寄付を受けていた ②下村文科相を支援する団体が政治団体の届け出をしないまま活動していた ③西川氏は寄付を受けた企業から顧問として報酬を受け取っていた ということで、現在、これを違法行為とする法律的根拠はない。

 そして、現在は20年前と異なり、団体から政治家への寄付の額が小さくなり、後援会や政党支部の決算公開も進んでいる。それにもかかわらず、フクシマ原発事故の真実は、何一つまともに報道できないメディアが、政治家はすべて金に汚いかのように、*4-1や*4-2のような記事を書くのはおかしく、これは、権力を批判するポーズにすぎない。

 そして、日頃から、このような報道しか目にしない国民が、選挙時にのみ主権者として妥当な判断ができると考えるのこそ、甘いと言わざるを得ない。

<西川農林水産相の事例>
*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150225&ng=DGKKASFS24H78_U5A220C1PP8000 (日経新聞 2015.2.25) 農相問題、攻める野党 予算委開けず、首相の任命責任を追及 予算案の年度内成立難しく
 国会は24日、西川公也前農相が自らの政治資金問題で辞任したことを受け、2015年度予算案の審議日程をめぐる与野党の攻防が激化した。民主、維新両党は「政治とカネ」の問題の徹底追及で足並みをそろえ、今後は安倍晋三首相の任命責任に的を絞る。14年度内の予算案成立は困難な情勢で、政府・与党は暫定予算の編成作業を検討する。「西川氏は全く反省がみられない。引き続き説明責任を求める」。民主党の岡田克也代表は24日の常任幹事会で訴えた。維新の党の江田憲司代表も代議士会で「首相の任命責任、西川氏の説明責任にけじめをつけるのが大事だ」と強調した。民主、維新両党など野党5党は国会対策委員長会談で、農相辞任後も西川氏をさらに追及する方針を確認。24日に予定していた衆院予算委での15年度予算案の一般質疑に応じなかった。野党側は(1)首相と全閣僚が出席する衆院予算委の基本的質疑をやり直す(2)西川氏が顧問料を受け取っていた企業のリストを提示する――ことを要求し与党側もこれに応じた。25日の予算委の再開で合意した。野党側が特に重視するのが、法律が禁じる1年以内に国の補助金の交付決定を通知された企業からの献金を西川氏が代表を務める政党支部が受領した問題。西川氏が09年衆院選で落選した後、この会社の顧問に就任しており、野党側は「補助金の受領を認識していたのではないか」「顧問料は事実上の寄付だったのではないか」と批判の矛先を向けている。民主、維新両党は昨秋の臨時国会で、当時の小渕優子経済産業相、松島みどり法相の政治資金問題をめぐって共闘したが、今国会では連携を控えてきた。1月の民主党代表選で岡田氏や細野豪志政調会長が野党再編を巡るやりとりを公にし、維新内で民主党への不信感が強まったためだ。西川氏の顧問就任をめぐる疑惑は、20日の衆院予算委で維新の村岡敏英氏がただしたのが発端だっただけに維新は攻勢を強める。24日の与野党協議では、維新の馬場伸幸国対委員長が農相問題とは直接関係がない同日の衆院本会議まで先送りすべきだと主張し、民主が同調する場面もあった。一般的に国会審議では「閣僚が辞任したら疑惑は幕引き」とするケースが多くみられるが、今回は野党側が早期の幕引きに応じる気配は薄いとみられる。与党側は15年度予算案の年度内成立に向け、各党の協力を得る必要があるとして野党側の主張を受け入れた。自民党の佐藤勉、公明党の大口善徳両国対委員長らは24日、国会内で今後の対応を協議し、年度内の予算案の成立をめざす方針を確認した。与党内には「年度内成立は客観的にみて厳しくなった」(大口氏)との見方が強まっており、暫定予算編成も検討する。

