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2015,05,13, Wednesday
2015.5.8 電源構成 発電コスト試算 2015.5.12 ゼロ及びネットプラス 西日本新聞 経済産業省 西日本新聞 エネルギービル *1-2 *4-3 (アッパレ) (1)川内原発について *1-1、*1-2のように、鹿児島地裁が川内原発再稼働差し止めの仮処分を却下する決定をしたが、私がこのブログの5月7日にも記載したとおり、それは原発の新規制基準を「合理的」と判断した点で危機管理に甘い。そのため、住民側は最後の希望を託して福岡高裁宮崎支部に即時抗告するとのことだが、確かに鹿児島地裁の決定は福島事故後の司法判決に逆行しているため、日本国憲法で定められた三権分立が本当に機能しているか否かがここでわかる。 九州の一般人は、*1-3のように、鹿児島県の脱原発団体「ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委員会」が5月16日から、鹿児島市の照国神社をスタートし、脱原発を訴えながら主に徒歩で九電本店を目指して約311キロをデモし、5月27日に九電本店に到着後、この日に予定されている九電との交渉に臨む。また、九州各地の脱原発団体が合同で「ストップ再稼働!3万人大集会−川内原発のスイッチは押させない」を6月7日に福岡市の舞鶴公園で九州最大規模の脱原発集会を開くそうだ。 (2)経産省と規制委の態度について しかし、*2-1、*2-2のように、経済産業省は5月11日に有識者会合を開き、2030年時点の発電コストを電源毎に再検証した報告書を大筋で承認し、その報告書は原発のコストを1キロワット時当たり少なくとも10.3円と火力や太陽光など他の電源との比較で最も低くしているそうだ。しかし、このコスト計算は、2030年時点の電源構成比率を正当化する目的で、仮定の多い見通しやコンピューター解析のみで行っているため、殆ど意味がない。 そして、*2-3のように、規制委の最悪の想定は、それ以外の専門家から「作業遅れの影響評価が不十分で甘い」「炉心溶融が起きるような過酷事故は、MCCIや水素、水蒸気爆発などのきわめて複雑な事象が起きるので、川内原発などの対策が十分とは言えない」「原子力規制委の審査水準が十分ではない」などの意見が出されている。 そのような中、*2-4のように、エネルギー問題の調査で実績のある米国企業系「ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス」(BNEF)が、原発の発電コストは世界的には1キロワット時当たり平均14セント(約15円)で太陽光発電とほぼ同レベル、陸上風力発電や高効率天然ガス発電の8.2セントに比べてかなり高いとの試算をまとめたが、今回の分析には事故対策費用は含んでいないとのことである。 (3)欧州の脱原発と日本の脱原発首長会議 *3-1のように、発電量の4割を原子力に頼る原発大国スウェーデンは、原発業界に何も補助しないことを決め、廃炉を強制しない代わりに政府からの財政支援を一切しないそうだ。私も、原発は商業運転を始めてから既に40年が経過しており、再エネは5年も経過していないため、政府からのエネルギー関係支出は原発への補助をやめ、再エネに集中すべきだと思う。そうすれば、これまでの電源地域も、原発から再エネ産業に転換することで、打撃を回避することが可能だ。 また、*3-2のように、日本でも38都道府県の市区町村長やその経験者108人でつくる「脱原発をめざす首長会議」が、5月10日に兵庫県宝塚市で総会を開き、2030年の電源構成比率で原発を20〜22%とする政府案に反対する緊急決議を採択して、安倍首相への申し入れ書を今月中にも提出するとのことである。その中で、政府案が自民党の政権公約と食い違っていることや原則40年の運転期間を超えた稼働を前提としていることを批判し、脱原発が日本経済をより確かなものにするというシナリオを提示するそうだ。私も、原発をやめて再エネにエネルギー転換した方が、国富が海外に流出せず国民が豊かな生活を送れるとともに、経済成長にも資すると考えている。 (4)再エネの発展 *4-1のように、中国政府の研究機関が、中国の総発電量に占める再エネの割合を、2030年に53%、2050年に86%まで拡大可能とする報告書をまとめ、今後、①建物への太陽光発電パネルの設置 ②地方から都市部への送電網整備 ③炭素税の導入などを行えば可能としている。私もそう思うため、日本の2030年の電源構成での再エネ割合22〜24%は、あまりにも現状維持でつまらない。 また、*4-2のように、アイスランドは必要な電力のうち約3割を地熱、約7割を水力で賄う「再生可能エネルギー大国」で、自動車だけが例外とのことである。