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2015.4.29 現在は、エネルギーの世代交代をするべき時である。 (2015年4月30日、5月1日、5月4日に追加あり)
      
    2014.11.11       2015.4.29  2015.4.29   2015.4.23
     朝日新聞          日経新聞   西日本新聞    佐賀新聞

(1)水素社会へのエネルギー革命と産業革命
 *1-1のように、家庭用燃料電池「エネファーム」を普及させ、自動車や航空機の燃料を電力もしくは水素に換えて水素ステーションの整備を進めれば、2013年、2014年に、輸入額が約27兆円にも達した天然ガス、石油、石炭などの鉱物性燃料の輸入をやめることができる。

 また、*1-2のように、CO2フリーで起こした電気で水素を作って貯蔵し、必要なときに再び電気に換えることができるため、各地域にあるエネルギー源から電気や水素を取り出し、これまで域外に流出していたエネルギー代金がその地域にとどまることで、地域の経済活性化に貢献できる。さらに、エネルギー自給率が上がり、エネルギーの安全保障にも貢献するのだ。

 その水素ガスは、製油所・製鉄所・ソーダ電解事業所の副産物としても発生し、*1-3のように下水処理場から取り出すこともできる。このように、国全体で考えると、燃料の輸入低減やCO2排出削減に大きく貢献できる水素社会への産業革命は、我が国にとって問題解決のKeyになるため、それこそ全力で進めなければならない。もちろん、「エネルギーの転換には時間がかかり、容易ではない」という主張もあるが、産業革命以降、人類は、短期間に「薪⇒石炭→石油」へとエネルギーの転換を行って来たのであり、「石油→再エネ電力、水素」だけが特に難しいわけはない。

(2)九電もインドネシアで地熱発電所建設
 *2-1のように、九電の子会社である西日本技術開発が、コロンビアで現地の電力会社、東芝などと協力して、地熱発電所建設計画に参画するそうだ。西日本技術開発は九電グループの中で地熱の技術開発の中枢を担う会社で、国内最大の地熱発電所である八丁原発電所(大分県)の建設などにも携わり、海外事業にも力を入れているとのことである。

 なお、この世界最大級の地熱発電所建設プロジェクトの融資には、*2-2のように、国際協力銀行、アジア開発銀行、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、ソシエテジェネラル銀行、アイエヌジーバンクエヌ・ヴィ、ナショナルオーストラリア銀行が加わっており、地熱資源が多いインドネシアで合計32万キロワットの大規模地熱発電所を建設して、同国の国有電力会社に売電する計画とのことである。

(3)フクシマ原発事故は、現在、どうなっているか
 *3-1のように、2台のロボットが調査して映像を撮影し、格納容器下部に水がたまっていることが確認できただけで、床面から立ち上る湯気を確認できたものの、核燃料がすべて溶け落ちて格納容器内に収まっているかどうかも保証の限りではないという程度だ。

 また、*3-2のように、フクシマ原発事故の汚染雨水が排水路を通じて外洋(港湾外)に流出していた問題では、排水路内に取り付けた水のくみ上げポンプ全8台が止まり、新たに汚染雨水が外洋に流出しているのが見つかったとのことで、ポンプが停止した原因や外洋への流出量、雨水に含まれる放射性物質濃度は不明というお粗末さである。

 さらに、*3-3のように、2015年4月6日から8日に、南相馬市のモニタリングポストで突如として高い線量を検出し、常磐自動車道の鹿島SAでは55μSvという通常の1000倍もの数値を記録し、福島県は計器故障と発表して線量測定を即中止した。2号機は、4月3日に格納容器の温度が約20℃から70℃に急上昇し、さらに2日後には88℃に達し、現在も70℃前後から下がっておらず、その熱源は4年前に圧力容器からメルトダウンした最大重量100tとも推定される核燃料で、その温度は事故当初は太陽の表面に近い4000℃前後、不純物が混じって核燃デブリ(ゴミ)と化した今でも塊の内部は1000℃以上を保ち、2号機内ではそのデブリが活発化して放熱量が高まっているのだそうだ。

 また、今年に入って何度か3号機の屋上から大量の蒸気が噴き出す様子がライブ配信映像で目撃され、2号機の温度上昇と連動するように4月6日から福島第一原発周辺の「放射線モニタリングポスト」が軒並み高い数値を示し始め、福島県は、この後すぐに40ヵ所ものモニターを“機器調整中”とし測定を止めたが、4月7日には東京都内でも港区・新宿区・渋谷区・世田谷区を中心にいつもの2~4倍に達する線量上昇を確認したのだそうだ。しかし、メディアでは、そのようなニュースは全く報道しなかった。

(4)原発に対する国民世論
 エネルギー基本計画設定時のパブリック・コメントを分析すると、上の左図のように、94.4%が原発に反対であるにもかかわらず、上の2番目、3番目の図のように、経産省は、現在0%の原発を20~22%まで引き上げなければコストと環境が両立しないなどと言っている。しかし、これは原発ありきの論理構成に過ぎないため、これをおかしいと思わないほど論理性や思考力に欠ける教育は、理系か文系かを問わず、すべきではないのだ。

 なお、*4-1のように、フクシマ原発事故で被害を受け、東電や国に損害賠償を求めている全国の団体が、訴訟の進み具合や課題に関する情報を共有して、①被害者への謝罪 ②完全賠償となりわいの回復 ③医療保障の実現・充実 などを統一要求する目的で、「原発事故被害者団体連絡会」を設立して共闘体制をとるそうだ。その参加対象は「原発事故でふるさとを失った」等として損害賠償を求める全国の原告団や裁判外紛争解決手続きを申し立てている集団で、東電担当者らの刑事責任を追及する福島原発告訴団などが中心となり、全国約30団体に加盟を呼び掛けている。みやぎ原発損害賠償弁護団(仙台市)によると、原発事故の被災者や避難者が東電や国に損害賠償を求める訴訟は全国で少なくとも28件に上るが、まだ判決は出ていないそうだ。

 また、*4-2のように、九電川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市の市民は、九州全体より脱原発派の割合が高いことが明らかになり、直近の再稼働については「反対」が他地域を下回る“ねじれ”が生じているものの、調査元の安全・安心研究センターは、「地元経済への影響から短期的には再稼働を受け入れざるを得ないと感じているが、決して積極的な容認ではない」と市民の胸の内を分析している。

