■CALENDAR■
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31     
<<前月 2019年12月 次月>>
■NEW ENTRIES■
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■OTHER■
左のCATEGORIES欄の該当部分をクリックすると、カテゴリー毎に、広津もと子の見解を見ることができます。また、ARCHIVESの見たい月をクリックすると、その月のカレンダーが一番上に出てきますので、その日付をクリックすると、見たい日の記録が出てきます。ただし、投稿のなかった日付は、クリックすることができないようになっています。

2015.3.29 主権者は、どういう人を議員に選んだのか? また、その理由は? (2015年3月30日、31日、4月2日、9日に追加あり)
    
  日米中の  購買力平価による   購買力平価で見た   日本の債務残高  出生時代別 
  名目GDP  一人当たりGDP    GDP順位の変化                 人口割合

I.無駄遣いは、こちら
(1)人の痛みを思いやり、よりよい解決策を考えるべき
 *1-1のように、2015年3月24日、「国が投入した巨大なブロック塊がサンゴ礁を破壊している問題で、翁長雄志知事は沖縄防衛局に対し、海底ボーリング調査など全ての海上作業を30日までに停止するよう指示し、『腹は決めている』と述べた」とのことだが、翁長知事の決意は、最近のすべての選挙で示された沖縄の民意である。しかし、菅官房長官は、「全く変更せず、粛々と進める」と述べたので、私もうんざりした。何故なら、日本が民主国家なら、ここは“粛々”と進めるべき場所ではないからである。

 しかし、*1-2のように、2015年3月28日、沖縄県が出した名護市辺野古海域での作業停止指示に、中谷防衛庁長官は「正当な手続きが済んでいる」と述べ、沖縄防衛局は不服として農水省に申し立て、その審査請求書には沖縄県内世論の大多数が辺野古移設に反対していることには触れずに「(作業停止は)普天間の返還遅れに直結し、周辺住民が騒音にさらされ続けることになる」とするなど、一方的な主張が目立つとのことである。

 そして、*1-3のように、農相は、2015年3月28日、「翁長氏の指示には正当性がない」として、沖縄県知事による米軍普天間飛行場移設先、名護市辺野古沿岸部で作業を進める沖縄防衛局への作業停止指示の効力を止める意向を固めたそうだ。

 しかし、私は、*1-4のように、名護市辺野古への移設については、これまでの経緯を見ればわかるとおり、政府は他の移設先を探すべきだと考える。中谷防衛庁長官が根拠としている「正当な手続き」の重要な一部である仲井眞知事の承認には、どう見ても国の恫喝による強制があったと思われた。そのため、菅官房長官が「翁長氏の指示は違法性が重大かつ明白で無効だ」と批判しているのは、日本の民主主義と公正性にかんがみて、どちらがおかしいのかをもっと大きな視野で司法に問うべきことになる。

 そして、現在は本当に必要な公共工事が目白押しであるとともに、埋め立ては無駄遣いで環境を壊し、硫黄島などの離島を提供する方が合理的であるため、米軍海兵隊の機能や何の抑止力になりうるのかなど、今一度、冷静に考えて結論づけた方がよい。

(2)原発にのみ税金から膨大な補助をすることにより、最もよい技術を残していく自然淘汰を阻害して
   いるのが日本の政治家・行政官であり、これらに、どういう人材が就いているのかが問題
    
 原子炉内部を  汚染水対策の   放射性物質の取扱い失格       もんじゅ  さらに原発保護
 今頃透視して   無駄遣い                         重要配管点検漏れ 
メルトスルー確認
   
 経産省と電力会社を中心として、原発への無駄遣いが目に余る。そして、既に起こってしまったフクシマ事故については、保障せざるを得ないが、40年も稼働しながら補助の継続を必要とするような技術は、使い物にならない。

 そのような中、*2-1のように、会計検査院の調査で、東電は2014年3月までに廃炉・汚染水対策として3455億円を支出し、そのうち約700億円は、除染装置の機能不全で無駄になったそうだ。処理水を溜めるために160億円かけて設置したボルト締め型のタンクは現在造り直しており、21億円で整備した地下貯水池も処理水漏れで使えなかったが、これらは、放射性物質をあまりにも甘く見ていた結果だ。

 さらに、汚染水を凍らせて止水する狙いで、海側の地下トンネルにたまった高濃度汚染水の抜き取りに向けた実証実験を子会社の東京パワーテクノロジーに1億円で委託したが、汚染水は凍らず作業員が手作業で氷を投するという、ちょっと考えれば事前にわかる馬鹿な結果となった。

 また、*2-2のように、会計検査院の試算によれば、国が東電に支援する9兆円を全額回収するには30年超かかる可能性があり、国は東電が事業利益から出す特別負担金や東電株式(1兆円相当)の売却益などで回収する計画だが、検査院は「高価格での東電株式売却は確実でない」と指摘している。

 その上、*2-3のように、経産省、「もんじゅ」の技術開発費1401億円を原発コストに含めず、原発のコストは他のエネルギーよりも安いと主張する。しかし、太陽光発電の開発費はシャープが拠出し、これが通常の製品であって開発費はコストの一部であるため、コスト比較に不公正があるのだ。また、「事故の発生確率は約40年に1回」「原発の安全対策をしているのに事故リスクが下がらないのは、つじつまが合わない」「前回も世界最高水準の安全対策をとることが前提だったため、確率を変えるのは反対だ」というように、事故の確率に関する科学性のなさも問題で、これが原発力ムラのレベルなのだ。

 そのような中、*2-4のように、経産省は、原発再稼働と電力自由化を睨み、電力会社が独占してきた原発の安い電気をだれでも売れるように、原発由来の電力を新電力に供給することを義務付けるそうだ。それは、今後、原発への公的な支援拡大が避けられず、世論の支持を得るためだそうだが、その公的支援は、最も優れた発電方法に淘汰していくことを邪魔し、最もコストが高くて危険な原発を温存する、逆効果の無駄遣いなのである。

II.国は、国民が保険料を支払ってきた基金の受託者であるため、正当な注意なき管理による不足分を、委託者である国民(受け取る高齢者)に、しわ寄せすることは許されない。
    
   年金制度      マクロ経済スライド 2014.11.28朝日  介護保険料値上げ

(1)インフレ政策の罪
 *3-1のように、黒田日銀総裁が「秋以降に物価上昇率が加速する」と述べたように、政府と日銀は、脱デフレを目的して金融緩和による物価上昇政策(つまり、インフレ政策)を行っている。それは、2015年度末にかけて2%の物価上昇目標を達成して堂々と消費税増税を行うため、及び、*3-2のように、「マクロ経済スライド(意味のない名前だ)」を適用し、物価上昇で実質年金支給額を目減りさせる目的があり、ここに高齢者の生活に対するやさしさや配慮は全くない。そして、これは、高齢者の犯罪が増えている原因である。