日本は、地熱はアイスランドと同様に豊富で、自動車も電気自動車や水素による燃料電池車ができ、建物もゼロエネもしくはネットプラスエネになるため、再エネで完結することが可能だ。また、*4-3のように、五島沖で、洋上風力による水素製造の実証試験も始まっている。 <川内原発> *1-1:http://www.saga-s.co.jp/column/genkai_pluthermal/20201/179781 (佐賀新聞 2015年4月23日) 川内原発差し止め認めず 鹿児島地裁決定 ■新基準評価、高浜と相違 九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の地震対策は不十分として、周辺住民らが再稼働の差し止めを求めた仮処分申し立てで、鹿児島地裁(前田郁勝裁判長)は22日、却下する決定をした。原発の新規制基準を「合理的」と判断した。関西電力高浜原発3、4号機をめぐり、14日の福井地裁が「緩やかすぎて不合理」として再稼働を認めない仮処分決定をしており、司法判断が大きく分かれた。住民側は近く、福岡高裁宮崎支部に即時抗告する。7月に1号機の発電を開始する九電の計画は、再稼働を認めたこの日の決定によって現実味を帯びる。原子力規制委員会の優先審査により、新基準下で最初に合格した川内原発が再稼働に向け一歩進んだ形。菅義偉官房長官は記者会見で、政府の再稼働方針に変わりはないとの考えを示した。争点は(1)地震対策が十分かどうか(2)火山による危険性の有無(3)避難計画の実効性-。決定理由で前田裁判長はまず新基準について「東京電力福島第1原発事故の経験を考慮し、最新の科学的知見に照らした」と評価。その上で原発の耐震設計の目安となる地震の揺れ(基準地震動)が「自然現象の不確かさを考慮して定めており、新基準に適合するとした判断に不合理な点はない」と認定した。耐震設計も、実験結果から十分な余裕の確保を確認。保安設備の追加により、事故が起きても放射性物質の外部放出を相当程度防げるとも指摘した。住民側は「過去の噴火で、周辺のカルデラから火砕流が原発の敷地に到達した可能性がある。避難計画も不十分」とも主張。決定は「カルデラ噴火の可能性は小さいと考える学者の方が多い。避難計画も現時点で一応の実効性を備えている」としていずれも退けた。福井地裁決定と違いが生じた背景に、原発の安全性に対する考え方の違いがうかがえる。鹿児島は「一般的に科学技術は危険性をゼロとするような絶対的安全性の確保は不可能。原発はより安全側に立つ必要があるが、重大事故の危険性を社会通念上無視できる程度に小さく保つのが相当」と指摘したが、福井は「深刻な災害が万が一にも起きないようにすべきだ」との立場を示した。このため福井は、過去の地震の平均値に基づいて設定した基準地震動のあり方にも疑問を投げかけた。仮処分は、川内原発の運転差し止めを求める訴訟の原告団の一部が昨年5月、暫定的な判断を求めて申し立てていた。 *1-2:http://qbiz.jp/article/61638/1/ (西日本新聞 2015年5月8日) 川内仮処分で即時抗告、反論ポイントは 九州電力川内原発1・2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働を認めた鹿児島地裁決定を不服として、差し止め仮処分申し立てを却下された住民12人が6日、福岡高裁宮崎支部に即時抗告した。九電が全国の原発に先駆けて7月中旬の再稼働を目指している中、住民側は抗告状に「最後の希望を託す」と記し、全面的に争う姿勢を明確にした。抗告状で住民側は、争点となった基準地震動(耐震設計の目安となる揺れ)の妥当性、火山の危険性、避難計画の3点全てで地裁決定に対して詳細な反論を挑んだ。決定が「不合理な点はない」と評価した新規制基準については「地裁決定は新基準が国の厳格な『安全目標』を基にしたことを根拠にしたが、安全目標に法的根拠はない」と批判。基準地震動に関して、2005年以降に国内の4原発で基準地震動を超える揺れが5回起きたことを指摘し、「今後も起きると考えるのが自然だ」と主張した。火山対策では、周辺火山の噴火の影響をめぐる地裁決定の判断に火山学者から強い批判が出たことを新聞記事から引用し、「決定は事実誤認」と主張した。今後、決定を批判した学者に抗告審に出す意見書の作成も依頼するという。抗告状が全体として強調するのは「地裁決定は福島事故の教訓を生かしていない」との主張だ。避難計画をめぐっては、福島事故で患者の避難中の死者が多数出たことに触れ、移送手段の不備を訴えた。福島事故前の訴訟で原発の危険性を小さいと認定した裁判官の反省も紹介。大飯、高浜両原発の再稼働差し止めを認めた福井地裁の判決と決定を踏まえ、「鹿児島地裁の決定は福島事故後の司法の流れに逆行している」と結論づけている。記者会見した住民側の白鳥努、大毛裕貴(だいもうゆうき)両弁護士によると、当事者が裁判官の前で主張を戦わせる「審尋」を高裁でも開くよう、月内にも申し入れる。