*1-2:http://mainichi.jp/select/news/20150224k0000m010082000c.html
(毎日新聞 2015年2月23日) 西川農相辞任:「農政へ影響ない」農水省、不安解消に躍起
 西川公也農相の突然の辞任に、農林水産省には驚きが広がった。自民党農林族のベテランで、農相就任前から環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉に関わってきた西川氏だけに、交渉への影響も懸念される。後任には、前農相で自民党農林水産戦略調査会長を務めている林芳正氏が就任。同省は「農政への影響はほとんどない」(農水省幹部)と、不安の打ち消しに躍起になっている。西川氏は自民党農林族で、農産物の自由化に反対するなど保守的な姿勢も強かったが、昨年9月の農相就任後は、農協改革を積極的に推進するなど、省内からは「改革の先頭に立ってくれた」との評価もある。TPP交渉では、農相就任前から自民党TPP対策委員長として各国と、コメや牛・豚肉など日本が関税維持を主張する農産物重要5項目を巡る調整を進めてきた。西川氏は23日夕、首相に辞表を提出後、記者団に「(内閣の)外に出ても、関わり方はあると思う」と述べ、閣外から農政に関わっていく意欲をみせた。ただ、辞任の記者会見は開かなかった。TPPの交渉が大詰めを迎えており、3月中に農協改革関連法案を国会に提出するための作業を農水省は急いでいる。「法案作成の作業は粛々と進めており、農相交代の影響はない」(同省幹部)としているが、後任の林氏は西川氏辞任の影響を最小限にすることを求められる。林氏は、昨年9月に西川氏と交代するまでの1年8カ月、農相を務めた。農家が農業だけでなく、加工や販売などを担う農業の「6次産業化」の重要性や、積極的に輸出などを推進する「攻める農業」を訴えてきた。また、自民党の農林水産戦略調査会長として、TPP交渉の内容も把握しており、ある農水省幹部は「政策の継続性の観点からも全く問題ない」と、農相交代を冷静に受け止めた。林氏は23日夜、農水省10+件で記者会見し「政策を着実に進めていく。これが自分に課せられた使命だ」と語り、農政に混乱が生じないよう全力を尽くす姿勢を強調した。

*1-3:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11621137.html
(朝日新聞 2015年2月26日) 首相「国民に申し訳ない」 新たな資料、国会提出へ 西川氏辞任
 西川公也・前農林水産相の辞任を受け、野党は25日の衆院予算委員会で安倍晋三首相に対し、西川氏をめぐる政治資金問題をただした。首相は違法性について改めて否定したが、任命責任を認めて陳謝した。26日に西川氏に関する新たな資料が国会に示される予定で、野党の追及がさらに強まる可能性もある。予算委の冒頭、首相は「私が任命した閣僚が交代する結果を招き、国民の皆さんに大変申し訳ない」と述べた。民主党の馬淵澄夫氏は、西川氏が代表を務める自民党支部に、国の補助金の交付決定通知を受けた木材加工会社が寄付をしていた問題を挙げ、「この問題を西川大臣の辞任で終わらせていいのか」と迫った。首相は「西川大臣は(補助金交付を)『知らなかった』と答弁している。違法状態が続いたということではない」と強調。「大臣、国会議員に関わらず、説明責任をさらに求められるのであれば果たしていくのは当然だ」と語った。共産党の穀田恵二氏は西川氏が「いくら説明しても分からない人は分からない」と述べたことを問題視。首相は「西川氏も『国民の皆さんにはなかなか理解してもらっていない部分があるが、これから一生懸命説明していきたいと思う』という話だった」と述べた。26日の同委理事会には、野党側の要求で、西川氏が顧問を務めていた企業や報酬の一覧表が示されるが、どこまで詳細が明らかになるかは不透明だ。野党側は引き続き、西川氏を参考人として、予算委に出席するよう求める。

*1-4:http://www.nikkei.com/paper/related-article/?b=20150225&c=DM1&d=0&nbm=DGKKASFS24H78_U5A220C1PP8000&ng=DGKKASFS24H5F_U5A220C1PP8000&ue=DPP8000 (日経新聞 2015.2.25) 党農水調査会長、林氏から西川氏に 自民が入れ替え
 自民党は24日、政治資金問題で辞任した西川公也前農相を党農林水産戦略調査会長に充てる方針だ。西川氏の後任で農相に就任した林芳正氏がこれまで同調査会長を務めており、西川氏と林氏が入れ替わる形となる。西川氏は党でも法案の審査などを通じて、安倍晋三首相が意欲を示す農協改革に取り組む。林氏は党税制調査会(野田毅会長)の非公式会合(インナー)や安全保障法制整備に関する与党協議会のメンバーも務めていた。党は後任を林氏と同じ参院議員を充てる方向で人選を急ぐ。

*1-5:http://www.nikkei.com/paper/related-article/?b=20150228&c=DM1&d=0&nbm=DGKKASFS27H5C_X20C15A2PP8000&ng=DGKKZO83792020Y5A220C1PP8000&ue=DPP8000 (日経新聞 2015.2.28) 政治献金の規制とは
▼政治献金の規制 政治資金規正法は第22条の3で、国から補助金を受け取っている会社が交付決定の通知から1年以内に、政治活動に使うため寄付することを禁じている。寄付の受け手は「規定違反を知りながら、これを受けてはならない」とし、補助金交付を知らなければ違法とはみなされない。22条の5は外国人や外国法人からの政治献金の受け取りも禁じるが、献金者が外国人だと受け手が知らなかった場合の規定はない。