 *3-1によれば、黒田氏は、「①全国消費者物価指数が原油安の影響を受けて、0%程度の低い上昇率にとどまる可能性がある」「②(物価の伸び悩みが賃金改善を遅らせる)悪循環につながる懸念は払拭された」「③外国為替相場の円安の定着で輸出が持ち直し、経済全体がうまく回り始めた」としたそうだが、これらはすべて経済学的におかしく、それをまともに批判できるメディアがないのも驚きだ。

 実際には、この金融緩和による物価上昇政策(つまり、インフレ政策)の影響で、円ドルレートは80円前後から120円前後になったため、我が国のドル換算GDPは単純に2/3になった。また、物価上昇した分だけ国民の購買力は低下し、購買力平価で見た一人当たりGDPは左から2番目の図のとおりだ。それにもかかわらず、こうしなければ輸出や企業立地が増えずに③の状態であり、国家財政も大赤字なのであれば、それが日本経済の実力と言わざるを得ないが、そうなってしまった大きな理由に、Iに記載した政治・行政の誤った政策による付加価値を上げる新産業への妨害や生産性の低い雇用、投資がある。

 なお、②の「デフレでは賃金が減り、デフレスパイラルに陥る」と言っている人は多いが、付加価値を高くできない無駄な投資をしている日本経済の実力では、日本全体として実質賃金が上がるわけはない。また、百歩譲って実質賃金が上がったとしても、上の右図のように人口の30%を占める高齢者の年金所得が減り、生活にさえ困っている状態なのだから、高齢者は節約モードに入って、①の原油安は福音でこそあれ、国内需要が増えて経済が活性化することにより物価が上昇をするなどということはない。

 なお、経済学の理論上も、GDPの一定割合の投資ができるためには、同じ割合の貯蓄が必要であるため、現在の政策では、生産性を上げる民間投資も民間貯蓄も減るしかないのである。

(2)政府が低所得の高齢者からむしりとる政策は破廉恥で、若者の倫理観にも悪影響を与えている
 *3-2のように、物価が上昇に転じても、年金抑制策「マクロ経済スライド」機能して、公的年金はこれまでのように増えなくなり、これにより実質年金額が下がるため、現在及び将来の実質年金支払額が減ることになるが、最低年金の底上げは先送りされており、これこそが、最も大きなインフレ政策の目的であろう。そして、高齢者が負担する介護保険料も上がっており、「年寄りは(若者に負担をかけずに)早く死ねということか」と言われても否定できない破廉恥な状況なのである。

 その上、*3-3のように、政府は、子への「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」「教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置」「住宅資金贈与の非課税制度」などを創設し、高齢者から子や孫への教育・住宅資金の贈与を奨励している。しかし、高齢者の貯蓄は働けなくなった後の生活費であるため準備があるのが当然であり、贈与した祖父母が年を取った時に資金不足に陥ったり、子や孫が一時的に分不相応な出費をしたり、また格差の固定化の問題があったりするのである。

(3)では、どうすればよいのか
 年金については、2012年12月18日、2014年5月5日始め、このブログの「年金・社会保障」のカテゴリーに、これ以外なら不公正になると思われる唯一の提案を何度もしてきた。つまり、国は、年金制度を積立方式に戻して退職給付会計を採用し、年金基金のずさんな管理を改め、これまでのずさんな管理・運用で足りなくなっている積み立て分は国債で賄い、その国債は次世代までかけて返済することとして、暮らしていける年金給付を行うべきなのである。

 それにより、政府に邪魔されずに市場が機能して、無駄な公共事業で悪循環になることもなく景気が回復し、高齢者が必要とする製品が売れて本物の需要が喚起され、高齢化社会で必要とされる新製品や新技術の開発が進むのである。

III. その他
(1)外国人を労働力と認めず、技能実習生とする差別
 *4に、外国人技能実習制度の対象職種として、新たに介護分野を加える方針を厚生労働省が固め、それは、介護現場の深刻な人手不足によると記載されている。しかし、私も、技能実習制度の名の下に、労働者を最低賃金を下回る低賃金などの劣悪な条件で雇用するのは、介護制度にプラスでないばかりか、外国人に対する人権侵害だと考える。

 これは、国連や米国から「人身売買」などと厳しく批判され、日弁連も制度の廃止を求めているものであるため、厚労省はじめ政府がブラック企業のようにならないためには、早急に見直して正当な外国人の雇用を進めるべきである。

(2)カジノ解禁で博打国家へ(!?)
 その上、*5のように、自民、維新、次世代の3党がカジノ法案を国会に再提出しようとしているのは、もともと自民党系のこの3党であれば予想外というわけではないが、カジノは法律で禁じられている博打であることを考えれば、全く見識に欠ける。

 また、観光目的といっても、日本は、カジノがなければ面白くないような場所ではない上、カジノで巻き上げられてよい思い出を持って日本を後にする外国人はいないため、国益にもならない。

IV. 結論
 ここまで見て、私には、日本では若いヤマト人男性の幸福しか追求されておらず、他の人はそのために犠牲になるべきだという前提があるように見えた。これは、日本国憲法前文の「われらは、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」、同13条の「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」に違反しており、先進国の常識にもあわない。

 それにもかかわらず、“主権者”がそういう人を為政者に選ぶ事態となった理由についても問題にすべきであり、経済学を本当の意味では理解しておらず、空気を読んで報道することしかできない人が、メディアとして「言論の自由」「報道の自由」など語る必要はないし、その資格もないと考える。