白鳥弁護士は「高裁は再稼働前に決定を出してほしい」と強調しつつ、拙速な判断を懸念して「しっかりと時間をかけて審理してもらいたいとの思いもある」と語った。 *1-3:http://qbiz.jp/article/62012/1/ (西日本新聞 2015年5月13日)九州で最大規模の脱原発集会 6月7日、福岡市・舞鶴公園で 九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働が今夏にも迫る中、九州各地の脱原発団体が合同で「ストップ再稼働!3万人大集会−川内原発のスイッチは押させない」を6月7日、福岡市中央区の舞鶴公園で開く。九州では過去最大規模の脱原発集会となりそうだ。川内原発の再稼働手続きが進んでおり、反対を訴える市民団体の動きが活発化してきている。主催は、九州各地の団体による「原発いらない!九州実行委員会」。集会の呼び掛け人には、経済評論家の内橋克人氏、作家の落合恵子氏、ルポライターの鎌田慧氏ら著名人が名を連ねる。全国の五つの脱原発団体も協賛する。舞鶴公園での集会は、2011年(参加数は主催者発表で約1万6千人)、13年(同約1万人)に次いで3度目となる。集会では、福島第1原発事故の影響でいまだ避難者が多い福島県の現状報告などがあり、九州各県の呼び掛け人らも脱原発の思いを訴える。終了後、福岡市中央区の九電本店までデモ行進し、本店を取り囲む計画。集会代表世話人の青柳行信さん(68)は「大多数の国民が再稼働に賛成していない。集会でそのことを発信していきたい」と話す。一方、地元の脱原発団体「ストップ再稼働!3・11鹿児島集会実行委員会」は今月16日から、鹿児島市の照国神社をスタート地点とし、脱原発を訴えながら徒歩(一部は車を使う)で九電本店を目指す。その距離約311キロ。27日に九電本店に到着後、この日に予定されている九電との交渉に臨むという。 <経産省と規制委> *2-1:http://qbiz.jp/article/61824/1/ (西日本新聞 2015年5月11日) 2030年時も原発コスト最低に 経産省会合が報告書承認 経済産業省は11日、有識者会合を開き、2030年時点の発電コストを電源ごとに再検証した報告書を大筋で承認した。報告書では、原発のコストを1キロワット時当たり少なくとも10・3円とし、火力や太陽光など他の電源との比較で最も低くなった。発電電力量の最新の見通しを踏まえ、先月示した原案の10・1円から修正した。東京電力福島第1原発事故後の新規制基準に沿った安全対策の費用を反映し、11年に試算した8・9円から引き上げたが、安全対策の強化によって事故の頻度が下がるとして上乗せ額は1・4円にとどめた。火力は石炭が12・9円、液化天然ガス(LNG)は13・4円とし、燃料高を見込んで11年試算よりいずれも引き上げた。再生可能エネルギーでは、太陽光が12・5〜16・4円、風力が13・6〜34・7円、地熱が16・8円とし、割高なコストが引き続き導入拡大に向けた課題になるとの認識を示した。政府はこうした再検証結果を踏まえ、30年時点で目指す電源構成比率に関し原発を「20〜22%」、再生エネを「22〜24%」などとする案を固めている。与党との調整を経て最終決定する考えだ。 *2-2:http://digital.asahi.com/articles/DA3S11748091.html (朝日新聞 2015年5月12日) 原発の発電コスト「10.3円」に微増 経産省試算 経済産業省は11日、4月末に示した2030年の電源構成(エネルギーミックス)案を踏まえ、修正した新たな電源別の発電コストを公表した。原発は、30年時点で1キロワット時あたり0・2円高い「10・3円以上」としており、下限で比べた場合の電源別ではこれまで通り最安だった。同省の発電コスト検証ワーキンググループで了承された。電源構成案で原発割合を20~22%としたため、前回の試算で前提としていた年間発電電力量が減少。これで原発立地のための交付金や研究費といった「政策経費」が割高になり、原発の発電コスト全体も上がった。10・3円「以上」とするのは、原発事故の賠償費用などがさらに増える可能性があるため。発電量が天候に左右される再生可能エネルギーの「火力の調整」などの対策費は、電源構成案で示された22~24%を前提に、年間4700億円と試算。これまでは年間4千億~7千億円としていた。 *2-3:http://qbiz.jp/article/55962/1/ (西日本新聞 2015年2月16日) 規制委、最悪の想定甘く 原発「過酷事故」審査 専門家が疑問視 注水遅れ試算10分まで 原発が新規制基準を満たしているかどうかを判断する原子力規制委員会の審査が「不十分」とする声が専門家の間で高まっている。特に原子炉(鋼鉄製)内で核燃料の温度コントロールがきかなくなり、核燃料などが超高温になって炉を破損する過酷事故対策を疑問視。