(5)原発20%台の経産省の電源構成比率
 このような中、*5-1、*5-2のように、経産省は2015年4月28日、有識者会議に2030年時点の電源構成比率(エネルギーミックス)素案を示し、頑固に原発と再生可能エネルギー比率をいずれも20%台としたそうだ。これは、エネルギー基本計画で『原発は可能な限り低減する』とした“公約”を満たしておらず、40年超の老朽原発の稼働延長をも前提としている。

 また、*5-3は、原発をコスト低減と環境配慮の両立をはかれる電源としているが、これまで原発に対して行ってきた国民負担こそ膨大だったのであり、これは大嘘だ。私は、商業目的で稼働開始して40年も経過する原発には、これ以上の国民負担は行わず、コスト低減、環境配慮、エネルギー自給率100%を図るために、今後は、原発の割合を0にしたまま、水素社会へのエネルギー革命に全力で投資するのが賢明だと考えている。

<水素社会へ>
*1-1:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150420&ng=DGKKZO85860180Y5A410C1KE8000 (日経新聞 2015.4.20) 水素社会への展望と課題(上)、官民でインフラ構築必要 佐々木一成 九州大学主幹教授、長期的な開発体制を 省エネやCO2削減に貢献
 「水素社会」という言葉が広く使われるようになってきた。水素を自動車の燃料として本格的に使い始めた今年は水素元年ともいわれる。燃料電池車(FCV)が一般販売され、燃料の水素ガスを購入できる水素ステーションの整備が国のロードマップに沿って進められている。2009年から販売されている家庭用燃料電池「エネファーム」は累積販売台数が10万台を超え、電気もできる給湯器として30年には全世帯の1割に設置する国の目標も掲げられている。17年には家庭用より大型の燃料電池発電システムの市販も予定されている。なぜ今、水素なのか。水素社会とはどのような社会で、どのようなメリットや課題があるのだろうか。エネルギー資源を持たない我が国にとって、資源を安定的に入手し、電気や熱、車の燃料などをできるだけ安く確保することは、国の施策の根幹にかかわる。財務省の貿易統計によると、近年、貿易赤字が増大しており、その主たる要因はエネルギー輸入の増加といわれている。13、14年とも、天然ガス、石油、石炭などの鉱物性燃料の輸入額は約27兆円に達している。現在、生活や産業に欠かせない電力の約9割は火力発電でまかなわれている。当面、この状況は避けられない。燃料電池は、水素を含む燃料から電気を取り出す技術である。水の電気分解の逆の反応であり、燃料を燃やさずに直接、電気を取り出すことができる。この反応で使われる水素は、地球上に最も多く存在する元素であり、水素ガスはいろいろな方法で作ることができる。例えば、製油所や製鉄所、ソーダ電解事業所の副産物の水素ガスを活用して車の燃料として供給することが可能である。都市ガスやLPガスなどの既存のエネルギー供給ネットワークを活用して炭化水素燃料から水素ガスを取り出すこともできる。水素ガスが車の燃料として広く使用されるようになれば、自動車産業や日々の移動が石油という特定のエネルギー資源に依存しなくなり、エネルギーの安全保障に貢献できる。FCVの燃料は純水素ガスであるが、燃料電池発電には純水素ガスのみならず、都市ガスなど水素原子を多く含む炭化水素燃料も使える。エネルギー変換効率が高い燃料電池で発電することで、同じ電気を取り出すのに必要な化石燃料の量を減らせるため、省エネと二酸化炭素(CO2)排出削減になる。つまり、水素を介して発電する燃料電池の普及によって、「水素利用社会」がまず実現できる。高効率に電気を取り出せるメリットは家庭や車に限定されない。数キロワットから数百キロワットレベルの業務・産業用など、より規模の大きい発電用に展開できる。逆に小型の携帯機器用、宇宙航空用を想定した技術開発も進められている。将来、CO2排出の大幅減が国際的に求められる時代が来た時には、CO2フリーの純水素ガスをエネルギーとして本格的に使うことで、「純水素社会」に順次移行していくことになろう。下水処理場からのメタンガスや、電力系統に流せずに余剰になった再生可能電力、海外の未利用資源などから作ったCO2フリー水素などを活用することで、長期的にはCO2排出ゼロの車社会を実現することも夢ではなくなる。再生可能エネルギーは天候に左右され、変動が激しい。その余剰電力を使って水を電気分解して作った水素でエネルギーを蓄えるシステムの開発も進められている。水素をエネルギー貯蔵のために使いこなせるようになれば、蓄電池や揚水発電所と並ぶ、中規模の蓄エネルギー技術の柱となり、再エネを利活用する余地も広がる。各地域にあるエネルギー源から電気や水素を取り出すことが可能であるため、エネルギーの地産地消が実現できる。これまで域外に流出していたエネルギー代金がその地域にとどまることで地域の経済活性化や自立にも貢献できる。ただし、再エネを活用する際には、トータルでのコストや効率、CO2排出量の精査が必要である。このように燃料電池を核にした水素エネルギーのポテンシャルは極めて大きいが、エネルギー社会全体の根幹にかかわる変化でもあるため、当然、水素社会の実現には時間がかかる。多くの課題があるが、まず第一に官民を挙げた水素インフラの構築が重要である。FCVの本格普及には水素ステーションのネットワークの確立が必要である。国などの支援は当面欠かせない。従来のガソリンスタンド型の水素ステーションだけでなく、石油燃料や電気、熱も供給できるエネルギーのコンビニにしたり、再エネからの余剰電力で水素を製造・貯蔵して販売したり、下水処理や食品系・植物系廃棄物処理で発生するバイオガスから水素ガスを作って販売することなども検討に値する。水素ステーションの設置コストの低減も欠かせない。第二に、高効率発電という本質的な利点を持つ燃料電池は、電力・ガス自由化の流れの中で次世代型の発電システムとして期待される。火力発電の効率を上げていくことで国全体のエネルギー分野の無駄を減らし、CO2の排出を減らすことができる。燃料電池を核にして、天然ガスを使い、発電効率が70%を超える超高効率発電システムを構築することも原理的に可能である。資源的な制約が少ない石炭をガスに変え、燃料電池で高効率に発電することも可能である。本格普及には低コスト化を含めたさらなる技術革新が欠かせないが、国全体で考えると、燃料輸入低減やCO2排出削減に大きく貢献できる技術である。公的な導入補助制度はもちろん、高効率発電の技術開発や老朽火力発電所更新のコストを、将来の燃料費削減やCO2排出減で回収できるような仕組みを考えていくことも大事になろう。鉱物性燃料のごく一部を節約できるだけでも、メリットは兆円単位となる。国、自治体、エネルギー事業者や利用者、投資家が投資できるレベルにするためにも、システムコスト低減や発電効率のさらなる向上が求められる。水素社会がどのような社会なのか、安全性も含め、国民に広く示していくことも欠かせない。燃料電池や水素技術を多くの方々に安心して使ってもらうためには、普及啓発に向けた地道な活動が必要である。20年の東京オリンピック・パラリンピックは、日本がリードする水素技術を世界に発信する素晴らしい機会になる。各地で進められているスマートコミュニティー、再エネを使った水素技術、大型燃料電池の実証研究などで、経済性と環境優位性が示されることを期待したい。最後になるが、エネルギー分野の技術開発では開発期間が数十年にわたることが多い。逆に、数十年の間、メンテナンスも含めて事業が継続する分野であり、裾野も広い。製品開発しながらの次世代技術開発も欠かせず、技術を磨きながら次の世代を担う人材を育て続けていく必要がある。そのため、国の成長戦略の中に、それを支える若手人材の戦略的な養成を明確に位置付けることが重要である。特に今後の海外展開も見据えて、グローバルに活躍できる博士レベルの人材を、我が国が戦略的に育成していくことが国際競争力強化にもつながると考える。日本が世界をリードしている分野であるがゆえに、国際競争力を長期にわたって維持するためにも、オールジャパンでの戦略的・組織的な対応が切に望まれる。