<環境破壊と公共工事による無駄遣い>
*1-1:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-240804-storytopic-11.html (琉球新報社説 2015年3月24日) 新基地停止指示 安倍政権は従うべきだ 知事判断に正当性あり
 目の前に横たわる不条理に対し、冷静に法理を尽くし、粛々と是正を求める権限行使である。沖縄の尊厳を懸けた安倍政権との攻防は新たな局面を迎えた。名護市辺野古への新基地建設に向け、国が投入した巨大なブロック塊がサンゴ礁を破壊している問題で、翁長雄志知事は沖縄防衛局に対し、海底ボーリング(掘削)調査など全ての海上作業を30日までに停止するよう指示した。作業停止を拒む政府に対し、翁長知事は「腹は決めている」と述べた。埋め立て本体工事の基盤となる岩礁破砕許可も取り消される公算が大きくなった。
●「主権」はどこへ
 翁長知事は安慶田光男、浦崎唯昭の両副知事と共に会見した。新基地建設阻止に向けた不退転の決意を県内外に示す狙いがあろう。「沖縄のことは沖縄が決める」。われわれは地方自治の原則に根差した知事の決断を強く支持する。問題を整理しよう。国は新基地建設に抵抗する市民を排除するため、埋め立て海域を取り囲む臨時立ち入り制限区域を設けた。その上で、埋め立てを承認した仲井真弘多前知事から昨年8月に岩礁破砕の許可を得た。広大な臨時制限区域を示す浮標灯を固定する重りとして、沖縄防衛局は海底に最大160キロの鋼板アンカー248個を設置したが、大型台風で120個が流出した。消えたアンカーの代わりにしたブロック塊の重量は10~45トン、低く見積もっても当初のアンカーの62~280倍に及ぶ。環境保全に背を向けた常軌を逸した対応だ。埋め立て海域とは関係ない海域で巨大なブロックがサンゴ礁を無残に押しつぶしている。「無許可行為」が確認されれば、岩礁破砕許可取り消しなどを命じることができる。知事の作業停止指示には環境破壊を防ぐ法的正当性がある。一方、県は臨時制限区域内で、サンゴ礁の破壊の有無を調べる立ち入り調査を申請したが、米軍は「運用上の理由」を挙げ、不許可にした。だが、沖縄防衛局は連日、潜水調査を実施しており、運用上の理由は成り立たない。防衛省や外務省は県の調査実現の仲介さえしようとしない。狭量な二重基準が極まっている。安倍政権と米軍が気脈を通わせた県排除の構図だ。日本国内の環境を守るための調査さえかなわないなら自発的な「主権喪失」と言うしかない。安倍晋三首相が国会などで連呼してきた「主権」は沖縄では存在しないかのようだ。
●低劣な品格あらわ
 「全く問題はない」。沖縄の基地負担軽減を担当しているらしい菅義偉官房長官はこの日も硬い表情で断定調の「全く」を再三口にした。強気一辺倒の物言いには、沖縄を敵視する響きがある。見たくない現実から目を背け、都合のよい事情だけ取り入れて強がり、恫喝する。仲井真前知事による埋め立て承認にすがりつき、沖縄の民意を問答無用で組み敷くことしか打つ手がないことの表れだ。子どもじみた心性が際立つ。民主主義の価値を損なう政権の低劣な品格が映し出されている。沖縄の民意は「普天間固定化ノー、辺野古新基地ノー」だ。掘削強行や人権無視の過剰警備など、安倍政権のやることなすことが沖縄社会の反発を強める悪循環に陥っている。「辺野古移設か、固定化か」という脅しも沖縄に基地を押し込める差別を助長している。普天間飛行場は戦後、米軍が民有地を強制接収して造った。奪われた土地にできた基地を動かす先がなぜ県内なのか。かつて県内移設を認めていた県民も根本的な疑念を深め、今は総じて7割超が反対している。普天間飛行場を抱える宜野湾市でも民意は鮮明だ。昨年の県知事選と衆院選で危険性除去を訴えた仲井真前知事と自民党現職は大差をつけられた。民主主義を重んじる正当性は沖縄にある。安倍政権は工事停止指示を受け入れるべきだ。追い込まれているのは政権の側である。

*1-2:http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-241032-storytopic-11.html
(琉球新報社説 2015年3月28日) 防衛局不服文書 沖縄の痛み感じ県外移設を
 米軍普天間飛行場の移設計画をめぐり県が出した名護市辺野古海域での作業停止指示について、沖縄防衛局が不服として農水省に申し立てた審査請求書などの内容が明らかになった。県内世論の大多数が辺野古移設に反対していることには触れず「(作業停止は)普天間の返還遅れに直結し、周辺住民が騒音にさらされ続けることになる」とするなど、一方的な主張ばかりが目立つ。そもそも国の機関が別の国の機関に行政不服審査法に基づく審査請求や執行停止を申し立てられるのか。同法は第1条で国民に不服申し立ての道を開き「国民の権利利益の救済を図る」ことをうたっている。つまり申し立ての当事者は国民だ。国ではない。防衛局は「特権的立場あるいは優越的地位」ではなく「一般私人と同様の立場」で申し立てたと弁明した。防衛省と農水省という政府の身内同士が申立人と審査人の立場になることは疑問だ。「特権的」「優越的」にないと主張するのもあまりに苦しい弁明だ。公正、公平な判断が出る環境が担保されていると誰が思うだろうか。防衛局は岩礁破砕を「海域における地殻の隆起形態を変化させる行為」と記し「サンゴ礁にまで発達したとは認められないサンゴ類をき損する行為は規制の対象とならない」と自論を展開している。サンゴ礁とはサンゴの群落を指す。コンクリートの下敷きになっていたのは複数のサンゴ類だ。小規模ながらも群落を形成しており、これをサンゴ礁から除外することが果たして妥当なのか。群落でないサンゴ類だとしても、岩礁に含まれないから破砕しても構わないという主張は極めて乱暴だ。普天間移設についても名護市辺野古が「唯一の解決策」と記した。中谷元・防衛相は大臣就任前に学生のインタビューに答え、普天間飛行場の県外移設について「理解してくれる自治体があれば移転できる」と断言していた。「唯一」でないことを防衛相自身が認めている。詭弁を繰り返すのはもうやめるべきだ。意見書を出した翁長雄志知事は辺野古移設を強行する政府について「沖縄県民の痛みを感じない、感じようとしない」と批判した。正しい指摘だ。国がすべきは執行停止や審査請求を申し立てることではない。県民の痛みを受け止め、県外移設を真剣に検討すべきだ。

*1-3:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/171259
(佐賀新聞 2015年3月28日) 農相、県の停止指示「無効」へ、辺野古作業、30日にも発表
 林芳正農相は28日、沖縄県の翁長雄志知事による米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先、名護市辺野古沿岸部で作業を進める沖縄防衛局への作業停止指示の効力を止める意向を固めた。県が農相に提出した意見書を精査する作業を進めた上で、30日にも発表する。沖縄県は27日に提出した意見書で、防衛局が翁長氏の指示の効力を止めるため農相に提出した執行停止申立書は「不適法であり、却下されるべきだ」としていた。林農相は、「翁長氏の指示には正当性がない」とする防衛局側の主張の方が妥当との判断に傾いた。知事の指示の効力が停止されれば、防衛局は作業を継続できることになる。