事故ともなれば大混乱が予想されるが、九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の場合、九電は注水作業の遅れを計画より10分遅れまでしか想定していないのに、規制委は新基準に適合とした。専門家の試算では35分遅れると事故は防げない恐れが高まり、「作業遅れの影響評価が不十分だ」と指摘する。問題点を指摘するのは、旧原子力安全委員会事務局で8年間、技術参与だった滝谷紘一さん(72)=埼玉県所沢市=ら。大地震などで原子炉につながる配管が破断し、注水によって核燃料を冷やせなくなった場合、電力会社は移動式発電機車をつなぎ、原子炉格納容器内で注水を再開。原子炉下のキャビティーと呼ばれるスペースに水をため、落下する燃料などの炉心溶融物を徐々に冷やす対策を行う計画だ。溶融物を冷やせないと事故の進行を止められず、外部に放射性物質が漏れ出す恐れが一気に高まる。九電は、この事故発生から原子炉が破損し、炉心溶融物が流出するまでの時間を川内1、2号機では約90分と推定。だが作業員の人員態勢などを基に49分後には注水を再開し、キャビティーには水位約1・3メートルの水をプールのように貯水でき、落下溶融物を十分に冷やせるとした。さらに、注水作業が計画より10分遅れ、事故発生から59分後に始めても、水位約1メートルの貯水が確保できることをコンピューター解析で確認したとしている。滝谷氏は、東京電力福島第1原発事故直後の大混乱を念頭に、この作業遅れを10分までしか想定していない点を疑問視する。規制委は昨夏、注水再開が35分遅れた場合の過酷事故の進行モデルを公表している。これに基づき滝谷氏が試算したところ、35分遅れでは川内原発の貯水水位はわずか20センチ、玄海3、4号機では、注水前に溶融物が落下することになり、冷却が難しくなる。ところが規制委は、過酷事故対策で作業の10分遅れまでしか想定していない川内原発について、新基準を満たすとした「審査書」を決定した。12日に審査書を決定した関西電力高浜原発の過酷事故対策も、川内原発とほぼ同じだ。滝谷氏は「35分遅れる想定だと、事故を食い止められない解析結果となるのを恐れ、あえて計算、審査しなかった疑いがある。福島の事故を考えると、さらに作業が遅れることもあり、規制基準を満たしているとは言えない」と批判。原子力規制庁も「10分以上作業や判断が遅れれば、この対策が機能しなくなる恐れが出てくる」と認めている。 ▼「審査水準十分ではない」原子力規制委 過酷事故対策に対し、原子力規制委員会の審査レベルが十分ではないことは規制委自体も認めている。過酷事故である炉心溶融が発生すれば、原子炉から溶融物が漏れ出し、格納容器下部のコンクリートと反応し、水素や一酸化炭素などが発生、格納容器の爆発につながる恐れも指摘されている。規制委の更田豊志委員長代理は昨年9月末の記者会見で、九州電力川内原発1、2号機の対策評価についてコメントする中で、次のように述べた。「(コンピューター)解析コードの成熟度がMCCI(溶融炉心・コンクリート反応)を取り扱うようなレベルに達しているという判断にはありません」。ところが更田氏は同じ会見で「事業者の解析結果が妥当であることを審査の中で確認しています」とも述べた。これに対し旧原子力安全委員会事務局の技術参与だった滝谷紘一氏は「更田氏の見解は論理的に筋が通っていない。本当のところは、MCCIについて審査を行えるレベルに、規制委自体が達していないということだ」と指摘する。東京大の井野博満名誉教授(金属材料学)も「炉心溶融が起きるような過酷事故は、MCCIや水素、水蒸気爆発などのきわめて複雑な事象が起きる。川内原発などの対策が十分とは言えない」と問題視する。MCCIを防ぐ方法として、海外ではプールのように圧力容器下に水をためる方法ではなく、「コアキャッチャー」と呼ばれる溶融物を受け止める設備が、新設炉で広がり始めている。ただ、規制委は「コアキャッチャーを設置するには発電所を全部解体して組み直さなければならず、新設のようなもの。既設炉を想定した新規制基準が求めるものではない」などと説明している。 *2-4:http://www.47news.jp/47topics/e/257032.php (47ニュース:共同通信2014/9/17)【原発の発電コスト】原発の電力、風力より高い 太陽光とも同レベル 米企業系調査機関が試算 原発の発電コストは世界的には1キロワット時当たり平均14セント(約15円)で太陽光発電とほぼ同レベル、陸上風力発電や高効率天然ガス発電の8・2セントに比べてかなり高いとの試算を、エネルギー問題の調査機関として実績のある米国企業系「ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス」(BNEF)が16日までにまとめた。東京電力福島第1原発事故後の安全規制強化もあって建設費や維持管理にかかる人件費などが世界的に高騰していることが主な理由。