<下村文科相の事例>
*2-1:http://the-liberty.com/article.php?item_id=9272
(The Liberty Web 2015.2.26) 【速報】下村博文文科相が「違法献金」 週刊文春報じる
 下村博文・文部科学相が、塾業界から「違法献金」を受けていると、26日発売の「週刊文春」(3月5日号)が報じた。記事では、「収支報告書の虚偽記載や、場合によっては詐欺に当たる可能性がある」と指摘する専門家のコメントを紹介。政治とカネの問題で、農林水産相の西川公也氏が辞任したばかり。今後、下村文科相への追及が本格化しそうだ。
●政治資金規正法に抵触する可能性
 5ページにわたって掲載された記事によると、「博友会」という名前を冠した下村氏の後援会は10団体存在するが、このうち政治団体として届け出があるのは、東京都選管に届け出がある東京の博友会だけ。その他の「近畿博友会」「九州・沖縄博友会」などは、政治団体として届け出がないが、地域ごとに定期的に下村氏を招いて講演会を開いたり、年会費を集めている。例えば、近畿博友会では、2013年春に大阪で講演会を開き、1人2万円の会費で、約200人が集まったという。問題とされているのは、こうした形でお金を集めた後援会などから、下村氏が代表を務める「自民党東京都第11選挙区支部」に寄付されている可能性があるという点。政治資金規正法では、「特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対することを本来の目的とする団体」は政治団体となるため、届け出をして、毎年、資金の流れを政治資金収支報告書に記載し、提出する必要がある、という点に抵触する可能性だ。記事では、「例年博友会で複数の講演会が催されていることから、その際は講演料を『裏金』として受け取っていた可能性がある」とも指摘する。
●教育関係者の「カネ」と「票」集めが狙い!?
 本欄でもこれまでに、下村氏が、補助金を交付していた学校法人から違法性の高いカネを受け取っていたり(2014年11月20日付朝日新聞夕刊)、医学部新設を認めた大学から「講演会」名目でカネを集める(「フライデー」2014年10月7日号)など、政治家や大臣という立場を利用して、利害関係者から露骨な「カネ集め」をしていた実態を紹介してきた。今回の記事が事実であれば、下村氏は、弱い立場の学校や教育関係者から、さまざまな形でカネ集めをすると同時に、教育行政に利害のある人々の票集めをしていたことになるのではないか。
●幸福の科学大学の「不認可」は憲法違反の疑い
 下村氏は昨年10月末、学校法人・幸福の科学学園が設立を目指していた「幸福の科学大学」に対して、「不認可」の判断を下した。理由の一つは「霊言を根拠とした教育内容は、学問として認めらない」というもの。もう一つは、同学校法人側に「認可の強要を意図する不正の行為があった」というものだった。だが、こうした下村氏の判断について、識者からは次のような批判の声が上がっている。「特定の宗教に対する好き嫌いの感情を権力行使に結びつけていることになりますので、明らかに信教の自由の侵害であり、政教分離原則違反です。(中略)歴史的経緯を見ても、『信教の自由』は諸々の権利の中で最も重要で、最初に保障されるべきものです」(本誌2015年1月号、洗建・駒澤大学名誉教授インタビューより)。「あくまでも法治国家の住人である一人の自由な言論家の意見であり、幸福の科学を擁護するための発言ではないことを断っておきますが、不認可は法治国家の原則から外れた判断だと感じました。(中略)宗教教育を行おうとする試みを国家が阻止することは、憲法で保障された『信教の自由』『学問の自由』に抵触しており、許されないことだと思います。(中略)文科相は行政府の長として、こうした憲法違反の判断をすべきではないでしょう」(本誌2015年4月号、批評家・小浜逸郎氏インタビューより)。つまり、下村氏の判断は、政府が具体的な学問の定義に踏み込んだ点で憲法違反の疑いが強く、また政府が宗教の教義について価値判断を下したという意味で、「信教の自由」「学問の自由」を侵害した恐れがあるということだ。今回の「政治とカネ」の問題を見ても、やはり下村氏は、教育行政のトップとして不適格な人物だったと言えるのではないか。「教育は国家百年の計」とされるが、安倍晋三首相には、教育行政に適切な人物を就け、日本を世界に誇る国へと成長させていってほしい。