*1-4:http://www.topics.or.jp/editorial/news/2015/03/news_14275014549174.html (徳島新聞社説 2015年3月28日) 辺野古移設で対立 政府は沖縄の声を聞け
 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐり、政府と沖縄県の争いが全面対決の様相になってきた。翁長雄志知事が、辺野古沿岸部での海底ボーリング調査を停止するよう指示したのに対し、政府は無視して作業を続けている。双方は法廷闘争も辞さない構えだ。このままでは対立が決定的になり、修復できなくなる恐れがある。ここまで事態が悪化した原因は、沖縄の声を聞かず、強引な手法をとってきた政府の側にあろう。政府は作業を中止し、県との話し合いを始めるべきだ。翁長知事は、指示から7日以内に作業を停止しなければ、海底の岩石採掘などの岩礁破砕に関する許可を取り消すと警告している。作業停止の期限は今月30日である。知事が停止を指示したのは、防衛省がボーリング調査のため投入した大型コンクリート製ブロックが、岩礁破砕の許可区域外でサンゴ礁を傷つけている可能性が高く、作業を止めて県が調査する必要があると判断したためだ。県は、岩礁破砕許可が取り消されれば、防衛省はボーリング調査を続行できなくなると主張している。これに対して防衛省は、県の破砕許可は不要と反論。対抗措置として、行政不服審査法に基づき、指示の執行停止を求める申立書などを林芳正農相に提出した。菅義偉官房長官は「翁長氏の指示は違法性が重大かつ明白で無効だ」と批判する。だが、県の潜水調査では、1カ所でサンゴ礁の損傷が確認されている。他の地点も確かめ、問題があれば是正させたいというのは県として当然ではないか。防衛省は昨年8月にボーリング調査を始め、翌9月に中断した後、今月再開した。翁長知事は、前知事による埋め立て承認の是非を検証する有識者委員会を1月に設置し、検証が終わるまで調査を再開しないよう求めていた。それを一顧だにせず、抗議する人たちを力で排除しての強行だった。乱暴なやり方に「これが民主主義なのか」と県民から怒りの声が上がったのはもっともだろう。菅官房長官は「わが国は法治国家だ」「法令に基づき、粛々と工事を進める」としている。しかし、前知事が公約に背いて踏み切った辺野古の埋め立て承認は、昨年11月の知事選で大敗を喫したことで県民からノーを突き付けられた。昨年の名護市長選と衆院選でも、移設賛成派は完敗した。沖縄の民意は明確に示されている。それを無視して進めることが正当な方法といえるだろうか。翁長知事は就任後、安倍晋三首相と菅官房長官に一度も会えていない。安倍首相はきのうの参院予算委員会で「国と地元がさまざまな取り組みについて連携を深めていく中で、翁長氏との対話の機会も設けられると考えている」と述べた。首相は中韓両国首脳との会談開催をめぐり、前提条件を付けるべきではないとし、対話のドアは常にオープンだと強調している。その姿勢を沖縄に対しても貫いてもらいたい。地元の理解と協力を得ようとするなら、まずは県民の声に耳を傾けるべきである。

<原発には税金から多額の補助をして技術進歩を阻害>
*2-1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2015032402000121.html (東京新聞 2015年3月24日) 汚染水対策700億円無駄に 東電 除染装置不具合など
 東京電力が福島第一原発事故の汚染水対策に投入した一部の除染装置などが十分に機能せず、約七百億円が無駄になっていたことが、会計検査院の調査で分かった。検査院によると、東電は二〇一四年三月までに廃炉・汚染水対策として三千四百五十五億円を支出した。東電はこれまで対策費用の内訳を「個別の契約内容」として明かしていない。最も多額なのは、一一年四月に仏アレバ社など六社と三百二十一億円で契約した除染装置。汚染水の放射性セシウムを薬剤で分離して濃度を下げる。だが処理効率が悪く、高濃度の汚泥が発生する問題もあり、三カ月動いただけだった。日立GEニュークリア・エナジーや東芝などと百八十四億円で契約した、処理水を蒸発させて塩分を取り除く装置も問題視された。水漏れが相次ぎ、五~四十四日しか動かなかった。処理水をためるため百六十億円かけて設置したボルト締め型タンクは一三年八月に三百トンの水が漏れた。二十一億円をかけ整備した地下貯水池も一三年四月に処理水漏れが起き、使えなくなった。海側の地下トンネルにたまった高濃度汚染水の抜き取りに向けた実証実験を、子会社の東京パワーテクノロジーに一億円で委託。汚染水を凍らせて止水する狙いだったが、実験のようには凍らず、作業員が手作業で氷を投入した。東電は一二年七月に実質国有化され、会計検査院が国会の要請で東電の経営合理化の状況などを調べた。調査結果の公表は一三年十月に続き二回目。東電の小林照明原子力・立地本部長代理は「設備は事故発生以降、発電所を安定的に保つためのもので、不要とは考えていない。機能は発揮していたのではないか」とコメントした。

*2-2:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS23H3H_T20C15A3PP8000/
(日経新聞 2015/3/23) 東電への支援金9兆円、回収まで30年超 会計検査院試算
 会計検査院は23日、東京電力への検査結果を公表した。東電が2014年に政府の認定を受けた新総合特別事業計画(再建計画)を検証した。福島第1原子力発電所事故の賠償スキームで、国が東電に支援する9兆円を全額回収するには30年超かかる可能性があると試算した。東電は電力各社と政府が出資する原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて国から9兆円の資金援助を受けている。国は、東電が事業の利益から出す特別負担金や、機構が引き受けた東電株(1兆円相当)の売却益などで回収する。再建計画では、東電株売却は2020年代半ば以降の実施予定だが、国の回収までの期間は示されていない。検査院は東電の平均売却価格(1株750~1350円)などの条件を変え、6通りを試算した。その結果、最短で18年後の32年度末、最長で30年後の44年度末と算出した。東電株は現状は500円以下で推移しており、検査院の担当者は「さらに長期化する可能性がある」としている。除染費用(2.5兆円)は株売却益でまかなう計画だが、平均売却価格が1050円になる必要がある。検査院は「企業価値の向上に東電が取り組むのは当然だが、高価格での売却は確実でない」と指摘した。

*2-3:http://digital.asahi.com/articles/ASH3V4RPMH3VULFA00W.html?_requesturl=articles%2FASH3V4RPMH3VULFA00W.html&iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASH3V4RPMH3VULFA00W (朝日新聞 2015年3月27日) 「もんじゅ」技術開発費、原発コストに含めず 経産省
 原発の発電コスト計算から高速増殖炉の原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の技術開発費が除外される見通しとなった。経済産業省が26日開いた、原発や再生可能エネルギーなど電源ごとの発電コストを再検証する「発電コスト検証ワーキンググループ(WG)」で、方針に異論が出なかったためだ。この日のWGでは、将来に向けた研究費は、いまの発電コストに含めるべきではないとの意見でまとまった。前回2011年の民主党政権下では、それまで含んでいなかった原発立地のための交付金や研究費といった「政策経費」も加えることにした。この時の政策経費は、11年度の予算をもとに年間3182億円かかると試算して、発電コストは1キロワット時あたり1・1円上昇した。このうち「もんじゅ」を含めた将来に向けた技術開発費は1401億円と半分近くを占めた。今回の算定で使われる今年度予算では、「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構の運営交付金が955億円などとなっており、こうした費用が除外の対象になるとみられる。今後、経産省は除外する費用を積み上げるが、前回の1キロワット時あたり8・9円以上とした原発コストの押し下げ要因になる。一方、前回試算で「約40年に1回」とした事故の発生確率は結論が出ず、これからの焦点になる。委員からは「原発の安全対策をしているのに事故リスクが下がらないのは、つじつまが合わない」とする意見や、「前回も世界最高水準の安全対策をとることが前提だった。確率を変えるのは反対だ」という意見もあり、割れた。