*1-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11715520.html
(朝日新聞 2015年4月21日) 「電気」を貯蔵、自立型システム 東芝、川崎で実証実験
 東芝は20日、太陽電池で起こした電気で水素を作って貯蔵し、必要なときに再び電気に換える国内初のシステムを川崎市の公共施設で稼働させた。災害時などは約300人分の電気とお湯を約1週間供給できる。充電池などを使う場合に比べ、大量の電気を効率よく保存できるという。太陽電池が使える日中に水を電気分解し、取り出した水素をタンクにためる。給水タンクもあるため、水道が止まっても日差しがあれば水素をつくり続けられる。この水素を使って燃料電池で電気を起こし、発電時に出る熱で、給水タンクの水をお湯にする。システム一式は長さ20フィート(約6メートル)のコンテナ三つと、長さ2メートルのコンテナ一つに入っており、他の場所で災害が起きたらトラックなどで運ぶこともできる。川崎の施設は実証実験という位置づけ。今年9月までに自治体や企業向けにシステムの販売を始め、輸出も検討するという。年50台の受注を目指す。

*1-3:http://qbiz.jp/article/59232/1/
(西日本新聞 2015年3月31日) エコカー燃料、下水で製造 福岡市で世界初の施設稼働
 下水の汚泥から水素を製造し、燃料電池自動車に供給する実証事業を行う施設が福岡市中央区荒津の市中部水処理センターに完成し、31日、現地で式典が開かれた。福岡市と九州大、民間企業2社でつくる共同研究体が、国土交通省の事業として建設。処理場に集まる汚泥の一部を発酵させてつくるバイオガスからメタンを取り出し、化学反応させて高純度の水素を製造する「世界初の施設」(同省)とされる。1日に燃料電池自動車65台分に相当する3300立方メートルを作り、併設した水素ステーションで自動車に充てんできる。市などは4月から1年かけ、施設の耐久性や水素発生の効率を検証する。月内には料金などを設定し、一般利用できるようにする方針。式典では九州大水素センター長の佐々木一成教授が「一日も早く全国や海外に展開していくことが使命だ」とあいさつした。

<九電のインドネシアにおける地熱開発>
*2-1:http://qbiz.jp/article/60500/1/ (西日本新聞 2015年4月18日) コロンビアで地熱開発 九電グループなど4社 発電所、20年運転開始へ
 九州電力子会社の西日本技術開発(福岡市)は、コロンビアで地熱発電所建設計画に参画する。現地電力会社や東芝など3社と開発に向けて協力することでこのほど合意。出力は5万キロワット級で、2020年の運転開始を予定している。実現すれば、コロンビアで初めての地熱発電所になる。建設予定地は、同国中部のカルダス県ビジャマリア市。現地電力会社は同国の公的電力会社イサヘン電力で、米資源開発技術のシュルンベルジェも協力に合意した。西日本技術開発は、建設・運営を実現するための技術やノウハウを提供し、2年程度かけて実現可能性を確かめる調査を実施。実現可能と確認されれば、東芝が蒸気タービンや発電機など主要設備機器を供給し発電所を建設。シュルンベルジェは、蒸気が出る井戸の掘削や蒸気輸送設備の供給を担当する。コロンビアの電力供給は水力を主力としているが、新たな再生可能エネルギーとして地熱が注目されているという。西日本技術開発は九電グループの中で、地熱の技術開発の中枢を担うコンサルタント会社。国内最大の地熱発電所である八丁原発電所(大分県九重町、11万キロワット)の建設などにも携わっている。海外事業にも力を入れており、インドネシアなどでも地熱開発事業を手掛けている。

*2-2:http://qbiz.jp/article/34688/1/
(西日本新聞 2014年3月31日) 九電の世界最大地熱計画、大手銀などが融資契約締結
 九州電力は31日、同社などがインドネシアで計画している世界最大級の地熱発電所建設プロジェクトで、国際協力銀行とアジア開発銀行、みずほ銀行など8行と融資契約を結んだと発表した。銀行団によると、融資総額は11億7000万ドル(約1200億円)。銀行団にはこのほか、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、ソシエテジェネラル銀行、アイエヌジーバンクエヌ・ヴィ、ナショナルオーストラリア銀行が加わっている。プロジェクトは、地熱資源が多いインドネシアで合計32万キロワットの大規模地熱発電所を建設し、同国の国有電力会社に売電する計画。九州域内などで地熱発電の経験が豊富な九電と、伊藤忠商事が25%ずつを出資し、インドネシアや米国企業も参画。4月に着工し、2016年から順次運転を始める予定。