*2-2:http://mainichi.jp/select/news/20150226k0000m040127000c.html
(毎日新聞 2015年2月25日) 下村文科相:無届け団体が資金集め? 週刊誌報道へ
 下村博文文部科学相を講演に呼んで懇親パーティーを開くなどの活動をする「博友会」が、政治団体として選管へ届け出ておらず、政治資金規正法に違反する可能性があると指摘する記事が、26日発売の週刊文春3月5日号に掲載される。同誌は、下村氏が代表を務める政党支部が博友会からの寄付を政治資金収支報告書に記載していない疑いがあるとも指摘している。記事によると「博友会」は東北や中部、近畿、九州・沖縄など各地にあり、下村氏の講演会や懇親パーティーを1人2万円の会費で開くなどの活動をしている。政治資金規正法は、政治団体を「特定の公職の候補者の推薦や支持を本来の目的とする団体」と定義し、選管への届け出と政治資金収支報告書の提出を義務づけている。だが、東京以外の博友会は政治団体として届け出ていないという。また、同会の会員から「年会費が下村氏を代表とする自民党東京都第11選挙区支部の寄付として処理されていた」との声が上がっており、一部の「博友会」からの寄付が同政党支部の収支報告書で確認できなかったなどと報じている。同誌によると下村氏の事務所は「各地域にある博友会は有志個人の集まりで、年に1度下村を招いて懇親会をやる程度で、継続的・組織的に政治活動をしていることはない」などと回答したという。また、下村氏は25日、報道陣に「まだ(記事が)出ていないのでコメントできない」と述べた。政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は、毎日新聞の取材に「講演会・懇親パーティーで1人2万円は政治資金パーティーの相場。政治団体として届け出ないまま特定の政治家を支える金銭の収受をしていれば、政治資金規正法に違反する可能性がある。大臣はきちんと説明責任を果たすべきだ」としている。

<佐賀県の事例>
*3-1:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/153645
(佐賀新聞 2015年2月6日) 唐津不正入札 議会特別委で坂井市長「甘かった」
 唐津市発注の公共工事をめぐる不正入札事件の原因を究明する2回目の市議会特別委員会が5日開かれ、坂井俊之市長が初めて出席した。毎年「市長杯」のゴルフコンペを開催、「市職員と建設業者の接点をつくっていた」と指摘されたが、市長は「自分が甘かった。参加者をチェックすべきだった」と陳謝した。昨年10月に開かれたゴルフコンペには、企業後援会の会長を務めた上滝建設元副社長の徳島武彦被告(70)=贈賄罪で起訴=ら建設業者や前企画財政部長の佐伯善春被告(59)=加重収賄罪などで起訴=ら市職員が数多く参加していた。ただ、坂井市長は「私はゴルフはしないので、名前を冠にした大会」として直接的な関与は否定した。また、同月開かれた徳島被告の「古希を祝う会」で発起人を務めたことについて、坂井市長は「あくまで個人で引き受け、私自身が人を集めたというわけではない」と述べた。一方、二つの市民グループから要請が出ている公開説明会開催については「特別委員会に毎回出るつもりだし、市民に向けた説明もこの場でしていきたい」と答えるにとどまった。委員会は市民ら約60人が傍聴。唐津市の畦間優さん(74)は「これだけのことが起きているのに危機感と厳しさが足りない。議会はもっと強い言葉で追及してほしい」と注文をつけた。

*3-2:http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/160349
(佐賀新聞 2015年2月25日) 県警、統一地方選の違反取締本部を設置
 佐賀県警は25日、4月の統一地方選に向けた「事前運動取締本部」を設置した。本部と県内10署の1160人態勢で取り締まりに当たる。県警捜査2課によると、今回の統一地方選では看板の掲示違反などで、すでに8件を警告。前回2011年は、文書頒布で3件を摘発したほか、文書掲示など74件の警告を行っている。3月下旬には「選挙違反取締本部」を設置する。