*2-4:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150324&ng=DGKKASFS23H5J_T20C15A3MM8000 (日経新聞 2015.3.24) 原発の電気、新電力へ、経産省方針、小売り競争促す 取引所に供給 義務付け
 経済産業省は原子力発電所が7月にも再稼働するのをにらみ、原発でつくった電気を電力小売りに新規参入する企業(新電力)も調達できるようにする。大手の電力会社に原発の電気を卸電力取引所(総合2面きょうのことば)に供給するよう事実上、義務づける。電力会社が独占してきた原発の安い電気をだれでも売れるようにし、電力小売りの競争を促す。九州電力川内原発1号機(鹿児島県)は7月にも再稼働する。経産省はそれに合わせて、まず原発を再稼働した電力会社に余った電気を日本卸電力取引所(東京・港)に供給するよう指導する。いまも新電力は卸電力取引所で電気を調達できる。しかし原発の停止で電力が不足しており、電力会社から取引所への電気の供給は限られる。2016年4月には工場など大口の需要家だけでなく、家庭向けの電力小売りも自由化される。経産省は取引所への供給を増やし、電気料金の引き下げにつなげる考えだ。政府はいまの国会に「電力市場監視委員会」の設置法案を提出している。成立すれば、同委員会は今秋にも発足する。電力会社が原発の安い電気を取引所に流していなければ、同委員会が是正を勧告する。安い電気の供給がすすまなければ、経産省が改善命令を出せるルールをつくる。足元の取引所での売買価格は1キロワット時あたり10~15円なのに対し、原発の発電コストは数円程度とされる。安価なコストを反映した電気が取引所に流れれば、売買価格の低下が期待できる。同委員会は余った電気のうち、どれだけの割合を市場に供給しているかも調べる。「電力会社は余剰となった電気の3割を市場に流すべきだ」(新電力のエネット)との意見も上がっている。仮に供給量が少なければ、一定量を取引所に供給するよう義務づける法整備に乗り出す構えだ。経産省が原発でつくった電気を新電力に開放するのは、原発の再稼働で電力会社だけが得をしないようにするためだ。再稼働で電気料金は下がる見通しだが、安い電気を電力会社だけが独占すれば新電力の参入余地は限られる。経産省は将来、大手電力会社に原発で生んだ電気を原則すべて市場に供給させることも検討する。今後、原発への公的な支援の拡大は避けられず、世論の支持を得るには原発の活用で電気料金を引き下げる必要があるからだ。12兆円超とされる使用済み核燃料の再処理費用は現在、原発を抱える電力会社がほとんどを負担している。新電力との競争がすすめば、電力会社は必要額を払えなくなるおそれもある。経産省は新電力が負担する再処理費用を増やす制度の導入も視野に入れている。

<倫理観なき高齢者いじめ>
*3-1:http://qbiz.jp/article/59046/1/
(西日本新聞 2015年3月28日) 「秋以降に物価上昇率が加速」 黒田日銀総裁
 日銀の黒田東彦総裁は28日、TBSのBS番組に出演し、物価動向に関して「秋以降、上昇率が加速していくと思う」と述べ、2015年度末にかけて2%の物価上昇目標を達成できるとの認識をあらためて示した。27日に発表された2月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は、原油安の影響を受け、消費税増税の影響を除くと前年同月から横ばいとなった。黒田氏は原油安の影響がなくなるまで「0%程度の低い上昇率にとどまる可能性がある」と説明した。黒田氏は、外国為替相場の円安の定着で輸出が持ち直しており「経済全体がうまく回り始めた」とも指摘した。「(物価の伸び悩みが賃金改善を遅らせる)悪循環につながる懸念は払拭された」と強調した。

*3-2:http://mainichi.jp/select/news/20150208k0000e040125000c.html
(毎日新聞 2015年2月8日) 「マクロスライド」:初適用 低年金層対策、置き去り
 4月以降、公的年金はこれまでのように増えなくなる。物価が上昇に転じ、デフレ下で凍結されてきた年金抑制策「マクロ経済スライド」が初めて機能するためだ。今後も物価の上昇基調が続けば、若者が将来受け取る年金はひと息つく半面、低年金のお年寄りは打撃を受ける。にもかかわらず、セットで進めるはずの年金の底上げ策は先送りされようとしている。
◇月6万円 「1%抑制でも死活問題」
 「家計は今までもギリギリ。物価が上がっても年金がほとんど増えないのでは生活できない」。東京都足立区の都営住宅で1人暮らしをする田中実さん(78)は、物価が2.7%増なのにマクロ経済スライドによって年金は0.9%増にとどまることに肩を落とす。毎月の収入は約6万円の国民年金(基礎年金)と、5万〜6万円のパート代。以前は家賃や光熱費を払っても余裕があったのに、消費増税や値上げのあおりでスーパーに行く回数は減り、商品は「本当に必要か」と吟味してから買い物カゴに入れるようになった。パートは週3回。真冬の今も、朝から夕方まで室温8度の冷蔵室で野菜を詰める作業だ。生活費だけでなく、趣味の囲碁と手芸教室に通う費用をひねり出すため10年前から頑張ってきた。それが今やパート代の多くは生活費に消える。田中さんはいずれ働けなくなる時に備え、毎月少しずつ蓄えてきた。だがそれもできなくなった。収入減を思うと、風邪をひいてもパートは休めない。「年寄りは体を壊して早く死ねということか。年金額が低い人にとっては、1%の抑制でも死活問題です」。2014年度の国民年金は満額で月6万4400円。15年度はマクロ経済スライドが響き、6万5008円と608円増にとどまる。スライドの期間は43年度まで約30年続く。この間、年金の伸びは物価や賃金の伸びに追いつけず、実質価値が下がり続け、現役との収入格差も広がる。とりわけ国民年金は今より3割も目減りする。マクロ経済スライドの影響は、障害年金で暮らす人にも及ぶ。さいたま市の実家に1人で住む統合失調症の女性(48)は、精神障害者として月6万4400円の障害基礎年金を受けている。千葉にいる両親が蓄えを崩して光熱費や食費の一部を助けてくれ、どうにか生活できているという。