<フクシマ>
*3-1:http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015041802000256.html (東京新聞 2015年4月18日) 格納容器下部の水確認 福島第一 ロボット調査
 東京電力は十七日、福島第一原発1号機の原子炉格納容器内で、ロボットが十五日に調査した際の映像を公開した。映像では格納容器下部に水がたまっている様子が確認できた。1号機では原子炉から溶け落ちた燃料を冷却するための注水を続けており、この水が格納容器下部にたまっているとみられる。東電は最終的に、格納容器下部の調査を目指している。公開されたのは十五日に格納容器一階部分をロボットで時計回りに調査した際の映像。カメラの向きを下に動かし、金網状の床面の隙間から格納容器下部を写すと、カメラのライトの光が水面に反射してゆらゆらと揺れた。また床面から立ち上る湯気も確認できた。時計回りの調査は十五、十六日の二日間行われ、調査範囲の空間放射線量は毎時四七〇〇~八三〇〇ミリシーベルト。容器内の温度は一九・四~二一・一度だった。東電は当初二台のロボットで格納容器内を調査する予定だったが、十日の反時計回りの調査で一台目が停止し、回収不能となった。時計回りで使ったロボットで十八日以降、もう一度、反時計回りに調査を進める予定。

*3-2:http://www.minyu-net.com/news/news/0421/news13.html
(福島民友 2015年4月21日)第1原発で新たに汚染水流出 水のくみ上げポンプ停止
 東京電力福島第1原発で汚染雨水が排水路を通じて外洋(港湾外)に流出していた問題で、東電は21日、この排水路内に取り付けた水のくみ上げポンプ全8台が止まり、新たに汚染雨水が外洋に流出しているのが見つかったと発表した。東電は、ポンプが停止した原因や外洋への流出量、雨水に含まれる放射性物質濃度を調べている。「K排水路」と呼ばれるこの排水路は、原子炉建屋周辺の雨水を流すため、事故前からあった。2月に発覚した汚染雨水の外洋流出問題を受け、17日から本格的に排水をポンプでくみ上げ、港湾内につながる別の排水路「C排水路」に移送し始めたばかりだった。東電によると、巡回中の作業員が21日午前8時45分ごろ、ポンプの停止に気付いた。現場のパトロールは1日3回。20日午後2時30分ごろ、最後に確認した際には異常はなかったという。

*3-3:http://news.nifty.com/cs/domestic/societydetail/playboy-20150427-46919/1.htm (niftyニュース 2015年4月27日) 周辺地域で線量が1000倍に急上昇! “フクイチ”で何かが起きている!?
 4月6日から8日に突如として高い線量を検出した南相馬市のモニタリングポスト。特に常磐自動車道の鹿島SAでは55μSvという通常の1000倍もの数値を記録、福島県は計器故障と発表し線量測定を即中止した…。このところ福島第一原発の様子が、どうもおかしい。特に気になるのが2号機で、4月3日に格納容器の温度が約20℃から70℃へ急上昇した。さらに2日後には88℃に達し、4月第3週現在も70℃前後から下がっていない。もちろん熱源は4年前に圧力容器からメルトダウンした最大重量100tとも推定される核燃料である。その温度は、事故当初は太陽の表面に近い4000℃前後で、不純物が混じって核燃デブリ(ゴミ)と化した今でも塊の内部は1000℃以上を保っているとみられる。つまり、2号機内ではデブリがなんらかの原因で活発化して放熱量が高まっているようなのだ。この点について琉球大学理学部の古川雅英教授(環境放射線学)は次のように説明する。「1~3号機ともに核燃デブリを冷やすために放水作業を続けていますが、その水量調整が実は大変に難しい。少ないと文字通り焼け石に水です。また、極めて稀(まれ)なケースですが、環境条件が整えば、水によって減速された核分裂中性子が連鎖的な核分裂を誘発する可能性もあります」。だから東電の事故処理対策では、今のところ1~3号機ひとつにつき、一般の水道蛇口ふたつを全開にしたほどの注水を続けている。これは巨大な原子炉格納容器と比べれば意外にわずかな水量といえる。にもかかわらず、なぜ2号機の温度は急上昇したのか?似た異変は3号機内部でも起きているようで、今年に入って何度か3号機の屋上から大量の蒸気が噴き出す様子がライブ配信映像で目撃された。そして、もっと見逃せないのが2号機の温度上昇と連動するように4月6日から福島第一原発周辺の「放射線モニタリングポスト」が軒並み高い数値を示し始めたことだ。中でも原発から北方向の南相馬市では、復旧したての常磐自動車道・南相馬鹿島SA(サービスエリア)ポストで通常線量の1000倍にあたる毎時55μSv(マイクロシーベルト)を最大に、市街地各所で数十倍の上昇が見られた。それぞれの線量上昇時には福島第一原発方向からの風が吹いていた。福島県内各地の放射能汚染を詳しく調べてきた「南相馬・避難勧奨地域の会」の小澤洋一さんはこう語る。「これら福島県が設置したモニターの高線量折れ線グラフは、異様に長い剣のように突き出た1、2本のピークが特徴的で、しかも短時間に限られた場所で現れたため、あいにく私の個人測定ではキャッチしていません。しかし福島県は、この後すぐに40ヵ所ものモニターを“機器調整中”とし測定を止めました。この対応はあまりにも不自然だと思います。もし本当に高額な精密モニター機器が何十台も同時故障したというなら、それ自体が行政上の大問題でしょう」。この福島第一原発2号機の温度急上昇と関係がありそうな異変は、実は福島県以外にも及んでいた。そのひとつが4月7日の東京都内だ。本誌は原発事故から4年間、都内43ヵ所の「定点」で月数回ペースの線量測定を実施してきた。そして北東・北方向から4、5mの風が吹き続けた7日正午から夕方にかけて、港区・新宿区・渋谷区・世田谷区を中心にいつもの2~4倍に達する線量上昇を確認した。また「原子力規制委員会」が公開した4月中旬までの全国線量グラフにも東北各県や神奈川県などで急激な上昇が見られた。原発事故以来、東日本地域では地表面に染み込んだ放射性セシウムが1~3月頃の乾燥期に空中へ舞い上がり、線量を高める「2次汚染現象」が続いてきた。ところが今年の春は、まるで様子が違う。今の福島第一原発から直接飛来した強い放射性物質が一部地域の線量をスポット的に引き上げているとしか思えないのだ。この新しい傾向は、何を意味するのか? 考えられるのは、原発内の核燃デブリが従来の注水冷却工程に対して異なった反応を示す状態に変化した可能性、例えば、デブリが格納容器下のコンクリートを突き抜けて地盤まで到達(メルトアウト)し、地下水と接触するなどだ。