<メディア報道の問題点について>
*4-1:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11625117.html
(朝日新聞社説 2015年2月28日)政治とカネ 疑惑の連鎖を断ち切れ
 安倍内閣の閣僚に、政治献金の疑惑が相次いでいる。国からの補助金交付が決まった企業からの寄付が問題とされ、西川前農水相が辞職したばかり。きのうは、望月環境相と上川法相が代表を務める自民党支部が、やはり補助金交付対象の企業から禁止された期間内に寄付を受けていたことが明らかになった。また、下村文科相を支援する団体が政治団体の届け出をしないまま活動していることが違法ではないかと週刊誌で報じられ、国会で民主党などから追及を受けている。望月氏は、企業が補助金を受けていることは知らなかったなどとして「法には触れない」。下村氏は「世上いわれるような政治活動をする後援会とは全く違う」と説明する。安倍首相も、問題はないとの認識だ。しかし、単に「知らなかった」ですませられる問題なのか。辞めた西川氏は、寄付を受けた企業から顧問として報酬を受け取っていたことも明らかになった。野党が厳しく追及するのは当然である。この種の問題が発覚するたびに、政治資金規正法の限界が指摘されてきた。改正を重ねても、政治とカネをめぐる不祥事は尽きることがない。疑惑の連鎖を断ち切るためには、問題の根っこから改めることが必要だ。企業・団体献金の禁止である。1994年の一連の政治改革では、5年後に政治家個人への企業・団体献金を禁止し、政党への寄付のあり方についても見直すと決められた。確かに、99年の政治資金規正法の改正で政治家個人への企業・団体献金は禁止された。だが、大きな抜け穴がいまだに温存されている。政治家が代表する政党支部への企業・団体献金が、いまだに認められているのだ。今回、西川前農水相や望月環境相、上川法相が問題にされている寄付は、まさにこの政党支部に寄せられたものだ。企業や団体が献金を通じて政治家とつながれば、癒着や腐敗を招きやすい。そのもとを断ち、国民1人あたり250円分の税金による政党助成と個人献金を中心に政治を支えるようにしていく。国会は20年前そう説明していたのではなかったか。おりしもきのう、維新の党が企業・団体献金を全面禁止する法案を衆院に出した。20年前の「約束」を実行に移す時ではないか。安倍首相をはじめ与党も、その他の野党も、明確な態度を示すべきだ。

*4-2:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150228&ng=DGKKASFS27H5C_X20C15A2PP8000 (日経新聞 2015.2.28)
環境相・法相に飛び火、補助金企業から献金 「交付知らず」違法性否定
 閣僚の政治献金問題が27日、望月義夫環境相と上川陽子法相に飛び火した。いずれも政治資金規正法が禁じる国の補助金の交付が決まった企業から献金を受けていたもので、辞任した西川公也前農相と同じ構図だ。望月、上川両氏とも「補助金交付を知らず、違法性はない」と釈明。西川氏に続く閣僚の進退問題につながらないよう政府・与党は沈静化を急いだ。「西川前農相と全く同じ。違法献金だ」。27日の衆院予算委員会で、民主党の後藤祐一政調副会長は、国の補助金を受けた総合物流業の鈴与が望月、上川両氏に献金していたと追及した。
●「同じ構図」指摘
 鈴与は望月、上川両氏の地元、静岡県に本社を置く。2013年3月に国土交通省事業で4200万円、同年8月に環境省事業で1億7000万円の補助金の交付が決まった。望月氏に13年12月に140万円、上川氏には13年3月から12月にかけて計60万円を、それぞれが代表を務める党支部に献金した。これが補助金交付の決定から1年以内の政治献金を禁じた政治資金規正法に抵触するとの指摘だ。望月、上川両氏は補助金交付を認識していなかったとして「違法性はない」と弁明した。望月氏は26日に献金を返金し、上川氏も「これまで指摘がなかった。調査したうえで対応する」と語った。望月氏は環境省事業の補助金交付を決めたのは国ではなく一般社団法人「低炭素社会創出促進協会」だとして「政治資金規正法の規定には当たらない」とも説明した。補助金交付先からの献金は、西川氏が代表を務める党支部も受領した。西川氏も献金した木材加工会社が補助金を受けた認識はなかったと説明した。その後、同社の顧問をしていたことが明らかになり農相を辞任した。望月氏は鈴与と顧問契約はないとしている。
●火消し急ぐ
 補助金交付企業の献金と同様、政治資金規正法が禁じながら陥りやすいのが外国人献金だ。26日には下村博文文部科学相が大阪の企業や個人から計96万円の献金を受けたことを明らかにした。予算委で安倍晋三首相は「民主党も外国人献金がずいぶん問題になった」と菅直人元首相らの外国人献金問題に触れつつ、献金者が外国人かどうか「分からない場合がある」と下村氏を擁護した。下村氏をめぐっては、学習塾の経営者らの団体「博友会」が政治団体の届け出をせずに、献金などで下村氏を支援していたとの指摘もある。下村氏は予算委で「政治資金を集めるような団体ではない」と否定したが、野党は献金の違法性を否定していた西川氏の辞任で「閣僚辞任のハードルが下がった」(民主党幹部)と勢いづく。政府・与党は閣僚の進退問題に発展する事態を避けたい考え。首相は「補助金は知っていたかどうかが要件で、冷静に議論すべきだ」と強調し、自民党の谷垣禎一幹事長も記者会見で「法律に照らして全く問題がない」と火消しに努めた。

| 報道の問題点::2012.11~ | 02:33 PM | comments (x) | trackback (x) |

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