*3-3:http://biz-journal.jp/2015/01/post_8549.html (畠中雅子/ファイナンシャルプランナー・高齢期のお金を考える会 2015.01.12) 教育・住宅資金の一括贈与の罠?祖父母は生活困窮、子・孫は分不相応な出費で家計逼迫
 今年1月、相続税の基礎控除が引き下げられた。そのことを受けて相続増税に関する話題が盛り上がりを見せているが、相続と関連の深い贈与税の制度についても、さまざまな改正が行われている。例えば、2015年度の税制改正大綱の中には、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設」とある。それは今年の4月から適用される。この制度は、結婚および子育てについて、親や祖父母から1人につき1000万円まで(結婚費用は300万円まで)の資金を、非課税で贈与できるとするもの。利用するには、金融機関に信託する必要があるようだ。税制改正大綱には「払い出した金銭を結婚・子育て資金の支払いに充当したことを証する書類を金融機関に提出しなければならない」と書かれている。書類としては、結婚式場に支払った金額の領収証や妊婦健診費、出産費用の領収書などが必要になるとみられる。この制度を利用できるのは19年3月末までの予定となっており、贈与を受けた人が50歳となった時点、あるいは死亡した時点で金融期間との信託契約が終了し、残額について贈与があったものとして贈与税の計算をすることになっている。
●教育資金の一括贈与は延長、住宅資金の贈与も拡充
 すでにスタートしている「教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税措置」についても、19年3月末までの延長が決まった。こちらは、学校をはじめとした教育機関に支払う学費などの教育費として使うことを目的に、最高1500万円まで非課税で贈与できる制度である。さらには、一定額までの住宅資金を非課税で贈与できる「住宅資金贈与の非課税制度」についても、昨年の制度より拡充されている。まさに、親から子へ、祖父母から孫へと、「贈与制度をどんどん利用してほしい」といった大盤振る舞い状態となっている。個人的には、これらの制度に文句があるわけではない。ただし、きちんと制度の内容を理解してライフプランを立てた上で利用しなければ、贈与した側もされた側も後悔する可能性が出てくると考えている。教育資金一括贈与の制度が施行された当初は、手続き書類が不足するほど申し込みが殺到した。手数料などが無料になる期限を設けたことが要因だ。しかし、冷静に考えてみれば、教育資金のように生活に必要な資金を祖父母が出したとしても、もともと贈与税は課せられていない。あまりに分不相応な援助まで非課税になるとは言い切れないが、一般的な進学コースの場合、祖父母に援助してもらうのは以前からよくあることで、贈与税の対象になるわけではない。また妊娠・出産に関しても、公的サポートは充実してきており、高額な費用は必要なくなった。例えば、妊婦健診は全国どの自治体でも14回分の助成が受けられる上、別の補助制度を備えている自治体も少なくない。出産に関しても、健康保険から病院へ出産育児一時金を支払ってもらえる「直接支払制度」が主流になっているため、妊娠期から出産にかけての自己負担額は10万円に満たないのが一般的だ。妊娠・出産費用は、各種の助成が拡充したことで負担はかなり軽くなっており、親から多額の助成を受ける必要があるとはいいにくい。
●援助によって生活が壊れることも
 教育資金を一括贈与で援助してもらった若い夫婦が、別のところでお金を使ってもらおうという狙いなのだろうが、これらの制度にはライフプランの視点から2つの問題がある。一つは、贈与した祖父母が年を取った時に、資金不足に陥るかもしれないリスク。相続税対策が必要な資産家が、この制度を利用して相続資産の減少を目指すのは合理的な選択だ。しかし、金融資産が5000万円以下の家庭で、1000万円を超えるような援助をしてしまうと、自分たちが後期高齢者になる頃になって、「子や孫にやりすぎた」と後悔するケースも出てくるはずだ。一方の子ども側を見ても、分不相応な習い事や塾代を掛けているケースが目に付くようになった。「教育資金としてお金をもらったから、使い切らなくてはいけない」と考えている人もいるが、使い切るという感覚には疑問を感じる。また、子どもが小さく家計が楽な時に財布の紐を緩めることにもなりかねない。自分たちの収入に見合わないほど多くの教育費をかけてしまった場合、将来の家計にとって重荷となる可能性がある。自分たちの収入では私立学校に子どもを入学させることが難しいのに、祖父母の援助を受けて進学しても周囲との生活レベルの差は大きく、次第に息苦しくなるだろう。また、無理して塾に通わせるなど教育資金を底上げしてしまうと、自分たちの老後資金を貯められないリスクも出てくるはずだ。もう一つは、格差の問題。裕福な親や祖父母を持つ恵まれた家庭も確かにあるが、老後の生活設計の相談現場では、親の懐事情は厳しさを増している。「自分たちの老後すらおぼつかない高齢者世帯」と、「相続対策の一環として、余裕部分を下の世代に継承していきたいと考える高齢者世帯」との格差が固定化されてしまう可能性も、これらの制度は秘めている。

<外国人技能実習制度>
*4:http://www.shinmai.co.jp/news/20150130/KT150129ETI090009000.php
(毎日新聞 2015年1月30日) 介護に外国人 実習制度拡大は筋違い
 外国人技能実習制度の対象職種として、新たに介護分野を加える方針を厚生労働省が固めた。2015年度中を目指している制度改定に盛り込む。背景にあるのは、介護現場の深刻な人手不足だ。しかし、実習制度の拡大で対応することは問題がある。制度の趣旨にそぐわないだけでなく、介護職の待遇改善を妨げたり、介護の質が低下したりすることにもつながりかねない。再考すべきだ。実習制度は、開発途上国などの労働者が一定期間日本で働いて技術を習得し、母国の発展に役立ててもらう目的で1993年に創設された。本来、日本国内の人手不足を補うための制度ではない。一方で、製造業などの現場で「安い労働力」を確保するためにこの制度が利用されている実態がある。過酷な環境に置かれている実習生も少なくない。最低賃金を下回る低賃金での長時間労働、残業代の不払い、雇い主によるセクハラなどが後を絶たない。実習生は来日前に多額の手数料を借金していることも多く、ひどい扱いをされても泣き寝入りしているという。こうした実情は、国連や米国から「人身売買」などと厳しく批判されてきた。日弁連は制度の廃止を求めている。厚労省による13年の調査では、受け入れている事業所の8割で労働関連法違反があった。目的と実態がかけ離れた制度の拡大は、劣悪な条件で働く外国人をさらに増やすことになりかねない。高齢化に伴い、25年に介護職は最大250万人が必要と推計されている。一方、確保できるのは220万人の見込みで、30万人不足する可能性がある。外国の人材の活用を求める声は介護現場からも上がっている。08年からは、経済連携協定(EPA)に基づく外国人の受け入れも始まったが、日本語の習得の難しさもあり、人手不足を補うほど広がってはいない。介護職の平均賃金は全産業に比べ月額で10万円ほど低い。それが人手確保がままならない要因となっている。待遇を改善し、国内で働き手を増やすことが、何より優先して取り組むべき課題だ。それでも足りない場合に、外国人を労働者として受け入れるかどうか。社会全体でしっかりと議論していく必要がある。介護は人を相手にする仕事だ。言葉を含め、担う能力の育成も欠かせない。人手不足解消のめどが立たないからと、実習制度に安易に頼ってはならない。