再生可能エネルギーのコストの低下が続く中、原子力の優位性が薄れていることを印象付ける結果となった。2004年の日本政府による試算では、原発発電コストは1キロワット時当たり5・9円だった。BNEFは、原子力やバイオマス、地熱、水力など23の発電手法について、14年上期時点の世界各国の設備費、燃料費、資金調達に必要な債務費などを調べ、施設の耐用年数などでならしたコストを算出した。炉心溶融などの深刻な事故を防ぐための対策強化が求められるようになった結果、原発の発電コストは近年上昇しており、設備利用率を92%と高く見積もっても1キロワット時当たり14セントとなった。地熱(同6・5セント)、小水力発電(同7・7セント)、陸上風力(同8・2セント)などの再生可能エネルギーに比べてかなり割高だった。石炭火力は9・1セント、天然ガス火力は8・2セントだった。原発コストには、放射性廃棄物処分のために電力会社が積み立てている費用を含むが、廃炉費用は含んでいない。太陽光発電は近年、発電コストが下がって14・9セントとなっている。日本では、海外に比べ高価な国内製機器が使われることから32・9セントと高いが、BNEFは「安価な輸入品機器の利用拡大で、コストは低下傾向にある」としている。風力発電も日本は機器コストが高く、稼働率が欧米に比べて低いため、19セントと割高だった。BNEFは、米国大手情報サービス企業「ブルームバーグ」の傘下。原発の発電コスト:日本の原発の発電コストは2004年の政府の審議会の試算で1キロワット時当たり5・3円とされ、他の電源に比べて有利だとされてきた。だが、東京電力福島第1原発事故後に政府の「コスト等検証委員会」で見直しが行われ、事故対策費などを含めると最低でも同8・9円と試算された。今回のブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの分析は、同委員会の試算手法とは異なり、事故対策費用などは含んでいない。 <欧州の脱原発と日本の脱原発首長会議> *3-1:http://www.saga-s.co.jp/column/genkai_pluthermal/20202/185228 (佐賀新聞 2015年5月11日) =欧州と原発=(4) 脱原発(下)市場原理で「自然死」へ ■安全対策コスト競争不利 福島第1原発事故後、ドイツが脱原発を急激に進める一方、発電量の4割を原子力に頼る原発大国スウェーデンは、別の手法で脱原発の実現を指向している。「ドイツのように期限を切って原発廃止を求めることはない。イギリスやフィンランドで原発新設の話はあるが、政府補助や価格保証がないとやっていけない。スウェーデンは原発業界に何も補助しないことを決めた」。イブラヒム・バイラン・エネルギー担当相は、廃炉を強制しない代わりに、政府から財政支援は一切しないと強調する。 〈コストに合わず〉 1979年の米スリーマイル島原発事故を受け、スウェーデンは80年の国民投票で2010年までに全12基の廃止を決めた。しかし、経済状況などで廃止は2基にとどまる。廃止期限とした10年には、現10基を廃炉にして敷地内で建て替える「リプレース」を認めるよう法改正した。一見、脱原発の撤回にも映るが、バイラン氏は「福島事故後の安全対策強化を含め、原発の建設費は高い。その一方で電力価格は安くなっており、建設コストに合わない。今の状況で新たに原発を造る事業者はいない」と指摘する。政府が政策誘導するのではなく、自由化された電力市場の中で競争力のない原発は淘汰され、いわば「自然死」するとの見方を示す。緩やかな脱原発だが、その代替電源の検討はこれから。現在の電源構成は水力45%、原子力40%の二つが基幹電源で、残りは風力と火力(石油・ガス)だ。現政権は再生可能エネルギー100%を目指しており、エネルギーミックスの議論を各政党と重ねている。バイラン氏は言う。「一番大きな可能性があるのはバイオマス。風力も海洋を含めて伸びており、水力もまだ開発できる」。期限のない脱原発だからこそ、逆に再生エネ普及にも一定の余裕を持って取り組めるとの認識も示した。 〈日本は「回帰」〉 スウェーデンが描く自然消滅のシナリオは、日本の原発政策の将来像と重なるように見える。経産省は4月、30年時点の電源構成の政府案を公表した。焦点の原発比率は「20~22%」。東日本大震災が起きた10年度の28・6%よりは減らしたが、20%台を維持し、「原発回帰」を鮮明にした。ただ、20%台という比率は、既存原発の40年以上の運転延長や新増設がないと達成できない数字だ。原発の新規制基準で定める「原則40年廃炉」を厳格に適用すれば、新増設がない限り30年の20%台はおろか、40年には原発ゼロになる。福島第1原発事故以降、国民の原発に対する見方は依然として厳しい。共同通信の4月末の全国世論調査では、再稼働に58・4%が反対し、賛成は31・6%だった。