<原発に対する世論>
*4-1:http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201504/20150417_73006.html
(河北新報 2015年4月17日) 原発賠償請求で共闘 被害者が初の全国組織
 東京電力福島第1原発事故で被害を受け、東電や国に損害賠償を求めている全国の団体などが「原発事故被害者団体連絡会」を設立することが16日、分かった。初の全国組織で、5月24日に二本松市で設立集会を開催する。訴訟の進み具合や課題といった情報を共有し、東電や国に対する共闘体制の構築を図る。参加対象は原発事故で古里を失ったなどとして損害賠償を求める全国の原告団や裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てている集団など。東電担当者らの刑事責任を追及する福島原発告訴団(田村市)などが中心となり、全国約30団体に加盟を呼び掛ける。連絡会は(1)被害者への謝罪(2)完全賠償となりわいの回復(3)医療保障の実現・充実-などを東電と国に統一要求する方針。各団体が持つ情報は定期的な会合や研修会で共有。東電や国に対する要請活動は共同で展開する。みやぎ原発損害賠償弁護団(仙台市)によると、原発事故の被災者や避難者が東電や国に損害賠償を求める訴訟は全国で少なくとも28件に上り、いずれも判決は出ていない。追加提訴もあり、原告数は増える傾向にある。発起人の一人で原発事故時は福島県西郷村に住んでいた福島原発告訴団の地脇美和事務局長(44)は事故風化や団体間の情報格差を懸念。「課題は避難の長期化をはじめ多様化しており、個々の団体だけで対応するのは難しい。被害者がまとまって声を上げることで確実な要求実現につなげたい」と話す。

*4-2:http://qbiz.jp/article/60647/1/ (西日本新聞 2015年4月21日) 地元、実は脱原発傾向 「再稼働反対」「縮小」77%、薩摩川内市民調査
 九州電力川内原発が立地する鹿児島県薩摩川内市の市民は、九州全体より脱原発派の割合が高い−。民間の調査でそんな傾向が明らかになった。ただし、直近の再稼働については「反対」が他地域を下回る“ねじれ”が生じており、調査元は「地元経済への影響から短期的には再稼働を受け入れざるを得ないと感じているが、決して積極的な容認ではない」と市民の胸の内を分析している。調査したのは安全・安心研究センター(代表・広瀬弘忠東京女子大名誉教授)。昨年11〜12月、薩摩川内市180人、川内原発30キロ圏180人の計360人にアンケートを実施した。全国データは今年3月に1200人を対象に調査した分で、うち九州7県は120人だった。この中で「日本の原発をどう思うか」と聞いたところ、薩摩川内市では「再稼働を認めず直ちにやめるべきだ」が21・1%。「再稼働を認め段階的に縮小すべきだ」と合わせると77・2%に上り、九州全体(75・0%)を上回った。これとは別に、目前に迫る再稼働の賛否を尋ねた質問でも、薩摩川内市では「絶対反対」「やや反対」が計52・7%。昨年10月、市長と議会が再稼働に同意を表明したが、その後も市民レベルでは賛否が割れている実情が浮かび上がった。ただ、同じ質問で九州全体の反対派は65・8%。30キロ圏(62・8%)、全国(70・8%)とも差が出た。将来的には脱原発、直近は再稼働容認−。このねじれの背景に何があるのか。調査では原発の事故対策や避難計画についても聞いている。国の事故対策について、薩摩川内市の市民の計80・6%が「まったくできていない」「あまりできていない」と感じており、避難計画も「不十分」「やや不十分」が計78・3%に達した。いずれも全国データに迫る割合だった。一方、再稼働が家計にとって「非常にプラス」「ややプラス」と答えた市民は66・7%に及び、全国の58・7%を大きく上回った。広瀬名誉教授は「脱原発傾向は予想以上に強かった。立地自治体の原発事故に対する危機感を、経済的なメリットが薄めている」と指摘する。