<カジノ解禁で博打国家へ>
*5:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS21H1S_R20C15A3PE8000/
(日経新聞 2015/3/21) カジノ法案、自民など再提出へ 公明の対応焦点
 自民、維新、次世代3党は月内にもカジノを中心とした統合型リゾート(IR)を推進する法案(カジノ法案)を国会に再提出する。観光客誘致の起爆剤としてカジノを解禁し、政府に運営ルールなどの法整備を求める内容だ。慎重論が根強い公明党の対応が焦点で、同党内には自主投票として採決を容認してもいいとの声も出ている。超党派の国会議員でつくる「国際観光産業振興議員連盟」(会長・細田博之自民党幹事長代行)が月内にも総会を開き、カジノ法案を了承する。自民党など3党が衆院に議員立法として提出し、内閣委員会か国土交通委員会で審議入りし、会期内の成立を目指す。法案は施行後1年以内に、政府にカジノ運営などのルールなどを定めた法案を提出するよう義務付けている。ギャンブル依存症や青少年への悪影響への対策は盛り込んでおらず、政府に入場基準などの具体策の検討を委ねる。運営事業者は内閣府の外局に設置する管理委員会が管理する。カジノ解禁は安倍政権が成長戦略の柱と位置付けており、2020年の東京五輪でのカジノ施設の開業を目指している。ただ、公明党などが「依存症対策などが十分でない」と慎重姿勢を崩さないため、2013年秋の臨時国会の法案提出後、継続審議や廃案となってきた。超党派議連の幹部は「今国会も成立見送りとなれば20年開業は厳しくなる」と述べており、公明党などとの調整を急ぐ考えだ。


PS(2015.3.30追加):環境省の除染マニュアル(https://www.env.go.jp/jishin/rmp/fiscal/subsidy01/04_qa.pdf 参照)によると、0.23マイクロシーベルト/時(年間被曝線量2ミリシーベルト/年、年間追加被曝線量1ミリシーベルト/年)を超える場所を除染するとなっているが、国際基準は住民の年間被曝線量は1ミリシーベルト/年以下であり、住民の健康を守る目的から見て、環境省の基準はずる賢く甘い。また、放射性物質は空間を浮遊しているのではなく、地面に落ちて風で舞い上がるため、空間よりも地面付近の方が放射線量が高い。さらに、森林や湖沼の底は除染しないことになっている上、*6のように、地方自治体の負担による除染費用を東電が支払う姿勢がないというのも問題外である。

*6:http://qbiz.jp/article/59070/1/
(西日本新聞 2015年3月30日) 東電除染費払わず 市町村分の746億円
 福島第1原発事故後、市町村が実施した除染費用として国が2月末までに東京電力に請求した761億円のうち、東電側が約2%しか応じず、残る746億円の支払いを事実上拒否していることが29日、環境省への取材で分かった。一方、国直轄除染分は基本的に応じており、対応が分かれていることが浮き彫りとなった。除染関連費用は国がいったん立て替え払いした後、東電に請求する仕組み。東電の支払いが遅れれば、利息分は税金で賄われるため国民負担の増加につながる。環境省は「全て法律に基づき東電に請求しており、引き続き全額支払いを求めていく」と反発している。除染関連費用は2011年8月に成立した特別措置法により、東電が負担すると規定。政府は14年度までに約1・4兆円(うち市町村分は約6300億円)を計上した。環境省は金額が確定し書類がそろった除染事業について、12年11月から定期的に東電に請求している。今年2月末までに市町村分として761億円を求めたが、東電は最初の請求分の一部である15億円に応じた後は支払っていない。一方、国直轄分として請求した925億円については約86%の799億円を支払っている。特措法に基づく除染は福島県など東北と関東の8県が対象で、関連費用は総額2・5兆円の見込み。放射性物質による汚染が深刻な第1原発周辺の11市町村は国が直轄で除染し、これまでに4市町村で終了。それ以外の99市町村は各自治体が地域の実情に応じて実施することになっているが、完了したのは18市町村のみだ。原発事故に伴う除染 福島の原発事故で飛散した放射性物質が付着した土壌を取り除き、建物や道路の表面を洗浄する。福島第1原発周辺の避難区域は国が直轄で除染を実施。それ以外は、年間追加被ばく線量1ミリシーベルトから試算した空間線量毎時0・23マイクロシーベルトを超える地域を国が指定し、市町村が除染を実施する。除染の枠組みを定めた特別措置法は東京電力が除染費用全てを負担すると明記しているが、除染廃棄物を保管する中間貯蔵施設については国が負担する。


PS(2015.3.31追加):ここまでの対立になったのは、沖縄が県を挙げて普天間移設を反対していたにもかかわらず、本土のメディアが*7のように、「①普天間基地は住宅密集地にあり、米軍機の墜落事故などがあれば大惨事を招きかねないので、人口が比較的少ない同県名護市に移設するというのが日米両政府の合意だ」「②沖縄県は2013年、移設予定地である名護市辺野古沿岸部の埋め立て工事を許可し、この手続きは合法的に進められた」「③行政には一定の継続性が必要である」などを代表とする政府の説明をずっと流し続けていたため、本土の人は正確には沖縄の意見を知らず、知っている人も多くが無視していたことに原因がある。
 しかし、①については、辺野古を埋め立てるのがBestの選択肢ではなく、米国は日本がよりよい提案をすれば合意するため当たらない上、②の手続きについても、2013年の仲井眞前知事の承認自体が、日本政府からの何らかの脅迫・強制があって仲井眞前知事がそれまでの言動とはうって変わって突然許可したものだ。そのため、沖縄県民は辺野古の埋め立てを争点に知事選を行い、承認した自民党推薦の仲井眞前知事を落として翁長新知事が誕生したのであり、翁長新知事が当選時から「あらゆる手段を用いて移設を阻止する」と述べているのは、民意を基盤にした公約の実行であり、筋の通った行為だ。
 また、③についても、行政の継続性を理由に、何十年、いや何百年経っても同じことを言って時代の変化や技術進歩やそれに伴う価値観の変化についていけなかった愚鈍さ(stupidity)が、これまで国民の生命や財産に深刻な被害を与えた日本政府の数々の失政の原因だったことを忘れてはならない。