とてもリプレースを含む新増設を議論できる状況にはない。それでも、電力業界は将来的な検討に期待を寄せる。玄海原発(東松浦郡玄海町)1号機の廃炉を決定した九電の瓜生道明社長は、玄海でのリプレースに関し「当然、将来的には検討課題になる。玄海の地質、自然環境を踏まえると、いい地点だ」と明言する。原発を重要なベースロード電源と位置付ける政府や電力業界と、世論との意識の乖離(かいり)は大きく、日本の原発政策の行方は不透明な状況が続いている。 *3-2:http://qbiz.jp/article/61799/1/ (西日本新聞 2015年5月11日) 「原発20〜22%」首長ら反対決議 「脱原発会議」総会 38都道府県の市区町村長や経験者108人でつくる「脱原発をめざす首長会議」は10日、兵庫県宝塚市で第4回年次総会を開き、2030年の電源構成比率で原発を20〜22%とする政府案に反対する緊急決議を採択した。同内容の申し入れ書を今月中にも安倍晋三首相らに提出する。緊急決議では、政府案が自民党の政権公約と食い違っていることや、原則40年の運転期間を超えた稼働を前提としていることを批判した。総会には日本原子力発電東海第2原発がある茨城県東海村の村上達也前村長ら14人が参加。15年度の活動方針として「『脱原発が日本経済をより確かなものにする』という現実的なシナリオを提示する」との方針を確認したほか、立地自治体の原発依存を変えるための具体策を示すフォーラムを開くことも検討すると決めた。総会前には、元経済産業省官僚の古賀茂明氏が講演。「原発をやめた方が成長できる」と主張した。首長会議には、熊本以外の九州6県の市町村長8人が加わっている。 <再エネの発展> *4-1:http://mainichi.jp/select/news/20150509k0000m040155000c.html (毎日新聞 2015年5月9日) 中国再生エネ:2050年86%可能 政府機関報告 中国政府の研究機関が、中国の総発電量に占める再生可能エネルギーの割合を2030年に53%、50年に86%まで拡大可能とする報告書をまとめたことが8日、分かった。中国は世界の温室効果ガス排出量の4分の1を占める最大排出国だが、再生エネの最大限の導入によって25年までに減少に転じることが可能と分析している。中国の20年以降の温室効果ガス削減目標案にどこまで反映されるかが注目される。中国の経済政策を担う国家発展改革委員会傘下のエネルギー研究所がまとめた。米エネルギー省も分析に参加している。報告書によると、11年の総発電量は二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力発電が75%を占める。今後、建物への太陽光発電パネルの設置▽地方から都市部への送電網整備▽炭素税の導入−−などによって、風力発電を50年までに11年比で55.1倍、太陽光発電を862倍に増やすことが可能と試算した。さらに原発を7.3倍に増やせば、石炭火力は50年までに3分の1以下に抑えられるとしている。また、再生エネの拡大は経済成長にも好影響を及ぼし、再生エネ関連産業が国内総生産(GDP)に占める割合は10年の0.9%から50年には6.2%に増加、1200万人の雇用創出効果があると見込んだ。11〜12月にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に向け、各国は20年以降の削減目標を国連に提出することになっている。中国は6月末までに提出する意向で、習近平国家主席は昨年11月の米中首脳会談で、20年ごろまでに非化石燃料の割合を約20%にする方針を示していた。日本は削減目標の前提となる30年の電源構成で、再生エネの割合を22〜24%としている。 *4-2:http://www.saga-s.co.jp/column/genkai_pluthermal/20202/186053 (佐賀新聞 2015年5月13日) =欧州と原発=(6) 再生エネルギー ■アイスランドほぼ100% 地熱利用の観光施設も 九州の2・5倍ほどの面積に約32万人が暮らすアイスランド。領土の一部が北極圏に入る北大西洋上の島国だが、島内には原発も火力発電所もない。必要な電力のうち約3割を地熱、約7割を水力で賄う「再生可能エネルギー大国」だ。 ■自動車だけ例外 ユーラシアプレートと太平洋プレートの境界上に位置する火山国で、豊富な地熱資源を有す。国内には7カ所の地熱発電所があり、2013年時点で総出力容量は66万7千キロワットに上る。もともと地熱は発電ではなく、学校や家庭の暖房などに使う「熱源」としての直接利用が主だった。発電を含めた地熱の本格利用に取り組み始めたのは1970年に入ってからだ。アルナドッティル産業商業相は「石油ショックがきっかけとなって、原油の輸入を減らしていくことが必要だった」と、政府主導で政策転換した経緯を説明する。