<経産省の電源構成比率>
*5-1:http://qbiz.jp/article/61257/1/
(西日本新聞 2015年4月29日) 「20%台」老朽原発が頼み 経済優先、新増設も視野 
 経済産業省が28日の有識者会議に示した2030年時点の電源構成比率(エネルギーミックス)素案は、焦点の原子力発電と太陽光発電などの再生可能エネルギーの比率をいずれも20%台とし、わずかに再生エネが多い巧妙な配分になった。だが、再生エネが国民負担の増大を理由に抑制された一方、原発は新増設も視野に入るレベルを確保し、方向性は対照的。政府の「原発回帰」の姿勢がより鮮明になった格好だ。「これで(昨春の)エネルギー基本計画で『原発は可能な限り低減する』とした“公約”を満たしたといえるのか」。有識者会議の会合で東京理科大の橘川武郎教授は、経産省が示した原発比率に強く反発した。政府は福島第1原発事故を受け、原発の運転を「原則40年」に制限。このルールを厳守すると、30年の原発比率は15%程度に下がる見通しだったが、産業界から「電気料金の値下げ」を求める声が拡大。経産省は当初から、最長20年の運転延長を認める「特例」を活用し、原発を一定程度確保する方針だった。こだわったのは20%台という水準だ。安倍晋三首相周辺は国民の反発を和らげるため、原発比率を「19〜18%」に引き下げる案を検討したが、経産省は譲らなかった。橘川教授は「10%台だと、国民に『40年廃炉』を厳格に進めるというメッセージになると考えたのではないか」といぶかる。
   ◇    ◇
 エネ基で「約2割を上回る水準を目指す」とした再生エネは、目標をわずかに超える22〜24%になった。再生エネをめぐっては環境省が4月上旬に「最大35%供給可能」との試算を発表し、原発推進の姿勢をみせる経産省をけん制した。試算のうち、再生エネが33%超となる案は、全国の送電線網の整備などに4兆3千億円かかるが、年平均では約2300億円。試算に携わった千葉大大学院の倉阪秀史教授は「無理な水準ではない」と強調する。経産省は28日、13年度に3500億円だった固定価格買い取り制度に伴う電気料金への上乗せ額が、30年に最大4兆円に膨らむとの新たな試算も公表。「再生エネの拡大は国民負担が大きい」(幹部)とのメッセージを出し、最終的に20%前半まで抑えた格好だ。
   ◇    ◇
 電源比率の素案は与党での議論を経て正式決定するが、曲折も予想される。経産省が期待する老朽原発の運転延長は、巨額の安全対策費がかかるため、電力会社がどの程度、延長を申請するかが不透明。原子力規制委員会が運転延長を認める保証もない。このため、28日の会合では「原発比率の達成は難しい」「想定通りにいかなければ、火力発電に頼る今の状態に戻ってしまう」などと懸念の声が上がった。経産省が、コストを理由に再生エネ拡大に慎重なことについて、有識者会議メンバーでもある名古屋大大学院の高村ゆかり教授は「30年以降の姿をみていないからだ」と指摘する。再生エネの固定価格買い取り制度は20年で買い取り期間が終わるため、32年以降、電気料金への上乗せ額は徐々に減る。高村教授は訴える。「将来は、高い上乗せ額を負担しなくても、(太陽光などの)国産のエネルギーを活用できる。長期的な視野をもって政策議論をすべきだ」
◆九電、30年には原発2基に
 2030年時点の電源構成比率で原発を20〜22%とする政府の方向性は、九州電力管内の原発の存廃にも影響を与えそうだ。九電は原則40年の法定運転期間に従う形で27日に玄海原発1号機(佐賀県玄海町)を廃止にしたばかりで、残る原発は玄海2、3、4号機と川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の計5基。40年ルールに従えば、30年時点で残るのは玄海3、4号機の2基のみとなる。玄海3、4号機の出力は計236万キロワット。設備利用率(稼働率)80%の前提だと年間発電量は約165億キロワット時で、14年度の九電の販売電力量(約812億キロワット時)の約20%に相当する計算。ただ、30年時点の電力需要は、電化が進むことなどで現在より増える可能性もあり、この2基のみで九州内の需要の20%以上を賄えるかは見通せない。状況次第で川内1、2号機の運転延長を目指す動きなども想定される。電力業界は16年4月に電力小売市場が全面自由化され、20年4月には大手電力会社の送配電部門が切り離される「発送電分離」も実施される予定。「地域独占」の壁が崩れる中、九電管内の原発の行方は他の大手電力会社の状況にも大きく左右されそうだ。

*5-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11729660.html
(朝日新聞社説 2015年4月29日)原発の比率 40年超を前提にするな
 原発比率を「20~22%程度」とすることには、問題がある。というのも、「20~22%」は事実上、40年超の原発も運転し続けることを前提にした数字だからだ。この水準を維持するには、原発を新増設するか運転を延長するしかないが、政府は「新増設は考えていない」との姿勢を崩していない。福島第一原発の事故後、原子炉等規制法が見直され、原発は40年を寿命とする原則が決まった。この法律と整合しない数値を示すことに、正当性はあるのだろうか。国内で建設が始まった当初、原発は30~40年の寿命が前提とされてきた。だが、新規立地が難しくなり、主として経済的な要因から運転延長が認められてきた経緯がある。ただ、運転を長く続ければ原子炉圧力容器などが劣化し、安全性も下がる。事故後は「供給側の事情に配慮するような発想を切り離す」ことを目指して、運転を40年に制限することが改正法に盛り込まれた。法律には原子力規制委員会の特別な審査に合格すれば1回だけ最長20年の延長が認められる規定がある。ただ、これは法案をつくる時点で、電力不足に陥る懸念があったために「極めて例外的」なケースとして設けられたもので、規制委の田中俊一委員長も規制委発足時の会見で「(特別審査への合格は)相当困難」との認識を示している。国内の原発は運転開始から30年を超えるものが多く、40年規制を自動的に当てはめるだけで、30年時点での原発比率は15%程度に低下する。大地震の恐れや活断層などの問題があったり、十分な避難計画が策定できなかったりする原発については寿命をまたずに閉めることを踏まえれば、比率はさらに下がるはずだ。電力会社側は「40年には科学的根拠がない」として、関西電力が3基について運転延長を申請する準備に入っている。しかし、審査に通るかどうか、現時点では見通せず、40年超を前提にすることには無理がある。骨子案をもとに、政府は6月にも電源構成を決める。原発比率は再考するべきである。

*5-3:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150429&ng=DGKKASDF28H1R_Y5A420C1MM8000(日経新聞2015.4.29)原発、電源の20~22%に 経産省30年案再生エネ倍増
 経済産業省は28日、2030年時点の望ましい電源構成(ベストミックス)案を公表した。原子力の比率は20~22%と、東日本大震災前の28.6%より低くした。太陽光などの再生エネルギーは最大24%を掲げ、原子力を上回る普及をめざす。震災後に揺れ動いてきたエネルギー政策の見取り図を示し、コスト低減と環境への配慮の両立をはかる。28日に開いた「総合資源エネルギー調査会」(経産相の諮問機関)の専門委員会で大筋了承された。与党内の協議や国民の意見を聞いた上で6月までに決めるが、経産省案から大きく変わらない見通しだ。政府が望ましい電源構成を示すのは民主党政権時代の10年以来、5年ぶりとなる。経産省案では停止中の原子力発電所の再稼働を進め、30年時点で20%以上に戻す。政府は原発をコストが低く、昼夜を問わず安定的に発電できる基幹電源の一つと位置づけており、稼働から40年以上の老朽原発(総合2面きょうのことば)の運転延長も織り込んだ。ただ、安全性への国民の不安が根強いことを踏まえ、大震災前には及ばない。 再生エネは天候により発電量が変わる太陽光と風力を合計で9%弱にとどめる一方、安定して発電できる地熱や水力、バイオマスで最大15%程度を確保する。13年度時点で約11%の再生エネを30年までに主要な電源に育て、温暖化ガスの大幅削減につなげる。政府試算では発電コストが安いとされる原発の比率を20%以上にすることで再生エネの普及コストを吸収し、電気料金の上昇を抑えたい考えだ。代わりに火力発電の割合は減らす。石炭火力を13年度の30%から26%に、液化天然ガス(LNG)火力は43%から27%にし、化石燃料への依存度が9割近くとなっている現状にメスを入れる。政府は28日に示した電源構成案を基に、30日にも温暖化ガスの削減目標案を示す。30年までに排出量を13年比で26%、05年比で25%強減らす案を固めている。