*7:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150331&ng=DGKKZO85074600R30C15A3EA1000 (日経新聞社説 2015.3.31) 普天間移設を法廷で争うのは筋違いだ
 米軍普天間基地の移設を巡る国と沖縄県の対立が法廷に持ち込まれそうだ。同じ行政の側にありながら、司法の場で主張をぶつけ合うことに違和感を禁じ得ない。歩み寄りの余地はないのか。早期に話し合いの場を持ってほしい。同県宜野湾市の普天間基地は住宅密集地にあり、米軍機の墜落事故などがあれば大惨事を招きかねない。そこで人口が比較的少ない同県名護市に移設するというのが日米両政府の合意だ。沖縄県は2013年、移設予定地である名護市辺野古沿岸部の埋め立て工事を許可した。この手続きは合法的に進められたし、行政には一定の継続性が必要である。知事が交代しても移設は見直さないという国の方針は理解できる。沖縄県の翁長雄志知事が出した基地工事の停止命令は、水産資源保護法という工事とは直接関係ない法律に基づくものだ。知事は昨年の当選時から「あらゆる手段を用いて移設を阻止する」と語ってきたが、こうしたやり方は筋違いである。農水省が知事の停止命令の是非を審理する間、命令の効力をいったん無効にすると林芳正農相が判断したのはもっともだ。ただ、法的に正しいからとかたくなな対応でよいのかはよく考える必要がある。安倍晋三首相も菅義偉官房長官も昨年の知事選後、翁長知事と一度も会っていない。こうした対応が基地移設に賛成の県民の心証まで害していないだろうか。農相の発表を受け、翁長知事は「腹を据えて対応する」と表明した。県が埋め立ての前提となる岩礁破砕許可を取り消し、対抗して国がその取り消しを求めて裁判所に提訴する形で法廷闘争に突入する可能性が高まっている。これと似た事例が1995年にあった。米軍用地の収用に必要な代理署名を当時の大田昌秀沖縄県知事が拒んだことだ。最高裁まで争って国が勝訴したが、このときに生じた国と県民の溝がいまに至る普天間問題の遠因になっている面もある。基地はただつくればよいのではない。周辺住民の理解がなければ円滑な運用は難しくなる。菅長官は「辺野古移設の原点が何であるかということが、沖縄県民や国民に説明が行き届いていない」と述べたが、それを説明するのは政府の責任である。裁判で争わなくてよい努力をまずすべきだ。


PS(2015.4.2追加):*8-1のように、オランダでは広い面積で太陽光発電できる道路を開発しているのに、最初に太陽光発電を発明した日本では、*8-2のように、太陽光発電はコストが高いと言い張って、政府が2030年の電源構成比率を原発で2割確保し、原発・石炭火力・水力・地熱を合わせて約6割に増やすそうだ。これが、日本の為政者の馬鹿さ加減なのである。

*8-1:http://www.afpbb.com/articles/-/3031665
(国際ニュース 2014年11月13日) 世界初、太陽光発電する道路が開通 オランダ
 オランダで12日、世界初となる太陽光発電機能を備えた自転車専用道路が試験的に開通した。最終的には車道でも応用することが考えられる画期的なプロジェクトだという。この自転車専用道路、通称「ソーラロード(SolaRoad)」には、強化ガラスで覆われた太陽光電池パネルを利用した縦2.5メートル、横3.5メートルのコンクリート製モジュールが使われている。事故を避けるため、ガラスの表面には特殊な滑り止め加工が施されているという。道路の太陽電池で発電された電気は現在、国の電力網に流されているが、将来の計画では、この電力を利用して街路灯を点灯させることも検討されている。プロジェクトの開発に参加した物理学者、ステン・デウィット(Sten de Wit)氏は、路面から直接充電を行う「非接触型充電」の機能を利用して、電動自転車や電気自動車に電力を供給できる日が来るに違いないと話している。同氏はAFPの取材に「プロジェクトの着想は、オランダ国内を走る約14万キロに及ぶ道路だった。その面積は建物の屋根をすべて合わせたよりもはるかに大きい」と語った。また「自転車専用道路は、国内に2万5000キロある」としながら、「プロジェクトの持つ本当の潜在能力が解き放たれるのは、自転車専用道路だけでなく、自動車が利用する道路にもこれが適用される時だ」と述べている。ソーラー自転車専用道路は稼働から16日が経過した。この間の発電電力量は140キロワット時で、洗濯機の稼働約140回分に相当するとソーラロードの広報担当者は説明した。主に研究費に充てられたとされるプロジェクトの費用は、現時点で約300万ユーロ(約4億3000万円)に上っているが、ソーラロードは道路1キロ当たりでの費用については明言を避けた。同国のヘンク・カンプ(Henk Kamp)経済相は12日、首都アムステルダム(Amsterdam)北部にある通行量の多い自転車道に試験的に設置された約70メートルのソーラロードを自転車で走行。AFPの取材に対し、「持続可能エネルギーに関しては、オランダは極めて意欲的に取り組んでいる。この革新的技術もその重要な一環だ」と述べ、人口1700万人、自転車約1800万台のオランダでは、持続可能エネルギーの使用量を2020年までに3倍に増やし、2050年までにカーボンニュートラルならぬ「エネルギーニュートラル」になることを望んでいるとした。デウィット氏によると、ソーラロードは今後2年間にわたり、1日に約2000台の自転車が通る道で試験を行う予定。電動の自動車や自転車の台数が増加傾向にある中、国内道路を対象としたソーラロードの商業化を今後5年以内に実現することが、プロジェクトの目標だとしている。「大規模なスケールで適用可能な製品を5年以内に提供できると強く確信している」とデウィット氏は説明した。

*8-2:http://qbiz.jp/article/59471/1/
(西日本新聞 2015年4月2日) 政府、原発比率2割確保へ 電源構成比率
 政府が議論している2030年の電源構成比率をめぐり、原発で2割を確保する見通しとなったことが2日、分かった。政府と与党は原発と石炭火力、水力と地熱を合わせた「ベースロード電源」の比率を現在の約4割から約6割に増やす方向だが、石炭火力と水力、地熱を大きく伸ばすのは難しい状況であるためだ。政府と与党はこれまで30年の原発比率について15〜20%を軸に検討する方向だったが、原発の活用を進める姿勢が一段と鮮明になった。東日本大震災前はベースロード電源の割合は6割程度で推移し、原発は全体の約3割だった。


PS(2015年4月9日追加):「“粛々”という言葉さえ使わなければよいだろう」などと、自らの傲慢さと差別に対する指摘をわざと矮小に解釈し、米国に働きかけて辺野古移設を確定させようとする態度は国益を見失っている。やはり、自民党に勝たせすぎたのはよくなかったようだ。

*9:http://www.saga-s.co.jp/news/national/10201/174940
(佐賀新聞 2015年4月9日) 首相、辺野古移設に決意、米国防長官と会談
 安倍晋三首相は8日、カーター米国防長官と官邸で会談し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に関し「確固たる決意の下に進めていく」と強調した。集団的自衛権行使を可能とする安全保障法制整備への意欲も表明した。これに先立ち菅義偉官房長官もカーター氏と官邸で会い、沖縄県の米軍嘉手納基地(嘉手納町など)より南に位置する米軍施設・区域の返還計画の前倒しを要請した。カーター氏は「引き続き沖縄の負担軽減に協力する」と応じた。

| 民主主義・選挙・その他::2014.12~ | 01:51 PM | comments (x) | trackback (x) |

PAGE TOP ↑