現在、地熱エネルギーは、暖房43%、発電40%のほか、野菜の温室栽培や魚の養殖、プールなど用途が広がっている。70年には地熱4割、石油5割だった暖房用の熱源は、いま地熱9割、地熱発電1割と全てを再生エネで供給する。再生エネで賄えていないのは、自動車の燃料ぐらいだ。首都レイキャビックの西約30キロに位置するヘットリーズヘイジ地熱発電所は、国内最大の出力30万キロワットを誇る。施設を説明した担当者は「ここは2千メートルほど掘れば熱湯が出る地域」と言い、その蒸気で発電する一方、市街地まで張られたパイプを通して暖房用の熱湯を送っているという。ただ、地下水枯渇を懸念し「使い終わった水はパイプを通して地中に戻すことが非常に重要」と指摘する。地熱発電の副産物として世界の注目を集める施設がある。発電所から出る温水がたまってできた巨大な露天温泉「ブルーラグーン」。いまや年間70万人が訪れる国内最大の観光施設だ。白濁したお湯はシリカを含有し美肌効果もある。化粧品の研究開発や皮膚病の治療施設も併設し、地熱を使った複合的な産業振興につながっている。 ■「日本でも可能」 安定的なエネルギーとして期待される地熱。火山列島でもある日本は、実は2350万キロワットを超える世界第3位の地熱資源国だ。しかし、実際の発電容量は全国17発電所の54万キロワット、潜在量の3%以下で、大型原発1基の半分程度。国内の総発電量に占める割合は0・3%にすぎない。地熱発電が伸びない背景には、適地の多くが国立公園や国定公園など開発が難しい地域にあるほか、開発時間の長さ、温泉の枯渇を心配する地元観光関係者の反発などがある。一方で、季節や天候に左右されず、安定的に一定量を発電する「ベースロード電源」としての魅力も大きく、政府は規制を緩和し、開発を後押しする。それでも4月に示した30年の電源構成で地熱の比率は1%程度。とてもベースロードとは呼べない目標にとどまっている。日本もアイスランドのような地熱開発はできるのか。アルナドッティル産業商業相は「地熱と自然保護が合致しないと考えている人が多いのではないか。発電所は自然と両立できるし、ブルーラグーンのように観光とも一体化できる。日本でもできるはずだ」と有望視する。地熱開発に限らず、太陽光や風力といった再生エネ拡大に向けた日本の取り組み全般に対する助言にも聞こえる。 *4-3:http://qbiz.jp/article/61893/1/ (西日本新聞 2015年5月12日) 洋上風力で水素製造 五島沖で世界初の実証開始 環境省は長崎県五島市の椛島沖で浮体式洋上風力発電の余剰電力を使って水素を製造する世界初の実証試験を始めた。液体水素にして二酸化炭素(CO2)を全く出さない再生可能エネルギーの燃料電池に活用する構想で、2040年代の本格的実用化を目指す。試験中の風力発電機は高さ172メートル、羽根の直径80メートルで、海底に固定せず浮いた状態で設置されている。最大出力は2千キロワット。電気は約1キロ離れた椛島へ海底ケーブルで送り、九州電力の送電網で一般家庭に供給している。椛島沖では13年10月から発電試験を重ね、今年4月から水素作りを開始した。水素は、余った電力で水を電気分解して取り出し、液体にして貯蔵する。環境省によると、陸上の風力発電で水素を製造する事例はドイツにあるが、浮体式洋上風力発電では前例がないという。長期貯蔵と運搬ができるので、将来は他の離島で乗用車や小型船の動力源として利用を見込む。同省は「実用化できれば、余剰電力の再利用になり、離島の再生可能エネルギーの新たなモデルになる」と期待する。風力発電は陸上よりも洋上の方が強い風が得られ、発電の安定性が高いといわれる。環境省は20年に洋上風力発電を100万キロワット以上に増やす目標を立て、特に離島の地産地消型エネルギーとして活用する考えだ。椛島沖の実証試験には戸田建設や九州大などが参画。15年度が最後の年で、事業化に向けた課題を検証する。 PS(2015年5月14日追加): *5のように、原発は割に合わないとアレバが証明しつつある中、これ以上、国が原発建設を補助するのは無駄遣いだ。また、高齢者福祉を無駄遣いとして削減し、原発、環境を害する埋め立てや堤防建設、高すぎるオスプレイに支出するのは、国民生活を無視している。 *5:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015051402000184.html (東京新聞社説 2015年5月14日) 仏アレバ危機 原発は割に合わない 世界最大の原子力企業体が苦境に立たされた。巨額の赤字を抱えた仏アレバ社の経営危機は深刻で、再建策として政府とのさらなる連携も模索する。もはや原発は一企業の手に負えるものではない。アレバ社は、世界各地で原発の建設などを手掛けてきた。青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設もアレバの技術に依存するなど、国際的にも強い影響力を持つ。