PS(2015年4月30日追加):*3-3に、「2015年4月6日から8日に南相馬市のモニタリングポストや周辺地域で線量が1000倍に急上昇し、デブリが格納容器下のコンクリートを突き抜けて地盤まで到達し、地下水と接触したことが考えられる」と書かれている。これと符合するのが、*6の2015年4月10日に、茨城県鹿島灘に多数のイルカが打ち上げられた事件だ。イルカが打ち上げられた理由は、イルカが放射性物質を蓄積した魚を大量に食べたことで急性放射線障害による腸壁傷害の下痢を起こしたのかもしれないし、この付近の海水の放射性物質濃度が高くなっていた可能性も高い(http://www.antiatom.org/Gpress/?p=3038 参照)。ちなみに水俣病の時も、魚を中心に食べる猫がおかしな歩き方をし始めたのが最初の異変で、その時、日本政府は公害の影響を否定していた。そして、あれだけ多くのイルカのサンプルがありながら「原因がわからない」とされていること自体、原発事故が怪しいのだ。

*6:http://mainichi.jp/select/news/20150410k0000e040176000c.html
(毎日新聞 2015年4月10日) イルカ:150頭、砂浜に…10キロ点在 茨城・鹿島灘
 10日午前6時5分ごろ、茨城県鉾田市台濁沢(だいにごりさわ)の鹿島灘で、通行人の男性から「多数のイルカが打ち上げられている」と第3管区海上保安本部(横浜市)に通報があった。鹿島海上保安署員が駆け付けたところ、鉾田市汲上(くみあげ)から同市上幡木(かみはたき)間の海岸(約10キロ)で、約150頭のイルカが打ち上げられていた。大半が生きているとみられ、市などが救助活動を行っているが、救出は一部にとどまる見通しという。アクアワールド茨城県大洗水族館(同県大洗町)などによると、打ち上げられたイルカはカズハゴンドウで、体長は約2〜3メートル。鹿嶋市内にも打ち上げられており、被害頭数は拡大する可能性もある。現場では地元住民も協力し、イルカにブルーシートをかぶせたり、バケツで海水をかけたりして救助活動を行った。付近では毎年、数頭のイルカが打ち上げられており、2011年3月には鹿嶋市で、カズハゴンドウ54頭が見つかっている。原因ははっきりしていないという。


PS(2015年4月30日追加):*7のように、電気自動車の無料急速充電設備がスーパーの駐車場にあると、そのスーパーを選択する理由の一つになるため、スーパー側にもメリットがある。しかし、女性がスーパーに行くために使う車は300万円くらいまでの実用車か軽自動車であるため、テスラも女性好みの実用車のラインナップを増やした方がよいと思う。なお、駐車場に下の写真のような太陽光パネルの屋根を設置すると、自動車が熱くなり過ぎないなど、エコと駐車場のグレードアップの両方の効果がある。

   

*7:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150430&ng=DGKKASGM29H22_Z20C15A4FF2000 (日経新聞 2015.4.30)
米テスラCEO「EV充電拠点、日本で拡大」 年内に5倍30ヵ所
 米電気自動車(EV)メーカー、テスラモーターズのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は28日、日本経済新聞のインタビューに応じ、日本でEVに無料で急速充電できる設備を今年中に現状の5倍の30カ所程度まで増やす方針を明らかにした。本州全域をEVで縦断できるようになる。将来的に全国数百カ所まで増やす計画で、電池切れの不安を軽減しEV普及を促す。急速充電器の設置場所は商業施設の駐車場が中心。急速充電器の電気は太陽光で賄う。太陽光パネルを充電器に設置するか、太陽光で発電した電力を他社から購入する。マスク氏は「日本で長期的に投資を増やす」と語った。投資額には触れなかったが、充電器設置拡大に加え、現在は横浜に限られている修理などを担うサービス拠点を増やす考えも明らかにした。自社だけでなく他社のEVも使える充電機能付きのパーキングメーターの設置支援を「日本政府にも提言する」と述べた。テスラのセダンEVは家庭用電源も利用できるが、フル充電には一晩かかる。急速充電器を使えば20分で半分程度まで充電でき、商業施設の利用時間を活用して充電できる利点がある。現状は首都圏と阪神間の6カ所にとどまっている。テスラは現在、1000万円近い高級EVを販売するが、2017年後半をめどに420万円程度で発売する中価格帯EVの開発を進めている。蓄電池の価格が最大の課題だが、マスク氏は「3年以内に価格は確実に3割以上下がる」と商品化に自信を見せた。さらに価格を下げた大衆用EVも投入する予定で「認知度を上げるためブランドはテスラのまま変えない」とした。自動車向けサービスを開発している米アップルや米グーグルなどと連携する可能性については「顧客が求めるならありうるが、当面は独自のサービス開発を追求する」とし、短期的には可能性を否定した。アップルからの買収提案の噂についても笑いながら「特にない」と語った。13年春の経営危機時にグーグルに身売りしかけていたとの報道についても「非公式な議論止まりだった。現在そうした議論は全くない」と明言した。


PS(2015.5.1追加):温暖化ガスの削減は、私の提案で1995年頃から太陽光発電や電気自動車の開発を本格的に始めた日本が言いだし、1997年に京都議定書ができたものであるため、日本は世界のトップランナーだった。しかし、*8のように、政府は「①米国が05年比26~28%削減、欧州連合(EU)が1990年比で40%削減目標を打ち出した中、日本が低い目標では国際的に孤立する」「②諸外国の批判を招かないよう、国際的に遜色ない水準にする」「③経産省幹部が『これで15年後に原子力が20%を割ることはなくなった』とつぶやいた」そうである。このうち、①②は、バスに乗り遅れないようにのみあせる追随型三等国の政策であり、③は、発電のためのエネルギーに、火力か風力か原子力しか思いつかない物理音痴の発想で、考えるための基礎的知識が足りないものである。

     
   2015.5.1     2015.1.17  2015.1.3     太陽光発電
                日経新聞

*8:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150501&ng=DGKKASDF30H1I_Q5A430C1EA2000 (日経新聞 2015.5.1) 
欧米にらみ最後に上積み 温暖化ガス削減目標、経産・環境省が攻防
 政府が30日にまとめた2030年の温暖化ガス排出削減目標は、政府内の激しい綱引きの末、省エネや森林整備による吸収効果を積み上げ、13年比で26%を捻出した。最優先したのは「欧米に見劣りしない目標」だった。省エネには巨額の投資が必要となり、実現の可能性は未知数だ。「05年に比べて約3割削減する環境省サイドの案はどうやっても実現不可能だ」。水面下の調整が始まった4月上旬、経済産業省幹部は政府内の意見の隔たりの大きさを嘆いた。同時に検討していた30年の電源構成案を基にすると、削減目標は「十数%」というのが経産省の当時の見立てだった。経産省は環境・外務両省と調整を進め、「13年比で20%に乗せる水準」という折衷案が政府内で有力となった。だが、環境省は巻き返しに動いた。米国が05年比26~28%削減、欧州連合(EU)が1990年比で少なくとも40%削減の目標を既に打ち出した中で、低い目標では国際的に孤立すると恐れたためだ。環境省は国際エネルギー機関(IEA)の昨年の試算値をベースに「24%減」を最低ラインとして論陣を張った。4月18日東京・新宿の新宿御苑。安倍晋三首相が主催する「桜を見る会」で首相と同席した望月義夫環境相は「国際的に日本の努力が分かるようにする必要がある」と進言した。岸田文雄外相が訪独から帰国すると、外務省も大幅削減に傾き、「20%台半ば」の削減論が政府内で強まった。国際的に遜色ない水準を望んだのは、6月に主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)を控えた首相も同じだった。政府関係者によると、首相は4月20日、官邸に入った経産省幹部に「諸外国の批判を招かないようにしてくれ」と指示した。大幅な削減目標を達成するため、経産省はほぼ大枠が固まりつつあった電源構成に手を加えた。排出量の多い石炭火力の比率を今の30%から、30年時点で26%に減らし、省エネの目標も2月時点の試算から1割上乗せした。電源構成の変更と省エネで、21.9%分を稼ぎ、将来の森林整備による吸収などの効果と合わせ、26%に乗せた。見せ方にもこだわった。05年比では日本は欧米に見劣りするが、13年比では上回る。だが、環境省は05年比という従来の基準をむやみに変えれば国際的な信用を失うと譲らず、国連に2つの削減目標を登録する異例の対応が決まった。高い削減目標の実現には今後15年間で37兆円の投資が必要となりハードルは高い。今回の削減目標を公約すれば結果的に温暖化ガスの排出が少ない原子力発電所の再稼働には追い風との思惑もちらつく。経産省幹部は「これで15年後に原子力が20%を割ることはなくなった」とつぶやいた。


PS(2015年5月4日追加):*9に書かれているとおり、原発を再稼働させて2030年の温室効果ガス排出量を2013年に比べてやっと26%減らすという政府案は姑息で、他国に比べて環境保護や省エネ・再エネ技術の開発意欲に欠けている。そして、馬鹿の一つ覚えのように、「それなら代替案を出せ」と言う人がいるが、代替案は既に20年前に出しており、理解力とやる気の問題だったのだ。

*9:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11738017.html
(朝日新聞社説 2015年5月4日)温室ガス目標 政府案は意欲に欠ける
 2030年のガス排出量を13年に比べて26%減らすという。気候変動枠組み条約や京都議定書の基準年1990年に比べれば、40年かけてわずか18%ほど減らす目標に過ぎない。すでに1人当たり排出量で日本より少ない欧州連合(EU)は、90年比で40%以上の削減を掲げている。それに比べて政府案のレベルは低すぎる。実質的に国際水準に劣るのに、基準年を最近の年へずらしたため、そう遜色がないようにも見える。そんな姑息(こそく)なやり方で近年の無策をごまかしては、国際社会の信頼を失うだけだ。真剣に考え直すべきである。最大の問題は、経済成長で当然のようにエネルギー消費が伸びるとしている点だ。原発回帰を進めようとするのも、つまりはエネルギー消費構造への切り込みが足りないからである。日本はEUなどと異なり、京都議定書で13~20年のガス削減に参加しなかった。このため、国全体の取り組みがゆるみ、政府が基準年とした13年の排出量は90年より約11%も増えた。それは原発事故の影響だけではない。この間、事務所など業務部門の排出量は2倍以上、家庭部門も1・5倍以上になった。政府案は両部門での省エネを特に強めるというが、それでも業務部門の30年の想定排出量は90年より多く、家庭部門もわずかに下回る程度だ。全体の約3割を排出している産業部門の削減幅が、13年比で約7%というのは、あまりにも低すぎる目標である。確かに産業部門は業界ごとに計画を立てて省エネを進め、90年比で約15%減らしてきた。だが、もっと余地があるはずだ。経済産業省系の省エネルギーセンターによると、製造業では保温断熱材の劣化だけでエネルギーを10%も損しているという。複数の工程や事業所を結んでの省エネも遅れている。欧米は経済成長とエネルギー消費の切り離しを積極的に進めている。例えば、電力会社などエネルギーの供給や小売りを担う事業者に一定の供給削減を義務づけることで、工場や事務所、家庭などの省エネ投資を促す政策が広がりつつある。その結果、省エネ策を提案・提供する新産業が育ってきた。省エネは世界の一大潮流である。国内で本気になって最新の経験を積まなければ、急速な成長が見込まれる途上国の省エネ需要も取り込めないだろう。

| 資源・エネルギー::2014.10~2015.4 | 03:44 PM | comments (x) | trackback (x) |

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