従業員四万五千人。株式のほとんどを仏政府が所有する国営企業といっていい。アレバを窮地に追い込んだのは、フランスとフィンランドで建設中の新型原発だ。欧州加圧水型(EPR)というその原子炉は、一九七九年の米スリーマイル島原発事故を教訓にした安全性が売り物だった。事故で炉心溶融(メルトダウン)を起こしても、「コアキャッチャー」と呼ばれる巨大な皿が溶けた核燃料を受け止める。貯水タンクの水が自動的に流れ込み、冷やす仕組みになっている。二〇〇一年、9・11米中枢同時テロが発生すると、大型旅客機の衝突に備えて、強化コンクリートの分厚い壁で原子炉を取り囲む必要に迫られた。安全を追求すればするほど経費はかさみ、工期は延びる。フィンランドで〇五年に着工したオルキルオト原発3号機は、〇九年に完成するはずだった。ところが、資材調達の遅れや設計の不具合といったトラブルが続いて工期延長が相次ぎ、建設費の見積もりは当初の三倍に膨れ上がって、一兆円を突破した。仏西部のフラマンビル原発3号機も同様で、建設費は当初の二倍になる見込みという。そして福島の事故を経て、原発の安全に対する要求は一段と高まった。欧州で建設中の原発は、オルキルオトとフラマンビルの二基だけだ。シェールガスへの転換が進む米国でも、スリーマイルの事故以来、原発の新増設はない。日本政府は、三〇年の原発比率を20~22%にしたいという。四十年寿命の決まりを守っていれば、建て替え、新増設なしには達成できない数字である。そのために、どれだけ費用がかかるのか。電力事業が自由化されても採算が取れるのか。英国のように国費をつぎ込むのだろうか。フクシマが時代を変えた。原発は、もはや割に合わないと、斜陽のアレバが証明しつつあるではないか。 PS(2015年5月15日追加): *6のように、台湾が都道府県別の産地証明書を義務付けるのは科学的でないなどと批判しているメディアもあるが、私はこの規制は妥当だと考える。何故なら、私も食品を購入する時には漁獲海域や製造地域をチェックしており、漁獲海域や都道府県別の産地(加工食品の場合は原料の産地)を明確に表示して欲しいと思っていたからだ。これを“風評被害”などと言う人もいるが、放射性物質の汚染が不明なものは買わず、自分と家族の健康や安全を守る権利は当然ある。 *6:http://qbiz.jp/article/62257/1/ (西日本新聞 2015年5月15日) 対応に戸惑う九州の企業 台湾が日本食品の輸入規制強化 台湾当局が、日本から輸入する食品に都道府県別の産地証明書を義務付けるなど規制を強化した15日、九州の企業からは対応に戸惑う声などが聞かれた。農産物輸出を手掛ける福岡農産物通商(福岡市)は今年から、台湾にヨーグルトの輸出を始めた。「農産物は以前から検疫のため産地証明が必要だったが、加工食品は要らなかった。どんな証明書が必要なのか、台湾の業者に確認したい」と気をもむ。「輸出手続きが煩雑になるだろうが、対応したい」と話すのは、台湾でも味付け油揚げの販売が好調なオーケー食品工業(福岡県朝倉市)。昨年から台湾での棒ラーメン販売が増えているマルタイ(福岡市)は「すでに産地証明を付けて取引しているので影響はない」とみている。福岡商工会議所には、地場企業からの問い合わせが相次いだ。担当者は「必要書類の様式などが判明するまでは、動向を見守るしかない」と話した。 PS(2015年5月16日追加):*7のように、IAEAが福島事故に関する最終報告書の要約版を加盟国に配布し、原発は安全との思い込みが主因と指摘したそうだ。そのため、日本政府が日本国民に対し、自らの都合の悪い点を非公開にし、まだ「安全」という思い込みを続けさせていくのはやめさせるべきである。 *7:http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/science/science/1-0134065.html (北海道新聞 2015.5.15) 福島事故、IAEAが最終報告書 安全思い込み主因、対策に不足 【ウィーン共同】国際原子力機関(IAEA)は14日、東京電力福島第1原発事故を総括する最終報告書の要約版をまとめ、同日、加盟国に配布したと発表した。報告書は非公開。発表によると、天野之弥事務局長は報告書で、原発は安全との思い込みが東電をはじめ日本に広がっており、事故の主因になったと指摘、「政府の規制機関も疑わなかった」と批判した。IAEAによると、要約版は約240ページで事故原因の分析や、東電と日本の規制当局などの対応への評価などが盛り込まれ、6月のIAEA定例理事会で議論する。9月の年次総会には詳細な報告書を提出。
| 資源・エネルギー::2015.5~2016.12 | 03:21 PM | comments (x) | trackback (x) |
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